ポケットモンスター チームオブブルース 作:局務事通交ピルア
「あっさりと来れたわね」
「コレが普通じゃないのか?」
カトレアと一緒に旅をして10日ほど経過し、キキョウシティに辿り着いた。
道中、ポケモントレーナーとバトルをしたりしたがそれ以外は特に語る要素は無い。
カントー+ジョウトのポケモンは251匹で更にクロバットの様な進化後やブビィの様な進化前のポケモンがジョウトのポケモンとしてカウントされる。
文字通り新種のポケモンとしてのジョウトのポケモンは他の地方と比較しても圧倒的に少ない。
カントーでも大体見かけるポケモンをわざわざジョウトでゲットする必要は無い。
だからキキョウシティまではポケモンの育成にのみ集中をした。なにかしらのイベントが起きることを期待していたのかカトレアは少し拍子抜け……とは言え、エンザンと外の世界を歩けるのは実に楽しかったので文句は無い。
そんな物語みたいな展開にポンポンと巻き込まれてたまるか。
旅をしていればなにかしらのアクシデントに巻き込まれるのは当然だろう。
なんでもかんでも予定通りに上手く行かないのが現実だ。だが、推理物の主人公の様に行けども行けども事件に遭遇する死神体質になんてなりたくない。
毎回何かしらのイベントに遭遇しているサトシ達が異常であり、特になにもなくてスムーズに冒険出来ているエンザンが普通だ。
「すみません、キキョウジムに挑みに来ました」
「あ、すまない。今日は休日なんだ……明日なら構わないが」
「そうですか……じゃあ、予約を。既に1つの地方を巡り終えていますので」
「ああ、本気のバトルだね」
ジムリーダーはチャレンジャーに合わせて使用するポケモンを変えている。
最初に巡る8個のジムは手を抜いており、ジムを巡り終えた次の地方で本気のバトルを望めば本気のバトルをしてくれる。
本気のバトルで挑んでくるジムリーダーはチャンピオンリーグに居てもおかしくないレベルだ。それじゃあ地方リーグで負けたトレーナーは不利じゃないのか?となるが、ジムリーダーは使ってくるタイプを絞っている。
キキョウジムはひこうタイプのポケモンに偏っている。
だから弱点のタイプで挑むがジムリーダーは当然、そのタイプの弱点等を知り尽くしている。攻略法の攻略法の攻略法と鼬ごっこになるがそこはトレーナーの腕の見せ所だ。
「出鼻を挫かれたわね」
「ジムリーダーだって人間なんだから休みは必要だ」
「そうだけど……本気のジムバトルのルールを理解しているの?」
「ああ」
本気のジムバトルのルールはシンプルだ。
互いに手持ちを6体公開する。その6体を見て3体のポケモンを選ぶ。選んだ3体のポケモンでポケモンバトルをする。
現実のポケモンバトルに近い……フルバトルは効率が悪いのか?
この世界では6350のルールは採用されていないが公式大会では使用ポケモン3体のシングルバトル、使用ポケモン4体のダブルバトル、使用ポケモン6体のフルバトルが採用されている。本気のジムリーダーとの試合は6350の試合と同じ感じだ。
ただ自分が持っている武器をぶつけるのでなく頭も使えという事か。
相手の持っているポケモン6体が分かる。その内の3体が出てくる。
自分が持っている武器を活かしてガンガンと戦うのは1年目まで。2年目からは自分が持っている武器の性質等を理解し、相手の戦術等も理解する。
相手が使ってくる手を考慮した上で戦術を練ろ。
ジムリーダーも本気なのでしっかりと戦術を組み立てているのでそれを考慮しろという新しい問題だ。
「これよりキキョウジム戦を行います!両者、6体のポケモンの開示を!」
「いけ!」
「出てこい!」
翌日、試合は開始する。
本気のバトルだとまずは互いに6体のポケモンを出した。
エンザンの6体は
リザードン ポリゴンZ スターミー ロトム(フロスト)サンダース クロバット
ハヤトの6体は
ピジョット クロバット ドンカラス ネイティオ ロトム(スピン) グライオン
の6体だ。
「選択開始!」
相手のポケモン6体を見てどのポケモンで挑むか決める時間が始まった。
制限時間は5分、この5分で頭を回転させなければならない。
ピジョット、ドンカラス、クロバット、ネイティオ、ロトム(スピン)、グライオンか。物理攻撃も特殊攻撃も変則的な戦い方も全て可能で弱点であるでんきタイプで挑めばロトムとグライオンで返り討ちに遭う。
ひこうタイプは空を飛んで移動することが出来る能力を持っているから、それが実に厄介だ……だが、やれることは色々とある。
「この3体に決めました」
「こっちもだ」
色々と考えた末に答えをエンザンは出した。
ハヤトもなにを出すのかを決めてポケモンをモンスターボールに戻した。
「預かっておくわ」
「ああ、頼んだ」
なにかの拍子で選んでいない3体が出てきたら困る。
エンザンはカトレアに3体のポケモンを預けバトルフィールドに立った。
「いけ!グライオン!」
「グライオ!!」
ジム戦なのでハヤトが先にポケモンを出した。
ハヤトの1体目はグライオン、今回見せた6体のポケモンの中で唯一でんきタイプが効かないポケモンだ。
「ロトム、バトルスタート!」
「ロトト!」
「……グライオンに対する知識が0?いや……ロトムのその姿はフロストロトム。分かって挑んだか」
やはりと言うか、ジムリーダーは頭1つ抜けた別格だな。
俺がグライオンを知っているても尚ロトムを出した事に気付いている。
「試合開始!」
「ロトムの特性はふゆう!グライオンに覚えさせているでんきタイプ対策の技は使えない。だが、それ以外の武器はある!グライオン、ほのおのキバだ!」
「ロトム、おにびだ!」
当然と言えば当然だが、グライオンはフロストロトムの弱点であるほのおタイプのほのおのキバで攻める。エンザンはそれを読めていたのだとロトムにおにびを使わせた。
顔の周りは炎を纏っているがそこ以外はなにもない。おにびを燃やしてグライオンに命中させればグライオンはやけど状態になったのでエンザンはモンスターボールを取り出した。
「戻れ」
「もう戻すのか?」
「ハッキリと言えばフロストロトムにこのジム戦は早いので仕事を割り当てることで誤魔化しています。スターミー、バトルスタート!」
フロストロトムの反撃のチャンスが生まれたがエンザンは攻めなかった。
フロストロトムをボールに戻してスターミーと入れ替えた。
流石にレベル差は目立つ。
カントーでの冒険でゲットしてセキエイ大会に出る為に育成したポケモン達とセキエイ大会を終えてからゲットしたロトム、鍛えている度合いで言えば当然ロトムの方が下だ。
フロストロトムになった事でこおりタイプ最強のふぶきを使えるようにはなったが、それでグライオンを倒せると慢心しない。
ハヤトのポケモン達を見た瞬間、1対1体がとても強いと感じた。
ひこうタイプと言う統一、ポケモンを途中で入れ替えてはいけないというジムリーダーの縛りがあるから戦えているが、それが無ければ負けている可能性は非常に高い。
「スターミーか……」
「スターミー、グライオンを捕捉し続けろ」
2体目に出てきたのはスターミーだ。
じめんタイプであるグライオンとは相性が悪い。グライオンは空を飛べると言う利点はあるが、スターミーは中距離以上から放つ技を持っている。
「スターミー、かげぶんしんだ。円形に囲め」
その上でエンザンは攻めに転じる。
空を飛んでいるグライオンを中心にスターミーはかげぶんしんを使った。ただ不規則に分身をするのでなく、円形に囲む形で分身を生み出した。
グライオンはどれだ!どれが本物なんだ!?とスターミーを探している。
「慌てるな!この技なら確実に当てれる!じしんだ!」
「それを待っていた!れいとうビームだ!」
「なっ!?」
どれだどれだと悩んでいたグライオンだったがハヤトの指示を聞いたのでじしんを使うべく一気に地面に向かって急降下した。
エンザンはそれを待っていた。この状態のスターミーを1体1体倒すのは手間が掛かるのでじしんを使ってくると予測していた。じしんを使うにはどう頑張っても地面に触れる必要がある。そこがグライオンに攻撃を当てるチャンスだ。
スターミーのれいとうビームがグライオンに命中した。グライオンはじしんの発動に失敗し、倒れた。
「グライオ……」
「グライオン、戦闘不能!スターミーの勝ち!」
「戻れ……作戦にやられたよ」
「ええ……ですがまだまだです」
コレでハヤトは俺と言うトレーナーに対する認識を改めるだろう。
ただ単にパワーがあるポケモンを使うんじゃない。相性を突くだけの戦闘をするんじゃない。アニポケ世界独自の戦術を練った上での戦闘をするトレーナーだと。
このジムリーダーとの本気のバトルに躓く2年目以降のトレーナーは多い。
だから新しい戦力を導入し本気のバトルじゃないバトルで腕を磨いたりする事が多い。それが普通のルートだが、エンザンはそれでも強くなりたいので本気のバトルを挑み本気で勝つつもりでいる。
「2体目はお前だ。いけ、ネイティオ!」
「戻れ」
2体目のポケモンとして出てきたのはネイティオだ。
相性が特別悪いわけではないがエンザンはスターミーをボールに戻した。
「いけ、ロトム」
そしてフロストロトムを出した。
「さっきと違って、でんきタイプは通じるな……だが、でんきタイプだけで上手く行かない!」
「ロトム、でんじはだ!」
「無駄だ!ブレイブバード!」
ロトムがでんじはを放った。ハヤトは迷いなくブレイブバードを指示する。
ブレイブバードで突撃するネイティオにロトムのでんじはが命中した……かの様に見えて見えないなにかにでんじはが弾かれてロトムに当たった。そしてブレイブバードがロトムに命中してロトムは弾き飛ばされた。
「大丈夫か?」
「ロト……」
相性が物凄く悪いとは言えレベル差はそれなりにあるロトムとネイティオ。
ブレイブバードを受けて大ダメージになったが戦闘不能にはならなかった。
マジックガード個体か……ロトムを選んで正解だったな。
ネイティオの特性がマジックガードだとエンザンは見抜いた。
変化技を弾き返すマジックガード、ロトムのでんじははマジックガードに弾かれた。幸いにもロトムはでんきタイプなのででんじはによるまひは無い。
もしコレがスターミーだったらまひ状態になっていて詰んでいた。
「さっきからロトムに攻撃をさせない様だが……それだけで勝てると思っているのか?」
「……ポケモンバトルはチームスポーツです。ゴールを決める点取り屋だけを揃えても意味は無い。ゴールまで試合を動かしてくれる存在も必要でこの試合ではロトムがその役割を担っています」
何度か攻撃することが出来るチャンスはあった。
それでも尚、ロトムは攻撃をしない。フロストロトムになった事でふぶきと言う強力な技を会得したが、でんじはやおにび等を当てるのを優先している。
1体で自己完結させるだけたポケモンバトルじゃない……後に繋げるのもバトルの1つだ。
バスケで3Pシュートを成功しまくる選手は当然強い。
ゴール下でのリバウンドで勝つ選手は当然強い。だが、バスケの試合はそれだけで成立はしない。点を取る為の過程で仕事をする選手も当然居る。点を取れないがそれに至るまでの過程のフォローに特化している選手だって普通に居る。
ポケモンバトルもそれと同じだ。
1体のポケモンでなんでもかんでも出来るようにするわけじゃない。
自分の能力に対して最も最適な技で攻め続けるポケモン、豊富なタイプでどのタイプのポケモンが来ても弱点を突けるポケモンならばサポートに特化した試合運びをするポケモンが居てもなにも問題は無い。
伝説のパチリスさんも相手を倒すと言うよりは相手を弱体化させたり妨害したりすることに特化している。ロトムはパチリスさん程じゃないがフォローは出来るポケモンだ。
「戻れ、ロトム。スターミー、バトルスタート!」
マジックガード個体だと分かればロトムをボールに戻し再びスターミーを出した。
スターミーは既にかげぶんしんとれいとうビームを使っている。残りの技の枠は2つ、そしてれいとうビームがこおりタイプの技なのでネイティオの弱点である。
弱点のタイプの技を覚えていると言う手札は割れている。ネイティオもマジックガード個体であることが割れている。
「かげぶんしん、バラバラに分身しろ!」
仕掛けてきたのはエンザンだった。
かげぶんしんを使うが右に分身を出すのでなくフィールドのそこかしこに分身を出した。
「さっきと同じ展開か。それはもう覚えた」
バラバラに分身を生み出したことで何処に本物が居るのかが分からない。
1体1体を攻撃していれば大きな隙が生まれてしまう。さっきはグライオンに同じ事をされて波状攻撃のじしんで勝負を決めに行こうとしたがカウンターでれいとうビームを受けた。
「おいかぜで速度を上げて接触しろ!」
「まさかの力技!?」
なにかしらの突破口を浮かんでいると思ったが、シンプルな力技で行くのか!?
ネイティオはおいかぜで素早さを上げながら移動をする。
スターミーの分身に当たるように移動をする。バラバラに分身を生み出している為に移動の緩急や何処で曲がる等の予測が付かず本物のスターミーは狙いを定められない。
「ティ!」
「見つけたか!シャドーボール!」
おいかぜで素早さを上げながら全ての分身に接触するという力技でスターミーのかげぶんしんを突破した。素早さが上昇したネイティオは即座にシャドーボールを放ちスターミーにぶつけた。
「っく……マジックガードが痛いな……」
今回、ロトムは相手を状態異常や状態変化をメインに運用する。残りの2体でジム戦を進めるつもりだ。ロトムは強いポケモンで強くなる意思もあるがまだまだ育てが足りない。
マジックガードが無ければでんじはで麻痺させてのれいとうビームで突破する事が出来たが……コレが本気のジムリーダーか。
「スターミー、かげぶんしんだ!」
「その技はもう通じない!ネイティオ、おいかぜに乗れ!」
再びフィールドにバラバラな間隔で分身を生み出したスターミー。
それの攻略法はもう出来たとネイティオは再びおいかぜになって全てのスターミーに接触する。
「じばくだ!」
「なっ!?」
そして再び本物のスターミーを見つけた瞬間、スターミーは爆発をした。
それは流石に予想体だとハヤトは驚いた。ネイティオはなにも行動出来ず、スターミーが起こした爆発に巻き込まれた。
「ヘァッ……」
「ティ……」
「スターミー、ネイティオ、両者共に戦闘不能!」
「…………」
3体目のポケモンが不透明でネイティオへの突破口が見つからなかった。
今回の戦術はフロストロトムで相手を弱体化させ、他の2体で試合を進める。マジックガードの特性を持ったポケモンにはその戦術が通じない……ここまで来ると対戦環境のポケモンバトルに近くなるな。
ストーリーでは圧倒的なレベル差や種族の差等で圧勝するポケモンバトル。
対人戦ではしっかりとした戦術が練られてポケモン1体1体の個性を見出して戦っている。ただ持っている強い技を使うのでなく、コンボを考えないといけない。
「戻れ……3体目はお前だ!ピジョット!」
「ジョット!」
「ロトム、バトルスタート!」
「ロトト!」
結果的には3体目にまで追い詰めることが成功した。
3体目のポケモンはピジョット。グライオンとネイティオと比べて見劣るどころか迫力があるポケモンだ。
ピジョットならばマジックガードは無い。
最初に立てたロトムで相手を弱体化させる作戦は続ける。
「ロトム、でんじはだ!」
「ピジョット、でんこうせっか!」
「ジョット!」
「ロト!?」
「ふふふ……フロストロトムは確かにふぶきを覚えて強い。だけど、ゴーストタイプからこおりタイプになる。でんこうせっかが通じる……相手を弱体化させる作戦は見事だけど、でんこうせっかやマッハパンチを考えればノーマルフォルムのロトムの方が良かったんじゃないか?」
「ロトム、戦闘不能!ピジョットの勝ち!」
ネイティオから受けたブレイブバード、そしてピジョットからのでんこうせっかの2つでフロストロトムは戦闘不能になった。
相手を弱体化させる戦術は面白いが、でんこうせっか等の技を警戒してフォルムチェンジさせるノーマルフォルムのロトムで挑んだ方が良いじゃないのかとハヤトはエンザンにアドバイスを送った。
「戻れ……互いに残り1体でダメージ0の状態に追い詰めれた。上出来だ」
普通に戦うことに意識を割いていたら、グライオンに負けていた可能性がある。
6つのロトムからフロストロトムを選んだのは間違いじゃない……ウォッシュかフロスト、ロトムはその2つじゃないと、スピンは旨味が少なく、ヒートとカットは短期戦にしか向いていない。
「ポリゴンZ、バトルスタート!」
「サンダースじゃない?」
エンザンの3体目のポケモンはポリゴンZだった。
フロストロトムとサンダースはひこうタイプのポケモンに対して強い。そしてフロストロトムはサポートをすることを重視しているから、攻撃重視のでんきタイプのサンダースが入っている。そう考えていたが3体目に出てきたのはポリゴンZだった。
「ポリゴンZ、ベースとなる技ははかいこうせんだ!」
「リリリ!」
「ベースとなる技……まさか!!」
「ウルトラダッシュアタック!!」
エンザンがノーマルZが装填されているZパワーリングをチラリと見た。
はかいこうせんをベースにするといいノーマルZのZワザ、ウルトラダッシュアタックをピジョットに仕掛けた。ウルトラダッシュアタックは回避も防御も出来ない。
ポリゴンZの高い特殊攻撃力✕ノーマルタイプの特殊攻撃最強のはかいこうせん✕てきおうりょく✕ノーマルZのウルトラダッシュアタック。
メガリザードンYのひでりブラストバーン以上の火力を秘めていて、必中だ。
ポリゴンZは開幕ぶっぱとも言うべきかウルトラダッシュアタックをピジョットに叩き込んだ。
「ピジョォ……」
「ピジョット、戦闘不能!ポリゴンZの勝ち!よって勝者、チャレンジャー、マサラタウンのエンザン!」
「勝てたか……会得して正解だな」
ピジョットになにかをさせる前にポリゴンZのウルトラダッシュアタックが決まった。
一応はチャージビーム等のピジョットに対して相性の良い技は覚えている。それを駆使しての長期戦でなく、ウルトラダッシュアタックの速攻で決めた。
エンザンはZパワーリングを見る。
持っているのがノーマル、ミミッキュ、ジャラランガの3つしかないがZワザは一撃必殺に相応しい。一見、メガシンカやダイマックス、テラスタルの方がいいんじゃないかと思えるがこういう場面ではZワザが最も輝く。
「まさかZワザを会得しているだなんて……」
「ルール上、問題は無いはずですが」
「ああ……負けたよ。コレがキキョウジムを制した証、ウイングバッジだ」
エンザンは本気のジムリーダーに対して勝利した。
ウイングバッジを手に入れれば新しく用意したバッジケースを取り出しその中に入れた。
「……危ないバトルだったわね」
試合が終わったのでポケモンセンターに向かった。
ポリゴンZを含めて試合に出た3体をジョーイさんに預けた。
回復をしている間にカトレアに試合はどうだったかを聞けば危ないバトルと言われた。
「ああ、そうだな」
そしてその事をエンザンは否定しなかった。する理由が何処にも無かったからだ。
「全ての技を覚えることが出来て能力の全てが高いミュウならばなにが出てきても完璧な対応は出来る。でも、他のポケモン達はそうはいかない。出来ることと出来ないことがあるんだ」
なんでも出来る=便利だが、最強でも無敵でも無敗でもない。
種族としての個性を持っている以上は得意不得意があるんだ。
「◯◯とはこうあるべきだと言うイメージはしっかりとしている。セオリーを無視して戦えないわけじゃないが、それを常にしていたら旨味が死ぬ。奇策は王道的な戦闘が出来るのが前提で、それをすると見せかけての不意打ちだ」
俺にはサトシみたいな咄嗟の機転は閃かない。
だから王道的なポケモンバトルを覚えるしかなく奇策も前もって用意するしかない。
「今回、俺が情けない試合をしたのはロトムの育成が足りなかったからだ……本気のジムリーダーのポケモンと渡り合えていたらスターミーとフロストロトムだけでどうにかなった」
レベルが高ければフロストロトムのふぶきをグライオンに当てればそれだけで勝てていた。危ない試合になったのはロトムの育成が足りなかったから。
エンザンはカトレアの危ない試合発言を否定せずに素直に飲み込んだ。
「エンザン……賢いのね。色々とアテクシがアドバイスをしようと思ったけれど無駄みたいね」
「コレでも壁にはぶち当たっているところなんだがな……」
なにはともあれ1つ目のジム、キキョウジムは突破した。