アイデンティティに悩む
そして、
「……ねえ、マイちゃん。
「…………………………行った、と思うよ、たぶん。きっと、そのはず」
行っただろう。見落としているか忘れているだけで、きっと行ったはずだ。
「見舞いに行くよって、一条君が大ゴマで言ってたわね」
「ええ、決め台詞として言っておいて、まさか実は一度も行ってないとかは……」
そして間を開けて夏にはるりと
ほぼ全滅である。
「……これを考えると、平和にお見舞いに行ける時期が無いね」
「私が言うのもなんだけど、もっと人との縁は大事にした方が良いわよ?」
事情は異なるが、すべての縁を失った
そんな彼女が
「あれ、もしかして私って、来年は出番が無いんですか?」
「私も最初の少しだけね。あとは初詣の1コマで、さらには最終回もセリフ無し、と」
これから1年生組は最終話に向けて、2巻分ほど出番が無くなってしまう。
しかも最大の山場、
「私は
「私も
2人ともセリフ付きである。
同じような立場のポーラや、それよりも上であるサブヒロインの
そんな最終決戦であるが、出番があるからといって幸福だとは限らない。
「……ねえ、これ私って、居る意味あるの?」
「宮本様は……正直、居なくてもというか、居ない方が……」
「るりちゃんはこの時期、みんなで居るのに一方向しか見てないんだよね」
「サブキャラの恋愛が裏で進行していて主人公たちと同時に決着するって、本来ならもっと感慨深いものになるはずなのに、なぜかこの作品では場違い感がヒドイよね」
出れば出るだけ魅力が無くなっていく、そんな青のり状態なのは気のせいだろうか。
要素を抜き出すとよくある王道パターンのはずなのに、というニセコイではお馴染みのヤツである。配役やタイミング、見せ方がズレるだけでここまで印象が変わるとは、という驚きがある。
ジャンプ片手に『君ら何のためにそこに居るか分かってる?』『何で突然、良き理解者ヅラしてんの?』と突っ込んだのは果たして全国に何人くらい居るのだろうか。
いや、そのようなツッコミをするような人は、こんな終盤まで読んでいない可能性の方が高いか。
「というか相手のコレは誰なの?」
「さあ? このあとの話で登場するのでしょうか?」
「
「………………いや、まあ、うん」
バスから降りたシーン。風をはらんで膨らんでいるのは分かるが、パッと見で中年太りっぽい腹になっているのが笑える。
「それにしても、この後の
「夏休みから卒業まで、軽い拷問ですよね」
「当事者の私が言うのもなんだけど、居心地が悪すぎるわね」
「……うーん、私としては別のことが気になるんだけど……」
彼女の性格なら、気を遣ってこれまでの関係を維持しようとするだろう。
だからと言って実際にやらせるのは……
そんな
「あのね、一条君と
「え?」
何をおっしゃるウサギさん。
最終決戦であれだけ大騒ぎして、お互いの気持ちを確かめ合ったではありませんか。
「あれ……ちょっと待って」
「え、いやまさか、そんなはずは……」
最終決戦の直後にアメリカへと戻った
それから
なんで雪が降ったシーンを半袖で迎えているのだろうか。
「
いくら受験生だからといって、いやむしろ大変な受験を控えているからこそ、彼女とのメールや電話のやり取りで励まされたとか、そういう要素の出番ではなかろうか。
なのになんで『中学からの仲良し4人組が、4人で協力し合って仲良く高校を卒業しました』感を出しているのだろうか。
というか高校での出会いをすべて無かったことにしての、この笑顔での締めは……
「それでね、もっと問題なのが最終回なんだけど……」
「ああ、お約束の数年後に飛んだやつだね」
「これ一条様は『本年度から』市役所に勤めるのに、1つ下のポーラは『既に大学院生』なんですよね」
「一条君は留年でもしたのかしら? それとも就職浪人?」
これは本当に何なのであろうか。曜日と一緒で、時間の概念がおかしいのであろうか。
「優秀な私が飛び級したという可能性も……」
「飛び級制度もあるにはあるけど、ポーラさんの性格的にやるかな?」
なんだかんだと仲良くなった同期と、自分から離れる姿が想像できない。
そんな淋しがりやのポーラである。
まあそれは別にして。
本題は最後の
『……久しぶり。前に会ったのって
『確か
そして極めつけは、感動的なはずのキスシーンである。
『ちょっと!! もっと上手くやんなさいよ!!』
『なっ……! うっせーな、仕方ねぇだろ!
告白から6年、そして結婚式直前のカップルの会話である。
「一緒に居るのが楽しいから好きになったんだよね?」
「……見方を変えれば、一緒に居なくても好きだという気持ちが続いているということで……いえ、苦しいですね」
「告白の直後からいきなり
「でも一条先輩、『1人だけじゃたどり着けないような世界にも、2人でなら行けるような気がする』とか言ってますよ?」
「この調子だと、結婚後も一緒に居られるのはクリスマスの
2人とはいったい……
そもそも地元で独り、安定した職業に就いた彼は、本当に新しい世界を欲しているのだろうか。
ラブコメの最期を結婚式で締める。
ラブコメの最期を主役カップルのキスシーンで締める。
どちらも王道である。
なのになぜ、こうまでケチが付いてしまうのか。
「……恋愛結婚ってこんな感じなの?」
「あのね
ちょっと身の回りに
「
「
「
この結末を描きたかったのならヒロインは
そう断言できるほど、見事な配役であった。
特に新しく『
「
当時、子供たちの様子を見ていた本田はある程度の経緯を把握している。
そのため『お姫様の
「その約束の
その
「さらにそれを土に埋めたのよね? ということは仲良くすることを拒否したってことなの?」
子供の微笑ましい約束事の残酷な結末に、大人たちは何とも言えない表情になる。
特に友情や愛情に飢えている
「そして新しい『
それを見た
「この最終回、
「私も含めて母親は誰一人登場していないことに比べれば、まだマシじゃない?」
例えば
「ちなみに
「……橘さん、今度こそ一条君から贈られた髪飾り、投げ捨てるんじゃないの?」
「すでに一条様の好みに合わせた長い髪は、バッサリと切ってますからねえ……」
るりも電話を受けてないという意味では同じだが、
「なんでお姉ちゃんはウェディングケーキをイミテーションにしなかったんだろ?」
「んー、それだけ気合が入ってたから、とか?」
「
これを機に関係を断ったとしてもおかしくはない。
「おまけを見る限り、少なくとも
「また子供同士が初対面ですし、親からも話を聞いていない感じですよね」
「でも一条君と
「…………この子、私よりも
「んー、髪型のせいか
「もしかして
るりが昼ドラ要素を嗅ぎ付け、さらに
まあさすがに無いと思うが、むしろ読みたくなってくるドロドロさである。
自宅から通えない距離にある
正直なところ
「一条と
「正面からだとシンメトリーに見えますね。とうとう
「少女漫画だと、初期に出てきたのに特徴が弱くていつの間にかフェードアウトする役どころ、って感じね」
「女の子の扱いに慣れてそうだし、つぐみちゃんの娘が護衛兼幼馴染とか?
「扱いに慣れてるけど上手いわけではない感が、この少ないページでも十分に伝わってくるのが凄いですね」
「幼馴染の事をほっとけなくて、中途半端なせいで本命にフラれるタイプと見た」
散々な言われようである。
ちなみに彼を追いかけてきたのがヤクザだけ、つまり
それを考えると
そもそもこの2人が同学年というのはどういうことだろうか。
最終話の
というか普通はそうするだろう。いくらなんでも孤独なシーンだけを描写するなんて、救いが無さすぎる。
では結婚式の惨劇で傷ついた
十分あり得そうな話だ。
もしくは一条
見た感じだと一人っ子気質が出ている気がするが。
兄がいる、というのはないだろう。
三代目と呼ばれていること、それを否定はするが他の人に押し付ける感じが無いこと、本編で若頭だった竜が出てきていること、以上を踏まえると長男ではあるはずだ。
では姉はどうだろうか。
女の扱いから考えると無さそうだが、ほとんど顔を合わせたことない姉が
途中テコ入れで出てきて、早々にヒロインレースから脱落するキャラとして扱われそうなのは気のせいだろうか。
……オマケだから設定ありきで、特に深く考えてはいないのだろうが。