IS~一人の転生者、報われる日は来るのか?   作:姫百合 柊

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読者の皆様お待たせ致しましたぁ!やっとこさ第九話です。

何故かこの頃不調続きで、これがスランプでは?と思っている姫百合柊です。

タッグ決めを期待してくださっていた皆様、今回キリがいいところで切ったのでタッグはありません。もう数話ほどでタッグを決めに掛かりたいと思っております。

では、第九話。どうぞ

※指摘された箇所を修正致しました。


第九話・紹介とお昼どき

 

翌日、クラスの話題はやはり件のIS操縦者のことでもちきりだった。

 

だが俺はそのIS操縦者のことを全く知らない訳で、詳しく織斑に聞こうとしてもデュノアと話してるし、どうしたものかね?

 

「なっきーおはよ~。ねぇねぇ、知ってるー?新しく男性の操縦者が来るんだよー」

 

司がそんなことを考えていた時のほほんさんが話し掛けてきた。

 

「え?あ、おはようございます布仏さん。はい知っていますよ。ただどんな人が来るのか分からないんですけどね」

 

そう言って苦笑したら、私もだよ~とにぱーと笑った。

 

何だろ、優しい気持ちになる笑みだな。

 

すると、布仏さんと一緒にいた谷本瘉子さんが口を開いた。

 

「え?長崎君も知らなかったの?てっきりこの子だけかと…」

 

「え~、ゆっこ失礼だよー。なっきーに」

 

「……え?…」

 

「いやいや、テレビとか見ませんし、確かにそういうのに疎いなっていう自覚はあるので気にしないでください、谷本さん」

 

なんか逆にこっちが気まずくなってしまった。

 

「…あ、そうだなっきー。腕大丈夫だった?」

 

気を利かせてなのか、素なのか分からないが布仏さんが別の話題を振った。

 

「何?何の話」

 

「うんとねぇ、なっきーが私とあっきー(相川清香)としずしず(鷹月静寐)を守ってくれたんだよー。えへへへ~、なっきーの肩車高かったなー」

 

「一体どういう状況だったのよ…」

 

その時のことを思い出してか、布仏さんは長く垂れた袖で口元とを隠しながら笑い、谷本さんはそんな状況が分からず困惑していた。

 

あの時か、俺も必死だったからな。……今思えばまずい事したかもしれん。女の子に肩車だもんな……。

 

「なになに?何の話」

 

「本音、どうしたの?」

 

そう言いながら会話に入って来たのは、この話の中心の相川清香さんと鷹月静寐さんだ。もちろん布仏さんもだが。

 

「なっきーが私たちを助けてくれたことだよー」

 

「あー、あの事か。いきなりの事だったよね」

 

と相川さんが言い、鷹月さんがそれに続いた。

 

「うん、だからビックリしたし、怖かったよ」

 

布仏さんはうんうんと頷き、谷本さんはうーんと唸っていた。

 

ちなみに昨日保健室から帰った後、織斑達に会った。そこで、織斑や布仏さん達に『迷惑をかけた』ということを伝え謝った。すると織斑達は慌てながら『気にしなくていいよ』と言ってくれた。安心しまくりだったね。なに言われるか内心ビクビクしてたから。あ、後、織斑はちゃんと姉さんにデュノアの事を言ったみたいだった。なんでも薄々疑問には思っていたがそこまで手が回らなかったらしい。デュノアはデュノアでこちらに残りたい、織斑達と一緒にいたいと言ったらしい。『いいんじゃないか?』と言ったら『それだけ?』と言って驚いていた。いや、俺の方が驚きっすわー、織斑さん。つか、デュノアは何か手でもあんのかね?残るっつっても事が事だからな……うーん。

 

デュノアが今後普通に生活したいんなら、案としてはデュノア社を追い込む又は潰すか、か?………だがこれが本当にデュノアの為になるのか?と言われれば何とも言えないな。最終的に本人が決める事だし、かと言って話を聞いちまったから放っとく訳にもなぁ………。

 

俺が考え込んでいたら話はいつの間にか女の子達のトークが繰り広げられていた。完璧に入り込めない…というか入っちゃまずい気がしたので、織斑先生達が来るまでボーッとしてた。

 

そういえば、昨日痛かった腕が今朝起きたら痛みが少なくなっていたのはどういうことかしら?麻痺でもしたのかねぇ。

 

「…あ、あの長崎さん?」

 

「オルコットさん?どうしました」

 

ん?オルコットさんが話しかけて来たぞ。しかもなんかおずおずといった感じだし、どしたんだろ。

 

「あの、先ほどの話は本当でして?」

 

「先ほど?」

 

「えぇ、腕を怪我なされたとか」

 

ありゃ、聞こえていたか。まぁ、案外席が近いから当然か。

 

「えぇ、まぁそうですが、軽症なので大丈夫ですよ」

 

「…ほっ、それは良かったですわ、安心しました。しかし、わたくし達の戦いに巻き込んでしまい、尚且つ助けてもらったなんて、本当になんてお礼を言ったら良いか……」

 

「いえいえ、本当に気にしないでください。助けたと言っても織斑達が来てくれなかったら俺の方がボロボロになっていたでしょうし、助けるつもりが俺の方が怪我を負ったんですからお礼なんかいいですよ。俺よりオルコットさん達の方こそ大丈夫ですか?何か保健室にいたらしいですけど……」

 

そう、昨日俺が起きるちょっと前までオルコットさんと凰さんは保健室にいたらしい。そうソフィア先生に聞いた。

 

「えぇ、わたくし達は怪我を殆ど負っていませんわ。怪我といったら、この子(ブルー・ティアーズ)の装甲がある程度壊されてしまったくらいですし、鈴さんもそのようだと聞きましたわ。壊されたと言っても、タックマッチ戦に支障は出ない範囲ですし、良かったですわ。ありがとうございます、長崎さん」

 

そう言ってくれたオルコットさんなんだが、俺は特に感謝されるようなことをしたのか?うーん……。

 

「いや、まぁ…俺にお礼をするなら、織斑にどんどんアタックして下さいよ?オルコットさん。俺は応援してますから」

 

「なっ……ぁ…ぅ。わ、わかりましたわ、長崎さんがそこまでいうのなら、そうしてあげますわ」

 

そう言った途端、顔を朱に染めて口ごもりながら返答するオルコットさん。わっかりやすい反応してるなぁ…。

 

「あと、タッグマッチ戦お互いに頑張りましょうね」

 

と切り出して、話題をタックマッチ戦のことについて話す。すると先程まで朱に染めていた顔を、凛として返す。

 

「えぇ、そうですわね。……ところで長崎さんはパートナーは決まったんですの?」

 

「いや、まだですね。どうしようかなって悩んじゃって………オルコットさんは決まったんですか?」

 

「はい、わたくしは鈴さんと」

 

『あぁ、なるほど。仲良いですもんね』といったら微妙な顔をしていた。

 

そこから話がどう織斑にアプローチするかという話題になり、最終的に"料理を作る"ということになった。なんでもオルコットさんは前にも織斑の為にお弁当を作って、食べてもらって評価は良かったらしい。

 

そして、折角なので、昼に織斑達と屋上で食べるので来ないかと誘われた。うーん、弁当は作って来ていないんだが……あ、そうだ。どうせならあれを試食して貰うか。感想聞きたいし。

 

「お邪魔にならなければ、是非」

 

最近は学食ばかり行っていたから、たまには違くてもいいかもしれない。

 

「えぇ、わたくしは構いませんよ。長崎さんの感想もぜひ聞かせて頂きたいですわ」

 

昼食を一緒に食べることが決まった後、話題は転入生のことになった。

 

「そう言えば、また男性の操縦者がくるらしいですね」

 

「えぇ、そのようですわね。一夏さんにデュノアさん、長崎さんの他に四人目の操縦者。しかもそれが【鷺ノ宮】だなんて…」

 

「鷺ノ宮…?」

 

名前、なんだろうが…知らんな。オルコットさんが知っているんだから有名なんだろうが……いや俺が無知なだけか。そうだな、うん。

 

「そうですわね、簡単に説明致しますと【三大財閥】の一つと思って頂ければいいですわ。その財閥にはIS企業も傘下に入っている者は少なくないと言われていますの。一番上から『鷲ノ宮(わしのみや)』、次に『朱鷺ノ宮(ときのみや)』、そして最後に『鷺ノ宮(さぎのみや)』という風になっています」

 

「『鷲ノ宮』が生み出し、抱える資産は膨大で世界でも知られています。なので企業側もそこから資金提供されているところもあるとか、ですわね。それに『鷲ノ宮』と『朱鷺ノ宮』は今時珍しく、男女の経営で成り立っている所ですの。今は女性が主体となっているところが多いんですが、そこの二家は女尊男卑とはほぼ関係ない、というらしいですわよ」

 

「……なるほど、女尊男卑なんてする必要がないからなのか、ただ単純に男女の仲が良いからだけなのか…」

 

それと、と言ってオルコットさんは続けた。

 

「『鷺ノ宮』ですが、あそこは二家と違い、ほぼ男子だけで経営しているそうです。今は女性が強いので、男性だけというのは珍しいんです。そういう意味からも『鷺ノ宮』は有名なんですわ」

 

ふむ、なるほど…そういうことだったのか。ん?ってことはむっちゃすごい奴が来たってことか。

 

「ってことは、結構凄い奴が来たってことですかね?」

 

「そうなりますわね」

 

へぇ、と関心しながら話はまた違う方へ変わっていった。

 

 

 

「そう言えばオルコットさんは織斑に何のお弁当作ったんですか?」

 

「サンドイッチを作りましたの」

 

「へぇー、よく料理は作るんですか?」

 

失礼だが、完璧にお嬢様にしか見えないオルコットさんが今まで料理を作ってきたとは思えない。

 

「いえ、全くしてきませんでしたの。はぁ、チェルシーによく言われていましたのに、わたくしには関係のないことだと思っておりまして……うーん、今思えばきちんと聞いておくべきでしたわ。………し、しかし一夏さんはおいしいと言ってくれましたし………案外いけるのかもしれませんわね…」

 

ん?んー?最後の方は何かもにょもにょ言ってて聞こえずらかったな。しかし全く料理を練習したことがないのに上手い…だと。すげぇな、俺なんて初めの頃はレシピ通りに作っても何か変な味になっていたりで苦労したもんだ。

 

そんなこんなで、『お昼休みが待ち遠しいですわ』と言いながら自分の席にオルコットさんは戻って行った。

 

恋してるなぁ、オルコットさん。

 

先生が来るまで何もやることが無くなったのでまたボーッと外の景色を眺めていたら突然、ガララッという音を立てて扉が開けられた。先生来たか?と思い視線を向けるとボーデヴィッヒさんだった。スタスタとこちらまで歩いて来て、隣の席に腰を降ろした。

 

ちなみにだが俺の席は窓側の一番最後の席。そしてボーデヴィッヒさんが俺の隣という事になる。

 

初め頃はどうしたもんかと若干怯えていたが、特に何も無かった。別段ボーデヴィッヒさんは何もして来ず、腕を組んで目を瞑っているのがデフォだから。今日もそうだろうと思ったが…何か視線を感じる。……えっ、と思いチラリと隣に視線を向けてみた。

 

「…………」

 

何か………ボーデヴィッヒさんがこっち見てる。話し掛けるでもなく、ただこちらを見てくるって案外来るものがあるな(精神的に)。

 

横からの視線が耐えられなくなり、ボーデヴィッヒさんの方を向いたら、極々自然にスッと何事も無かったかのように前を向いていた。

 

………何なんだ?一体、うーむ、分からん。

 

暫くの間、自分はもしかしたらボーデヴィッヒさんに何かしていたのでは?という思考に陥っていたが、織斑先生と山田先生が来たので中断した。

 

「諸君、おはよう」

 

「お、おはようございます、皆さん」

 

ガラッと扉が開き、先生が教室に入って来たのと同時にすっと教室が静かになり、立っていた生徒は早足で席へ着席する。すげぇ。

 

「あー、お前達も知っているだろうが、今日から転入生が来る。織斑、デュノア、長崎、お前達三人でフォローしてやってくれ」

 

「え…ちふっ……織斑先生シャルは………」

 

え?馬鹿なのかアイツは?何で自分から墓穴掘ろうとしてんだよ!何口走ろうとしてんのか知らんがまずいだろ。

 

織斑先生が弟に普段の二割増しにキツくなった眼光で見据え、咄嗟に俺が咳払いして注意を促す。

 

デュノアを見てみるが…ダメだ固まってる。

 

意識をデュノアから織斑へ向ける。つ…伝わったか?喋るなという意図が、というか伝わっていてくれ。

 

「……い、いえ、何でもないです」

 

ほっ、良かった。伝わったか…チラッと織斑先生を見てみると、ふっと短く息を吐いていた。

 

つか、咳払いした時に周囲の視線がこちらに一気に来たから恥ずかしかったぜ。

 

「あー……五月蝿いから騒ぐなよ?おい鷺ノ宮、入って来て良いぞ」

 

織斑先生に促され、教室にひとりの男が入ってきた。迷いなく歩き、教卓の横で止まり、こちらを向く。それだけの動作だけでも何故か様になっていて、女性陣からは『ほぅ』と息が漏れていた。

 

ほー、さすがだな。何か歩き方まで品があるように見える。しかも顔のパーツが整ってるなぁ。髪は鬱陶しくない黒の短髪。背は俺や織斑と一緒ぐらいか。うんと、まぁ要するにイケメンが来たわけですよ。イケメンが。

 

「えっと…鷺ノ宮一樹(さぎのみやいつき)と言います。この環境に少しでも早く馴染めるように頑張りたいと思います。どうかよろしくお願いします」

 

……思ったよりも普通の挨拶だな。何か家の紹介でもすんのかと思っていたが、しなかったし。

 

だが、周りでは囁き程度だが声が飛び交っている。『やっぱり』とか『うーん、イケメン』とかの声が聞こえた。

 

「あー、静かにしろ騒ぐな。鷺ノ宮お前は空いてる席に座ってもらう」

 

おー、やっぱり空いてる席にか。だとするとボーデヴィッヒさんの隣辺りかな?

 

ちなみにだが、織斑とデュノアが一番前で何で俺が窓側の最後の席かと言うと、簡単に言えば空いてたから。織斑は始めっからあの席だったけど、デュノアは俺達と同じで後ろになる筈だったんだが、デュノアが座っている席にいた女の子が物凄い勢いで『私の席にどうぞ』と。結局その勢いに負け、デュノアは今の席に。俺にも『織斑君の隣に』というのもあったが逆にこっちが説得し、俺は今の席へ。……ボーデヴィッヒさんは迷い無く座ってたな。織斑をぶっ叩いてからすっと現在の席に。うん、スゴかったわ。

 

「はい、分かりました」

 

そう言って俺の予想通り、ボーデヴィッヒさんの隣へ。

 

「えーっと、ラウラ・ボーデヴィッヒさん、だっけ?宜しく」

 

にこやかにそう言って、手を差し出す鷺ノ宮。握手?何、お前本当に日本人なの?初対面の人にいきなり握手って、中々出来るもんじゃないぞ。

 

何気に俺の隣で繰り広げられている事なので、気になってしまう。

 

「…………………」

 

特に、今だ無言のボーデヴィッヒさんがどんな反応をするのかが気になる。ついっと顔をそちらへ向けて様子を窺う。

 

「……え、えっと……」

 

おっと、鷺ノ宮が困惑してるな。まぁ、困惑くらいするわな、挨拶したのに今だ返しが無いんだから…………ん?今、チラッとボーデヴィッヒさんがこっちを見たような……。

 

「…………………よろしく」

 

長い、無言の後握手はしなかったが、小さくそう呟いた。

 

「うん、宜しく」

 

おおぅ、ボーデヴィッヒさんが挨拶を。……やべ、何か感動した。

 

そこからは普通に授業が始まった。ISの訓練は今日は無く、座学だけだ。先生に強いと言わした奴の機体がどんなもんか見て見たかったんだが、しょうがないか。

 

◇ ◆◇◆◇◆

 

授業中、山田先生が鷺ノ宮に当てたりしていだが、すらすら答えていた。す、すげぇ、俺あんま理解出来て無かったのに。

 

そんなこんなで午前の授業が終わった。オルコットさんは織斑にも説明してくれた見たいで、一緒に行こうぜと言ってくれたが、あれを取りに一旦寮に戻らなくてはならないので先に行ってもらった。鷺ノ宮も誘っていたが、お弁当を持ってきていないと断られていた。

 

さて、俺も行くとするか。

 

◇ ◇◆◇◆◇

 

 

何気に屋上に来るのは初めてな気がする。こんな風になってんのか…以外に広いんだな。

 

「……つ、司来たか」

 

織斑の声が聞こえたと思い、そちらを見てみるとオルコットさんがBLTベーグルを勧めているところだった。オルコットさんの顔はニコニコしているのに織斑の顔は引きつっているように見えた。いや、織斑の周りにいる篠ノ之さんや鳳さんまで何か引きつってる。デュノアは何かよくわかってない顔だ。

 

「……どした?そんな顔して」

 

「い、いや…なんでもないぞ」

 

いや、何でもないような顔してねぇから。

 

司がそのことを深く聞こうとしたとき、鈴が不適に笑った。

 

「長崎、だっけ?まぁいいじゃない。あんたもセシリアのサンドイッチ食べて見なさいよ。美味しいから」

 

「ちょっ、鈴?」

 

「ん?別に俺は構わないけど、オルコットさんは織斑に食べさせようとしていたんじゃないんですか」

 

なんかめっちゃ、ニヤニヤしてる鳳さんを気にしつつ、聞いてみた。

 

「そうですが、まだありますわ。長崎さん、どうぞ」

 

オルコットさんからとても美味しそうなベーグルを一つもらい、『頂きます』と言ってからかじる。

 

「…………(咀嚼中)」

 

「お味はどうですか?」

 

「…つ、司?」

 

あー、なるほど。そういう訳で織斑達の顔が引きつってたんだな。結論から言って、凄く辛い。そして後からくる苦味が何とも言えないことになっていた。

 

ただ食べられなくはない。子供の頃なんてよくコゲの塊みたいなもの食べてたし。いやー料理なんて作ったことないはずなのに、『お兄ちゃんの為に作る』って言われたときは嬉しかったな。密かに泣いてたしね俺。

 

あの頃を思い出すな。この頃バタバタしてて中々行けなかったんだよな。元気にしてるかな?

 

 

しかし、オルコットさん料理作れなかったんだな。いや、作れてはいるけど…何か味より見た目が大事って感じがする。たが、好きな人の為に頑張っているというのは伝わってくる。オルコットさんにもらったベーグルを食べ終え、口を開いた。

 

「……俺は好きですよ。何か、色んなものが感じられる味ですし」

 

「そうですか、良かったですわ!ささっ、一夏さんどうぞ」

 

俺の反応を嬉しそうにし、織斑に再度勧めた。そんなやり取りを横目に鳳さんが声のトーンを下げて話しかけて来た。

 

「あんた、味覚大丈夫なの?あれを美味しいなんて言うなんて」

 

失礼な、俺の味覚は正常だよ。

 

「確かに凄い味でしたが、世の中には味だけが全てではないんですよ」

 

「ふーん、そんな物かしら?わたしには分かんないわね」

 

あり?確か、鳳さんも織斑のこと好きだったよな?

 

「まぁ、鳳さんが織斑の為にお弁当作ってくるのと大体一緒ですよ」

 

「……は…」

 

サラッと言ったことに、鳳さんは以外にも食い付いてきた。スルーされるだろくらいの感じで言ったんだが、効果的面だったな。

 

「……あ、これ良かったら食べてください」

 

何か言って来そうな鳳さんを遮るように言葉を発する。

 

俺が持ってきたのは、クッキー。渡すためにたくさん作ってたんだが、俺だけじゃ味の基準が分からんから、どうせなら織斑達に評価してもらおうと思ったから。クッキーを見てみんな驚いた顔をしていた。何?以外か、俺が料理してちゃ。

 

「…これ、あんたが作ったの?」

 

「そうですけど…」

 

信じられないのかそう聞いてきた鳳さん。

 

「す、すげぇな司。俺こんなん作れないぞ」

 

「そうか?クッキーなんて生地焼いて終わりだろ?」

 

たぶん、小分けにしていてそれで綺麗に見えたりしているんだろ。味とかは普通だ。

 

「……美味い」

 

「美味しいですわ!」

 

「……悔しいけど美味いわね」

 

「本当だ、美味しいね」

 

「司、のほほんさんから聞いてたけど本当に料理できたんたな」

 

篠ノ之さん、オルコットさん、鳳さん、デュノアに織斑が美味しいと言ってくれた。うむ、これで渡せるな。

 

「まぁ、自分が困らないぐらいには出来るな」

 

「へぇ……」

 

………織斑よ、美味いのは分かったからお前は、ベーグルを食えよ。

 

そんなことがあったが織斑はちゃんと完食した。まぁ若干顔が青くなってるが…。

 

というか、自分のクッキー食べてたら、先ず鳳さんから作り方教えてって言われたし、そしてオルコットさん、篠ノ之さんも言ってきた。断る必要も無かったので、『今度教えますよ』と言った。

 

織斑を介抱したり、料理についてオルコットさんと話していたら、鐘が鳴った。授業まで少ししか時間がないので急いで戻った。

 

午後の授業もISの基礎知識についてやった。俺は分かるところがあったり、分からなかったりしていたが、鷺ノ宮はきちんと分かっているみたいだ。織斑は…大体俺と同じかな?

 

そんな感じで、鷺ノ宮一樹がやって来た初日の授業が終了した。




どうでしたでしょうか?第九話、楽しんでいただけたでしょうか?

本文中に不思議に思う所があるかと思いますが、後々分かっていきます。

では、次は第十話でお会いしましょう。
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