楽しい修学旅行も終わりを迎える。
3泊4日があっという間に過ぎ去ってしまった。
帰りの新幹線でも予定通り大量の駅弁を買い込み、土産物と一緒に帰路につく。
ちなみにポーラを預かってくれている小野寺家へのお土産として、漬物とお茶をセットで購入している。和菓子屋にお菓子系を持って行くわけにはいかないので、ちょっと渋めのチョイスになっている。
まあ
「一条は木刀を買わなくてよかったの?」
「ウチにいくらでもあるからいらねーよ」
土産物としてではなく実用品として所有している彼は、無難に和菓子系でまとめている。配る人数が多いため、個包装で分けやすいものが中心である。
「それにしても、今って何月なんだろうね」
「え? 突然どうしたの
「原作だとこの後は『週末に転校』騒ぎで、直後にクリスマスイブなのよね」
「でもこの修学旅行の初日、台風が上陸してましたよね?」
「いくら季節外れと言っても、12月半ばに台風ですともっと騒ぎになるような気がしますが」
この作品では何故か、台風の進路・速度が急に変化するのだ。事前の備えとかがまったく意味をなさない厄介な災害である。
そんなちょっとした謎が残ったが、楽しい修学旅行であった。
「家に帰るまでが修学旅行ですよ~」
地元の
今日くらいは家族と一緒にゆっくり過ごすと言って
そして翌日にはいつも通り
「お~、これがウワサのアリンコサンド」
「美味しそう」
その代わりお土産として売っているものは大量に仕入れてきているのだが。
「出張帰りのお父さんと娘たち?」
「2人ともカワイイね」
「ここ数日会えなかったから、淋しかったんでしょうね」
「あ、これが映画村のヤツですか?」
映画村では他に1人ずつの写真や、制服に戻っているがアトラクションを楽しむ姿なんかを撮影している。
「……
「そうなのよ、残念なことに」
「ねー、つぐみちゃんも一緒にって誘ったんだけど」
「私にはそういうカワイイ系は似合いませんから」
ポーラの疑問に乗る形で、るりと
ここで強引に迫ると泣いちゃうので手加減しているが、
(……ねえ、マイちゃん様)
(
(それ本人に言っちゃダメだからね。気付かなければ、またカワイイ格好してくれるんだから)
本人はカワイイものが似合わないというが、何を着てもカワイイ感じになってしまうのが
彼女の方向性的にはカッコイイとなるはずなのだが、何故なのだろうか。
ちゃぶ台に山積みになった土産物を摘まみながら、一通りの写真を見終わる。
「それにしても岬先輩、今回はいつにも増してネタが古くないですか?」
「歴史ある京都に敬意を表して……」
「それだと
小野寺姉妹からのツッコミが入る。
「投稿当時の流行を取り入れていた方が、人気が出るのよね」
「まあその場合は毎日投稿するぐらいの更新頻度も必要になりますが」
るりと
その反対に古いネタというのは、読者層にマッチしない限りはマイナスになる事が多い。当たり前の話だが、知らない物は笑えない・楽しめないからだ。極稀に、そこから元ネタに興味を持ってもらえる場合もあるのだが。
「………………」
ポーラはお菓子を食べるのに忙しいようだ。
「古いネタばかりだと、人気が落ちますよ?」
「その点は大丈夫。落ちるどころか、そもそも読まれてすらいないから」
アクセス数が現実を突きつける。何の心配もいらないのだ。
「え? ……これ、原作は『ニセコイ』ですよ? 天下の週刊少年ジャンプで長期連載するくらい人気のあった」
「コミックスの累計発行部数が1200万部を超えて、アニメ化もゲーム化も、実写映画化もされてるね」
原作は本当に人気作なのである。
週刊少年ジャンプのラブコメ枠の中では連載期間と巻数が歴代1位となったほどに人気があるのだ。
「それだけ潜在的な読者の居る二次創作なら……」
「それだけ潜在的な読者の居る二次創作でも、ダメだったんだよ」
現実は非常である。
「……『ニセコイ』の二次創作として見られてないとか?」
お菓子を飲み込んだタイミングで、ポーラが
「オリキャラ乱舞でオリジナルエピソード、とかにはなっていないから、そこは大丈夫なはずよ」
「いわゆる『原作沿い』ってヤツですからね」
るりの言う、むしろ開き直った路線のほうが読まれていたかもしれないが、如何せんオリジナリティが出せるほどの引き出しが無いのだ。
「じゃあ、原作の人気があった部分を台無しにしてるとか?」
なんせ清純派代表のような彼女が、ちょっと他所には出せない子になっているのだから。
「ふむ……、ちょっと検証してみようか」
そう言って
「原作ではこの時期、3周年記念としてエピソード投票ってのをやっててね」
「なるほど、原作で人気のあった話をしっかり押さえているか、という事ですね?」
「……なんかもう、オチが読めたんだけど」
「だ、だいじょうぶだよきっと……」
いやまさか、こんな事になるとは……
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1位
原作:第97話 オネガイ (単行本11巻)
彼女に対して『婚約者である
途中
仕舞いには
ちなみにこの作品において、明確なキスシーンが描かれているのは
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「へー、こんな話があったんだ」
「橘先輩って、人気があるんですね」
対して2年生組は……
「え、これは……」
「まさかこの話が1位だなんて」
「どうしましょう、最初から雲行きが怪しいですよ」
表情が引きつっている。
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本当にせこい:第9話 ナンノヒ
るり「笑うたこと許せ」
ツグミ「合掌ばい!」
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「…………え?」
「…………え?」
地元の遊園地で
現場を見ていなかった1年生組には理解できない流れである。
「マイちゃん……」
「巻末まで読んでなかったから、プロット作った時点ではこのランキングなんて知らなかったんだよ」
「というかこれ、この後の展開にも影響が出るんじゃない?」
「割と重要なキャラなのに、接点が無くなってますからねえ」
本当にどうしたものか。
その場の勢いに任せてこんな話にしてしまったが、大丈夫なのだろうか。
「……これ、総数5879票のうち1204票、だいたい20%を獲得した人気エピソードですよ?」
とは言え、企画に投票するほどの原作ファンから人気のあるエピソードに対してこの仕打ちである。
距離を置かれるのも納得である。