究極の魔法に至る為!   作:ケツアゴ

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子どもを作る魔法

「そういえば例の子供達はそろそろ成果を持ち帰る頃合いか?」

 

 食堂へと通され着席する際、デイバーノックがその様な事を口にしたが……子供達?

 

 はて、何の事だと首を捻って見ればヘジンマールが少しばかり呆れと恨めしさの籠った視線を向けて来た。子供、成果、何やら思い出しそうな気が……ああ、そうか。

 

「ヘジンマールの父親とガゼフ戦士長との間の子供の事ですか。音沙汰が無いから忘れていました」

 

「へ? 彼の父親とアインズ様が助けたという男の間の子供?」

 

 思わずと言った様子で呟いたのはチョーカーを着けた黒髪のメイド。子供達という単語に忘却に様子を見せた際にわずかに反応を見せた事から子供好きか?

 そして理解不能な言葉を聞いて思わず口が開いたと。

 

 咳払いをして一礼する彼女の姿に私はとある確信を持っていた。呼吸の際に多少は動く筈の胸が動かない。アンデッドにしては肌が死体特有の色合いをしていないが、従属神は六大神が創造したとも伝わる。つまり見た目と種族、そして能力の傾向をある程度自由に選べるのか。

 

 ……うん。美女なのは間違い無いが死体らしさが無いので好みではないな。まあ、多少フォロー入れておこうか。

 

「数年前に作った子供を作る魔法ですよ。種族性別を問わず二名の特徴を併せ持った子供を誕生させるという……」

 

 この瞬間、この場に居た全員から冷静さの仮面が剥がれ落ちた。何やら慌てた様子で詰め寄って来たが、作られた存在は生殖能力が無い? いや、そうだとしてもこの様子は妙だ。

 アンデッド以外も混ざっているし、自分の子供ではなく本来生まれない筈の種族の子供を欲している? 

 

 

 

 

「静粛に! 何を騒いでいる!」

 

 少し戸惑いを混ぜながらも威厳を込めた……込めようとした声が響き、ヘジンマールでなくても凄いと分かる装備のアンデッド、恐らく護衛につけて貰ったオーバーロード・ワイズマンとやらの同種、がデミウルゴスと共に現れる。

 彼がアインズ・ウール・ゴウン。物分かりの良い出資者のトップか。

 

「それで私の子供が作れるとかどうとか聞こえたのだが……」

 

「そうですが……あっ、直に返答したら駄目とかは……」

 

「い、いや、其処迄気にせずとも良い。お前の魔法はナザリックにとって有益だからな。多少の無礼はまあ、デミウルゴスが小言を言う程度で納めよう」

 

 あー、良かった。潜入した国によって権力者との接し方のマナーはかなり違うからな。利益よりも無礼への制裁を優先するとか王国の貴族ならやりかねないし。

 

 しかし、今の返答に少々違和感が。あの様子からして長らく支配者として君臨して来たにしては……。緩い感じだったとは配下の姿から思えないが。

 

 まあ、出すもの出してくれているのなら別に人格は気にせずに構わないか。

 

 

「それでは皆様も気にしておいでの様子ですし、先に軽く説明致しましょう」

  

 それにしても言葉が自動で変更されるのって妙な感覚だな。

 

 

 

 

 子供を作る魔法。確か五腕とかに勧誘されるも性癖を晒すと一方的に拒絶された少し前、その辺りに思い付いて構築が成功した魔法だった筈。

 主軸となる方を選び、別の物を掛け合わせる事で生まれるのは十代前半程度の子供の姿をした存在で、ヘジンマールをスカウトした時に少し騒ぎを起こして天敵の巨人共を嗾けた事で手に入った父親の血とガゼフ戦士長の血を合わせた存在は確か三番目……四番目だったか?

 

 

「知能と知識は最低限もっていて、難度計算で強さの平均の半分程度。戦士長が90そこらでヘジンマールの父親が140に届かない程度ですから一番強かった個体でも60に届かない程度。指揮権はその場で誰に従うか命令出来ます。まあ、強さも肉体も成長はするので私が顔を出し辛い国に行って情報や研究材料を集めさせているんですよ」

 

 因みに指揮は全部ヘジンマールとデイバーノックに丸投げしている。作り出した後には興味が無いからな。

 

「難度が大体レベルの三倍程度だから二十に届かない程度。そこからの育成が鍵か。この世界での職業レベルは少し法則が違うようだし、実験もしたいな。さて、興味深い魔法だが、その指輪は有るのか?」

 

 私が説明を終えるとアインズ……様付けておこう。うっかり呼び捨てにしたら部下に殺されそうだし。アインズ様は少し考え事を始める。それは一部の配下も同じだったが、NPCを作成するのと同じなのか、とか言っていたが、プレイヤーが創造した存在をそう呼ぶのか。

 私からすれば余った研究材料を使った召喚魔法みたいな認識だったが、どうも父親を使われたヘジンマールやアインズ様からすれば違うらしい。

 

 困ったな……。

 

「残念な事に魔将でしたか? あの強さの悪魔の体を使って作った指輪でも魔法を収めるには足りず砕けるので今現在は私しか使えませんね。指輪に込めるまでが研究なので非常に気持ちが悪い感じです」

 

「むぅ。それは少々残念……いや、NPCを数の制限無しに作ると考えれば仕方が無いのか? まあ、良い。今後様々な素材を渡すので是非とも試してみてくれ。それで血を使うのなら私を元にした存在は……」

 

「血が出ないなら無理……でしょうか? 一体ごとにインターバルも月単位で必要ですし、素材を消費するだけの場合もあって、正直未完成な魔法ですよ」

 

 骨を割って中身を使えば分からないが、多分言ったら怒られそうだから止めておこう。この答えに周囲が落胆した様子を見せるもののアインズ様が声を掛けた事で仕事の顔へと戻って行く。

 こう見ると個人の意思は持ちつつも役割を果たす為に存在する人形といった感じだな。まあ、召喚モンスターが素直に従うのと同じ事か。

 

 

 

「所で助手の二名はその魔法についてどう思っているんだ?」

 

「作り出した存在の名付けまで丸投げするとか本格的に人の心が無いのかと疑いました」

 

「流石に父親と人間の男の間の子供とかちょっと嫌だとは思いました」

 

 この後、美味しいご飯を食べて普通に帰ったが、魔法で作り出した存在に興味を持たないのはそんなに変な事か?

 

 

 

 

 

「それで先生、今後はどうするんですか? やはりビーストマンの死体を使った研究を?」

 

「ああ、信仰系魔法と死体に関する実験をしたい所だ。神も信仰の対価に魔法の使用が使えるというのなら少しばかり知識をくれても良いだろうに」

 

「お前が信仰系魔法の使い手だと未だ納得出来ん。それよりも今は別件があるだろう。鋭き尻尾(レイザー・テール)族との約束で他部族の間引きを手伝う事になっているからな」

 

 魔力系より信仰系の適性が高いのだから選んで当然だろうに。ちゃんと対価として魔法が使えるのだから信仰心は向けているぞ?

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