【試作】恋愛要素もあるダンジョン探索ハクスラげー転生もの(仮題) 作:犬猫鼠
そして場面は暗転する。
場所は……何処かの訓練場か? さてここで何が起こるのかな?
「さてと、ここでなら確かめるのにちょうどいいかな。僕の固有スキルについて」
? 固有スキル? なんだそれは? リメイクにあたり追加された要素か?
と悩んでいると解が浮かんでくる。どうやらこの世界の人間が生まれつき一つ持っているユニークスキルのようなものらしい。
で、俺の固有スキルは『手刀包丁』という。ネーミングセンスぅ……。懐刀とかもうちょっとこう……ねぇ? このスキルはただの手刀が何でも切れる包丁のような威力になる……らしいとのことだ。
しかもこういったものを特集した本などというものはなく最初はなんとなく使い方はわかるがあくまで自分で試行錯誤して成長させる必要があるようだ。
なるほどなー。と理解していると「やぁー」との掛け声とともに硬そうな鎧のダミー人形に手刀を振り下ろす過去の俺の姿が見えた。
そしてガンッ! という甲高い音がなって……あれ? 切れてない?
「い……いたい……」
涙目になってる過去の俺がいた。……あ、そうかこの情報は未来の俺からだからこの時期はまだそこまで熟練度みたいなものが上がってないんだ。
よく見ると鎧が凹んでるから手刀の威力自体は上がっているけど金属の切断までには至ってないといったところか。
……で、過去の俺はなんとそのまま金属の鎧相手に鍛錬を開始してしまった。
おいおい、そこは普通相手のランクを落として藁人形とかにするべきだろ。自分にもダメージが還るのに何度も金属鎧を叩くから皮膚が破れて血が出てきてるだろ!
それでも過去の俺はやめようとしない……だれかー! 過去の俺を止めてくれー!
その時だった。俺の後ろを
過去の俺も気になったのかそっちの方に歩いてゆく。
するとまた、
「……魔法の射撃場かぁ……」
過去の俺が言葉にしたように奥を見やれば丸い的があり前世の弓道場を彷彿とさせる。そして2個所が黒焦げになって的がなくなっていた。
撃ち手側を見やれば可愛いというよりは美人さんよりの黒髪の凛々しい少女が立っていた。しかもポニーテール。ポニーテールいいよね。
その少女は何故か杖ではなく刀を手にし何事か呟くと刀を上段に構え振り下ろす。すると振り下ろした剣筋から炎が生み出され先ほどと同じように轟音を立てながら的を破壊する。それを見た俺は思わず美しいと思ってしまった。
いや、女の子ももちろん美人さんなんだけどそれ以上に刀を扱う所作。生み出される炎の奔流、それら一つ一つがまるで完成された芸術品のように俺の心を鷲掴みにした。
パチパチパチパチ
過去の俺も同感らしく拍手をして讃えていた。そして何を思ったのか少女のもとへ向かって駆け出していた! おいおい、行動力高いな。ちょっとアクティブすぎやしませんかねぇ……
引き継げるのか不安になってきたぞ。
「なんのようです……」
と何かしら言いかけた少女に割り込んで矢継ぎ早に言葉を繰り出す俺(過去)
「すごいすごいすご~い! 刀を振るったら炎がボウッって出てゴウッって飛んで的にドーンて当たるのすごいよ! すごいかっこいい!」
「……よく刀のことがわかりましたね。あまり一般的ではない武器なのですが」
最初は警戒していた少女が刀のことに触れると警戒が緩んだ気がする。
「それにすっごく綺麗だった!」
「そうですか、あいにくと言われ慣れてますので。それで、他に用がないならお引き取りを」
あれ? 綺麗だったって言ったら途端に態度がブリザードになったぞ? なんで?
「そんな事言わないで。もう一回だけ見せてよ! お姉さんの動作すっごい綺麗で参考にしたいんだ!」
「え? 綺麗ってっそっち? そんなの言われたの初め……コホン。あ、あいにくと今日はマナが切れてしまって今日はこれで打ち止め……ってあなたどうしたの! 手から血が出てるじゃない!」
「あーあはは、これはちょっと訓練がうまくいかなくて」
「だからといってそのままにしておく人がいますか! 確か休憩室に薬箱があったから取ってくるまでここを動いちゃだめですからね!」
そういって少女は建物に入っていった……よかったー過去の俺の無謀さを止めてくれそうな人に出会えて。……でも多分同級生だよね。過去の俺はお姉さんだなんて言ってたけど。