ポケットモンスター チームオブブルース   作:局務事通交ピルア

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第14話

 

「ジムのマークはあるが看板は無いのか」

 

 6つ目のジムであるセキチクジムにやってきた。如何にも古風な城であり、ジムである証のジムマークが置かれているだけだった。

 

 

忍者が出そう……いや、忍者だったか。

 

 

 忍者屋敷っぽくまるで京都太秦映画村だなと感じていたがそういえばジムリーダーは忍者である。

 

 忍者って絶滅したんじゃないのか?と思うだろうが、現代でも忍者の文化を残そう研究しようと必死で伊賀とか甲賀とか行けば先祖が忍者していたらしい人とか意外と居る。ならば神秘的な存在であるポケモンがいて如何にもな悪の組織が居る以上は忍者にはかなりの需要があるだろう。

 

 法律的に潜入捜査とかそういうのって色々グレーだが、綺麗な言葉で解決できるほどに世の中は甘くはない。悪いことを企んでいる人は絶対にいるのだからそれに対抗する手段の1つや2つは必要であり忍者には需要がある。

 

「映画村の忍者屋敷だな」

 

 忍者屋敷の扉を開けば岩だった。映画村の忍者屋敷もこんな感じだったなと思い出す。

 

 コレは忍者屋敷だと思って行かなければならない……何処かに隠し通路があるのだろうと探していると隠し扉を発見した。ひっくり返るタイプの隠し扉で背中を合わせてくるりとひっくり返った。

 

「……」

 

 セキチクジムの中に入ることに成功したエンザンだが直ぐに悩んだ。

 

 ようこそ!セキチクジムへ!とセキチクジム内部にはデカデカと歓迎ムードであり忍者体験を選ぶのならば右のルート、セキチクジムに挑みに来たのならば左のルートを通ってください。

 

 

っく……気になる。

 

 

 チャクラなんてエネルギーを使わないガッチガチの忍術をもしかしたら見ることが出来る。

 

 セキチクジムのジムリーダーは忍者、これだけは確かであり忍術を間近で見ることが出来る。それはそれで物凄く気になるのが男ってもんだよと珍しくエンザンは欲望に負けそうだった。と言うか負けた。忍者体験のルートを選んだ。

 

「ファーッファッファッファ!忍者体験教室によくぞ参られた!拙者がセキチクジムのジムリーダーで忍者講師のキョウでござる!」

 

「マサラタウンのエンザン、忍者体験もしたいですがジム戦もしたいです!」

 

「うむ!元気のある若者で何よりだ!」

 

 何処からともなく現れた忍者、セキチクジムのジムリーダーのキョウだ。

 

 煙玉とかそういうのを一切使わずに瞬時に現れた。忍者はホントなんだなと少しだけエンザンの男心を躍らせる。そして服のサイズを聞かれたので答えれば忍者の衣装を渡されたので着替えた。

 

「忍者の仕事であるが色々と種類がある!諜報活動、破壊活動、浸透戦術、謀術、暗殺と……全てを行える完璧な忍者も居れば一芸に特化した忍者も居る!一芸に特化した忍者はバカには出来ん!その芸に特化した、例えば浸透戦術ならば詐称が上手いのでござる!しかし、逆を言えばそれしか出来ぬ!特化した忍者でなく様々な事を教えるのが拙者の流儀!先ずは運動能力がどれほどなものなのかを見せてもらおうではないか!」

 

 忍者に必要な運動能力を試される。エンザンはせっかちではないのでさっさとなんかの術を教えてくれとは言わない。

 

 

忍者に必要な運動能力……確か毎日1回木の上をジャンプするだったか?

 

 

 とても早く成長する麻の木の上をジャンプして飛び越す、それを毎日繰り返して忍者の跳躍力を手に入れる。ボンヤリだが覚えている忍者の特訓をするのだが今日1日で分かるものなのか?と素朴な疑問を抱きキョウについていけば……グワットステップス、ローリングヒル、スクリュードライバー、フィッシュボーン……完全にSASUKE1stステージだった。

 

 

いや、確かにニンジャウォーリアーズだけども…………

 

 

 まさかのSASUKEの1stステージが出てくるとは思わなかった。エンザンは忍者らしくないなと思った。SASUKEはオブスタクルスポーツと呼ばれるジャンルのスポーツ、何故にこうなっているのかと考えていた。

 

「ファッファッファ……考えが青いな」

 

「青い?」

 

「人が繁栄し発展し進化するにはなにが必要か!それはカラクリの力、即ち機械化である……人が増えればどの世界も機械化(オートメーション)に入る!手作りに拘ったとしても人の数の都合上でどうしても機械の力が必要になる!」

 

「まぁ、確かにそうだが」

 

「ならば、忍者はどうすべきか?答えは簡単!忍者自身もアップデートしなければならぬ!それが忍者の生き残る道であろう!発展した科学技術の前では古代の忍の術は通じはしない!色々と試した結果、これが1番!さぁ、お主の運動能力を見せてもらおう!!」

 

 

科学技術の発展とか治安とか法律の整備とかで忍者みたいな存在は絶滅しかけているか。

それに合わせて忍者もアップデート、当然と言えば当然だ。戦国時代ならば赤外線のセンサーは無いが現代では専用のスコープでないと見れない特殊な赤外線もある……形はどうあれSASUKEを楽しもう。

 

「お見事!」

 

「はぁはぁ……予想以上だな……」

 

 

SASUKEの1stステージ、スゴくキツい……コレを終えた後に握力の世界に入るのか。筋肉の祭典だな。

 

 

「最近は色々と導入しているのだが、中々にやるでござるな……しかぁし!運動能力だけに優れていればいいだけのものではない!忍者は知性も試されるもの!ピンクバッジが入っている電子ロック機能搭載の箱を開けてみよ!ロックを解除するヒントはコレだ!」

 

 1stステージに苦しんだエンザンだがキョウは手を休めない。初歩的なプログラムで電子ロックされている箱を渡されヒントも渡された。エンザンは電子ロックがされている箱を見つめる。そしてモンスターボールを取り出しモンスターボールから出る光線を当てた。

 

 カチリと電子ロックが施されていた鍵が開き、中に入っているピンクバッジを取り出した。

 

「な、なんと」

 

「ポリゴンならばいけると思ったが、いけたか」

 

 ポリゴンをプログラムの中に入れて中から鍵を開かせた。ポリゴンならば出来ると思っていたので試しにしたら成功した。

 

 モンスターボールを翳せば電子ロックの箱から赤い光線が出てきてポリゴンがモンスターボールに戻った。

 

「ムムム……電子関係は強いでござるな!……本来であれば水面歩行を教えたいところだが、その前にジム戦だ!使用ポケモン3体のシングルバトル!交代はチャレンジャーであるお主のみ可能でござる!」

 

 色々と回り道をしてしまったが、本来の目的であるポケモンバトルがここで行われる。

 

 モンスターボールを構えキョウは1体目のポケモン、ゴルバットを出した。

 

「ルバット!」

 

「ゲンガー、バトルスタート!」

 

「ゲン!」

 

 キョウのゴルバットに対してゲンガーで挑む。

 

 ポケモンタワーでゲットしたゲンガーはロゼリアと交流をしポケモンバトルに対して興味を抱いてくれ、悪ふざけはするもののポケモンバトルはしてくれる。ゲンガーはニヤニヤと笑みを浮かび上げている。

 

「ほぉ、どくタイプのエキスパートである拙者にどくタイプのポケモンで挑むか!」

 

「毒は薬にもなる……どくどくという猛毒に対する薬にな」

 

「ファッファッファ、どうやらそれも読んでいるか!」

 

「ゲンガー、10まんボルトだ!」

 

 一番厄介なのはもうどく状態になるどくどくだ。だから先ずはどくタイプのゲンガーに任せる。

 

 最初の攻撃だとゲンガーは10まんボルトを放つ。ゴルバットは10まんボルトを浴びたが倒れない。ゲームじゃ一撃で沈んでいるがこの世界では余程のレベル差が無ければ一撃の負けは早々に無い。エンザンは旅をしていく上でそれを学んでおり10まんボルトで倒せなかった事は驚かない。

 

「中々のパワー、もう1撃は厳しいか……どくが通じぬが手段は無いわけではない!ゴルバット、こうそくいどう!」

 

「ゲンガー、アンコールだ!」

 

「むぅ!!」

 

 こうそくいどうで撹乱し、ゲンガーに10まんボルトの照準を合わせない。ゲンガーは戸惑っているがエンザンは慌てることはせずにアンコールを指示した。アンコールを受けたゴルバットはこうそくいどうしか使えない。

 

「ファファッファ!策士策におぼれるとはこのことよ!既にゲンガーよりも素早さは上回っている!こうそくいどうは使えるので更にゴルバットは素早さを増すのみ!そして回避が可能である!」

 

「ゲンガー、じこあんじだ」

 

「なんと!?」

 

 アンコールを受けたもののこうそくいどうが使えるのでこうそくいどうを使い続けて素早さを増やしていくゴルバット。これならば10まんボルトを当てることは不可能だと笑っているのだがエンザンはじこあんじをゲンガーに使わせた。

 

 能力値変化、主にデバフ系の技は使われない事が多々ある世界なもののバフ系の技はそこそこ使われる。それに対抗しゲンガーにはじこあんじを覚えさせており、じこあんじを使い素早さが最高にまで高まったゴルバットと同じ補正を会得する。ゴルバットはゲンガーの背後を取った、と思ったら何時の間にかゴルバットの背後にゲンガーが忍び寄る。

 

「10まんボルト!」

 

「ゲンガ!!」

 

 10まんボルトをゲンガーはゴルバットに浴びせた。ゴルバットは墜落しフィールドに落ちた。

 

「ゴルバット、戦闘不能!ゲンガーの勝ち!」

 

 ゴルバットを倒した。

 

 ゲンガーは技の枠を1つ残して最大にまで素早さを高めている。もともと素早いゲンガーに更に素早さが磨きがかかっている。

 

「ゆけ!ヤドラン!」

 

「……ガラルヤドランか……」

 

「相手と同じ土俵で戦わない、旨味を生かすのもポケモンバトルでござる!」

 

 先程までは素早い動きをして撹乱をする戦術を取っていたが急にガラルヤドランが出てきた。

 

 素早さにのみ特化したバトルならばじこあんじを使って素早さを高めているゲンガーには勝てない。同じどくタイプのポケモンでも戦闘スタイルが大きく異なるガラルヤドランを出すことで緩急をつける。

 

 

ガラルヤドランは原種のヤドラン同様に足が遅い。さっきコピーしたこうそくいどうの素早さを生かそうにも素早さ勝負は無い。

サイコキネシスの様な触れなくても効果があるタイプの波状系の特殊攻撃を覚えれる……ゲンガーの技の枠は残り1つ

 

「ヤドラン、ドわすれ!」

 

「……戻れ!」

 

「ほぉ、シャドーボールを撃ってこぬか!」

 

「それが狙いなのは分かっている」

 

 特殊攻撃がとても強いゲンガーのサイコキネシスはとても強い。

 

 技の枠は残り1つ、サイコキネシスを使われては困る。だからエスパータイプが弱点ではないガラルヤドランを出した。シャドーボールを使うことでゲンガーの技を全て使わせる。シャドーボールを使えば4つの技全てを使ったことになりサイコキネシスが使えなくなる。サイコキネシスのゴリ押しで倒そうにもガラルヤドランには特防を二段階上昇するドわすれがある。

 

 

10まんボルトはミスか…………相手を見誤ったな。

 

 

 エンザンはゴルバットを相手にゲンガーに10まんボルトを指示した。

 

 10まんボルトを使うことでサイコキネシスが無いのでは?と思わせる揺さぶりをかけたのだが、相手はジムリーダー。更には得意などくタイプのポケモンであるゲンガーだ。なにを覚えてなにを覚えないのか熟知している。

 

「忍者たるもの力だけでなく知性も必要である!サイコキネシスを覚えるエスパータイプでないポケモンも当然熟知している!ゴルバットを失ったのは少々予想外でござるが拙者の五車の術に見事に引っかかったよな!」

 

 

ポケモンバトルに心理戦が必要なのは分かっているが……相手は忍者だから感情を操る五車の術が……見誤ったが、まだ巻き返せる。

 

 

「ドリュウズ、バトルスタート!」

 

「ドゥ!」

 

 ゲンガーを戻しドリュウズを出した。

 

 ドわすれで特防は高くなっている以上、特殊攻撃での攻めは危険だ。どくタイプとエスパータイプに強く出れるドリュウズが1番……だがエンザンは油断しない。

 

「ヤドラン、かえんほうしゃだ!」

 

 当然の様にかえんほうしゃを使ってくるヤドラン。

 

 特殊攻撃での攻めはこちらが出来ないが向こうは出来る。効果そのものが無いはがねタイプをどうにかするかえんほうしゃはしっかりと覚えさせている。

 

「ドリュウズ、じわれだ!」

 

 

ガラルヤドラン相手に長期戦は一番やってはいけないことだ。

 

 

 エンザンはドリュウズにじわれを指示した。ドリュウズはじわれを使いガラルヤドランを嵌めた。耐久力が売りのガラルヤドラン、ならば一撃必殺の技で仕留めるしか道は無い。ガラルヤドランはじわれにやられ倒れた。

 

「ヤドラン、戦闘不能!ドリュウズの勝ち!」

 

 ドリュウズはガラルヤドランのかえんほうしゃを少し浴びたものの、じわれを当てた。かえんほうしゃのダメージは大丈夫かとエンザンは考えていたがドリュウズはまだまだ動くことが出来るのだと3体目のポケモンが出るのを待っている。まだまだ戦えると判断し、3体目のポケモンとのバトルを続行する。

 

「最後は任せたぞ!ゆけ!ニドキング」

 

「ニドォ!」

 

 3番手のポケモンはニドキング、コイツはやりづらい。

 

 ドリュウズに対してかえんほうしゃを使ってきたことからドリュウズがはがねタイプなのに気付いている。

 

「ニドキング、10まんばりき!」

 

「ドリュウズ、10まんばりきだ!」

 

 

じしんを使ってこない、じしんを回避や相殺系の技を覚えているか知っている。

10まんばりきならば真正面から受け止めるか回避するしか対抗手段はない……互角か。

 

 

 キョウのニドキングとエンザンのドリュウズの10まんばりき勝負は互角だった。ドリュウズの方がパワーを持っているが、そこはレベル差がある。互いにぶつかり合い弾かれる。

 

 じわれやじしんで倒したいが向こうも使うことが出来る。それでかき消せるから10まんばりき頼り。ダメージを蓄積する勝負になればかえんほうしゃを受けている分のダメージがあるドリュウズが先に倒される。しかしエンザンは引かない。

 

 

ここで終わりだ。

 

 

 ポケモンバトルとはチームスポーツと似ている。

 

 シュートやサーブの様な点を取る行い以外にもドリブルやパス、そこに立っているだけで与えるプレッシャー等がチームスポーツにはある。それと同じでただ出ているだけで意味があるポケモンも居る。キョウのポケモンはニドキングのみだ。ドリュウズ相手に最も威力がありダメージを与えれる10まんばりきで攻めている。

 

 何度も何度も10まんばりきでぶつかり合うドリュウズとニドキング

 

「ドゥ……」

 

「ドリュウズ、戦闘不能!ニドキングの勝ち!」

 

 激突勝負に勝利をしたのはニドキングだった。ドリュウズは負けた。だが、エンザンは悔しくはない。キョウのニドキングはドリュウズと何度も10まんばりきでぶつかり合った。そのおかげで体力を大きく削ることに成功した。

 

 まだまだ戦えるぞとニドキングは息を整える。それが痩せ我慢なのはなんとなくエンザンでも分かることだ。

 

「いけ、ゲンガー!」

 

「ゲンガ!」

 

「ニドキング、うちおとす……直ぐに撃つな。ゲンガーが止まったタイミングを狙え!」

 

 再びゲンガーが出てくる。サイコキネシスを先読みし警戒するキョウ。ゲンガーに狙いを定めているのでサイコキネシスを使おうと停止したのならばうちおとすを受けてからの10まんばりきが待ち構えている。流石にそれを受ければゲンガーは負ける。

 

「ゲンガー、アンコールだ!」

 

 だからそれを使わせない。

 

 キョウはうちおとすを指示したものの、うちおとすはまだ使われていない。最後に使った技、10まんばりきがアンコールの対象に入ってしまった。

 

「サイコキネシス」

 

「一か八か!10まんばりき!…………む、無念!」

 

 アンコールで10まんばりきしか使えなくなったニドキング。ゲンガーの特性がのろわれボディな可能性に賭けて10まんばりきを指示したがゲンガーを通過した。エンザンのゲンガーの特性はふゆうのゲンガー、じめんタイプの技は通じない。

 

 サイコキネシスが発動しニドキングが弾き飛ばされた。ニドキングは地面に倒れてそのまま戦闘不能になった。

 

 

心理戦は厄介だな、攻撃でガンガン攻めた方が気持ち的には楽だが攻撃技以外の技を使いこなせないと勝てるものも勝てない。フルアタック構成のポケモンだけで勝てるわけがない。今回、3番手のヒトデマンを使わずに済んだのはこの変化技があったからだ。

 

 

 エンザンは変化技のおかげでなんとか乗り切る事が出来たと納得した。もし攻撃重視で攻めていたのならばさらなる苦戦をしていただろう。その後、忍者教室は続きエンザンは水の上の歩き方を教わった。10歩ぐらいなら水の上を歩けるようになった

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