究極の魔法に至る為!   作:ケツアゴ

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デイバーノックが社会に適応できるのは原作でも少し描写されていたよね


鱗の隙間から嫌な臭いの汁が滲む魔法

 ギーシュがローブル聖王国に齎した物は多い。但し、恩恵も混乱も混ぜ込んでなのだが。

 

 例えば飛び道具を増やす魔法。放った矢や投石が2〜3倍に増えるので、城壁からの攻撃に大いに役立った。単純に手数が増えるというのはそれだけで強力なのだ。

 

 混乱を齎したのは理想の夢を見せる魔法。死んだ家族と暮らす日常や選ばずに悔やんでいる選択をした場合の明るい未来、そして到底実現不可能な正に夢の様な日々を夢で見られるそれは麻薬よりも強力な依存性を生み、現実での日々への気力を失くす者が多く出た。

 

 ギーシュ自身は所詮夢であり、現実の方が楽しいので興味を持たないがそうでない者には刺激が強過ぎた。

 

 そして聖女王カルカにとって最も影響を与えたのはシャルティアが現在使っている髪型を変える魔法である。

 カルカは聖王国の歴史上類を見ない初の女王。優れた信仰系魔法の使い手であり兄の推挙があってこその就任なのだが、湖畔を挟んだ南側の貴族との軋轢が生まれ、内部争いを避ける為にも消極的な政策を選びつつ忙しくした結果、婚期を逃しそうになっている。

 

 十代の結婚も珍しくはない中、カルカは二十代後半にまで年齢を重ねるも男の影など皆無。レメディオス姉妹と仲が良過ぎてそっちの趣味だと噂され、聖女王の立場に相応しい相手を求めるも見るも無惨に未発見。

 

 結婚願望はあれど候補すら見付からず、美容魔法の研究によって美貌を保つべく必死になっている時に出会ったのがこの魔法。

 

 何という事だろう。人前に出ても恥ずかしくない様に髪を整える事も何なら手入れせずとも魔法を使えば睡眠時間が稼げるのです。

 睡眠時間短縮は駄目、絶対!

 

 そんな訳で魔法を自在に使える指輪を作った相手に興味を持てば、アダマンタイト級冒険者で数々の魔法を作る天才で高位の信仰系魔法の使い手。

 レメディオスとのいざこざの一件で沈静化を始めていた想いだが、今回突如現れての治療と第六位階という是非国で抱き込みたい力を目の前で示したのだ、同じ信仰系魔法詠唱者であるカルカの前で。

 

 その結果……。

 

 

 

「レメディオス達は遠征に出ていて帰りは明日になるでしょう。民の治療が終われば城でお茶でも如何ですか?」

 

 少しばかり熱の籠もった瞳がギーシュへと向けられる。ヘジンマールは同情の眼差しを向け、デイバーノックは両手で顔を覆う。

 ナザリックのNPCにも匹敵し、悪魔が見れば棍棒として上質そうだと思われる美しさの女王は今、恋は盲目状態だったので気が付いた者は正気に戻って欲しかった。

 

 

「それよりも道中天使が此方の方向へ追い立てる様に襲ってきたが、南側の貴族の策略だろうか? どの辺まで掴んでいるか教えて欲しい」

 

 流石社会人レベル-百の猛者、普通なら本当に掴んでいても民の前では隠すであろう情報をストレートでぶちこむ。言葉遣いが丁寧に聞こえる魔法すら使用しないのはナザリック相手の圧倒的な差が無いからだろうが、首都の中で怪我人の近くで全く考え無しにも程がある。

 

 これには流石のカルカも……。

 

「その様な事が!? 貴重な情報提供、誠に有り難う御座いました。やはり貴方は我が国の救世主になりえる御方です」

 

 残念! 恋は盲目、痘痕も靨。空気読めず位の高い相手への無礼な態度は、自分を個人として見てくれて状況で自分を曲げない芯を持った人物へと自動変換されてしまった、おしまいだ。

 

「ヘジンマールよ。少しばかり上空から周囲を観察してきてはどうだ? 面白い物を発見するやも知れんぞ?」

 

「え? ……あっ! 先生、ちょっと俺は偵察に行って来ますね」

 

 デイバーノックの言葉に何かを察したヘジンマールは去って行き、シャルティアはやる事が無いから退屈を感じていたのだが、カルカの眼差しは彼女の胸(パット入り)に注がれ、直ぐに自らの胸にも視線を戻す。

 

「天使の情報は必ずやレメディオス達が困難を脱する糸口となるでしょう。此処で何もお礼をしなければ聖女王として失格です。どうぞ私の顔を立てると思っていらして下さい」

 

「面ど……」

 

 並みの美女を鼻で笑える美貌の女王からの誘いが面倒だったから断ろうとするギーシュだったが、チーム随一の常識人であるデイバーノックが胃痛を堪えつつも伝言(メッセージ)によって情報をもう少し集めろと怒られてしまった。

 

「じゃあ、治療が終わったら……」

 

 本音を言えば即座に帰って未だに名前の無い吸血鬼を発情させて一緒に風呂でも入りたいと思うギーシュは渋々受け入れる。

 因みにカルカは生きているので選外だ。ネクロフィリアだからね、仕方ないよ。

 

 

 

 

 

「……うわぁ」

 

 このお誘いから十分後、ヘジンマールは湖の中から顔を出す。その前脚には指輪を嵌めた人の右手が握られていた。

 

 

 

 

 

 

「鱗の隙間から嫌な臭いの液体を滲ませる魔法? それが何の役に立つの?」

 

「例えば……竜王への嫌がらせなどは如何かな? ヘジンマール含む鱗と共通言語を持つ相手で試した結果、対象の種族が嫌う臭いになりますのでな。しかも強化魔法扱いなのか弾かれにくいのも良い」

 

「あの男も何を考えてそんな魔法を……にしても鬱陶しいでありんすね」

 

 アンデッドは本来ならば街に立ち入る事も出来ない、ましてや城に入るなど以ての外。だが、カルカと向かい合って茶を飲むギーシュの背後の壁際で言葉を交わすシャルティアとデイバーノックの姿があった。

 

 最初は渋られたものの、後で話した内容を伝えるのが面倒なギーシュが城に入るのを止めようとした事で特別に許され、今は椅子に座って話をしているのだが、警護の兵達の敵意丸出しの視線にシャルティアは心底不愉快そうにしていた。

 

「彼奴は作りたい魔法を作るのではなく、作れると思った魔法を作っていますからな。敵意を隠す事が出来ない程度の輩は放置なされては? 爪が汚れるだけかと」

 

 冒険者チーム・ハートレスとある程度の付き合いがある者が一番社交性があるのかと聞かれれば、七割がデイバーノックと答えるだろう。愛想は良いが価値観の根底が竜であるヘジンマールは残り三割で、ギーシュだと答える者は皆無なのだ。

 

 人間に憎悪を持っているアンデッドにも関わらず敵意を向けてくる兵士達を軽く受け流しつつ何気なく外の景色に目を向ければ遠くにヘジンマールの姿。

 身振り手振りで伝わる情報を頭の中で数度反芻し……胃に多大なダメージを受けた。

 

 





もし別の世界に居たら

ダンまちの場合、所属はフレイヤF レベルは7だが幹部業務は嫌なので全部押し付けて稼いだ金を研究に注いでいる 幹部集会にはオッタルが首根っこ掴んで連行する

フレイヤが偶々最初に誘ったから入った程度 神は死体にならないので魅了はされない



魔法は自作以外に  ヒール サモン・アンデッド(魔石を使用) レイズデッド(フレイヤの命令で秘密)

魂はフレイヤ曰く何物にも絶対に染まらない黒  魔法で作ったアンデッドは基本喋らんが、異端児を使ったら喋るようになったのがデイバーノック(ギーシュの見張りと尻拭い役だと幹部から認識)

種族はエルフ ハイエルフには興味が無い
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