ポケットモンスター チームオブブルース   作:局務事通交ピルア

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第19話

 

「ポリゴンZ、はかいこうせんだ!」

 

「ギュルル!!」

 

 アニメオリジナルの8つ目のジムに挑んでいるエンザン。

 

 カントーのノーマルタイプのポケモンは意外とバカにできない。ガルーラ、ケンタロスと悪夢の代表がいるだけでなくノーマルタイプのポケモンジムだからかくとうタイプで余裕だろ!と余裕を持って挑めばノーマルタイプも入っているドードリオのドリルくちばしが飛んでくる。

 

 エンザンは当然、序盤鳥ポケモンはノーマルタイプを持っている。だからかくとうで攻めてもひこうタイプに返り討ちにされるという事は理解していた。サンダース、ゲンガー、ポリゴンZの3体でジムに挑んだ。8個目のジムバッジなだけあってか相手のポケモンは手強い。今までと比べものにならないとは言わないが強く一進一退の攻防を繰り広げ、最終戦。ケンタロスはギガインパクトで攻めてきたのではかいこうせんを使い撃墜した。

 

「ケンタロス、戦闘不能!ポリゴンZの勝ち!よって勝者、チャレンジャー!マサラタウンのエンザン!」

 

「満たしたか……よくやったポリゴンZ」

 

 ポリゴンZで無事にケンタロスを倒すことが出来てエンザンはこれでジムバッジが8個になったと安堵する。

 

 お情けじゃない純粋な実力でのジムバッジ8個、ハナダジムはちょっと曖昧だがそれでも純粋な実力で8個のジムバッジを手にした。カントーリーグが始まるまでにはまだまだ時間がある。オーキド博士に8個目のジムバッジをゲットした事を報告すれば我が事の様に喜んだ。サトシはどんな感じかを聞けばトキワジムを目指しているとのことで追い抜かれたと思っていたサトシを追い越した。

 

「……」

 

 一度マサラタウンに帰ることになったのだが道中にシオンタウンに立ち寄った。イワヤマトンネル→ハナダシティ→おつきみやま→ニビシティ→トキワシティ→マサラタウンな感じの帰還のルートだ。エンザンは供養したポケモン達の墓参りにでもいくかとポケモン達の墓に向かい花束を添えた。

 

「ここに墓参りとは珍しいですな」

 

「少し関わり合いを持ったので……」

 

 墓の管理をしている老人、フジ老人が墓参りのトレーナーが来るのが珍しいと言った。死んだポケモンに対して墓参りはするポケモントレーナーはそれなりに居る。しかしそれは自分のポケモンに対しての墓参りであり、エンザンが花束を添えた墓はトレーナーが居ないが人間のせいで死んでしまったポケモン達を一纏めにした墓である。特定のポケモンの墓ではない。

 

 墓参りに来ているとは珍しいと思ったフジ老人はエンザンに声をかけた。エンザンは少し関わり合いを持ったのでと言葉を濁した。フジ老人はなにかがあったのだなと察して深くは聞いてこない。

 

 ポケモン虐待の話はこの世界ではそれなりに聞く。大抵はポケモンを強くしようと過酷すぎるトレーニングを行なっている。そしてジョーイさんでも最新の医療技術でも治せない心的外傷を受ける。世に言うイップスと呼ばれるものに陥るポケモンもそれなりにいてトレーナーが見限り、逃がして野生で生きていく術を失う。割とよくある話である。

 

「君のポケモンは?」

 

「まだまだ元気です」

 

「そうか。もし、もし君のポケモンが死んだ場合どうする?」

 

「その事実を受け入れます。ポケモンや人間には生きる権利があるのならば死ぬ義務もあります。死んで次の世代に託す、それが自然の理です」

 

 自分のポケモンが死んだ場合はどうするのかを聞いてくるので、泣いたり悲しんだりするがそれでも死を温かく受け入れる。誰にだって生きる権利があるのならば死ぬ義務だってある。はじまりがある以上は終わりも当然必要だ。その終わりがあるからこそ、生きていると言う証だとエンザンは認識している。

 

「自然の理か……私はそれに反してしまった」

 

「理に反する不合理な生き物が人間です……なにをしたのかは聞きませんが、過去の過ちがあるならばその過ちを他の人に起こさせない繰り返さないのが一番ではないですか?」

 

「そうか。過ちを犯さないか。ならば、最初から無かったことにしなければならないか」

 

 フジ老人がそう言うとついてきてくれないか?と頼まれた。フジ老人の家に招かれればフジ老人は物凄く厳重な金庫を前にした。今からこの金庫を開くのだなと分かったので金庫を開く様子は見ないようにしているとフジ老人は話しかける。

 

「君は最強のポケモンと言われればなにが思い浮かぶ?」

 

「最強ですか?ポケモンは育て方次第で格上にも勝てる事は多々あります、勿論種族として優秀なポケモンが居るのも理解はしていますが最強は自らの手で作るものだと思います」

 

「そう、最強のポケモンは自らの手で作るものだ」

 

「ですが、最強であって無敗でも無敵でもありません。同様の敵は勿論のこと、負ける時は負けます」

 

「いや、最強とは無敗であり無敵であるからこそ最強だ……当時の私はそう考えていたんだ」

 

 

この話……まさか……いや、ありえるな。

 

 

 金庫を見ないでいればフジ老人から語られる話の内容からして何をしたかを何となくで察するエンザン。

 

 人工的に無敵で無敗の最強のポケモンを作った。生まれながらにして最強であるポケモン、そんなポケモンはこの世の何処にもいない。いないのならば作ってしまえばいい。極々普通の考えで1つの答えに行き着いた。

 

「私は、ポケモンを作ってしまったんだ……誰にも制御することが出来ない、幻のポケモン、ミュウを超えるポケモン。その名もミュウツー」

 

「聞いたことがないポケモンですね。ポリゴンと同様に人工的に作られたポケモンですか?」

 

「ああ。だがポリゴンと違ってミュウの遺伝子をベースに作られている。言わばクローンのポケモン。あらゆる技を会得するミュウの力をより攻撃的により破壊的に遺伝子操作したんだ」

 

 カチリと金庫の扉が開く音がした。金庫が開いたと思えば中には土が入った袋が入っていた。これはいったいなんなのかとエンザンは土を見つめるとフジ老人が答えた。

 

「ミュウツーが制御出来なかった時の保険として用意していた土だ……この土はおそろしい土なんだ」

 

「それは……さいはてのことうの土ですか?」

 

「ああ。この土さえあればありとあらゆるポケモンを鎮めれる」

 

 ポケスペのエメラルドがポケモンの故郷である土を弾丸にして放っていた。そうすることで荒ぶるポケモンをも鎮める。そしてミュウはありとあらゆるポケモンの遺伝子を持っている。そんなミュウが住み着いているさいはてのことうの土はポケスペのエメラルド編でとても役に立った。生まれも育ちも種族も違うありとあらゆるポケモンを文字通り鎮める事が出来た。

 

 

それを使うには専用の道具が必要なんだがな……

 

 

「気性が荒かったり、言うことを聞かないポケモンを鎮めれる」

 

「マスターボールと組み合わせれば伝説のポケモンの様にとてつもない強い反面、言うことを聞かせづらいポケモンを意のままに操る事が出来るのですか?」

 

「その通りだ……このさいはてのことうの土を隠していた。手に負えないポケモン達を従えようと思ったが大きな間違いだったよ」

 

「…………不要ならば、その土をください」

 

「なに?」

 

「俺はこういう物です」

 

 

まさかこんなところで役立つとはな。

 

 

 エンザンは国際警察の手帳を見せる。警察だったのか!?と驚いたフジ老人だったものの直ぐに冷静になる。

 

「君にとってポケモンはなんなのかね?」

 

「共に生きる存在です。喜びを一緒に倍増させ悲しみを分かち合う事が出来る、友達、家族、仲間、相棒……そんな言葉じゃ納められない。共に生きる存在、俺にとってのポケモンはそうです」

 

「そうか……このさいはてのことうの土を」

 

「待ってください……いけ、カメール」

 

「ガメ!」

 

 さいはてのことうの土を託そうと決めたフジ老人だったがエンザンは一旦待ったをかける。

 

 なんだ?となったフジ老人だったもののエンザンは気にせずにカメールを出した。

 

「カメール、みやぶるだ」

 

「ガメ!」

 

「ゴッス!?」

 

「なっ、ゴース!?」

 

 カメールにみやぶるを指示すれば目から光線を放った。フジ老人の家にはポケモンは居ないのだがカメールがみやぶるを使えば隠れていたゴースが姿を現した。ゴースは見られていた!と驚いて逃げていったので追いかけていく。何回か透明になろうとするもののみやぶるの効果は続いている。

 

「っちょ、来ないでよ!」

 

「……何者だ?」

 

「あら、そういう貴方こそ何者かしら?」

 

「漬物だ」

 

「…………しょうもないギャグを言ってるんじゃないわよ!!……噂はホントだったみたいね」

 

 ゴースがバレて1人の女性のもとに向かった。ゴースに戻ってくるなと1人の女性は怒った。

 

 何者なのかを聞けば聞き返されるので嫌味としてギャグを言えば興奮する。そしてフジ老人が持っているさいはてのことうの土が入った袋を見る。

 

「最強のポケモンを作るだけでなく、ありとあらゆるポケモンを従える研究もフジ老人はしている。途中で怖くなって逃げ出したけれど、ポケモンを従える為の研究はしっかりと成果を残している。どうやらその袋の中にありとあらゆるポケモンを従えるアイテムが入っているみたいね」

 

「ポケモンハンターか?」

 

「あら、あんな野蛮な存在と一緒にしないで。しいて言うのならば闇のポケモンブリーダーよ」

 

 

なんだ闇のポケモンブリーダーって……ポケモンはゲットしても悪いことに加担したくないと思ってる個体も居る。

特に伝説のポケモンなんかはその辺は厳しい。純粋に暴れ回るか理知的な個体のどちらか。理知的なポケモンを悪のポケモンに染め上げる調教師か。

 

 

 女がロケット団ではないみたいで自分のことを闇のポケモンブリーダーなどと言ったのでエンザンは推察する。

 

「さぁ、その中にありとあらゆるポケモンを従える装置が入っているんでしょう!さっさと渡しなさい……でないと痛い目に遭うわよ?」

 

「……借りますね」

 

 ハイパーボールを手にして脅し文句を言ってくる闇のポケモンブリーダー。この事からエンザンは推察しフジ老人からさいはてのことうの土が入っている袋を手にし……ひっくり返した。

 

「え?」

 

「あいにくだがどんなポケモンも従わせる魔法の様なアイテムなんて無いんだ。いけ、リザードン!ほのおのうず!」

 

「グォウ!」

 

 なにかしらの装置をイメージしていた闇のポケモンブリーダーだったが出てきたのは土だった。

 

 なんでこんな物が出てくるの?と闇のポケモンブリーダーが思考を停止した隙を突いたエンザンはリザードンを出した。リザードンにほのおのうずを指示すれば闇のポケモンブリーダーはほのおのうずに閉じ込められた。

 

 閉じ込められた闇のポケモンブリーダーは悲鳴を上げているのだがエンザンは気にすることなく飛び蹴りを闇のポケモンブリーダーの顔に叩き込んだ。女とか男とか関係無いと躊躇いなく顔に蹴りを叩き込めば気絶した。エンザンは国際警察の連絡網を使い女を調べ上げればポケモンハンターがゲットしたポケモンを育成する業者だと判明し見事に逮捕された。

 

「すみません、貴重なさいはてのことうの土を」

 

 さいはてのことうの土が入っている袋をひっくり返した。幸いにもシオンタウンの土と混ざらなかったが勿体ない使い方をした。

 

 さいはてのことうの土を回収したらフジ老人に対して申し訳ないと謝るのだがフジ老人は怒っていないどころか感謝をしていた。さいはてのことうの土は危険な物だと認識しており正しく管理出来るところはないのかと考えており、今回の一件で国際警察にさいはてのことうの土を渡そうと決めた。そしてそのさいはてのことうの土を使って悪い奴等からポケモン達を守り人間不信になるポケモン達と人間が分かり合えるようにしてくれと頼まれた。

 

「コレは私個人の君へのお礼だ……ミュウツーの研究の際に資料として使った物だが君の力になるだろう」

 

 フジ老人はミュウツーに2つのメガシンカを手に入れさせる為に使ったリザードナイトX、Yとキーストーンを渡した。コレは非常にレアな物であり譲り受けるのは気が引けるエンザンだったがリザードンを持っていないし今回の様に狙われるて奪われるよりはとフジ老人はエンザンに持っていてほしいと頼み、エンザンはリザードナイトX、Y、そしてキーストーンを手に入れた。

 

 

なんともまぁ、トントン拍子だな…………だが、悪くはないか。

 

 

 トントン拍子に話が進んでいく事に違和感を感じるものの、自分にとっていい方向に動いている。いずれはメガシンカを会得しようと思ったが直ぐに会得出来た。

 

 さいはてのことうの土に関してだが、ポケモンの故郷の土がポケモンを鎮める効果があるという興味深いデータが出てきたと国際警察に言われる。さいはてのことうの土を研究し、ポケモンハンターに狙われて心を痛めたり人間に対して不信を抱くポケモンに対して癒しの力を与えたい。エンザンはその技術が完成したらモニターになってくれと頼まれた。

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