IS~一人の転生者、報われる日は来るのか?   作:姫百合 柊

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大変お待たせしてしまいました。

3月、何かと忙しい季節ですね。私もバタバタしていまして中々筆を取ることが出来ませんでした。
小説の更新を待っていて下さっていた読者の皆様方、本当にありがとうございます。

さて、本日は2話更新です。順序を間違えずにご覧下さい。(1/2)


第十五話 乱入機(らんにゅうしゃ)

 

 

「長崎くんが相手かぁ。因みにだけとそこ通してくれるとかない?」

 

「……ご冗談を。まぁ、ボーデヴィッヒさんの気持ちも汲んでやってください。何だがすごく一夏の奴と戦いたかったみたいで」

 

「僕にはあまり関係ないね、僕は一夏のパートナーだから。長崎くんが退いてくれないなら、倒していくまでだよ」

 

「あら、そうなりますか……でもこっちも簡単には通せませんがね」

 

シャルルのアサルトカノン【ガルム】と連装ショットガン【レイン・オブ・サタデイ】が火を吹き、弾幕を形成。司は【蓮】を展開してそれを無力化していく。

 

 

◇◇ ◇◇◇◇◇◆

 

 

司とシャルルが激突している中でラウラと一夏も同じように戦っていた。

 

一夏はラウラの【AIC】をなんとか掻い潜り、雪片で斬ろうとするが全くと言って良いほど当たらない。

 

ラウラはその一夏の攻撃を避けつつ、ワイヤーブレードで牽制し、レールカノンを放つがなかなか当たらない。

 

「くっ……シャル、は司が足止めしてるか。……司のアレは一体何なんだ。攻撃は全然通らないし、ラウラの【AIC】とはまったく違うし……」

 

喋っている余裕は無いが、チラリと漏れてしまった感想。

 

司たち一回戦の戦いを一夏たちは見ていなかった。ちょうど一夏たちも一回戦で被っていたためだ。なので一夏もシャルルも司の装備は初見だ。

 

そんな風に思っていても戦闘は続いていく。

 

 

◇◇ ◇◇◇◇◇◆

 

 

「……ぐっ、防げては…いるけど、攻撃がっ、まま…ならないなっ……!」

 

【蓮】のおかげでデュノアさんの攻撃を殆ど無力化しているが、こちらも迂闊に動けない。

 

こちらも当たらないと分かっているが【撃墜】を撃ち込む。砲撃を易々と避け、また弾幕を形成していくデュノアさん。

 

……このままじゃジリ貧だなぁ。近づこうにも、近づけないし……【水仙】じゃ射程が圧倒的に足りない。

 

「……3つ目外すしかないかな、コレは」

 

そうぼやいていたら、痺れを切らしたのかデュノアさんが近接ブレード【ブレッド・スライサー】に持ち変え、接近戦に持ち込んで来た。

 

――好都合。近付いて来てくれた。

 

【蓮】をいつでも〝咲かせられる〟ように待機させて、【水仙】を呼び出す。そして、ナノマシン生産完了後すぐに2つのリミッターを外すように設定する。

 

『【Narcissus(水仙) ... Nanomachine ... 生産率53%】』

 

まだ生産しきっていない【水仙】を構え、接近戦になった。

 

 

◇◇ ◇◇◇◆◇◇◇

 

 

「…………ちっ。中々捕まえきれんな。やはり瞬間加速(イグニッション・ブースト)は厄介だな」

 

「へへっ、捕まっちゃ駄目なんだろ?逃げるのは得意だぜ」

 

ラウラ、一夏は先程と同じような戦いを繰り広げていた。

 

ワイヤーブレードを避け、斬り込んでくる一夏に【AIC】をかけようとするが、横に瞬間加速することで一夏はラウラの【AIC】を回避。しかも横に行くだけでなく体を斜めに傾けて体重をかけて、半回転しているので【AIC】を避けただけでなく、すぐラウラに攻撃できるようにしているのだ。ちなみに、この時一夏は無意識下に手を開いたり閉じたりしていた。

 

「………」

 

「はぁああああ!」

 

ラウラの後ろ、今無防備な姿をさらしているラウラに一夏が雪片を振り降ろす。しかし、手応えはなく感触は空を斬っただけでラウラはそこに居なかった。

 

「なっ!?」

 

驚き、声をあげると横から声が聞こえた。

 

「なるほど。織斑一夏、お前は強い。私の想像以上だ。………だが、そんなものか」

 

ラウラは『停止結界』を発動させ、一夏を空間に縫い付ける。そして、さらに言葉を続ける。

 

「お前の太刀筋を見てはっきりした、お前は教官を真似ているが、お前では絶対に教官にはなれん」

 

言っていて何を、と思った。そんなのは当たり前だ。完璧に物事を真似たところで、人では決して、その『誰か』になることなど出来ないのだから。

 

そしてラウラの放った言葉は自分にも返って来た。『なら、自分はどうだった』と『お前は教官を真似たことはないのか』と。

 

自問自答。思考の渦に飲まれ、攻撃の手が止まる。そしてそこにつけこまれるようにアリーナの地面が爆発した。

 

突然のことに、流石のラウラも【AIC】を解除して土煙があがっている方へ視線を向ける。一夏もそうだ。

 

土煙から現れた〝それ〟は――2機のISだった。

 

 

 

◇◇◇ ◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

【Narcissus(水仙) ... Nanomachine ... 生産率92%】

 

あと少し、と思う反面【水仙】を出したとしても勝てないかな、と言った思いがあった。圧倒的に機動力が違うのだ。

 

――ラファール・リヴァイブ。標準機のデータを参考にして、予測をたてていたが全然違う。機体を改良しているのか速力、機動力や銃器の威力までそのデータよりも高くなっていたのだ。

 

加えて、高速切替(ラビット・スイッチ)が本当に厄介だ。ブレードで戦っていたと思ったらいつの間にか銃に持ち変えているんだよな。おかげで近距離から弾幕喰らいそうになるし。……そう言えば鷺ノ宮の奴も高速切替あるって言っていたな。ちゃんと聞けば良かった。

 

【Narcissus(水仙) ... Nanomachine ... 生産率100%】

 

【水仙】のナノマシンが生産されきったことを電子音が告げた。続けて声が聞こえる。

 

【 ... Narcissus(水仙) ... リミッターを解除します ... First step .. Release(第一段階 .. 解除) ... 帯電出力15%。続いて、second step .. Release(第二段階 .. 解除) ... 帯電出力 30%】

 

2つ目のリミッターが外れ、淡い蒼黄色くの光を帯びた【水仙】。そしてそのまま3つ目を外す。

 

【.... 命令を確認。Narcissus(水仙) ... Third stage .. Release(第三段階 .. 解除) ... 帯電出力45%】

 

先ずは第三段階目を解除だ。

 

蒼黄色がうっすらと色みが強くなると今度は刀身から小さい紫電が【パチパチ】と音をたてながら現れる。

 

これは【水仙】の帯電されている電気が刀身部に収まりきらず、外に放出しているのからだ。

 

これにより、一段目・二段目とは違ったベクトルで威力が上がる。

 

「ふっ!」

 

第四段階はまだだがその状態でデュノアさんに斬りかかる。が【ブレッド・スライサー】でそれを受け止め、反らし、反撃してきた。

だが、動きが少しだけ鈍いと感じる。直接斬らなくても効果が出るのかと思った。それでも段々と俺の方が圧されてきた。デュノアさんはラビット・スイッチで近・遠距離武器を即座に切り替えて戦っているのでどうしても対応に遅れてしまう。

 

だから焦って誘いに乗っかってしまった。がら空きの左脇腹。そこを【水仙】で薙いだ。それが愚策だったと気が付いたのはその直後だった。

 

司から見て左脇腹、シャルルからすると右脇腹になる。【水仙】の軌道上に装甲の分厚い右腕が割り込んで来た。そのまま腕を滑らせ、司の方へ突っ込んで行く。

 

殴るように司の胸部に拳を持っていき、鉄と鉄のぶつかる音が聞こえた。その一拍置いて激しい打撃音がし、司が吹き飛んだ。

 

エネルギーを大きく削られ、打撃の衝撃で肺から空気が完全に無くなり一瞬の呼吸困難に陥りながら司はそれを起こした原因を見た。

 

シャルルの右腕の分厚い装甲は無く、大きな杭とリボルバーのシリンダーのようなものが腕部にあった。

 

シャルルがこの戦いの半ば切り札としていたのが、今使った六九口径パイルバンカー【灰色の鱗殻(グレー・スケール)】。通称――『盾殺し(イージス・ピアース)』。通常のパイルバンカーとは違い、リボルバー式となっており連射ができる利点がある。

 

「………く……かっ………は、ぁ…」

 

シャルルは呼吸のダメージが抜けきっておらず、地に伏し喘ぎながら息を整えようとしている司の姿を見て良心が痛んだが、その隙を利用し、アサルトカノン【ガルム】を両手に構える。

 

今まさに引き金を引こうとした時、アリーナの地面が爆発した。驚きはしたが照準を司からその土煙の方へ向ける。

 

土煙が薄れたところから影が浮かび、そこから熱線光(ブラスター)が飛んできた。

 

熱線光をスラスターを稼働させ回避する。反射的にアサルトライフル【レッド・バレット】を撃ち込む。だが返ってきた反応は弾が弾かれる音が聞こえただけだった。

 

煙が晴れ、現れたそれは2機のIS。――〝ゴーレム〟と呼ばれたISだった。

 

 





2話更新です。(1/2)
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