ポケットモンスター チームオブブルース   作:局務事通交ピルア

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サトゥーシくんのレポートを削除するから少しだけこっちを出しときます


第36話

 

 カントーリーグ・セキエイ大会はジョーイさんの優勝で幕が下りた。

 

 その結果をジョーイさんが若干だが不服そうにしていたのだが、エンザンは勝ちを譲られるつもりはない。カントーリーグ・セキエイ大会は完全に幕が下りてエンザンはマサラタウンに帰ってきていた。

 

「…………」

 

 野原の上で缶コーヒーを隣に置いて寝そべるエンザン。

 

 

何時かはその日が来るのは分かっていた事だが思ったよりもキツいな。

 

 

 それなりにポケモンをエンザンは知っている。

 

 自主的に勉強出来るタイプであり、アニポケ独特のバトルにもなんだかんだで適応し、今までホントに負けてはいけないところで勝ち続けていたのだがカントーリーグ・セキエイ大会の決勝戦で遂に敗北をした。

 

 あの時こうしておけばよかった等はエンザンは不思議と出てこなかった。ただ負けたのだと敗北の事実を受け入れるのに時間を費やしている。

 

 

転生特典的なのは貰っていない、あるのは精々情報アドバンテージだけ……俺は良くて学習能力に優れた秀才だ。シゲルやサトシの様な天性の才能を持っているトレーナーじゃない。そもそもで初出場からの初優勝は歴代でも数える程度。上出来……とは言ってはいけない

 

 

 エンザンは負けるときが来て負けたことを受け入れようとするのに必死だった。

 

 腕で目元を覆う。涙は出ない……でも、悔しいという思いが沢山あった。

 

「あ、エンザン、ここに居たんだな」

 

「パーティなら行かないぞ?」

 

 この数年でカントーリーグと言うかポケモンリーグにまともに出場出来ているマサラ民がいない。今年は4人中3人が出た。1人はオーキド博士の孫、もう1人は準優勝をしたとなれば同じマサラタウンの人間として嬉しいことこの上ない。

 

 優勝は出来なかったものの、初出場でこの成績はとんでもない。マサラタウンの面々はエンザン達を讃えようとパーティを開いてくれるのだがシゲルは修行の旅に、エンザンは野原で寝そべっており、結果的に一番順位が低いサトシのみが参加している。

 

「……負けたな。オレもお前も」

 

「お前の情けない負けと一緒にするな……お前の場合は明らかにレベルが違う。リーグ優勝をしたいのであれば最低でも手持ち全てをリザードンクラスにまで仕上げろ」

 

 エンザンが負けた事に関して色々と感傷に浸っている事にサトシは気付く。

 

 同じく負けた身なので思い知らされているサトシは共感出来るとエンザンに歩み寄ろうとするのだがエンザンはバッサリと切り捨てる。そりゃそうだ。手持ち全てをリザードンクラスにまで押し上げないとエンザンの高さまでは至れない。

 

「なんだよ!折角、人が励ましてやろうって声をかけてやったのに」

 

「自分の中で消化する事は可能だ……お前は他人の心配をしている場合じゃないだろう。俺もだが」

 

「…………」

 

 励まそうとしたサトシだったがやはり負けたことに関しては思うところがある。

 

 エンザンがリザードンレベルじゃなければ優勝することが出来ないと言われればサトシは反論することが出来ない。

 

「でも」

 

「はじめてのポケモンリーグで準優勝ってスゴくないか?と言うつもりならば俺はお前を軽蔑する」

 

「なんだと!?」

 

 はじめてのポケモンリーグで準優勝をしたのは良いことだ。才能があることは間違いないだろうがエンザンはその事を正直受け入れたくない。サトシはそれは凄いことなのだと感じているがエンザンは感じなかった。

 

「俺は本気で上を目指している……準優勝でよくできましたはただの嫌味だ。挑戦者である以上は頂点を求める……今のお前は悪い方向を向いている」

 

「悪い方向だって?」

 

「負けてしまったけど力の限りを出し尽くして悔いは無いと」

 

「それの何処がダメだって言うんだよ!」

 

「勝つのと楽しむのを同時に思うのは構わないが、満足だけはいけない。人は満足すればそれ以上を目指しにくくなる」

 

 原作知識的にエンザンが考えたが、サトシのハングリー精神は薄いと見える。

 

 普通の挑戦者としては充分なレベルだが、本気で上を目指している連中は色々と強い思想や信念、エゴを持っている。それと比べれば薄い。

 

 

ここで一番危険なのは馴れること……サトシはそうなっている。

 

 

 なんだかんだで世界最強のトレーナーになったサトシだが肝心な時に限って勝ち星よりも負けの方が多い。エンザンはエンザンなりに考えたが、サトシは負けるというものに馴れている可能性が高い。ママさんに対していいとこまでいけたけど負けたという発言がある。全てを出し切り勝つのでなく全てを出し切り頂点に至らず満足はホントに挑戦者として危険だ。

 

「まぁ、お前はお前で好きにすればいい」

 

 

下手にサトシと馴れ合えば、俺の気が緩む。

燃えるのはいいが冷静さを失うのは良くない……サトシはなにか言いたそうにしているが知らないな。

 

 

 エンザンはサトシのもとから離れた。オーキド研究所で行われているパーティには顔を出さない。シゲルはもういないしエンザンは参加しないしサトシだけのなんとも味気ない記念パーティになったがエンザンはそれでいいと思っている。

 

「それで、お前さんはどうするつもりなんじゃ?」

 

 そんなこんなで翌日、オーキド博士の研究所に向かった。オーキド博士に呼び出されたというのが正しいだろう。

 

「どうするもなにも……ああ、そういうことですか。オーキド博士、心配はいりません」

 

 

オーキド博士は俺達を心配してくれているんだな。流石はこの業界の大御所だ。

 

 

 エンザンはオーキド博士が何故自分達を呼び出したのか即座に理解した。

 

 1つの目標を立てた。

 その目標に向かって努力した。

 ある一定の成果を叩き出した。

 最終的には負けてしまった。

 

 

 サトシに言ったように全てを出し切って負けたけども満足し、それでもう終わりという人間は色々な業界に居る。シゲルは既に次を見据えている、その為にマサラタウンに1度帰らずに修行の旅に出た。サトシは暇ならばオレンジ諸島にお使いに行ってこいと仕事を与えた。じゃあ、エンザンは?となり、オーキド博士はエンザンを気にかけており呼び出した。

 

「次に出るのはジョウトリーグ……その為の特訓や新たなるポケモンのゲットを視野に入れています」

 

「む……いやはや、3人とも何ともないのか。ワシがお主ぐらいの年頃で壁にぶち当たった頃はどうしようもなく絶望しておったんじゃがの」

 

 シゲルもサトシもエンザンも次を見ている。それが分かればオーキド博士は少しだけシュンとしている。人生の大先輩としてそして嘗て自分がぶつかった壁に対して何かしらのアドバイスを与えて3人を成長させようと考えていたのだが3人とも敗北はすれども満足や挫折や絶望はしていなかった。

 

「新しいポケモンに関しては2体ほど目星をつけています」

 

「ほぉ……お前さんが選ぶんじゃから期待出来るの!」

 

「ええ……ただ……いや、ゲットしてからか」

 

「?」

 

 エンザンはチャンピオンリーグからチャンピオン防衛戦までの間、要するに次のシーズンまでにはゲットしておきたいと目星をつけているポケモンが居るのだが、ちょっと色々と特殊なポケモンだったりする。

 

 何故そのポケモンが欲しいか?と聞かれれば純粋に珍しいと思っているのと使える戦力だとカウントしているからだ。ただホントに珍しさだけで言えばぶっちぎりである。

 

 エンザンは家で休む事は特にせずに……オレンジ諸島に旅立った。オレンジ諸島にある独立リーグであるオレンジリーグに挑むため?否、アレはトレーナーとしての人間力がものを言うところがある。ネーブルジムとか完全にポケモンバトル要素皆無だ。無理に挑むつもりは無い。じゃあ、なにをしに来たかと言えば最初に言った様にポケモンゲットだ。

 

 エンザンはオレンジ諸島のとある島の洞窟にやってきた。

 

 洞窟の奥に進めば湖があった。湖の水をペロリと舐めた。塩辛さは感じない。かと言って美味いミネラルウォーターなのかと聞かれればまた違う。地下の水脈から押し出された湖だったが飲めるぐらいには非常に清らかな水であり、エンザンは確信した。

 

 

ここならば出る筈だ。

 

 

 事前の知識でこういうところにいるのだとエンザンは知っている。

 

 そいつが出てくるのをまだかまだかとオーキド博士に貰った第2世代のポケモン図鑑を片手にサーチをする。3時間粘りそして引っかかった。

 

『イワーク、いわへびポケモン』

 

「来たか!」

 

 目当てのポケモンがサーチされ普段は出さない大きな声をエンザンは出す。

 

 エンザンが狙っていたポケモンはイワークだ。イワークなんてカントー地方の山岳地帯に行けば結構な割合で見つかるものでしょ?と言われればその通りなのだが、エンザンが狙っていたのはただのイワークではない。イワークはその名の通り体が岩で出来ている。しかしエンザンが狙っていたのは体がクリスタル、つまりは水晶で出来ている世にも奇妙なイワークだ。

 

 

多分、タイミングを逃せば二度とゲット出来ない。

 

 

 クリスタルのイワークはしっかりとアニメに出ているアニメオリジナルのイワークだ。

 

 クリスタルのイワークが登場する話が出た当時はリージョンフォームの概念なんて無いに等しい。サトシ達がオレンジ諸島で冒険して順調に原作を消費している僅かな時、その時にしか出ないのだろうとエンザンは予測した。

 

「いけ、リザードン!」

 

「グォオウ!」

 

 クリスタルのイワークと対峙すればエンザンはリザードンを出した。

 

 どういう理屈か原理かは今のところは不明なのだがこのクリスタルのイワークはみずタイプの技に強くほのおタイプの技に弱い。この辺のメカニズムの解析はオーキド博士に任せるとしてリザードンはクリスタルのイワークを見て驚く。

 

「リザードン、かえんほうしゃだ!」

 

「グォオオ!」

 

「イワァアアア!?」

 

 

水晶が熱に弱いは割と聞くが、ここまで弱いか……しかし……なんと言うか、神秘的だ。

 

 

 リザードンはクリスタルのイワークにかえんほうしゃを浴びせればクリスタルのイワークは加工している最中のガラス細工の如く真っ赤に染まる。それを見たエンザンは神秘的な体験をしているのだと感じつつもモンスターボールをクリスタルのイワークに向かって投げ……クリスタルのイワークはゲットされた。

 

「……ここを逃がせば一生無かっただろうな」

 

 GSボール同様に初期のアニポケで特に考えていない要素の1つ、クリスタルのイワーク。リージョンフォーム云々が出てきた後もクリスタルのイワークは全く出てこないのでエンザンはここでゲットする事が出来てよかったと思いつつもクリスタルのイワークが入っているモンスターボールを図鑑に翳す。予想通りと言うべきかクリスタルのイワークのデータは入っていない。覚えている技すらも分からなかった。

 

「……オーキド博士が何処までか」

 

 クリスタルのイワーク、将来的にはハガネールに進化をさせるつもりだ。

 

 ただこのクリスタルのイワークを進化させればクリスタルのハガネールになるのか?その場合だとアローラサンドがサンドパンになる時の様に別の手段で進化させなければならないのか、その辺に関してエンザンは一切分かっていないがオーキド博士に丸投げしオーキド博士にクリスタルのイワークが送られればオーキド博士は興奮をし、エンザンはクリスタルのイワークの積極的研究を頼みますと頭を下げた

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