そして修学旅行3日目。
ついに恐れていた事態が発生する。
「橘
朝の支度中に、部屋の中央で仁王立ちして叫ぶ。
2日ほど気絶するように寝ていたため、体力が完全回復したようだ。
「さて
「そういえば先ほど、変な話を聞きまして」
「変な話?」
「はい、何でも10数年前にこの近くで
「テング? さすが京都だな」
「テングって、日本の妖怪だっけ? 赤い顔で鼻の長い」
「そうね、山伏の格好で一本歯の下駄と
由来も含めていろいろな姿の
今回の
「それがですね、木刀を持って天使を従えたプロレスラーのような
「……テング?」
「それのドコに
「……………………うふふ」
「どうやらリゾート開発を強引に進めようとしていたヤクザを
「…………ヤクザが関係しているなら一条さんの伝手で、真偽を確かめられませんか?」
「
「──────って、人ん話ば聞いてくれんね!!?」
本田も含めて
まあ彼らからしてみれば、
「……で、橘。何の話だ」
周囲から押し付けられたのと、どうせ橘は他の人の話は聞かないだろうという諦めから、
「はい、本日の市内散策ですが、
「却下だ。今日は班行動だ」
ようやく
思ったよりも強い口調に少し
「なんと言いますか、
理論武装して、再度
「ですから、今日は皆さんそれぞれ自由行動に」
「ダメだ。オレは皆と食い倒れツアーに行くんだ」
班行動、というか仲の良いメンバーでの観光というものに
その意味では
「あれ? 食い倒れは大阪で、京都は着倒れじゃなかった?」
「
「……おかしいわね、いつの間にか飲食系のお店ばかり並んでるわ」
「8割方は宮本様とお嬢のリクエストなんですが」
「え?! わ、私はそんな!?」
「有名な観光スポットも併設されていますので、そちらも楽しめますよ」
併設しているのは逆である。
まあそれはそれとして、その後も手を変え品を変え
なので
畳の上で正座をし、深々と頭を下げる。
そして、自分の中では譲歩に譲歩を重ねた提案を行う。
「どうか、どうか一ヶ所だけでも、行先に縁結びの神社を加えて……」
「それなら良いぞ」
拍子抜けするほどあっさりと通った。
別にこれは
これは事前に他のメンバーとも話し合っており、もし万が一、奇跡的にも班行動として要望を出してきたら受け入れることになっていたのだ。
つまりは班決めのときであれば「ココに行きたい」「いいよー」で済んでいた話なのである。それなのに自由行動の時間をすべて自分のために使おうと欲張った結果が、今回の大惨事を招いたのだ。
というわけで、縁結びの神社が本日の行先に追加されたのだが。
「
あまりにもな名前に、
まさに橘のことじゃねーか、とまでは
「縁結び、だよね?」
「厄除けじゃないの?」
「確かに
「失礼な! 恋愛成就率、奇跡の9割越えの
寺なのか神社なのか、神仏習合っぷりもイイ感じである。
「場所は……マイちゃん様、ちょっとルートから外れるみたいです」
神社の縁結びパワーに興味を持つ輪から外れ、
例えば
「んー、一番近いのは昼過ぎに行く予定のとこか……」
「それまで
問題は
道中を一緒になって楽しむのであれば良いのだが、一切の興味を持たずに後ろをついてくるとか、早く行きましょうと急かされるとかだと、
もちろん体力が心配なのも少しはあるのだが。
「橘さんにも、修学旅行を楽しんでもらいたいんだけど……」
まあ無理であろう。
彼女は修学旅行になど興味は無く、自分と
ならば最初に済ませてしまおう。
そうしたら満足した