昼になると歌うのを止めて、食事の時間である。
一度外に食べに行くことも考えたが、せっかくだからとそのままカラオケ店で食事を取ることにする。競争が激しいのか、カラオケ店でも本格的な料理を出しているところが増えてきているのだ。
人数の割には多すぎる料理を平らげ、食後のデザートをこれまた大量に並べる。
「それで、あなたは何を悩んでいるのかしら。おばさんが相談に乗るわよ」
「気持ちは嬉しいんですが……」
世の中にはいつまでもオネエサンと呼ばせる剛の者も居るが、中学生のような見た目でオバサンと自称するのもどうかと思われる。
抹茶プリン片手にそんなことを考えつつも、
今日は彼の抱える悩みについて打ち明けようとしていたのだが、よくよく考えたら
そんな彼の葛藤に対して、
「私にも関係あることなんでしょ? それともコチラを見ていたのは、おばさんに気があるから?」
「……
「ち、違う!? いや、半分は合ってるけど、そういう意味じゃない!!」
この間とキャラが違うじゃないかと思ったところで、またしても気付く。
「……おい岬、さっき耳打ちしてたのって」
「バレたか」
はじめてのおつかいを達成した
「ほら、場を
「ぜってーウソだろ。しかも
隙あらばネタを仕込む。ただそれだけである。
そんな良い感じに緊張が
決心がついた
「もうすぐ高3、そして大学受験だ。
……大学生になったら、オレたちの関係ってどうなるのかなって」
前回の事件の中で発覚した両親たちの行いは衝撃的であったが。
もしかしたら自分たちも別の大学に入ったりして離れてしまうと、疎遠になるのではないか。
そんな不安が付きまとうのだ。
小学校の低学年くらいまでは、少ないとはいえ友達と呼べる存在がいたのだが。その後は親の職業がヤクザということで避けられ、友達どころかまともに話せる相手すら居なくなって。どうにかクラスに馴染もうと、クラス全員の特徴をノートに書きだして研究をした、なんてこともあった。
それでもクラス替えのたびに周囲から避けられる状況に戻ってしまうため、何度心が
そんな中でできたのが、今の交友関係である。
高校に上がるときに縁が切れなかったこともあり、余計に次が怖い。
「実際、幼稚園の頃からの付き合いがある
(しゅうと?)
(しゅう、じゃないですかね?)
(え、誰? 私の知ってる人?)
(周……秦倉先生と同じで中国系の人かしら?)
しかし確認のために話の腰を折るのも
(岬様?)
(いや、うん、本人を前にすれば思い出す可能性があるから、このままで)
そういえば、彼がまともに登場したのはいつの話だったか。
ラブコメの親友ポジションのキャラなのに、扱いを悪くし過ぎてしまったのは反省である。
「皆で同じ大学の同じ学部なんて無理なのは分かってる。就職先だってバラバラだ。
……でも、顔を合わせてないと一気に疎遠になりそうで、怖いんだ」
親という前例がある。
自分たちだって小さな子供の頃とはいえ、連絡を取るどころか相手の人相をすっかり忘れていたという前例がある。
十分に考えられる可能性なのだ。
「だから、ずっと皆でこうして一緒に遊んでいられたらって、考えてしまうんだ」
そうすれば、皆との関係がこれからも続いていくのに。
そんな
それこそもうすぐ行われるクラス替えが怖くて、
彼女にとって
もうこれ以上は失えないのだ。
「なら新しく『
「……え? カギ?」
最近どころかまったくもって出番のないメインテーマについて、ふと思い出した
「一条……」
「いやほらあれだよ、あれ、期末テストとかで最近忙しかったし!?」
詳細を聞いてようやく思い出した
最後に手に取ったのは果たしていつだったかというレベルである。
というのも『約束の女の子』探しにまったく進展が無かったのだ。
彼の『
1つは
1つは
1つは
1つは
とまあ、こんな状態では進展するはずもないのだ。
「せっかくサンプル作ってきたのに……」
「なんで事前に作ってあんだよ……」
「こんなにあると、有り難味がねーな」
もとより4つの時点でそんなものは無い。
大きさは以前のものと同じくらいだろうか。卵に似た形をしており、表面には
「……ん?」
「よっ、と」
「……あ、そういうこと」
るりもそれに続き、別の
「じゃあ次は私が」
「私もやりますっ」
さらには
「私も……あっ」
それまで何の反応も無かったペンダントは、
「あー……」
「黒ひげじゃねーか、使い方はそーじゃねーよっ!? 却下だ、却下っ!」
順番待ちをしていた
ようやく状況を理解した