〜TS転生コキリ族ハイラルを往く〜 ゼルダの伝説 FAIRY OF THE MAGIC   作:ジュミ・ベラウ

9 / 28

 気が付けば評価バーも真っ赤っか。日刊ランキングも最高10位を記録しておりました。
 ありがとうございます。身に余る光栄にビビり散らかしております。

 流石にゼルダの伝説のネームバリューは偉大ですね。コツコツ、完結目指して書き進めようてまいります。



妖精と龍

 

 ゴロンシティに1年ほど滞在していたティリアは、その間に『ディンの(いわお)』を完全なものへと鍛え上げ、その後はマグロックの駆除を兼ねたルビー集めを行なった。来る厄災に備えた戦力の底上げである。

 特にゴロン族は目立った弱点が見当たらない強靭な種族。彼らの強化は対厄災戦力の大幅な強化につながると見込んでのことであった。

 

 とはいえ、流石にダルケルのような異能を持つものには他に出会えなかった。もしダルケルと同じ岩場から生まれた兄弟や親類があれば何かしらの力を持っていたのかもしれないが、流石にそうホイホイ特殊能力を持った人物に出会えるわけではない。

 だが、ティリアはそこである知識を思い出した。「魔力を持ったゴロン族は転がる際に鋼のトゲを生じさせることができる」と。その能力を持つ者を〈ムジュラ(ゼルダの伝説ムジュラの仮面)〉におけるゴロンリンクだけしか知らない彼女だが、試してみない手はない。

 

 早速町中のゴロン族を集めて魔力の適性を検査してみると、わずか数人だけとはいえ、その兆候を持つ者を見つけた。

 無論ダルケルもその1人だが、彼の場合はわざわざ鋼のトゲを生やすより、より硬い『ダルケルの護り』があるのだが、これからトゲを生やして突進できれば大きな攻撃手段になる。

 鍛錬の結果、ダルケル含めた数名のゴロンがトゲを生やして突進する技を身に付けた。この鍛錬が進んだ1番の理由はティリアの発明した『ゴロンのルビー』というご馳走が努力の対価としてこの上なく優れていたからである。勿論、魔力が無い者であってもゴロンシティに対してそれなりの貢献をしたと認められれば手に入れられる、いわば「食べる勲章」となった。

 作り方のレシピはティリア以外でも再現可能であるため、それはゴロン組組長の秘伝として授けられることになったのである。

 

 ティリアはゴロン族から受け取った大量の『感謝の理』と、ゴロン組の組長から送られた希少金属のインゴットを手に、デスマウンテンを後にした。

 

 *

 sideティリア

 

 さぁて、いい金属貰っちゃったし、久方ぶりにダボラさんのところに行こうネ。

 

「お邪魔しまーす。」

「おう。金はあるのか?」

「たんまりと。」

「なら入れ。」

 

 ウーン、守銭奴!

 

「見てよコレ!」

「おお! なかなか珍しい金属持ってるじゃねえか。」

 

 そう。ボクがゴロン組の組長さんに貰ったのは王家に仕える騎士が優れた武勲を立てた際に下賜される、王家代々秘伝の製法で造られる『ハイリアの盾』と同じ金属だ。『ガーディアン』の激ヤバ光線を数十発たえるバケモノ合金である。

 

「なんだ、盾が欲しいのか? 流石の俺様でもハイリアの盾の製法は知らんぜ。」

「別にあの盾にはさほど興味はないヨ。どうせレプリカだし。」

「レプリカぁ?」

「ウン。今でこそハイリアの盾のハイリアは『ハイリア人の〜』っテ意味だけど、本当のハイリアの盾は、文字通り女神ハイリアが勇者のために造った勇者の為の盾だヨ。どんな攻撃でも絶対に壊れないし、電気や熱も通さない。」

「そりゃいったいどんな素材だよ……だが、退魔の剣の対を成すってンなら納得だな。んで、森の賢者サマは今度はどんな武具をご用命で?」

「弓と盾をネ。」

「弓ィ……すまねェが弓は専門外でな……専門家の指示を受けながらってカタチでしか請け負えねえ。」

 

 やっぱりこの人こう言うところトテモ誠実だよネ。

 

「盾はいいが、一体どんな無茶な注文つける気だァ? なまじ最強の盾を識ってるってこたあよォ。」

 

 ふふーん。そりゃあそうだ。ただの盾じゃあ満足できるワケもなし。そしてボクの答えは決まってる。作品によってはハイリアの盾より上に位置する盾。

 

「『ミラーシールド』って、知ってル?」

「コレまた実物が現存してねェモンを……」

 

 ただ鏡面仕上げをした盾というものではない。魔法を反射する力をも備えた上で強度も高い盾でなければ。ボクの価値観で言わせてもらうと、〈ティアキン〉で鏡を『スクラビルド』能力でくっつけただけのはミラーシールドとは言い難いネ。

 

「材料は? また爪か?」

「ウーン。鏡面にウロコって使えないかな?」

「身を守るモノって観点なら爪よりも向いてるだろうな。現物は?」

「こちら。」

「デケェな。まんま1枚に持ち手つけるだけでそこそこの盾になっちまうぞ。しかし……この色はどいつのウロコだァ?」

 

 白龍です。ハイ。とは言え、まだあの龍がゼルちゃん……ゼルダ姫かはわかんないんだけどネ。何せおでこにマスターソードは乗ってなかったし。それ以外は前世で見た通りなんだケド……他の王家の子孫が歴史のどこかでそーなった可能性もある。

 それで白龍の存在は確定してるケド、空島には立ち入れなかった。強力な結界が張ってあって、多分、今はその時じゃないんだろうネ。どっちみち成層圏ギリギリで、寒いし息もままならないし、白龍の素材を1通り集めたら直ぐ退散したヨ。

 

 とにかく、白龍周りはややこしんだヨ……未来でもありながら過去でもある……もうそこまで考えてのバタフライエフェクトの制御は諦めるしかなかったヨ……未来は誰にだって変える権利があるケド、過去はどう足掻いてもムリだからネ。

 

 過去改変のパラドックスがどうなるか、だケド、〈時オカ〉や〈厄黙〉は世界線そのものを分岐させて辻褄を合わせた。じゃあ〈ティアキン〉はどうかって言えば、そもそもゼルちゃんが未来からやってくる前提で歴史が成り立ってた。何をやってもタイムパラドックスにならないタイプだネ。

 

 この違いは多分『時空石』が介在するか否か、って考察してみよっか。時空石は〈スカウォ〉で登場した青く輝く石だネ。起動すると半径数十mの空間の時間を過去のものに置き換える。で、この時間遡行は改変ができるタイプだヨ。過去、病で死んでしまった大精霊を、病を治す木の実を与えることで死ななかった事にしたし。その木の実も木の苗を過去で植えてから現代に戻して収穫したものだったハズ……

 そして〈時オカ〉の秘宝『時のオカリナ』は時空石で造られてるんだヨ。

 んで、〈厄黙〉の時を渡るガーディアン『テラコ』には青く輝く特殊なネジが嵌め込まれてたんだケド、「あれって時空石なんじゃないかな?」と思ってる。バトルチャレンジで手に入る『異空の石ころ』だって色味的に時空石に見えなくもない。

 なぜ時間石ではなく時()石なのか。それは時間だけでなく、ひいては空間にも作用する力があるからなのかな、って思ってる。空間はつまり世界そのものだ。

 

 対する〈ティアキン〉はゼルちゃんの持つ『時の力』だけで時間遡行を行なった。で、コレ、他の時間操作とはエフェクトの色が違うんだヨ。他は青系だけどコレは黄色。この差、チョット気になるネ。本質的に似て非なるチカラなのかもしれない……

 

「どうした、遠い目をしてるぞ?」

「いやー、将来のことを考えるとネ。」

「まあいい。で、ミラーシールドだがな、前みてえに3日で作るってのはムリだな。まずはしっかり研究するところからだ。白刃剣とは比べ物にならんくらい資金と資材が必要になるぜ。」

 

 数年レベルのプロジェクト。間違いなくそうなると言われた。ただ硬いだけの盾なら今すぐにでも作れる。白龍素材を使った白刃剣が自己修復能力を持つのと同様に硬くて頑丈で上手く使えば壊れずにずっと使い続けられる盾が。

 でもそれじゃあダメなんだな、コレが。だって魔王ガノンドロフは盾破壊の能力があるからネ。ハイリアの盾も2撃で壊しちゃう。自己再生より早く砕かれちゃあイミはないヨ。

 

「まあ、今はどちらかといえば弓を優先したいネ。盾は最悪『ネールの愛』でどうにかなるジャラ。」

 

 強い弓というだけなら持ってるんだヨ。白髪のライネルが使う『獣神の弓』。一度に3本の矢を飛ばせる上、分厚い鎧を容易く砕けさせるほどの威力を持つ剛弓。ゲームでお世話になったヒトは多いんじゃないかな?

 じゃ、なーんで使わないのか。固過ぎて引き絞れない、以上。いくら強くても引けないんじゃ力を発揮させられない。本職のハイラル軍人サンでもまず扱えないから、鍛治ギルドで引き取ってもらっても金属部分を溶かして再利用するくらいだネ。デスマウンテン産の希少金属だし。

 

「魔法の弓か。金属と木を両方使う形だな……取り回しのいいショートボウ、『森人の弓』と同じ程度のサイズがお好みってか。それでいて燃えない。」

「リザルフォスの弓を使ってみたこともあるんだケド、ちょっと大き過ぎたかなっテ。」

「何にせよ、弓ならリト族に聞くのが1番だろうな。矢尻だとかなら任せてもらっていい。」

「じゃ、コレで作れないかな?」

 

 ボクはポーチからありったけの『龍岩石』3種を取り出した。背鰭の岩部分の小さいのだネ。白龍の龍岩石は取りに行くのすこぶる大変だから今回は出さない。他3種は見かけ次第取りに行ってるヨ。『フロルの風』様々だネ。

 

「魔法矢の材料にはなるかもな。それも結構上等なのヤツだ。」

「作ったのは好きに売り捌いていいヨ。」

「その代わりにミラーシールドの研究をしろってか。ま、ゆっくりでいいならボチボチやらせてもらうぜ。」

 

 とりあえず参考までにって、4種の鱗をヤスリで磨いて鏡面仕上げにして持ち手をつけただけの簡単な盾を造ってもらった。1枚で1つの盾だから使い分けてみて違いを教えてっテ。

 

 さて、それじゃ次に向かうのは『リトの村』だネ。弓だけじゃなくパラセールも新しいものを作ってもらおう。今までのは自作だったしネ。もっと高品質のが手に入るかも?

 

 *

 

 1年と少し前、白龍の頭の上でティリアは息も絶え絶えであった。

 空気が薄く、またここまで登ってくるのに『フロルの風』を連発したのだ。

 

「ぬくい。」

 

 白龍の立髪に顔を埋もれさせてその温もりを堪能する。

 

「キミはゼルちゃんなのかな?」

 

 白龍は何も答えない。ただ、静かに空を飛ぶだけだ。これは別に白龍に限ったことではない。オルドラも、ネルドラも、フロドラも、その感情を発露させたところを見た者はないのだから。

 

「♩〜♩♩〜♩〜♩♩……」

 

 彼女が妖精のウクレレを取り出し、『ゼルダの子守歌』を奏でても反応はない。

 

「ダメか……やっぱり違うのかな? 今のゼルちゃんはまだ赤ちゃんで、力はないから波長で判別できないんだヨ……」

 

 『時の歌』を奏でてみても意味はない。『逆さ歌』も『重ね歌』もだ。『目覚めのソナタ』で人の心を呼び起こせないか。『いやしの歌』で龍の姿を仮面として引き剥がして人に戻せないか。それらの試みも徒労に終わった。

 だが、

 

「♩〜♩♩♩♩♩〜……」

 

 ダメ元で奏でたその曲。それを聞いた瞬間、白龍は突如としてスピードを上げた。おかげでティリアは吹き飛ばされそうになったが何とかツノにしがみつく。

 

 やがて白龍がスピードを落とすと、白龍の周りにはさらに3匹の龍が飛んでいた。

 

「……どうして?」

 

 その問いに答えるものはない。白龍も、オルドラも、ネルドラも、フロドラも。

 その目には生気こそあるが意思というものがまるで読み取れない。

 

「……ハイラル城の真上…………いつか、呼べということ?」

 

 龍は何も言わない。

 しばらくして、龍たちは元の場所へと戻って行くのだった。

 





 こっそり聞いた話だが……タルミナの殆どは作り物で、リンクが去った後に消えてしまったが、4人の巨人は違うらしい……

 でないとあの巨人たちはスタルキッドのイマジナリーフレンドをムジュラの魔力で生み出しただけになっちゃいますからね。調べてもよくわかりませんでしたが、どうも元々は4人の精霊だったものがムジュラの魔力を受けて巨人の姿でタルミナの登場人物に押し込められたという話が。

 この精霊たち、トワプリの光の精霊なんでしょうかね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。