〜TS転生コキリ族ハイラルを往く〜 ゼルダの伝説 FAIRY OF THE MAGIC 作:ジュミ・ベラウ
原作キャラの口調を上手くできてるかは不安なんですが、思いついたアイディアを忘れないうちに書くのを優先してるので、落ち着いたら原作見返して修正するかもしれません。
ブレワイ今持ってないので厄黙とティアキンとようつべとpixiv百科事典とアニヲタwikiとを頼って書いております。
sideティリア
『リト族』、羽毛と嘴を持った空の民。平たく言えば鳥人ってカンジの少数民族。極寒のタバンタ地方の果て、『リトの村』に暮らしてる。もふもふ……
空を飛べるという他にない個性が、彼ら最大の強みだネ。ボク? パラセールはゆっくり落ちてるだけだヨ。それにリト族は器用だから足を使って弓を撃てる。
上空から一方的に攻撃できるというのは強力な特性だ。実際、空を飛べる魔物というのは少ないから。『空オクタ』程度ならあんまり見かけないケドいることはいる。でも、移動能力には乏しい。せいぜい空中足場の吊り下げ役にしかならないネ。『キース』にしたって多分ちょっとバクダン矢を撃ち込むだけで群れごと壊滅だしネ。怖いのは属性付きのキースかな。羽毛だから燃えやすいし、飛んでる時に痺れさせられたり凍らされたりして墜落したらすぐお陀仏……だケド、キースもまた貧弱な魔物。体当たりくらいしかまともな攻撃手段もないから、よっぽど油断でもしない限りは大丈夫でしょ。
魔王が復活しないと出てこない『カックーダ』も、多分軽量化しすぎて貧弱だったから魔王封印後早々に絶滅しちゃったんだろーナァ。
今では見られない魔物は他だと、『ホラブリン』はそもそも生息してる洞窟が埋まっちゃってるし、『ライクライク』も似た感じ。『ボスボコブリン』が絶滅した理由は……わかんないや。リソースが足りないのかも。
この世界の魔物は『邪』と呼ばれるものを由来とするんだ。スッゴク概念的な何かだケド、ここに魔力を注ぐと魔物の発生を促進することができる。ガノンドロフは自分の魔力を直接魔物にしてたんじゃなくて、この『邪』にアクセスしてたんだろーネ。あとは多少なら魔物の姿を作り変えれるんだろーなァ。
〈ティアキン〉で同じ魔物でもツノの形が明らかに変わってたし。それなのに壁画に描かれたモリブリンのツノは〈ブレワイ〉の形だったから、ガノンドロフの干渉で変化したんだと思う。
ボクも魔力があるから『邪』にアクセスして魔物を減らせないか試してみたけど、『邪』がどんなものでどこにあるのかはさっぱり分っかンなかったヤ……
閑話休題。
「助かったよ嬢ちゃん!」
「コレくらいはお安いご用ジャラ。」
とにかく、リトの村へ向かうボクは道中、馬宿の従業員サンに頼まれて馬の世話を手伝っていた。可愛い。ハイラルの馬は前世で見たサラブレッドとは全然違う。足が太くて力強い。野生下でも逞しく生きるにはサラブレッドみたいな体型は脆すぎるしネ。
パワフルだケド人によく懐く。なでなでもハグもさせてくれる。……ボクももうちょっと身長が高かったら自分のお馬さん買うんだけどなァ……身長が足りなくて、全然届かなくってェ……
リトの村にも一応行ったことはある。だから『フロルの風』でテレポートすれば1発サ。
でもボクはあえて徒歩で向かってる。たまに隊商の馬車に乗せてもらったりもするケド、こういうヒトの流れには噂がセットでついてくる。瞬間移動で点の移動をしちゃうと、何か異変があっても見落としちゃうしネ。あと単純に旅好きなんだ、ボク。いろんなヒトに出会えるしネ。テリーのご先祖様っぽいヒトもいたし。カブトムシを愛でてたから多分間違いない。……あまりにもそっくりだったケド、本人じゃないよネ?
「変わったことかい? そうだな。魔物が活発になってきたかもな。数はそこまで増えた感じはしないが。」
「ムムム……他のところでも似たような話を聞いたジャラ。」
「何かの前兆なのかねえ。」
厄災の前兆にしては幾分か早い気もするなァ……
やろうと思えば生贄やら何やらで復活を早めることも可能なのは〈厄黙〉で確認済みだケド、それでも数日の差しか生んでなかった覚えが……
白龍の額にマスターソードが不在の事と言い、何か大きな変化が、それこそボクの生まれる前から生じていたとしておかしくはない、か。
今現在、厄災復活の予言はされていない。
あんまり遅くて準備期間が取れなさそうだったら、ボクが予言者だか預言者だかを装って王家に伝えてもいいかも。一応伝手もなくはないし。
でもまだ早いか……あの子の立場に甘えちゃうと、王家に擦り寄る俗物呼ばわりされかねないし……
実績と信頼を勝ち取り、堂々と厄災対策の国家プロジェクトに手を貸す立場が欲しいネ。
だからボクは各地で人々の頼み事を解決し、魔物を倒しながら旅をするのだ。結果だけを求めて過程をおろそかにしてはならないてお巡りさんも言うてた。
厄災ガノンを倒したい。だがなぜ倒したいのか。
ガノン討伐は手段であって最終目標じゃない。最終目標はハイラルの平和。そして国はそこに住まう民あってのもの。例えガノンによる災禍でなくとも、払えるのであれば払っておくべきだろーサ。
このティリアは『森の賢者』と呼ばれることに誇りを持っている。最初は畏れ多いと思ったケド、ボクが助けた人達は本心からボクを尊敬してくれてるんだ。だったらボクはその信に応える義務がある!
自分から賢者は名乗る気はしないケド、賢者として頼るものがあるならボクは前世知識のズルだってなんだって使う。脚気には玄米がいいヨ、とかネ。
カッコつけてみたケド、当然目論見はあるのは知っての通りサ。でもやらない善よりやる偽善、でしョ?
とにかく、できることからコツコツだネ。
そうして数ヶ月かけてボクはリトの村に辿り着いた。寄り道しすぎた気もするケド、その分色々手に入ったヨ。
涼しい……というより寒い? 葉っぱの服の魔力が和らげてくれるとはいえ、肌の出てるところは寒いっちゃあ寒い。あ、マント売ってる。暖かそうだしこれ羽織っとこっと。
まず尋ねるのは弓職人サン……の前にパラセール職人サンだ。この間もいつものクセで滑空しようとしてアブない目に遭ったし。高さ的に落ちても「ふいっち!」って食いしばるだけで済んだと思うケド、『コログのうちわ』を持っててよかったヨ。端っこと端っこを持ったらなんちゃってパラシュートにはなるし。このまま『フロルの風』を使えば一応飛べなくもない。火山地帯だと普通に燃えるから加工して、形状もちゃんとしたヤツにしといた方が空力的にも飛びやすいけどネ。
それにしたって今までのパラセールは前世の記憶で形を思い出しながら自作したヤツだったから、これを気に本職のヒトにちゃんとしたのを頼もうというワケだヨ。
「こいつはいい素材だよ。硬くて軽くて、それでいてしなやかな木だ。太さも申し分ない。素材持ち込みで来る客はあんまりいないんだけど、それにしたっていい素材だ。どこの木だい? 場所さえ分かれば取りに行きたいな。」
「ウーン……ボク以外がとってったら
森に入ったヒトはみぃ〜んないなくなる。みぃ〜んなスタルフォス。リト族だとスタルリトとかになるのかな。
まぁ、今の森は悪意がなければ大丈夫なはず……多分。スタル系は魔物の死骸だけで、ヒトのものはいなかったし。
ところでゼル伝の言葉ってなんとなく意味がわかるやつあるよネ。砂地の魔物なら『モルド』、単眼の甲殻類だと『ゴーマ』、数は多くないけど魚系だと『グヨーグ』も固有名詞じゃないカンジかも?
でも『スタル』は単純に骸骨って意味じゃなさそう。だってスタルキッドは骨じゃなくて鳥みたいな顔の小鬼だしね。『鬼』には幽霊って意味もあるケド。『
「スタルフォス……?」
「森で迷ったヒトの成り果てジャラ。」
「そりゃー嫌だなあ。名前的に骨の魔物だろ?」
「森の小鬼は骨じゃないヨ〜。」
「小鬼、ねぇ。確かにおっかない仮面だね。でもかっこいいかも。」
「えへへ。お気に入りジャラ。」
個人的には賢者より小鬼って呼ばれる方が好きかもしれないなァ。
「まあこの素材は君にしか使えないんだね。残念だけど諦めるよ。……さ、それじゃあ君にぴったりのパラセールを作ってあげよう。3日ほどかかるけど、その間どうするの?」
「弓職人さんのところに行くつもりだヨ。」
「そっか。じゃ3日後くらいにまたおいで。それまでに仕上げておくから。」
ボクはパラセール職人サンのところを後にした。
「ウーン、『リーバル広場』も『飛行訓練場』もまだできてないかァ……」
時代が時代だからネ。この2つの施設はリーバルの活躍ゆえに造られたモノだし、彼多分リンクと同世代か……年下くらいの可能性もあるんだよねェ……
「僕がどうかしたのかい?」
「ウン?」
ちっちゃなリト族の男の子だ。青くて、黄色い嘴で……
「僕の名前、呼んだでしょ?」
「キミのなまえェ?」
「さっきだよ。リーバルなんたらって。」
「それじゃ、キミがリーバルなんだ。おいくつ?」
「知らない人に歳を教えるワケないだろう。」
「そりゃそーだ。んじゃ、またネ。」
ウーン生意気。年齢は……ハイリア人みたいにはよくわかんないヤ。
受け答えすごくしっかりしてるケド、早熟って可能性も……身長はボクが140cmくらいだから……70いかないくらい? リト族の成長速度は知らないからなァ……
それに今、これ以上友好を深める手段もないしネ、リーバルについてはひとまず置いておこっか。存在確認できただけで上々サ。
「族長サンにご挨拶しとかなきゃ。」
賢者の血筋は、おそらくあっち。リーバルの能力は血筋よりも本人の努力の結晶……とんだ逸般人だヨ……
このままリーバルがリト1番の戦士になるなら、無理に賢者の血筋を立てるより彼に風の『秘石』を託すべきじゃないかな……賢者サマ納得するかな……
リト族は少数民族だし、数万年あったら賢者の血筋も広がってそうだケド……全てを生まれで決めるのはあんまりスキじゃないんだよネ……でも仕方なしか。
『終焉の者』が遺した呪縛でさえそーゆー類だし。
って、この呪縛をどうにかしないと折角ガノンドロフを滅ぼしてもゼルちゃんの血筋が続く限りまた現れるじゃん!
……メタ的な視点がないとこの呪縛の存在を知る由がないから誰も解こうとしなかったんだろーなァ……で、解くとしてもトライフォースに願うしかないだろーし。並みの魔力で解けるモンじゃないもの。何か形あるものに掛けた呪いじゃなくて、呪い単体で存在してるような見えないし触れないものだと思う。ボクの魔力じゃ逆立ちしたって届かない……
ボクが生まれてきたのはこの呪いをどうにかするためなんじゃないか、とさえ思えてくるネ。他に呪いの存在を知ってるのはファイ……はどうなんだろ? 形なき宿命の呪縛を彼女は感知できるのかな?
話がだいぶ逸れちゃったや……さてリトの族長サンのとこまで行こっか。あ、弓も忘れずにネ……
*
リト族には、誰であっても風を操る力を持つ。その大小は様々に、できることにも幅はあるが、全く使っていないものはいないだろう。空を自由に駆けるためにも、風を操る力は必須だ。でなければハイリア人以上の長身ながらに軽々と飛ぶことはできはしまい。この辺りは水を操る『ゾーラ族』にも近しいものがあると言えよう。
しかしそんなリト族以上に風を使いこなす存在がいようとは、リーバルは思いもしなかった。彼のまだ幼いことを考えれば、井の中の蛙的に狭い世界を生きているのもしようがないのはそうだったが、それでも彼は自らの種族に誇りを抱いていた。
「なんなんだ、アレは?」
それは仮面を身につけた少女であった。葉っぱで編んだ見るからに寒そうな服の上に、リトの羽毛で編まれたふわふわのマントを羽織っている、なんともチグハグな格好をしていた。
壊れたパラセールを新調しているらしかったが、リーバルはそれに特段興味は惹かれなかった。パラセールなど、翼を持たない人が飛んだ気になれるだけの道具。本当の飛行とはまるで違う、と。
問題は彼女がリーバルの名前を知っていたことだ。最初は村長か村のお喋りな主婦辺りに聞いたものかとも思ったが、どうやら彼女はついさっき村に来て真っ直ぐパラセール職人の元に向かったようであった。
「怪しいヤツ……」
魔物が化けているかもしれない。見るからに恐ろしい仮面だって、実はあれが素顔だと言われても驚かない。
リーバルはリトの戦士になるならば、ここで引くわけにはいかない、と彼女を探ることにした。明確な証拠もなく人を魔物呼ばわりしないだけの分別と賢しさが彼にはあったのだ。
「弓か。」
族長に挨拶をした後には弓職人の工房に行って、幾つもの弓をポーチから取り出していた。ポーチの見てくれより明らかに大きなものが幾つも出てくるのには度肝を抜かれたが、工房の職人もそれは同じようだった。
彼女は弓工房に行く時以外は、村のリト族達の困りごとを積極的に聞いて、色々お手伝いをしていた。リーバルはこれを不審に思った。旅行者がなぜ旅行先でこのようなことをしているのかという疑念を抱いたのである。
きっと村の大人に取り入るつもりなのだろう、と彼は考えた。
村の中ではリーバル少年が旅行者の少女に首っ丈だ、という彼にとっては非常に不名誉な噂でもちきりになったが、彼は気にしなかった。ムキになって否定してもニヤニヤされるだけだとわかっていたので、不本意ながらも訂正しなかったのである。
数日経って完成したパラセールと弓を手に、ティリアは村の1番高い所から『リリトト湖』を超えた向こう、北の『リノス峠』へと向かって飛んで行った。
リノス峠には別段何もない。何もないはずなのだからただの旅人が行くところではない。やはり怪しく思えた。
リーバルは幼いゆえに1人で村を出ることは許されていなかったが、こっそりと後をついて行った。
「あれじゃあ落ちるね……」
進む距離と降下する距離を見れば、ティリアはこのままいくとリリトト湖を渡りきれずに高度が下がり過ぎ、岸壁にへばりついて登る羽目になるだろうと思えた。
しかし高度が対岸より低くなった瞬間、俄かに上昇気流が発生する。それにより彼女は十分な高さまで戻ると、無事に崖の上へと足をついた。
リーバルはリト族ゆえにそれが本来あり得ないことだと理解する。あの上昇気流が自然に生じたものではないと。
リト族の力ならあり得なくはないが、彼女はどう見てもリト族ではない。何よりあれほど強烈な上昇気流では飛び慣れたリト族でも乗りこなすのは難しいはずであった。
事実幼いリーバルは自分がその気流を利用すれば巻き込まれて墜落するのがオチであるとして、迂回しながらティリアを追った。
一方のティリアは早く新しい弓矢を試したくてウズウズしていた。形状は森人の弓を参考にした小柄な弓であるが、色は白味の強い黄色。これは龍の牙を砕いて混ぜた特殊なニスを塗ったためである。それゆえ木製だが燃えない。
森人の弓と違い、複数の矢を放つ能力はないが、代わりに耐久性ははるかに高く、自己再生能力を持つのでそれ以上のペースで射ちまくらない限り壊れない。何より引き絞るのが早く、矢はかなりの弾速で100m近く真っ直ぐに飛ぶため尋常ではない有効射程を持つ。名付けて『妖精の魔宝弓』。
「ふふーん。」
ティリアは弓を手にリノス峠に存在する縦穴へと向かっていった。そこそこ大きな円形の穴で、かなり深く、常に上昇気流が噴き出している穴である。
その穴を覗く縁に立った彼女は、ポーチから的模様のついた風船を取り出した。植物繊維で編まれ、葉っぱのプロペラで移動する『コログの風船』である。
それを自由に飛ばせた上で、彼女は的当て、射撃訓練を始めた。
「これは……なかなか、だネ。」
まっすぐ飛ぶし矢速も速い。精度も高く狙った通りからほとんどぶれずに的のど真ん中をぶち抜いていく。
しかし曲射ができない。強烈な上昇気流に当てられても軌道がぶれないほど早く鋭く飛ぶのはいい。だが穴の中央に聳える岩の柱。その影に隠れるように飛ぶ風船にはうまく当てられない。
「ウーン……」
彼女はおもむろにポーチから『キースの目玉』を取り出すと、それを矢尻に刺してひょうと射った。
重さのバランスが崩れたその矢は、右斜め下に大きく逸れながら穴の底へと落ちていった。
「ただくっつけただけじゃダメか。」
彼女は風船を配置し直し、穴の縁から飛び降りるとパラセールで気流に乗った。そして穴の中央真上までくると、
「は?」
リーバルは何が起きたかさっぱりわからなかった。ただ一瞬。ごく一瞬の間に彼女の姿が激しくぶれたような気がした。
次の瞬間には、穴の中を舞っていた10個ほどの風船全てがほとんど同時に割れていたのだ。彼女は変わらずパラセールに掴まっていて、そして穴の縁に戻ってくる。
「アラ、イケない子だ。」
その時に初めてティリアはリーバルに気づいたそぶりを見せた。自身のいるところにゆっくりと歩いてきた彼女に、リーバルは疑問をぶつけた。
「今のは何をしたんだ? ハイリア人は飛びながら弓を使えないはずじゃあ……」
「飛んでないヨ? 落ちながら射って、終わってからもっかいパラセールを広げただけジャラ。」
「それにしたって何か手品があるはずだ。」
「ふっふっふ。それはボクが魔法使いだからだヨ。」
魔力とフォースを応用すれば、身体を痛めることなく瞬間的にとんでもないスピードで動くこともできる。思考速度を加速させるので酸素とスタミナも相応のスピードで消耗するため、そう長い時間は使用できないが。
「魔法使い?」
「こんな感じにネ。」
ティリアを中心にして、大竜巻が吹き荒れる。彼女はパラセールを広げ、そのいっそ暴風と呼んで差し支えないものを軽々と掴まえて急上昇していった。
リーバルはその光景を美しいと思った。そしてそう思ったことに悔しく感じた。
キラキラとした羨望の目で彼女を見上げ、そして降りてきた彼女から目を逸らした。
彼のリト族としてのプライドが、風を操る民としての自負が、空を飛ぶのに道具が必要な存在に風を掴まえ操る技術で負けるのを良しとしなかったのだ。
「そのくらい、僕もいつかできるようになるさ!」
「期待してるヨ、未来のリトの大戦士クン。もし成功したら、この仮面の下の素顔を見せてあげよっか。」
「望むところだよ。」
向き直っての彼の宣言に、ティリアは仮面の向こうで微笑んだ。
その後、2人はティリアの生み出した気流に乗って村へと戻ってきた。その風が、リーバルにとって1番捕まえやすい強さと大きさに調整されていることに彼は気がついて、また少し悔しくなった。きっと彼女1人なら倍以上のスピードを出せたことだろう。
そして村に帰ってくると、彼は勝手に飛んでいったことを叱責されることもなかった。どうやらティリアが出かける前にリーバルと一緒に行くと根回ししており、大人たちも彼女が一緒ならばいいと許可を出していたのだ。
「……全ては貴女の手のひらの上だったってワケだ。」
「これでもキミよりはオトナなんだヨ。」
まだ3つかそこらの少年に、100年以上生きた森の妖精を出し抜くことはできないのだった。
・新しいパラセール
今までのパラセールより遥かに頑丈で左右のバランスもいい。今までのは左にもたれるクセがあった。今まででは掴まえられなかった暴風をも帆で受けて上昇できるようになり、移動力が増強された。また耐火性、耐熱性も高く、雷が直撃しても墜落しない。
・妖精の魔宝弓
魔法ではなく魔力を持った宝で魔宝弓。派手な装飾はないが、お宝と言われて宝箱から「ごまだれ」しても納得できるだけの風格のある弓。大きさは〈ムジュラ〉の勇者の弓と同じくらいか。攻撃力は30程度。引き絞るのが速い。〈時オカ〉の弓矢の性能に近い。曲射は100m以上離れていないと全くできない。
次回はリンクに会いに行く予定ですが、彼喋らせてもいいですかね?
子供時代はそれなりに喋るやんちゃ坊主だったみたいですが……