「めでたしめでたし、ってね」
「オイちょっと待て」
せっかくキレイにまとめたのに、
「……じゃあこの宴会は」
「垂れ幕の通り、
最初から、
「この人たちは……」
「関連企業のお偉いさんたち、普段の
通称『
ちなみに会員数は第三回人気投票時点で186名である。
「式場での動きは、事前に打ち合わせしてありました」
「……やけにあっさり退くと思ったら、仕込みだったのかよ」
ちなみに警備の人が腰を抜かしたのは素だったりするのだが。
「つーか、事前にオレたちにも言ってくれれば……」
「前に言ったでしょ? 『全員まとめていきなり巻き込む形で参加させてしまおう』って」
「何のことだか分かんないけど、楽しかったからOKです!」
「私も久しぶりにヘリを操縦できて楽しかったわ。それにご飯も美味しいし」
そのときにいなかった1年生組も巻き込んだが、コチラも問題は無かったようだ。
「みんな、本当にありがとう。おかげで最良の結果が得られた」
おそらく
しかしそこに大人たちが参加することで、橘家自体を救う道ができた。
そしてさらに
「……なんだか素直に受け取れん」
「あら
「うっさいぞ
もし事前に彼女も助ける対象だと知っていれば、もっと上手くやれたのにという思いがある。
「いや一条も
「おい」
「お姉ちゃんヒドい」
演技ができないというよりも、下手に演技をさせるよりも勢いで行動させたほうが良い、という感じである。
ただし細部でのフォローは必要になる。
でないと
「橘さんから見れば、
では今回の
……決して、対象が
「それを考えると、一条の態度はそこまで気にするものでもないと思うけど」
「……うーん、なら良いんだが」
「
「一条君、無理しなくて良いのよ?」
「おい待て、ローストビーフと伊勢エビを持って行こうとするんじゃない」
せっかくの小野寺
ということで気を取り直し、箸を片手にいざ出陣。
「っ!? これ
「今回は食材が凄いんだよ。マイちゃんもだけど、社長さんたちが予算を奮発しすぎたせいで、どれもザ・高級食材って感じで」
「それをしっかり調理できるお姉ちゃんも凄いんだけど……」
食材も調味料も飲み物も、すべてが一級品である。
金額についてもそうだが、これらを即日で用意できる伝手があるというのが驚きである。
そしてそんな高級食材たちを、同じランクの物を食べなれている
「……なるほど。食材が良ければ、もっと
「
もくもくと食べていたポーラが反応する。
普段の食事も
それが今回は農業、漁業が盛んな九州各地から集めた、選りすぐりの食材たちなのだ。
今までにない
そして普段は食べない食材も縁起物として並んでおり、これがまた
「……でもなんで、筑前煮があるんだ? 福岡だからか?」
「え?」
豪華絢爛な料理に紛れて、地味な煮物が1つ。
ちなみに一般的な鶏肉入りの他に、スッポン入りや骨付き鶏肉入りも用意されている。
「縁起物だからって言われて作ったんだけど」
「まあ、お
味が染みていて
豪華な料理もいいが、こういう家庭的な煮物もまた格別である。
こう思わず、結婚後の幸せな食卓を想像してしまうような……
「たしか、『ラブ・ストーリーは筑前煮』って」
「おい誰だ、小野寺に変な事を教えたヤツは!」
3名ほどが視線を逸らす。
まあ出席者の年齢層が高めなので、こういう料理も喜ばれるだろう。
「……どれが母ちゃん?」
「ポーラさん、それレンコンだよ。竹の子じゃないよ?」
ちびっ子たちが不穏なやり取りをしているが、気にしてはいけない。
そんないつもの学校での昼食と似たような盛り上がりを見せる一行に、忍び寄る怪しい影。
「
そう、今回の主役だったはずの橘
ウェディングドレスから着替えるために、席を外していたのだ。
「どうですか
そう言ってその場でクルリと身をひるがえす
オレンジのドレスに身を包んだ彼女は可愛いのだが……
「マイちゃん様、たしかお色直しって……」
「相手の色に染まるよって意味の白から変化することで、もう染まったよって意味になるね」
「
「ち、違います、そうじゃないんですっ!?!!」
いつもの自爆芸を披露した彼女も加えて、食事会の続行である。
ちなみに席は
……決して、最後だから餞別にというわけではない。
まあそれはともかくとして。
「……皆さん、今日は本当にありがとうございました」
席に着く前に、
「珍しいわね。
「原作では一条様以外にお礼を言ってませんからね。読み返してびっくりでした」
「そこ、いくらなんでも
ちなみに原作では見送りに来たことへのお礼は言っているが、直前の騒動には触れていなかったりする。
「あ、橘さん。念のため言っておくけど、俺たちも愛してるからとかそんなのは無いよ」
「それはもういーですからっ!?」
これでこの場に居る全員にフラれたことになる。
「こんなに
「ぐぬぬ」
扱いに納得のいかない
本田に促され、しぶしぶと腰を下ろす。
そして不満をぶつけるように、目の前にあった料理を
食べなきゃやってられないのだ。昨日からロクに食べていないので、お腹が空いていたというのもあるし。
「っ!? え、何これ
料理が得意な2人だけに、よりレベルの高さに驚くのだろう。
ただし、
彼女の料理の腕もその道のプロに引けを取らないレベルなのだが、なぜか彼へのアピールに繋がらないのだ。
さらに不満をぶつけるように料理を口に運ぶ。
「……ねえ、マイちゃん」
「ん?」
そんな彼女のストレスの元凶となっている
何事かと周囲が驚くが、そのままの姿勢で動かない。
「……ねえマイちゃん。まだ何か隠しているでしょ」
「………………」
しっかりと抱き締めながらも、
例えるならそう、こっそり京都で買った高級天然砥石がバレたときのようなプレッシャーを放っている。
「ねえマイちゃん。どうして鼓動が早くなったの?」
「それはね、
実際、
「ねえマイちゃん。どうして目が泳いでるの?」
「それはね、
実際、
「ねえマイちゃん。どうして」
「それはね、
再び生き返らぬよう、そなたの
まあそんな分かりやすい反応を返しているのは、彼女とじゃれ合うためでしかなくて。
彼は肉体の反射や生理的な反応を消すくらいはできるのだ。
「で、実際のところどうなんだ?」
「……まあ
しかし後から知ってしまうとそれはそれで問題になるものだし。
なのでむしろ、全員が
まさか気付かれるとは思ってもみなかったが、
…………内緒で買った高級土鍋、念のため隠し場所を変えておこう。
「まずは食事を済ませよっか。結構、後味の悪い話になるから」
「なんかもうそのセリフだけで食欲が……」
繊細なのは
そのうえ席に着いたばかりの