究極の魔法に至る為!   作:ケツアゴ

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アンデッドを発情させる魔法

「ハートレス? ああ、アダマンタイト級の……変人だぜ」

 

「ドラゴンとアンデッドを従えて街中を歩く変人でしょう? 前に青の薔薇ってチームが知らずにあわや戦闘になるって所だったのよ」

 

「魔法の装備品を作る天才……ではあるんだよな。急に高笑いをして小躍りをする変人だけれど」

 

「ヘジンマールちゃんは良い子よ。ディバーノックさんは苦労してるっぽいわね」

 

 冒険者チーム『ハートレス』。本来なら英雄級とされるアダマンタイト級のチームであり、竜王国において魔法とブレスを使って空中からの殲滅戦での活躍や市場に出れば高値が付く魔法の道具の作成など、リーダーであるギーシュ・ハートレスへの高い評価は広まっている。

 

 尚、それ以上に低い評価も広まっていた。

 

「商談中も研究の事を考えて急に笑い出すなどが続いたせいで本来忌避されるアンデッドのディバーノックが交渉役をやっている、か。それも気苦労が絶えないと思われているとはな」

 

 転移した世界の調査の為に冒険者モモンとなったアインズはギーシュ達についての噂を聞き、少しばかり引いていた。人間を虫ケラと見下し嫌悪するナーベラルですら“うわぁ”と自らのポンコツを棚に上げている様子だ。

 

「頭の働くトコジラミの様ですが、随分と変態じみていますね」

 

「ああ、少なくとも好みを聞かれて生きている様な状態の死体に興奮する、そんな事を平然と語るのはな。だが……」

 

 アインズが取り出しのは先程購入したスクロール用の紙。本来使われる羊皮紙ではなく少しばかりカサついて紙としての質は悪いものの、込められる位階は4。

 指輪と違い定期的に出されるそれは魔法を重視している帝国の者がコッソリと買い求めているとの噂であった。

 

 そんな噂があっても規制されず、国で取り込もうともしない王国についてはギーシュの口からデミウルゴスを通じて伝えられている。彼曰く、既に詰んでいる。さっさと滅びた方が国民の為なのに、と。

 

「一応奴は大きな利益を齎す存在だ。ある程度は認めてやれ。それに……中身は人間から外れてるだろう?」

 

 この紙の作成方法については手頃な資金源だからと制作方法は伏せられているがナザリックは今後の出資者だからと伝えられている。

 

 最初は魔法に優れたエルフの死体を平野で見つけ、新鮮だったからと試しに皮を剥いでスクロールにしてみたというのだ。どうせ回復出来るからと自分の皮も使い、最終的に試したのはアンデッド。

 何らかの理由で死体が動いている存在、平野で発生する中で魔法に優れたエルダーリッチの皮を剥いで使用してみれば第四位階にまで耐えられたとヘラヘラ笑いながら語ったと聞いてアインズはドン引きしていた。

 

 最近では洞窟にアンデッドを閉じ込める事で上位アンデッド発生を誘発しているとか。

 

 人間だったら少しは躊躇する行為へのブレーキが壊れている、それがデミウルゴスの下した結論だ。だから少し会いたくないし、重要な案件以外はデミウルゴス配下の魔将を派遣したが、体の一部を実験に使いたいと拝み倒された。

 

 

「守護者であるデミウルゴス様は忙しい? 成る程! 君達は召喚された存在であり、組織では専属の傭兵の様な身分なんだな! 頼むから角を一本くれないか?」

 

 との言葉の後、ヘジンマールとディバーノックに謝られたとか。

 

「お前も出会った時に言葉には注意しろ。守護者、その言葉だけで魔将のナザリックでの立場を見抜いた知恵の持ち主だからな」

 

「はっ! もしもの時は責任を持って私が即座に始末を致します」

 

「だからそうじゃなくてだな……」

 

 お供の人選を間違ったかも知れない。そんな事を思うも口には出せないアインズ達は冒険者組合の建物まで到着する。先日のアンデッドの大量発生えお解決した事でランクを上げたばかりの二人に対し組合長直々の依頼があると呼び出されたのだ。

 

 

 

 

「ハートレスの調査ですか」

 

「ああ、君達が解決してくれた一件だが、もしかして彼等が関わっているのでは、と騒ぐ者が少しばかり居てね。無論あり得ない話ではあるのだが、組合としても第三者による聞き取り調査をしたという事実が欲しいんだ」

 

 成る程、解決した自分達なら周りを納得させられるか、と、どれだけ疑惑持たれてるんだ!?、

 という考えがアインズの頭を下げて埋め尽くす。

 

 会いたくはないのに会わなければならない理由が出来た事で内心肩を落とすアインズ。取り敢えず気分転換に打ち合わせをしながらナザリックでの食事を楽しもうと考えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンデッドを発情させる魔法? あるぞ。生憎資料は別の拠点に置いているから渡せてないだけで

 

「有るのか。……聞いておいてアレだが」

 

 自分の手でへし折った角が目の前で加工されるのを眺めながら憤怒の魔将は極秘の命令をこなしていた。

 それはアルベドから命じられた魔法の依頼。あるのなら次の納品リストに加え、無いのなら優先的に作る様にとの私欲が混じった指示だ。

 

「幼い頃にヴァンパイア・プライドを見て性癖が歪んでな。試しにディバーノックに使ったら怒られた」

 

「それは怒るだろう」

 

 折れた角を加工しやすくする魔法を使いつつ納品の品である指輪の魔法を込める前の状態の物を作るギーシュが思い出したのは両親の最期の姿。二人を殺めたアンデッドの姿に心惹かれた事を恍惚の表情で語れば悪魔にさえ人間の心を疑われる始末。

 

「しかし高位の悪魔の角が材料だったとはな。ああ、聞きそびれたから聞く様に言われていたが、どうやって手にいれられたのだ?」

 

「なんか随分とやつれていたからな。その理由は今回のことに関係していそうだが知っても利益は無いので聞かないとして、今までは一度だけ召喚に成功したお前の同族に貰ったぞ。強さも種族もランダムで召喚する魔法があるんだ」

 

 自分より強い相手は確率が低いのか一度しか召喚していないが、と付け加えつつ棚にしまっていた絹に魔法を使用した。

 

「秘密ならこっちの方が良いだろう? この絹で作った下着を着けたら魔法が発動するぞ。服の下だろうと着ていれば大丈夫だ」

 

 憤怒の魔将はデミウルゴス配下の召喚モンスターだ。故に願う。アインズの初めての食事を二人っきりで行い味覚まで共有したデミウルゴスへの嫉妬が少しでも和らげばと。

 

 

 

 

 

 

 

「アインズ様、その、私を見て何か感じませんか?」

 

「うん? すまないが分からん」

 

「え? あら? おかしいわね……? まさか!」

 

 一旦ナザリックに戻ったアインズだがアルベドの様子がおかしい。質問されて何か変わったのかと思うも分からず、正直に答えると困惑している。

 

 そして、この時アルベドに電流が走った。己の勘違いと、その解決法を。

 

 

 

 

「アインズ様! 何も言わずに私の下着を着けてくださいませんか!」

 

「何で!?」

 

 アンデッドを発情させる魔法の下着。但し効果は装着者である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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