ポケットモンスター チームオブブルース   作:局務事通交ピルア

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第10話

 

「街全体で暗いか」

 

 サトシ一行が死んだという報告を受けたのだが実は生きていましたということになった……息子が死んだと報告を受けて実は生きていましたとなっても旅はする。この世界は色々と過酷だなと思いながらもイワヤマトンネルを抜けてシオンタウンに辿り着いた。

 

 なんというか街全体で暗い雰囲気を醸し出している。死んだポケモン達の墓が作られたり供養したりお祓いをしたりする場所としてシオンタウンは有名だったりする。良くないものを引き寄せていてるから暗いかもしれない。

 

「ここか……」

 

 

カントーはゲンガー系統しかゴーストタイプのポケモンはいない。ゴースでもゴーストでもゲンガー、どれでも問題はない。

 

 

 ポケモンタワーにエンザンは足を運んだ。目当ては当然、ゴーストタイプのポケモンだ。ここにゴーストタイプのポケモンが住んでいると言う情報は事前に掴んでいる。ポケモンタワーに足を運ぶかと思えば勝手にドアが開いた。コレは入れと言っているのだなと認識をし入れば触れてもいないドアがバタン!と音を立てて閉まった。

 

 ゴーストタイプのポケモンが姿を透明にし、イタズラをしている。ゴーストタイプのポケモンならば大体は出来ることでエンザンは動じない。

 

「いけ、クロバット」

 

「ロバット!」

 

「……この使い方が正しいかどうかは分からないが……くろいまなざしだ」

 

 ゴーストタイプのポケモン達は姿を透明にし隠れている。それを良いことに幻覚を見せてくることも多々ある。

 

 ならばその逆、隠れているゴーストタイプのポケモンを見抜く技や幻覚から脱出する技もある筈だろう。エンザンが持っているポケモンで使えそうなのはクロバットのくろいまなざしだ。クロバットを出し……くろいまなざしを当てる。

 

「ゲンゲロ!?」

 

 

どうやらこの使い方であっていたか。

 

 

 くろいまなざしでギロリと睨むクロバット。隠れていた、いや、透明になっていたゲンガーは姿を現した。

 

 いきなりのことなのでゲンガーは驚いており何度か力を込める。それは透明になることだがくろいまなざしを受けたゲンガーは透明になって逃げ出す事が出来ない。

 

「クロバット、しねんのずつき!」

 

「バト!」

 

「ゲン!?…………ゲンガ!!」

 

 

本気モードになったか。

 

 

 ゲンガーは何時もの様にイタズラをしてやろうと自分を誘い込んだ。しかし予想外なこと、隠れているゲンガーを見抜く技を使い透明化を強制解除。更には逃げられない状態にしてからの攻撃をした。ここでゲンガーは遊びじゃなくて本気で自分を倒しに来ているのだなと察した。ゲンガーは目を光らせる。

 

「クロバット、こうそくいどうだ……ゲンガーのサイコキネシスの射程範囲外に出ろ!」

 

 ゲンガーはサイコキネシスを発動しようとしているのを即座に見抜いたエンザンはクロバットにこうそくいどうを指示する。

 

 こうそくいどうで移動し素早さを上げてゲンガーの視界の背後を取る。ゲンガーはクロバットを追いかけようとするがクロバットはゲンガーの先を行く。

 

「ゲン、ゲ……」

 

 

必死だが、この状態のクロバットを目で追うのは難しいだろう。

 

 

 ゲンガーは必死になってクロバットを目で追おうとしている。しかしクロバットはゲンガーの目で追えない速度で動いている。

 

 どうにかしてクロバットに追いつこう!としているのだが、追いつけない。ゲンガーはクロバットに追いつけないので焦りを見せ、トレーナーであるエンザンを無視している。

 

「いけ、モンスターボール」

 

 モンスターボールを当てる隙が生まれた。エンザンはモンスターボールを投げた。モンスターボールにゲンガーは入ってモンスターボールは揺れ、ゲンガーはゲットされた。しかしモンスターボールの開閉スイッチが赤く染まった。

 

 現在の手持ちはリザード、ロゼリア、クロバット、バタフリー、ヒトデマン、モグリューだ。ゲンガーはコレで7体目のポケモンになる。次のジム戦のポケモンはリザード、クロバット、バタフリーで行くつもりだ。挑んでいるジムの都合上でリザードが中々に出番が無かった。ヒトカゲの頃からジムでは出番が無かったがバトルには出し続けてコツコツと育成をしており、レベルは充分だ。

 

 ポケモンセンターに戻り、ロゼリアとゲンガーを送る。オーキド博士にやっと7体目ポケモンをゲットしたのかと呆れられる。

 

 ゲンガーはまだ使わない。真面目な性格のロゼリアと語り合うことでポケモンバトルに対して興味を抱いてくれ。ポケモンバトルに対するやる気の炎を付けてもらう、そしてゲンガーを経由してシャドーボールを会得してくれればそれでよし。

 

「ジムは休みか」

 

 そんなこんなでタマムシシティに辿り着いた。早速ジム戦にとジムに挑みに行くのだがジムは本日は休みと張り紙が貼ってあった。

 

 まぁ、ジムリーダーは年中無休じゃないから休みを取る時は取っている。コレはこの日に来た自分が悪いなと受け入れてタマムシジムを後にし……ゲームコーナーに足を運ぶ。ゲームコーナーにレアなポケモンが置いていないかなと言う淡い期待、しかしレアなポケモンは置いていない。と言うかそもそもで扱っていない。ポケモンが居ないのならばゲームコーナーで遊ぶ理由は無い。

 

「……あ……」

 

 

まずい、やらかしたぞ。

 

 

 そういえばこのゲームコーナーはロケット団のものだったなと思い出して試しにポスターに触れていればなにかのスイッチを押した。

 

 おそらくはロケットゲームコーナーの地下にあるロケット団のアジトの入口である隠し扉が開いた……余計な扉を開いてしまったなと思っていると

 

「ブイ!」

 

 イーブイが飛び出してきた。

 

 なんだか焦っているイーブイ、こんな所にイーブイとはなにか後ろめたい事をしているのかと疑っていればイーブイは後ろに隠れた。

 

 1分ぐらいした後に白衣を着た研究員が現れた。

 

「おい、小僧!イーブイを見なかったか!」

 

「え、イーブイ?そんなレアなポケモンがこの辺にいるのか!?」

 

 イーブイが何処に居るのかを聞いてくるので知らないフリをするエンザン。

 

 エンザンの反応を見てこの小僧はなにも知らないのだと舌打ちをした後に白衣を着ている研究員は出ていく。

 

「声を出すな。暴れたりもするな」

 

「……」

 

 エンザンは素知らぬ顔でゲームコーナーを出て行った。

 

 タマムシシティにある公園に向かえば……ジャケットの裏に隠しているイーブイを表に出した。

 

「ブイ……」

 

「コレでお前は自由だ……が、なにをされていた?」

 

 無事に脱出することが出来たので喜ぶかと思っていたのだがしょんぼりとしているイーブイ。ここは事情を聞くかと思えば……イーブイは泡を吐いた。

 

「…………みずタイプの技は覚えない筈だが……」

 

 電気を放出する。炎を纏う。輝く神秘的なオーラを纏う。よどめく神秘的なオーラを纏う。植物の種を出す。冷気を纏う。キラキラと光る突風が吹き荒れる。

 

「シャワーズ、サンダース、ブースター、エーフィ、ブラッキー、リーフィア、グレイシア、ニンフィア、お前の進化先の技……相棒技だったか?」

 

 イーブイは進化後の技を使った……コレはもしかして相棒技なのか?自分が知っている相棒技とは若干だが異なっている。まだまだ鍛えなければ完成しない相棒技だ。また随分と珍しい技を覚えているのだなと思い、どうするか?実験体になっていた事からこのまま野生に返すのが一番なのだろうと思っていると白衣を着た研究員が現れた。

 

「ハァハァ……この、クソガキが……大人を舐めやがって……」

 

「ブイ!ブイブーイ!」

 

「イーブイ!お前にはまだまだ働いてもらわないと困るんだよ!さっさと帰ってこい!」

 

「……イーブイは珍しいポケモンだろうが、お前はなにをしている?」

 

「決まっているだろ!イーブイの可能性を探しているんだ……イーブイは進化すればノーマルタイプから8つのタイプのどれかに変化する。イーブイはしんかポケモンと呼ばれる程のポケモンだ!18タイプある内の残りの10タイプの進化の可能性があるかもしれん!その可能性を探す……ただでさえイーブイは貴重なポケモンなんだ。新しい進化の可能性を発見すれば俺は研究員としてナナカマド博士をも越える研究者になれる!」

 

 イーブイになにをしているのか等を聞いたのだが、普通に答えてくれた。

 

 研究員はイーブイの可能性を探っている。むしタイプやじめんタイプに進化する可能性があるのだと信じている。だからイーブイを使った実験を行っている。

 

「つきのいし、たいようのいし、やみのいし、めざめいし、ひかりのいしは意味が無かった。メタルコートやプロテクターも……最近だと戦闘不能になることなくダメージを蓄積することで進化するポケモンもいると判明した!ポケモンの進化の可能性を探るのにはお前が必要だ!イーブイ!」

 

「ブイ!ブイブーイ!!」

 

「イーブイ、お前がどれだけ拒もうが意味は無い!お前は既にロケットコンツェルンのものだ……例え進化が無理でも、イーブイは裏で高値で売られている。メタモンと一緒にさせて新しいイーブイを作り出して莫大な金を手に入れる……そうすれば俺の地位も上がる!」

 

 

金と名声に目がくらんでの典型的な研究員だな。

 

 

 イーブイに帰ってくる様に言えばイーブイは吠える。もう帰るつもりはないのだと何時でも戦える態勢に入っている。

 

「イーブイ、でんこうせっかだ」

 

「……ブイ!!」

 

 色々と考えていても仕方がないことだとイーブイにでんこうせっかを指示した。イーブイは一瞬戸惑った。だが、エンザンはなんの迷いもなく自分を匿ってくれたのだから信じることが出来る人間だと研究員に向かってでんこうせっかを使った。研究員は弾き飛ばされる。

 

「なめるな!今のお前はゲットされていない状態!ゲットさえすればこちらのものだ!いけ、ムウマ!」

 

「ムーマ!」

 

「ムウマ、くろいまなざしだ!」

 

 研究員はムウマを出し、くろいまなざしでイーブイを逃げられない様にした。だがイーブイは逃げることを視野に入れていない。この研究員を倒して自由を手にするのだと決めていた。

 

「無駄だ!お前のデータは全て知っている!相棒技の入口には入れているが会得はしていない!ゴーストタイプのムウマに対する有効打はお前には無い!!」

 

「クロバット、しねんのずつきだ」

 

 相棒技の8つの技をもうすぐ覚えそうだが覚えそうであって覚えていない。

 

 ここで頑張ってイーブイがムウマを倒す!と言う展開が熱いが、そんな展開に付き合う暇は無いのだとクロバットを出した。クロバットはムウマに向かってしねんのずつきを当てた。

 

「なっ、卑怯だぞ!」

 

「ポケモンを使った実験を行っている悪党には言われたくはない」

 

 ムウマは一撃で戦闘不能になった。思ったよりもレベルは低かった。

 

 研究員は逃げ出そうとするのでイーブイが足元に向かってでんこうせっかを決める。

 

「こうなった以上は、連れて行くぞ」

 

「ッヒ、ヒィイイイイ!!」

 

 エンザンはイーブイを実験に使っていた研究員をジュンサーさんに突き出した。

 

 ポケモンの人体実験を非合法に行っている場所の可能性があるとロケットゲームコーナーの地下に直ぐに突入した。

 

 ロケットゲームコーナーにある実験施設はもぬけの殻で人が居ない、残ってあったのは取り扱うのに使用許可が必要な薬物、許可が降りることが無い国の施設じゃないと扱えない薬物、実験に使われているヤドンやニョロモの様に複数の進化があるポケモン達……何体かは息を引き取っていた。

 

 ポケモンに対して危険な実験を行っている形跡があるが誰がしたかの痕跡は無かった。パソコン等に研究のレポートがあり、自分が旅立ってから数日後ぐらいにイーブイをゲットしたのだとレポートが残されておりイーブイで実験をしている証拠が握られ、研究員は文字通り逮捕された。

 

「……後でポケモンタワーに寄るか……」

 

 何体かは息を引き取っているポケモンがいた。

 

 コレは丁寧に供養しておかないといけないので墓地があるところで有名なシオンタウンに逆戻りと考えた。

 

 タマムシシティ→ヤマブキシティ→シオンタウンのルートが入った。急遽だが問題は無い。

 

「そこでこそこそと隠れていて、なにをしているんです?」

 

「…………(ちり)

 

「……地理?」

 

 なんか色々と大変な一日だったと思っていればハンサムが現れた。

 

 ロケットゲームコーナーの地下にあるアジトに立ち入ってから視線を感じているから出てこいと言ったらハンサムが出てきた。

 

 ハンサムはジッとこちらを見つめてきて何かボソリと呟いた。それを聞いてもエンザンは特にピンと来ることはなかった。

 

「いや、なんでもない。助かったよ……ロケット団のアジトの1つを見つけることが出来たのは実にありがたいことだ」

 

「そうですか………………………」

 

「どうかしたのかね?」

 

「自分も嫌な体質になったなと思いましてね」

 

 

スボミーに始まり、モグリューからのサントアンヌ号の事件からのイーブイとの出会い。

どういう風に考えても妙な方向に運命力の矢印が向いている。まだ江戸川コナンや金田一一の様な死神体質なじゃないだけマシだが……コレは普通に嫌な体質だな。

 

 

「そのイーブイはどうするつもりかね?」

 

「ゲットしていいのならばゲットします……問題はありますか?」

 

「いや、特に無い……イーブイも君には心を開いているみたいだからゲットするつもりが無ければ勧めていたぐらいだ。そのイーブイは少し特殊なようだから」

 

 人体実験をされていたイーブイは意外と心の壁が分厚かった。

 

 特に迷いもなく自分を庇ってくれたエンザンには心を開いていたのだがジュンサーさん達に対しては色々と疑心暗鬼であり、ジュンサーさんが保護をしようとしたらジュンサーさんに噛み付いた。エンザンが止めるように言えば止めたのでエンザンの言うことならば聞くとハンサムが判断をしている。エンザンはモンスターボールを取り出した。イーブイに投げればイーブイはモンスターボールに触れてゲットされた。

 

「あの冷静さに行動力……素質ありか……」

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