IS~一人の転生者、報われる日は来るのか?   作:姫百合 柊

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1056隊風見鶏少尉様お待たせ致しました。リクエスト閑話、喫茶店です。イメージしていのと違うかも知れませんが、お楽しみ頂けたら幸いです。

※鷺ノ宮一樹が出てきていない…。

※一夏、ヒロインズは原作通りの仲です。

では、どうぞ。


1056隊風見鶏少尉様、リクエスト閑話・喫茶店【クローバー】

 

ここはIS学園。女の子たちの花園。

やはりと言うべきか女の子は噂などに敏感である。 一つの噂がここIS学園に巡っていた。

 

「ねぇ、知ってる?最近話題の喫茶店」

 

誰かがそう切り出し、場は一気にその話題で持ちきりになった。

 

「知ってる知ってる!最近新しく出来た奴でしょ?行ってみたいな~」

 

女三人寄れば姦しいというがここではしょうがないだろう。

 

「うむ……あー、んん゙っ。一夏」

 

「ん?どうした」

 

話しかけたのは箒である。喫茶店のことは前々から知っていて一夏のことを誘おうとしていたのだがタイミングが掴めずにいて今になってしまったのだ。

 

「今週の土曜日、良かったら噂の喫茶店に行って見ないか?」

 

「おお、良いぞ…」

 

一夏が『良いぞ』と言った瞬間、乱入者が。

 

「い、一夏さん今週の土曜日喫茶店に行って見ませんか?」

 

「嫁よ、行くぞ」

 

「ぼ、僕も一夏といきたいなぁ」

 

「一夏ぁ、行くわよ」

 

セシリアが、ラウラが、シャルロットが、鈴が。箒が誘ったのをかわきりに一斉に一夏を誘った。

 

「う、うん?なんだみんな行きたいのか。じゃあ皆で行こうぜ!」

 

5人は『違うそうじゃない』と言いたかったがぐっとそれを飲み下し嘆息した。デートかな、と少しだけ心をときめかせていたが当の本人は気付いていないのだった。

 

◇◇ ◇◇◇◇◇

 

「ん~、喫茶店かぁ……初めて行くなぁ」

 

この少年何気に楽しみにしていた。

 

自室の扉を開けると楯無さんと簪がいた。楯無さんに関してはもう慣れたが簪に至っては意外だった。

だが幾度もの幼馴染みやクラスメイト、先輩が自分の部屋に入ってくるという行為が多いため驚きはしたが、そのあとは普通にもてなした。

何で部屋に居たのか聞いてみると、ようは『お姉さんたちと噂の喫茶店にいきましょう』とのことだった。別に断ることでもないのでOKした。ただ『箒たちも居ますよ』と何気なく言ったら、『またか』たいな顔をされた。……何故?

そんなこんなで7人でその喫茶店に行くことに決まった。

喫茶店【クローバー】へ。

 

 

◇◇ ◇◇◇◇◇

 

 

閑静という訳ではなく、賑やかという訳ではない場所に喫茶店が出来ていた。工事は前々からやってしたし(まぁ工事と言っても住んでいた所を少々改築しただけだが)、宣伝もしていた。

宣伝のおかげなのか、チラシを配った人が良かったのか初日から人が来てくれた。

それからちらほらと来てくれる人が多くなり、今では口コミでさらに広がっているようだ。

男の人も多く来てくれるがやはり女の人、女の子のほうが多い。何故だろう、このような世の中なので当然、最初の頃は女性を優遇してくれると思っていたお客さまが何人かいたがちゃんと説明して理解してもらった。それでも理解して下さらないお客さまが居たときは困ったが優助と優子が叩き出してしまった。そのときは別の意味で困ったがその後に問題は起きなかった。

そんなことが合ったのに女性客が増えた。うーん、男の人も来て良いんだけどな…喫茶店って男の人は来づらいのかな?

まぁでも来てくれないよりは良いか。

 

「司、もう店を開けるぞ」

 

「司兄様、お店を開けてしまいますよ?」

 

ひょこりと黒髪の女の子と銀髪の女の子が顔を覗かせて声をかけてくる。

 

「あ、うん。今行くよ」

 

鈴の音が開店を告げた。

 

◇◇ ◇◇◇◇◇◇

 

 

一行は今、喫茶店の前に来ていた。

 

「ここがそうね。うーん、お姉さん楽しみ」

 

「へー、喫茶店ってこういうところなんだ」

 

「うむ、良いところだな」

 

「いい雰囲気の場所ですわね」

 

「喫茶店かぁ、僕初めて行くなぁ」

 

楯無、一夏、ラウラ、セシリア、シャルロットと続き、箒と鈴はそわそわとしていて簪は目を輝かせている。

『じゃあ入りましょ』と楯無を先頭にして店に入る。

丸テーブルが数点あり椅子が囲うように置かれてある。四角いテーブルが数卓端のいい位置に配置されている。

うっすらとこの喫茶店にマッチした音楽が流されていて、不思議と耳を傾けていた。

店員だろう男性、いや一夏と同じくらいの男の子が彼女たちに一礼して来店を祝した。

その少年とは別の店員、黒髪の少女と銀髪の少女が丸テーブルと椅子を数脚座るであろうテーブルの近くに寄せた。

 

「えっと、そんなことしてもいいんですか?」

 

と一夏が思ったことを口にし、先程の少年がそれに答えた。

 

「ええ、大丈夫ですよ。お友達同士で来られて楽しい時を過そうとしているのにテーブルが離れている、なんて理由なのは申し訳ないので」

 

『では楽しい一刻を』と告げてから少年は奥に引っ込んでいった。

 

テーブルのほうにラウラ、一夏、楯無、簪で座り、丸テーブルの方は箒、鈴、セシリア、シャルロットの順に座った。

ちなみに言っておくがこの座席は事前にクジをひき一夏の隣はラウラが勝ち取ったものである。なので当初の喜びようは凄まじかった。勢い余って『よ、嫁よ、やったぞ!』と抱き付いてしまい、それで一悶着あったのは言うまでもない。

 

さて、一同は席についたところで注文を頼んだ。

頼んだと言っても呼鈴がある訳もなく、かと言って声を発した訳でもない。声を発っそうとしたところでスッと来たのである。

頼んだのはコーヒー2つ、カフェラテ2つ、が紅茶2つ、オレンジジュース2つ。サンドイッチ、ケーキを人数分だ。

一夏、楯無がコーヒー、ラウラとシャルロットがカフェラテで箒、セシリアが紅茶、鈴と簪がオレンジジュース。

 

楯無、簪、セシリアがショートケーキ。一夏、鈴、ラウラがチョコレートケーキ。箒とシャルロットがモンブランだ。

 

「カフェラテを頼まれますとラテ・アートをやっていますがやりますか?と言っても大したものは出来ませんが」

 

折角なので頼むことにした。ラウラ、シャルロットは初めて頼むであろうものにワクワクしていた。

飲み物類は直ぐに来たのだが、運んできた人にびっくりした。

 

「コーヒーと紅茶」

 

「そして、オレンジジュースになります」

 

黒髪少女と銀髪少女が渡しに来たことではない。その顔にだ。似ている、雰囲気はそうでもないがどことなくそんな風だと感じる。 楯無は口元を扇子で隠している。扇子の文字は『驚愕』。

一夏とラウラに至っては口を開けポカンとしている。というか皆そんな表情しか出来ないでいた。

 

「……あの、何か?」

 

困った様子で目を瞑りそう返す銀髪の少女と、隣で目を少し細めた黒髪の少女が居たためハッとなった。

 

「い、いや…知り合いに似ていたからさ、ハハハ」

 

一夏が言葉を紡ぎ、何とか誤魔化す。

『はあ…』と返事をした時にヌッと別の少女が出てきた。

 

「はぁい、ここは私にまっかせなさぁい」

 

茶髪のポニーテールを揺らしながら銀髪の女の子の肩からひょっこり現れた少女。

「藍、お前はまた変なしゃべり方をして」

 

「というか、何故藍がここに?」

 

黒髪の女の子が藍と呼ばれた女の子を睨み、銀髪の女の子が尋ねる。

 

「ん~?私がラテをやるからだよ」

 

「藍も確かに上手いが司の方が上手いじゃないか」

 

「確かにそうですね。藍よりも司兄様の方が上手いですもんね」

 

「え~!ひどいさ二人とも、確かにそうだけどさ~……ん、お姉さんたち、今興味が沸いたね?」

 

いきなり話をふってきた藍という少女に多少たじろぎながら一夏は答えた。

 

「そ、そりぁ……」

 

「ふっふっふっ、ではではお姉さんたちのをやってあげましょう、司兄ぃが!」

 

そう言い終わった後で誰かが近付いて来た。見ると違うテーブルに座っていた女の人たちの相手をしていたらしい。一人はこちらに背を向けているパンツスーツを着た茶髪のロングヘアーの女の人。一人は女性らしさが出ている大胆なドレスを着ている金髪ロングの女性だ。

 

「こら、藍。お客さまに失礼だよ。すいません、お騒がせしました」

 

そうペコリと頭を下げ、隣の藍も『すいませんでした』と頭を下げた。

 

 

そんなこともあったが、その後も楽しい刻が過ぎた。サンドイッチを食べ、デザートが来た時に何故かカフェラテが一緒に付いてきた。

 

「……え?あの、頼んでないんですが…」

 

「いえ、先程のお詫びです。どうぞ」

 

 

ふとカップを見てみると一枚しかない葉が描かれていた。

 

他のも見てみると、自分は1つ葉、ラウラは2つ葉、シャルロットは3つ葉、楯無、簪は4つ葉、箒、鈴は8つ葉、セシリアは9つ葉とひとによって葉の数が違かった。それと楯無さんと簪のカップを見て気付いたのだが、それは描かれているのが【クローバー】だということだ。

 

「これは…」

 

「皆、違うんだね?」

 

「あ、あたしと箒のは同じのだ」

 

「む、本当だ」

 

「私もお姉ちゃんと同じだね」

 

「あらあら、本当ね」

 

互いに見たりして、葉が多いことに目を丸くしたりしていた。

 

「あのー、このラテ・アートが皆違うのって何か意味があるんですか?」

 

とシャルロットがそう聞き、司が『そうですね』と一拍置いてから喋り出した。

 

「はい、意味ならありますよ。まず1つ葉なら『困難に打ち勝つ』や『始まり』、あと『初恋』何かもありますね」

 

そう説明していて『初恋』という単語が出てきた時、それまで話を聞いていた面々が一斉に一夏を見た。そんな光景に司は微笑みを浮かべながら、一つ咳払いをして話しに戻った。

 

「コホン、2つ葉なら『平和』、『調和』そして『素敵な出会い』ですね」

 

ラウラが驚いた顔をして、顔を赤くしながら一夏を見た。

 

「3つ葉なら『希望』や『信仰』、そして『愛』です」

 

シャルロットが恥ずかしそうな顔をして一夏を見て、周りの視線が強まった。

 

「4つ葉なら、『幸福』『幸福』です」

 

楯無、簪が互いの顔を見て笑い合った。

 

「8つ葉なら、『縁結び』『家内安全』そして『家庭円満』です」

 

そう言われた二人は何とも複雑そうな表情をして少し俯いた。

 

「9つ葉なら『神がかり的な運』や『高貴』、ですね」

 

セシリアは何か思い付くことがあるかのような顔をしながら『高貴』と言われて満更でもなさそうな顔をした。

 

「す、凄いですね。正確というかなんというか……」

 

「そーねぇ、お姉ちゃんも びっくり」

 

一夏が驚きを顔に表しながら、楯無がまたもや『驚愕』と書かれた扇子で口元を隠しながら呟いた。

 

「ちょっとした特技で…喜んで頂けたのでしたら幸いです」

 

「どうだどうだ、凄いだろー」

 

「すっごいでしょ?」

 

「……凄いでしょ?」

 

「あ、あの司兄さん……これってどう並べればいいんだっけ?」

 

まるで先程までの会話を聞いていたようにぴったりに登場した子供たち。年は12、3歳くらいもしくは同年代かもしれない。

 

先の茶髪ポニーテールの藍と呼ばれていた女の子。黒髪ツインテールの少しつり目の女の子。少々短髪な物静かそうな男の子たちが口々に司を褒めていた。最後の黒縁眼鏡をかけた長髪のおっとりした女の子は確認をしに来たようだった。

 

「藍、凪、彼方ちゃんと仕事をしなくちゃだめだよ。それと、突然お客さまの前からいなくなっちゃうのはいけないよ。マヤ、それは…うん、俺もキッチンに行くよ」

 

3人は『はーい』と返事をしてから持ち場に戻り、『それではお客さま、ごゆっくりとしていって下さい』と残し、キッチンの方へ向かって行った。

 

そこから一夏たちは談笑したり、ケーキをつついたりしながらこの一時を楽しんだ。

 

 

◇◇ ◇◇◇◇◇

 

 

薄暗く辺りが染まり、店内に人が居なくなっていた時間帯。もうそろそろ閉めようとしていた時間帯に鈴が来客を告げた。

 

その人は頭に機械で出来た兎耳?を付け、青と白のフリルがついたワンピース?、ドレス?を着ていた。

天真爛漫で純粋無垢。そのように感じる笑み。しかし目元には隈が出来ていて、眠れているのか眠れていないのか表情ではわからない人だった。たがお店に入って来たということはお客さまなので一つお辞儀をして作業に戻る。

 

「あれあれー、箒ちゃんを追って来たんだけど居ないなー。うーん、一回修理しようかなーこれ」

 

そう言って頭の兎耳をスポッと外し、手近にあった椅子へと座った。兎耳の正体はカチューシャだったようで、それを机の上に置き分解を始めた。

 

「うむうむ…箒ちゃんレーダーの感度は、良好…壊れてないね。……うん?おーい、そこの店員さーん来たまえー」

 

「はい、なんでしょうか?」

 

ガチャガチャと機械を弄っていた時にチラリとメニュー表に目をやり、作業を中断させてテーブルを拭いていた俺に声をかけてきた。

 

「何かオススメを頼むよー。あ、飲み物はこのカフェラテで」

 

「畏まりました。カフェラテ類はラテ・アートをしておりますが試されますか?」

 

「うーむ……じゃあ頼むよ」

 

『はい』と言って裏へ行く。……何となく、こうかな。

 

「お待たせしました。こちらカフェラテとアップルパイになります」

 

部品を広げているせいで置くスペースがない。どうしようかと迷っていると、二切れに分けられているアップルパイをぱくぱくと食べてしまった。カフェラテも絵をじっと見てからぐいっと飲んでしまった。

 

「うんうん、美味しかったよー」

 

瞬く間の出来事だったので呆気にとられてしまった。がお辞儀をして下がる。 ちなみに先程描いた絵は、12つ葉のクローバーと横に小さな8つ葉のクローバーだ。

意味は12つ葉が『真理』、『宇宙』。8つ葉が『縁結び』、『無限の発展』、『家内安全』、『家庭円満』。

それから暫く、あの人は機械を弄っていたが元のカチューシャに戻して髪に差し込んだ。

 

「ばっちしばっちし!さーて箒ちゃんは……おっ、あっちの方角か」

 

そう言って店を出ようとする。お金は!?……って机の上に置いてある……。ほっと息をつき、出ようとしているのを呼び止める。

 

「うん?何かな何かな?」

 

首だけをこちらに向けてそう返してきた。

 

「アロマキャンドルです、良かったらどうぞ」

 

「くんくん……ラベンダーだねー」

 

袋の上から当てられたことに驚きながら『そうです』と答えた。

 

「ラベンダーには安眠や気持ちを落ち着ける効果があるので、オススメです。眠れていないのか分かりませんが、入浴時や睡眠1時間前にお試しください。当店の心ばかりのサービスです」

 

『どうぞ』と言って袋を差し出すも、じっと袋と自分の顔を見られていたが、やがて『ありがとね~』と破顔して店を出ていった。

満足して頂けたのならなによりだ。

 

 

◇◇ ◇◇◇◇◇◇

 

 

「おう、司お疲れ様」

 

「司、お疲れ様」

 

優助と優子に声を掛けられた。今までどこにいたんだ?

 

「優助、優子、今まで何処にいたの?」

 

「ん?女の子追っかけてた」

 

「あー、こいつは知らないけど私は色々見てまわっていたのよね」

 

なるほど、だからいなかったのか。この店の材料調達は主に優助と優子がやっている。料理とか俺より作るの上手いのに『絶対に私は作らない』と言っている。何でなのかは分からない。

 

「うん、いつもお疲れ様優子」

 

「あれ?俺には労いの言葉はねぇの?」

 

「アンタは遊んでたんでしょ」

 

「そりゃあねぇよ!?お兄さんだって頑張ったんだよ!?」

 

そんないつものやり取りに俺たちが笑みを浮かべる。

 

「こらこら、優助も騒ぐでない」

 

「ほら、掃除もしっかりね」

 

「おぅ…クリスさんやマリアナさんまでそう言うとは……」

 

さすがに優助もクリスやマリアナには何も言えないらしく、掃除を行う。

 

子供たちは机の上を拭いたり、食器を片付けたりしていて、大人たちは食器を洗ったり棚に戻したりしている。

 

今日も今日とて良い一日だったな。

さて、明日はどんな一日になるんだろうか。

 

とそんな想いを馳せながら店の扉の札を【クローズ】にし、そっと扉を閉じた。

 

 





どうでしたでしょうか?

最近は寒い日が続いていますね。私のように風邪に掛からず暖かくしてお過ごしください。

竜羽さんのリクエストは現在執筆中です。お待ちください。

ではでは<(__)>
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