ポケットモンスター チームオブブルース   作:局務事通交ピルア

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第3話

 

「……」

 

 ポケモンを貰う日がやって来た。色々と言っているものの、ポケモンを貰えるのはなんだかんだで楽しみにしていた。おそらくはエンザンになってから一番ワクワクドキドキをしている。表情筋はあまり動かないものの、面白いものを面白いと思う感情はある。

 

 

コレで完全に伊集院炎山だな。

 

 

 旅の冒険の服装を考えたりしていたのだが、母が福袋で旅の衣装セットなるものを買ってきた。福袋なんて酷いものは酷いのだからと思ったが10000円と結構な値段をしている。10000円の福袋でクソならば完全にクソだと思いながらも数日前に福袋を開けた。赤いジャケットに迷彩柄のジーンズ……そう、何処からどう見てもロックマンエグゼの伊集院炎山だ。福袋と言うが神様はお前は伊集院炎山なんだよと言ってきている。

 

 

まぁ、別におかしい格好ではないから問題は無いか。

 

 

 学校の制服っぽかったりスーツっぽかったりしたら色々とめんどくさかったが、伊集院炎山の格好ならば恥ずかしくない。コレはコレで悪くはないなと受け入れながらもリュックを背にする。

 

「……エンザンも……旅立っちゃうのね……」

 

「姉さんは次は何処に行くつもり?」

 

「パルデア地方……テラスタルを会得するわ!」

 

 自分が旅立つからその日は見守ろうと決めていた姉のフユカ。自分が旅立てば母と父だけになる。少し寂しい思いをさせているかもしれないがこの世界ではコレは当たり前である。姉であるフユカはポケモンコンテスト・グランドフェスティバル準優勝、ジョウトリーグ・シロガネ大会3位と中々にトレーナーとしてコーディネーターとしてブリーダーとして好成績を残している。もう少しその種目に熱意を注ぎ込めばきっと1位になれたかもしれない。けど、それは姉には押しつけない。姉はチャレンジャーでなく楽しむ者だ。

 

「そう……テラスタルは色々と使い勝手が良いけどその分使う時が難しいから気をつけて……いってきます」

 

「はい、いってらっしゃい」

 

 

何気ない1ページだがコレはコレで悪くはない。

姉さんは将来的にポケモンブリーダーとしてどうするのか、俺の影響でポケモンバトル関係の知識が増えまくったからトレーナーズスクールの講師とかが向いてたりするだろうな。

 

 

 姉であるフユカがなにが向いているか考えながらもオーキド博士の研究所に向かう。

 

「おぉ、待っておったぞエンザン」

 

「どうも……ポケモンと図鑑とボールを貰いに来ました」

 

 オーキド博士の研究所に辿り着けばオーキド博士が出迎えてくれた。マサラタウンの伝統、もといこの世界の伝統、10歳になり11歳の誕生日を迎える4月1日にポケモンを貰える。オーキド博士は笑みを浮かべ歓迎してくれたので何時もの様にリラックス。

 

 オーキド博士もポケモンを新人に渡すと言う経験を何度も行なっている。だからこっちじゃぞと研究所内を案内してくれた。

 

「さて、カントー地方では初心者に渡すポケモンは決まっておる。くさタイプのフシギダネ、ほのおタイプのヒトカゲ、みずタイプのゼニガメ……お前さんの事だ、既に最初に選ぶポケモンは決めておるのだろ?」

 

「ええ……俺が選ぶのは、フシギダネ……出てこい!……っ!?」

 

 

フシギダネが入っているモンスターボール、空だ!

嘘だろう、この日を想定してパーティを色々と考えたりしていたのに……いや、それよりもだ。

 

 

「残念ながらフシギダネは先に来た子が持っていった」

 

「待ってください、例年通りの早さですよ?」

 

 

何時も通りならば一番にポケモンが貰える、そんな感じの時間に来たのにフシギダネは既に持っていかれていた。

それなのにフシギダネを先にもらっていかれた……リザードンは競合相手が多すぎる。ならばフシギダネがいい。フシギバナは色々と活躍することが出来るのに、まさかタッチの差なのか?

 

 

「いや、実はの。前日からスタンバイしておっての」

 

「それは反則では?」

 

「ルール上は問題は無い……普通に迷惑なんじゃがな……」

 

 

前日からスタンバイは反則だろう。

 

 

 エンザンの演算が初手で狂った。フシギダネを貰うつもりだったがと頭がパニックになる。

 

 目当てのポケモンを貰えなかった、それは最初にポケモンを貰う新人トレーナーならば大抵は通る道だ。

 

「なに、フシギダネは居なくともヒトカゲやゼニガメは居る……ポケモンの争奪戦ではよくあること!」

 

「お祖父様、ポケモンを貰いに……む……」

 

「おぉ、シゲルか。待っておったぞ」

 

 色々と慌てていればシゲルもやって来た。オーキド博士は明るく出迎えてくれた。

 

 エンザンが居るという事にシゲルは直ぐに気付く。シゲルが来てしまったのかとエンザンも受け入れ構える。シゲルはそういうことかと受け入れた。

 

「「ジャンケンポン!」」

 

 ここで先にポケモンを譲る、と言えばお互いに癪に触るだろう。もしかしたら目当てのポケモンが選ばれない可能性もあるだろう。ならば後腐れが無いようにジャンケンで決着をつけよう。エンザンはチョキ、シゲルはグーを出しておりシゲルが勝った。

 

 何事も最初が肝心なのは分かっているのでエンザンは悔しそうにした。シゲルは迷いなくゼニガメが入ったモンスターボールを手に取った。それを見て結局はこうなるのかとヒトカゲが入っているモンスターボールを手にした。

 

 

ヒトカゲは無しだったんだがな……

 

 

 キョダイマックス、メガシンカXYと色々と優遇されてるリザードン。使いこなせれば強いポケモンだろうが、競合相手が強すぎる。

 

 先ずはマサラタウンのサトシ、言うまでもない。次に四天王を倒した実績を持つアラン、最後に最強格のダンデ。どれを取っても強すぎる。サトシはホウエン以降舐めプをする可能性が高いから別に構わないが常時リザードンを使い続けているアランとダンデは厳しい。

 

 アランはメガリザードンX、ダンデはキョダイマックスリザードン……それに対抗するにはフシギバナが良いと判断をしたのだがここに来て破綻した……が、両頬を叩く。出鼻を挫かれてしまったが、リザードンは弱いポケモンではない。むしろ強いポケモンだ。ゲームでは既にメガシンカやダイマックスが使えなくなったがこの世界では当たり前の様に使われている。

 

「ポケモン図鑑とモンスターボールじゃ」

 

「ありがとうございます……オーキド博士」

 

「なんじゃ?」

 

「カントーリーグに出る為のバッジを集め終えたらおそらくは修行する時間が生まれます……なので、アローラ地方に修行に行きたいのです。アローラ地方でZワザを会得したいのですが、コネとかありますか?」

 

「おぉ、アローラか。ならばナリヤに話を通しておこう……が、今のままでは絵に描いた餅じゃ!」

 

「はい……今から自分を鍛えてきます」

 

 これからに備えて色々と考えていたが、今のままでは絵に描いた餅だと言われた。それはその通りだと否定する事をせずに受け入れた。今から鍛え上げて一人前のトレーナーを目指す。モンスターボールやポケモン図鑑におかしなところがないのかを確認した後にマサラタウンを旅立った。

 

「……出鼻を挫かれたし……見直しが必要になるな……」

 

 

フシギバナを主体にしたパーティを考えていたが無理か。

野生のカメールの住んでいる場所はグレンタウンがあるグレン島付近にあるからカメックスで困ることだけは絶対に無いからゼニガメを無しにしたんだがな。

リザードンを主体にパーティを……トキワシティじゃないアニオリのジムを含めて8個のジムバッジを手に入れるルートの算出は既に終わらせているので問題はポケモンのゲットだろう。

 

「……」

 

サトシがどういう風に動くかは分からないが、俺は俺らしく動こう。

先ずはニビジム……本来ならばハナダジムまではそれなりに簡単に出来ていたのだが上手くいかなかった。だが、それで終わる俺じゃない。

 

 

 トキワシティをあっという間に過ぎ去り、トキワの森に入った。

 

 1番道路等でポケモンを見かけたがモンスターボールは投げなかった。自分が育成するつもりが無いポケモンはゲットするつもりは無い。原作ではシゲルが100種類以上のポケモンをゲットしている感じで小まめにポケモンを入れ替えたりしているが自分にはそれは無理なのは分かっている。だから使えるポケモンをゲットしよう。

 

「ビィイイ!」

 

『キャタピー、いもむしポケモン。赤い触覚から匂いを放ち、身を守る。進化がとても早いポケモンの代表格』

 

「いけ、ヒトカゲ!」

 

「カゲ!」

 

「ヒトカゲ、ひのこ!」

 

「カゲェ!」

 

「ビィイイ!!」

 

 トキワの森に入ればキャタピーを見つけた。ニビジムに挑む上でキャタピーは必要なポケモンだと即座に判断したエンザンはヒトカゲを出した。ヒトカゲは待っていました!と言わんばかりに出てきた。ひのこの指示に従い火の粉を浴びせる。むしタイプのキャタピーにはこうかはばつぐん、キャタピーは苦しそうな声を上げたので今がチャンスだとモンスターボールを投げた。

 

 モンスターボールはキャタピーに当たった。コロンコロンとモンスターボールが揺れ動き止まった。エンザンはキャタピーをゲットした。キャタピーを無事にゲットすることが出来たのでモンスターボールを回収、ポケモン図鑑を開いてキャタピーの覚えている技を確認する……もっとも、キャタピーが覚えている技なんて知れている。キャタピーはバタフリーになってはじめて力が発揮するポケモンだ。

 

「ヒトカゲ、火を頼む」

 

 

トキワの森に入りキャタピーを手に入れる……原作だとシゲルもこれぐらいの速度だった。

サトシが初日はピカチュウと揉めたりロケット団と鉢合わせしたり色々とある……が、俺はあまり関わらない。と言うか理由がない。サトシと旅をしても良いことはあまり起きないどころか、厄介な事に巻き込まれすぎる。

 

 

 サトシを若干だが疫病神扱いをしているが間違いとも言えない。

 

 夕飯を済ませれば寝袋で眠る……もしエンザンになってよかったことがあると言えるのならば、睡眠薬無しで寝れる事だろう。グーと自然に眠りに入り翌日、冒険を再開する。

 

「……もう1体は必要か……」

 

 事前に掴んでいるニビジムの情報、ジムリーダーのタケシは使用ポケモンを2体要求する。

 

 1体はバタフリー、それは決まっている。しかしもう1体をヒトカゲで挑むのは心許ない。まだポケモントレーナーになって日が浅い。だから先ずは基本に忠実で戦う。いわタイプに対して強いポケモンで挑む……バタフリーはいわタイプと物凄く相性が悪い?確かにそうだが、バタフリーはエスパータイプやくさタイプの技を覚える。火力不足、と言う欠点があるがそこは育成次第だ。

 

「キャタピー、どっちに川があるか知っているか?」

 

 

みずタイプのポケモンは早い内にゲットしておきたい。望みを言えばラプラスが欲しいが早々にラプラスは来ないだろう。

だが、ラプラス以外にもカントー地方のみずポケモン達は優秀なのが多い。アズマオウとかじゃなければ問題無い……が、少しは贅沢をした方が良い。ヒトデマン、ヤドン、メノクラゲの3体で縛るか。

 

 

 森の住人だったキャタピーならば水場が何処にあるのかを知っている筈だ。キャタピーを出して川が何処にあるのかを聞けば知っているからついてきてくれと先導をしてくれる。現地のポケモンは強いなとポケモン図鑑を開いておく……何処になんのポケモンが居るのかが分かったものではない。トキワの森なのでいきなりスピアーが出てくる可能性が0とも言えない。ポケモン図鑑は何処にポケモンが居るかが分かるレーダーと同じだ。

 

『この図鑑では対応しないポケモン』

 

 

ポケモン図鑑から聞いたことがない音声がしたな。

この図鑑では対応をしない、それはつまりこの初代のポケモン図鑑以外の図鑑ならば対応をしている。

カントー地方のポケモン以外のポケモンが近くにいる……ヘラクロス、ヘラクロスが来てくれ。この図鑑で対応していないポケモンでトキワの森で出そうなポケモンならばヘラクロスが一番嬉しい。

 

 

 カントー地方のポケモン図鑑に対応していないポケモンが居ると喜び探す。ヘラクロスだったら最高だ、ヘラクロスと言えば蜜を吸っているから何処かに樹液が出る木はないのかと探したが見つからない。

 

「ビィイ!!」

 

「スボ!!」

 

「……スボミーか……悪くはない」

 

 カントー地方のポケモン図鑑に対応していないポケモンの正体はスボミーだった。それを見て落ち込むことはしない。ヘラクロスじゃなかったのは残念だったがスボミーはとても良いポケモンだ。

 

「キャタピー、やるぞ!たいあたりだ!」

 

「ビィ!」

 

「スボ!?」

 

 キャタピーに攻撃を指示し、キャタピーは攻撃する。スボミーは攻撃され驚くが自分が狙われていると直ぐに気付く。スボミーは直ぐに臨戦態勢に入る。

 

「キャタピー、いとをはく」

 

「ビィ!」

 

「スゥボォ!」

 

「すいとる、か……」

 

 

徘徊系のポケモンじゃないのにポケモンが逃げる。だからいとをはくで動けないようにした。

だが、スボミーは動かなくても攻撃出来る。すいとる攻撃は手足を使わなくても済む……ここはガンガン攻めた方が良かったか?

 

 

 やはりゲームとは違うところがあるので悩むエンザン。しかしスボミーは待ってくれない。キャタピーは次の指示は?と待っている。

 

 

トレーナーがパニックになればポケモンに響く。

手を止めてはいけないこと……そうなれば変化技は重視されず攻撃ばかり重視されるのも納得だ。

 

 

「キャタピー、たいあたり!」

 

 それしか選択肢は無い……キャタピーにたいあたりを再びさせる。そろそろいいかと思っているとキャタピーに元気が無くなった。いきなりのことで何事かと思えばキャタピーは顔を青紫色にしている。コレはポケモンがどく状態になった時の証。なんでもなおしは持っているから直ぐに直せる、だがスボミーをゲットするチャンスを失うかもしれない。

 

「ビィイイ!!」

 

「もうなのか!!」

 

 

ゲットしてまだ1日しか経過しておらずコレが最初のポケモンバトルだぞ?

 

 

 キャタピーが眩い光に身を包めば姿が変わっていく。キャタピーはトランセルへと進化した。トランセルはピシリと体にヒビを入れた。これはチャンスだとモンスターボールを取り出す。スボミーはトランセルに見ている。意識の外にある。

 

 エンザンはスボミーに向かってモンスターボールを投げた。スボミーはモンスターボールの中に入り、直ぐにカチリと音が鳴った。

 

「トランセル、その状態で動けるか?……出来れば川に行きたいんだが」

 

 スボミーを無事にゲットすることが出来たのでトランセルが動けるのかを聞いた。トランセルはこの状態では上手く動けないとなり、仕方がないとエンザンはトランセルを抱え川に向かった。

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