究極の魔法に至る為!   作:ケツアゴ

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等価交換の魔法

「それは結果の評価を色で表しているのだろうな。流れからしてイエローよりもレッドの方が危険であったのだろう」

 

「なんと……。まさか例の策はそれ程までにお体に負担をお掛けしていたという事ですか」

 

「あくまでも私の予想通りだったらの話だがな? ……内臓の悪化は第十位階魔法でどうにかならないのか、本来存在しない筈の物を持つからこそなのか、気にはなる話だ」

 

 ふらりと立ち寄った散歩先で遭遇したのは我儘なお嬢様の世話を焼く執事のセバス。何度か取引をした程度の相手……だという事になっていて実際はナザリックの一員。

 だから情報を集めて商売人としての取引前にデミウルゴスが接触した時点で何度かした契約は終わりを告げて、今は何か閃きの役に立てばとギルドメンバーについて聞いてみれば、意味を理解しあぐねている会話について相談された所だ。

 

「それにしても四十一名にもなれば当然なんだろうが名前の法則がバラバラだな。此方の国の名前と似た名前も有れば全く違う形式まで」

 

 異世界なのだから文化も違って当然かと考えていた時、担いでいた汚い袋を地面に落とした男の姿が目に入る。袋が地面に落ちた時の音は肉の音の様だ。

 

「ああ、例の暴力を加える娼館の従業員か。この辺に移転していたのか」

 

 一瞬何処かで見たか分からなかったが、六本腕について話をしたばかりなのもあって思い出して呟く。

 男は此方に気が付かずに袋を拾い上げて()()()()()()としているが、私の話を聞いた瞬間に明らかに怒りの色が目に宿ったセバスが男へと近付いていった。

 

 うん? まさか助ける気なのか? 見ず知らずの娼婦を?

 

 六本腕に関してはデミウルゴスも邪魔だからどうにかすると言っていたが、見付け次第動けとでも言われていたか?

 

 それにしては私には何も伝わっていないが、アレだけの力の持ち主には持ち主なりの段取りでもあるのだろうと直ぐに興味を失う。見るだけ見ていようかと観察していれば男と数度言葉を交わし、金を握らせながら脅して追い払った。

 

 あの男、消されるな。裏組織なんて面子が命だろうに仕事放棄して証拠を渡して逃走した下っ端を放置する筈も無く……

 

「喉が渇いたし小腹も減った。何処か店にでも入るか」

 

 あの男の末路もセバスの行動の意図も基本的にどうでも良い。どうなろうと私に影響が出る話とも思えないしな。それよりは何を食うべきかが重要だ。

 魚の肝の串焼きか山盛りの香草か。戻って作らせても良いが、店で聞こえてくる他の客の会話がインスピレーションに繋がる事も多々ある。店内で魔法を思い付いたらいけないから控えろと訳の分からん事を言われているが助手二名は側に居ないからと私は目当ての店へと向かって行った。

 

「……うん?」

 

 おや、伝言(メッセージ)だ。

 

 

 

 

 

「成る程な。早速試してみるとしよう」

 

「ええ、結果の報告は是非お願いしますね、バルブロ兄様。と言っても成果が出るのは暫く先になるのでしょうが」

 

 ラナーは精神面が異形種だが、それは生まれ付いてではない。人並外れた知能から出した献策を腐敗した馬鹿に邪魔され続けて人間に絶望した結果なのだが、此処数日で流れが大きく変わった。

 王国が救われる条件として死んでいる事が前提の第一王子が相談に訪れ、腐った貴族達が過去に邪魔したラナーの案を採用し始めているのだ。

 

 何を今更、など既に考えもしない域に到達しており、国を救う気にしては今更遅いと判断する。今更国の方向を一部が変えた所で、例え全体が同じ方向を向いて舵を切っても長年帝国と繰り広げて来た小競り合いで生じた国力低下をどうにか出来る物ではない。

 帝国に引き渡す際に少し綺麗になっているだけで国は救われない。

 

「バルブロ殿下も随分とお人が変わりましたね。これで良い方向へと向かえば良いのですが」

 

 勿論だがクライムはその様な事は分からず、ラナーも教えはしない。彼はただ、聞こえて来る貴族達の変化の噂に驚きつつも国が救われる可能性に期待するだけで、彼の前ではラナーもそうだ。

 

 横暴で粗暴で短慮が服を着て歩いている様な腐敗した王子の変化にクライムは気が狂ったか魔法で洗脳されたのかと疑うも口には出さない。流石に不敬であるし、犯罪組織と繋がっている馬鹿が変わってラナーの献策を採用するのなら幸いという下心を覚えつつも伝わってはいないと判断する中、当然見抜いていたラナーは素知らぬ振り。

 

 

「ええ、全くだわ。お兄様ったら人が()()()()しまったわね」

 

 誰の影響かしら、と付け足すかどうかで迷った後、純粋で善良な箱入り王女には相応しくないと飲み込む。例年通りなら数ヶ月もすれば帝国が戦争を仕掛けて来る時期だ。

 毎年威勢の良い事を宣うも戦場では己の私兵は前線に出さず民兵を最初の一当てで犠牲にするばかりの貴族が多いが、今年はどうなる事やらと、誰も自分を訪ねないわね、という言葉も飲み込んでラナーは笑みを浮かべ続けるのであった。

 

 

 

 

「セバス様、お帰りなさいませ」

 

 自分が男と交渉を行っている間にギーシュが消えた事は元よりそんな人物だと分かっていたので疑問に思わないセバスであったが、屋敷に戻った自分を出迎えたソリュシャンが連れ帰った女を見ても僅かに眉を動かす程度のリアクションに止めた事には疑問を抱いた。

 

 セバスと彼女の任務は情報収集、その為に大いに目立つ事は避けなければならず、先日のポーションの大量購入の件もあってか少しばかり噂の的になっている事もあって行動を自重すべきとなった矢先に女を助けて連れて来たのだ。

 

 時にアインズの意思に逆らっても動いてしまう正義感を呪いの様に感じてしまうセバスとは真反対のソリュシャンが重症の女を連れ帰っても大した反応を見せない事に何か嫌な予感を感じた時、奥から居ない筈の人物が姿を見せた。

 

「セバス様、治療を行いますので其方の女性を奥に寝かせて下さいっす」

 

「ルプスレギナ? 貴方はアインズ様の命令でカルネ村に居るはずでは?」

 

「ええ、ですが六本腕を潰そうと計画している時にセバス様が犠牲者を助けたとの報告を受けて、治療ついでに話を聞くなら人に見える自分の方が良いだろうってアインズ様のご判断です」

 

 些細な事でも報告しろと命じられていながら今回の事は秘密にする予定のセバスであったが、全て見抜かれていたのかと肝を冷やす。

 

「では、私は詳細な報告を書類に纏めると致しましょう」

 

 少なくとも彼女が今すぐ処分される事はなさそうだと安堵しつつ今後に不安を覚えるセバスは担いだ女性を奥のベッドに寝かせると二人に任せて部屋を出て行った。

 

 

 

 

 

「おや? どうも妊娠してるっぽいっすね。これは本人に教えてあげないと駄目っすね」

 

「あら? どうせなら望まない妊娠だろうし、お腹の子供は命令外でしょ? 私に貰えないかしら?」

 

「うーん。アインズ様がどう判断するっすかね。なんか重要な儀式があるからって例の人間を呼んでたから暫くはお聞き出来なさそうっすけれど」

 

 

 

 

 

 

 

 ナザリック大墳墓前のログハウス。其処に山積みにされたのはアインズが大金を注いで絶望したガチャのハズレアイテム。二足三文で売るに売れず今まで倉庫の肥やしになっていたそれを掻き集めたのには理由がある。

 

「よく来てくれた。急な呼び出しで悪いが、前回貰った魔法の指輪で面白い事が分かったのだ。等価交換の魔法」

 

 妙に機嫌の良いアインズの前にはギーシュとパンドラズ・アクターの姿。アインズが知らせたい事は何かと思っているとハズレアイテムを一つ手に取って魔法を発動させる。

 本来は対象と同程度の価値のアイテムを交換して端数はガラクタが出て来るのだが、小さな人形の様なアイテムはポーションへと変わる。

 

「ガラクタが出ない? それに、そのポーションの方が価値が上の筈だが……」

 

「驚いたか? 私もこの魔法には少し興味があってな。ガチャ……ああ、前の世界にあった金銭を使った魔法のクジのハズレ景品に使った所、同じガチャの景品が出た。つまりガチャのハズレアイテムならガチャをもう一度引けるのだ」

 

「その様な儀式が。つまり今此処にあるのは大金を注ぎ込んだ……」

 

「んっ! その辺にしてガチャを共に回してくれるか? まあ、見ての通り私はくじ運が悪くてな。パンドラにはゲン担ぎであっさりと目玉賞品を当てた彼女に変身してもらうとして、お前も異世界の儀式には興味があるだろう?」

 

 当然、ギーシュも否定はしない。寧ろ面白そうだと引き受けて、三人で溜まりに溜まったハズレアイテムの処分大会を開催した。モモンガ以外にもリアルマネーを注いだ結果なので捨てるに捨てられず放り込んでいたギルメンは幾人か居て、本当に山の様に積み重なっている。

 

 

 そして……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「当たりは三つか。随分と渋いクジだったな」

 

「私は二つですね! それよりもギーシュ殿。貴方の作ったアイテムについて暫し語りたいのですが!」

 

「……ふぅ。いや、良いさ。ハズレアイテムから合計五個も当たりが出たんだし……うん」

 

 

 尚、セバスの件については世間話で普通に聞いた。

 

 




もし鬼滅世界にいたら

嵐で流れ着いた先で鬼にされ、血鬼術を作る血鬼術に目覚めた異国の学者。現在、夜中だけ動ける死者蘇生の術で家族を蘇らせた富豪の家複数で暮らしつつ、死なない程度に血を抜いた稀血を接種しつつ情報を集めている。

縁壱との生き恥ポップコーンで繋がりが消えたが、無惨は放置

無惨からの評価 有能だが正直苦手。手放せないが出来れば会いたくない

最終決戦後にしれっと自分を人間に戻して生き延びている。人間に戻す薬は日光を克服する薬の研究中になんか完成していた


無惨様、人間に戻るか? 鬼の支配権は消えるし、鬼狩には狙われるだろうけれど 

貴様は馬鹿か? 馬鹿か

炭治郎と初遭遇時、君が死ぬなら薬をあげると言うが、断られたのでその場で薬を燃やした。予定を思い出したからと去って終わるが、平安の時から無惨の部下をしているヤバい鬼だと産屋敷家は認識している
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