ポケットモンスター チームオブブルース   作:局務事通交ピルア

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第13話

 

 ゴールドバッジをゲットし、シオンタウンで亡くなったポケモン達の供養をした。

 

 次に目指すのはセキチクジムだと歩いていれば……腕自慢のトレーナー求む!の看板が置かれていた。

 

「コレは……技の威力を見るものか?」

 

 腕自慢のトレーナーのポケモンはコレに攻撃してください!そう書かれている看板の隣にはサンドバッグがあった。そして数字を出すモニターがあるトレーナーの名前とポケモンの種族名と数字が書かれている。ここから考えられることは1つ、ポケモンが使った技を具体的な数値にする装置だろう。

 

 

この世界では数値化は難しいんだがな。

 

 

 ゲームならば数字こそが絶対のポケモンバトルだがこの世界では数字では計り知れないものがある。だからポケモンの攻撃の威力を数字で判定するのはどうかと思った。しかしある程度は正確に計測している。進化をしていてパワーを持っているポケモンと強力な技が上位に名を出している。

 

「おやおや、誰かと思えばエンザンじゃないか」

 

「シゲルか……1位だな」

 

「ああ、僕のカメックスがトップさ!」

 

 技の威力ランキングの1位にシゲルとシゲルのファーストポケモンであるゼニガメの最終進化系であるカメックスとハイドロポンプが名を刻んでいる。僕ならばこの程度出来て当然さと思っているシゲルはエンザンの方をジッと見る。

 

「挑め、と言いたいんだな?」

 

「君は腕に自信が無いのかい?」

 

 実際にバトルしたわけでないがそれでもシゲルはエンザンに勝っていると思いたかった。エンザンは自分のポケモンの技の威力がどれくらいなのかが気になるが別にここで計測しなくてもいいかと考えている。シゲルはエンザンを見つめてるのでチャレンジしろと思っているのだろうとエンザンはサンドバッグを見ればシゲルは煽る。

 

「ああ、自信は無いな」

 

「…………」

 

 

予想外の事を言われて、次に出す言葉が浮かばないのか。

少なくとも俺は気にはなっていても自信は全くと言って無い……カントーリーグに出るまではまだ世界を知らないんだ。

 

 

 エンザンはちゃんとポケモンを育成しており文字通りの敗北はまだしていない。もしエンザンにとっての一番の敗北を上げるのならばハナダジム戦だろう。だが、ハナダジムは勝っている奴はしっかりと勝っている。ジムバッジを8個集めたトレーナーだけが挑むことが出来るポケモンバトルの祭典、ポケモンリーグでホントの実力が示される。

 

 過去に姉のポケモンリーグを予選から見に行ったが明らかにレベルが違う。いい意味、とてもレベルが高いトレーナーもいれば悪い意味、レベルが低くどうしてポケモンリーグに出場することが出来るのか?と言うトレーナーもいた。

 

 ジムバッジを8個集めた猛者!な筈だがかなりのレベル差がある。トレーナー歴1年目のトレーナーとトレーナー歴数年のトレーナーがぶつかり、トレーナー歴1年のトレーナーが圧勝したという事例はこの世界では割と見かける事だ。だからエンザンは油断しない、いや、出来ない。カントーリーグには既に一度カントーリーグ以外の他の地方のリーグに出場して好成績を残した強い奴が居るかもしれないのだから。

 

「俺も気にはならないと言えば嘘にはなるからな……いけ、ドリュウズ!」

 

「ドゥ!」

 

 シゲルの挑発には乗らないものの、自分のポケモンの技の威力が気になっている。ここは勝負を受けるかとエンザンはドリュウズを出した。シゲルは見たことがない自分の知らないポケモンが出てきたのだとポケモン図鑑を取り出してサーチするが、シゲルの持っているポケモン図鑑はエンザンと同じ初代仕様なポケモン図鑑なのでドリュウズのデータが出てこない。

 

「この地方で見かけないポケモンか、流石だね。でも、この状況で最初のポケモンを選ばないのはないんじゃないかな?」

 

 シゲルはエンザンがヒトカゲを貰ったトレーナーなのは知っている。最初に貰ったポケモンだからこそ鍛え上げられており、手持ちの中で一番レベルが高いと考えておりヒトカゲもしくは進化したリザードやリザードンを出さない。自慢のエースじゃないのか?と聞くがエンザンは冷静に対応する。

 

「瞬間的な最高火力を出せるのはドリュウズだ」

 

 

メガシンカ、テラスタル、Zワザがあれば話は別だ。

自分のポケモンを定期的に入れ替えたりしていて満遍なく育成に力を注いでいてリザードとドリュウズがぶつかれば……高確率でリザードが勝てるが瞬間的な最高火力はドリュウズが出せる……筈だ。

 

 

 シゲルに煽られたがエンザンは特に気にすることはなくドリュウズが最高火力を出せると言った。

 

 サトシと同じ様にしても乗ってこないエンザンに対してシゲルは少しだけ物足りなさそうな顔をしている。エンザンはそれに気付くがサトシの様に反応したりするほどに若くはないとサンドバッグを見つめる。

 

「ドリュウズ、アイアンヘッド!」

 

 ドリュウズに使わせたのはアイアンヘッド……最新のポケモンではドリュウズに必需品と言わんばかりに覚えさせられている。

 

 相手は動かない的でそれなりのサイズがありパワーを溜める時間がしっかりとある。ドリュウズは足に踏ん張りを入れてアイアンヘッドをサンドバッグに叩き込んだ。計測機は数字を点滅し、なにかいいことがあったのかパーッパラッパパと音が鳴った。

 

「なっ!?なにかの間違いじゃないのか!?」

 

「1位か……」

 

 シゲルのカメックスのハイドロポンプより威力が高いと機械は測定した。

 

 新しい記録が出たのだがシゲルはなにかの間違いだと言った。

 

「コレは純粋なパワーだけを見るものだ。ドリュウズは最高火力を出せる反面、覚えてほしい技を覚えないポケモンだ。ポケモンバトルは水物だ、数値が大きい=優劣の差が確定したわけじゃない」

 

 

カメックスはメガカメックスでなければどちらかと言えば防御寄りのポケモンだ。

シゲルのカメックスがしっかりと育てられているとしてもドリュウズとの間にそれなりのパワーの差がある。

流石はドリュウズだ。コレでストーンエッジを覚えないのがホントに残念だが。

 

 

 ポケモンの能力という個性を理解している。シゲルとのカメックスの間にレベル差は少しあるがそれを踏まえてもドリュウズのパワーが上だった。エンザンは冷静に分析しており実際にシゲルのカメックスとバトルになった場合は高確率で負けると思っている。

 

 冷静なままのエンザンに対してシゲルは慌てる姿は見せなかったが内心ギリィ!と音が出るレベルでの歯ぎしりをしている。ポケモンをゲットした数もジムバッジの数もシゲルが一番だ。自分が一番だと思っていたシゲルはエースのポケモンである自慢のカメックスが軽く上回れた事が屈辱的だった。

 

「ところでなんでこれがあるんだ?」

 

「さぁ?」

 

 ここから一番近い街とか村とかからはそれなりに距離があって自然豊かな場所だ。この手のものはこんなところよりも街の中にあるべきものだ。何故ここにあるのかの素朴な疑問を抱いていると1人の中年男性が現れた。

 

「とあるポケモンを退治してほしいんだ!その為に腕自慢のトレーナー達を各地から集めているんだ!」

 

 ポケモンを退治してほしいという至ってシンプルな願いだった。

 

 本来ならばありえないポケモンが住み着いて生態系が大幅に荒れているのだろうか?その場合だと放置する事が出来ないので力を貸すかとエンザンとシゲルは力を貸すことに。自分達以外にも腕自慢なトレーナー達が何十人も居る。こんなに集めてレイドバトルでもするのかと思いながらも辿り着いたのは山岳地帯であり

 

「!?」

 

 突如として乗っていたバスが縦に揺れた。

 

 整備されていない道だから激しい段差があるのは分かっているがコレは明らかに異常だ。牽引の工事現場作業員が降りるように言った。

 

「やぁやぁ、待たせたね!腕自慢のマサラタウンの一番星!シゲルの推参!」

 

「あ、シゲル!それにエンザンも」

 

「サトシか」

 

 腕自慢のトレーナーは僕さと現場に辿り着けば威張るシゲル。バスには乗っていなかった筈なのにサトシ一行が居る。サトシ一行はこのルートを通っていったのだと直ぐに理解しここでなにかしらの厄介な事が起きる可能性があるなと考えていると拡声メガホンを手にしている工事現場作業員の人が声を掛ける。

 

「お集まりになった腕自慢のトレーナー達!諸君らには今世紀最大の害獣と戦っていただきます!奴らは群れを成しておりっ、来た!!」

 

「「「ディグダグディグダグ」」」

 

「あれが今世紀最大の害獣?」

 

 工事現場作業員が害獣駆除に対して説明をしている中で奴は現れた。そう、ディグダとダグトリオである。サトシがイメージしていたのと違うなとポケモン図鑑を取り出してディグダとダグトリオのデータを確認する。こんなのが害獣なのか?とサトシだけでなく他のトレーナー達も疑問を抱いた。

 

「お言葉ですが、ディグダやダグトリオを今世紀最大の害獣と呼ぶにはふさわしくはありません」

 

「見た目に騙されるな!あのポケモン達は愛くるしい見た目に反しとてつもない害獣であり、今もこうして工事の邪魔をしている!ここには天然の温泉付きの豪華なリゾートホテルを建設予定だと言うのに!!」

 

 工事に必要な機材が乗っているトラック等の車両が通れないように落とし穴を作って妨害する。工事現場作業員は憎悪の眼差しでディグダとダグトリオに向かってピコピコハンマーを持って立ち向かう。ピコピコハンマーでディグダやダグトリオを叩こうとするのだが、避けられた。

 

「無駄ですよ、ディグダとダグトリオは秒速299792458mで穴の中に潜れるのですから」

 

「素直に光の速さと言った方が分かりやすいだろう?」

 

 光速の世界に足を踏み入れているディグダとダグトリオ。およそ常人には届かない世界のポケモンであり、その攻撃は無意味。

 

 シゲルは分かりにくい事を言っているなと思いつつもどうするべきか……この話は一応は覚えている。ディグダとダグトリオが工事の邪魔をしてくる。ディグダとダグトリオを倒す為にサトシを含めて多くのトレーナーが雇われる。しかし、ディグダ達とトレーナーが持っているポケモンは戦うつもりはないとモンスターボールから出ることそのものを拒否する。

 

 その理由はポケモンが住んでいる自然の領域を荒らそうとしているから、ディグダやダグトリオは自然を荒らすなと戦っていると知っているから。

 

 なにをすればいいのかが分かったシゲルはモンスターボールを取り出し、ポケモンを出そうとするが出なかった。後に続くようにトレーナー達が自慢のポケモンを投げるが出てこない。エンザンもものは試しだとドリュウズが入っているモンスターボールを投げたがドリュウズは出てこない。

 

「…………自然とポケモンとの共存か」

 

 エンザンはポケモンが使えないならば意味は無いと工事現場を去り、ディグダやダグトリオ達が耕している山を見る。

 

 

ポケモンという超常的な力を持っている生物が1000種類以上存在し全てを合計すれば何万体も居る。

そのポケモンを無視し人間だけが住む環境を整える……確かこことは違う世界線のパラレルワールドではアローラの環境を破壊してZワザが使えなくなるという事態に陥ったか。

プラズマ団は無しとして過激なポケモン愛護団体は実際に居る。そしてその逆の存在も居る。更にはポケモンと共存していて割と大事な事を一族の間で隠している民族も居る。

人間という種族がポケモンとどういう風に上手く付き合い生きていくのか……人間が上手く生きられないならば人間は絶滅している、自然環境をホントに保護したいのならば人類の抹殺、しかし人類もまた自然の一部………Gガンダムみたいな事を考えてるな。

 

 

 エンザンはポケモンの世界を少し一歩踏み込めた気がした。

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