IS~一人の転生者、報われる日は来るのか?   作:姫百合 柊

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お待たせしました、第二話です。
今回は少々アンチ?が含まれています。こんなん違ぇよ!と思った方々すいません。何分、作者は文才がないので。

では、どうぞ。

※指摘された箇所を修正致しました。


第二話・回想、IS学園入学

 

山田先生との補習を終え、自室に戻ってきた司はそのままベットに沈んだ。夕食までにはまだ時間があり、仮眠でも取ろうと目を瞑る。

 

しかし、中々眠れない。すぐに眠れると思ったのだが…思ったよりも先ほどのことで気持ちが高まったりしているのだろうか?

 

しばらく目を瞑っていたら、つい数ヶ月前のドタバタしていた頃を思い出した。

◇◆◇◆◇

 

『世界初の男性IS操縦者現る』と新聞やらテレビやらで連日伝えられているニュースだ。

 

初めはマジか…と驚きはしたが別に自分には関係ないことなのでまぁいいやと思っていた。

 

しかし、そこからが大変だった。世界中では男が乗れたんなら他の奴も乗れんじゃねーの?と言うことで一斉に男子にISの試験が行われた。

 

試験と言ってもISにただ触るだけなのですぐに終わる。結果は案の定、他の男子にには無理だった。――俺を除いて。

 

俺はISに触れたくなかった。なぜなら予感と言うか確信めいたものがあったからだ。それは……神様の言ってたご褒美ってこれのことじゃね?と 。一つ目は確かに嬉しかった。固まっていた顔が戻ったのだから。あれ?じゃあもうひとつってなんだ?と思っていたのである。

 

なのでISに触る時も隠れてやり過ごしたりしていたのだが、関係者の奴が目敏く俺を発見しやがったのである。

 

そっからはそいつらと俺の鬼ごっこだった。俺が逃げ、そいつらが追っかけてくる。なんとか1、2ヵ月逃げきっていた俺を誰か褒めてくれ。

 

ただ家にまで来た時はさすがに逃げようが無かったのでおとなしくした。それでISに触り、動かせてしまいめでたく、はい入学である。俺の受験勉強の日々を返してくれとそのときばかりは本気で思った。

 

時期的に変な時に入学なのでぼっちかなぁと気分鬱気味になりながら指定された時間にIS学園に来て見ると俺の他にもう二人、人がいたのである。びっくりだ。

 

簡潔に織斑千冬という先生に紹介があるまで待ってろと言われた。うん、待ってるのは良いんだ。ただ…スゲー気まずい。無言。ただただ無言。銀髪の眼帯着けてる人なんて腕組んで目瞑ってらっしゃるし……なんか隣にいる金髪の男子に限ってはちらちら見られてるし。なに?顔になんかついてる?

 

 

「ええとですね、今日は転校生を紹介します!しかも三名です!」

 

と中から…確か山田真耶と言う先生の前振りが聞こえた。……やっとこの気まずいという名の重力空間から抜け出せる。

 

司がそんな風に思っていると中の女子の声が大音量で聴こえてきた。

 

「「「ええええっ!?」」」

 

「うおっ!?」

 

いきなりのことだったので思わずビックリしてしまった司。他の二人は特に反応はなかった。

 

え?なんで今ので驚かないの?こいつら、心臓鉄板でできてんの?うおおお!?めっちゃ恥ずかしい!!穴があったら入りたい、入りたいよ母さん!!

 

全力でポーカーフェイスを作り、顔には一切出さないが内心では悶えていたのだった。

 

金髪の人が教室に入ったので俺もそれに続く。俺の後に銀髪の人が続いた。

 

先程まで騒がしかったクラスが今は静かだ。そりゃそうだ。この教室にはさっき先生が言っていた転校生がいるんだから。それも男子が二人も。

 

クラスメイトから浴びる視線、視線、視線!先生、体に穴が空きそうです………あーなんか、お腹痛くなってきたな。保健室行っちゃだめかな?

 

伝わるはずはないがそんなことを思いながら織斑先生を見た。すると二割増しの鋭い眼光が返ってきた。………マジっすか、織斑先生。

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不馴れなことが多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします」

 

……あれ?男子にしては声が高いような…まぁいい考えるのは後にしよう。今はこっちだ、こっち。

 

といつの間にか金髪の男子の自己紹介が終わった。

 

しかし、緊張するな……頼む俺の口よ!しっかり動いてくれっ!

 

「あ、長崎 司と言います。生まれも育ちも純日本人です。この環境にとても戸惑っていますが、みなさんと仲良くできたら幸いです。どうぞよろしくお願いします」

 

ふぅ、良かった噛まずに言えたぞ。

 

「お、男……?」

 

「はい?」

 

誰かが漏らした呟きにデュノアが反応する。

 

「きゃ………」

 

「え?」

 

あ、これアカン。そう思い両手で耳を塞ぐ。

 

「きゃああああっ!?」

 

クラスに響き渡る女子の歓喜の大声援。

 

「二人!男子が二人」

 

「しかもうちらのクラスに!」

 

「神様からのご褒美かしら!」

 

キャーキャーと騒ぐ女子一同。 織斑先生は鬱陶しそうにしていて、山田先生はあたふたしている。いや、先生なんだから止めてくれよ。

 

「み、皆さんお静かに。まだ自己紹介は終わってませんから~!」

 

と山田先生が言い、なんとか生徒達を抑える。

 

そうまだ一人だけ自己紹介をしていないやつがいる。それが隣の銀髪の眼帯娘だ。

 

教室に入って来てから一言も喋っていない。気まずい?気まずいのかしら?あーその気持ちわかるよ。自分の前の奴が何かしら面白いこと言ったりしてそこで笑いが起こったりすると、自分は何も面白いことできないから場がしらけるんだよな。本当なんなのあれ?

 

「……はぁ、挨拶をしろ、ラウラ」

 

「はい、教官」

 

司が過去の体験を思い出していると、ため息混じりに織斑先生が紹介を促す。それにラウラと呼ばれた少女はキッチリと返事をする。

「ここでは織斑先生だ。もう教官ではないし、お前はここの生徒だ」

 

「了解しました」

 

そう言ってその少女はいかにも軍人らしい姿勢で自己紹介を始めた。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

ラウラ・ボーデヴィッヒと言った少女が発したのはその一言だけだった。

 

「あ…あの、い、以上……ですか?」

 

場の空気に耐えきれなくなった山田先生が口を開く。

「以上だ」

 

山田先生の質問にバッサリと切って返すボーデヴィッヒ。いや、もうちょっと喋ろよ。山田先生泣きそうじゃないか。ハイハイ、言葉のキャッチボール。そう心の中で手を叩く司。

 

ふとボーデヴィッヒが何かを見つけ、そこにツカツカと向かい、目的の所で止まった。すると手を挙げ、その手を振り下ろした。

 

バシンッ!

 

教室に良い音が響いた。案の定クラスメイトがポカンとしている。俺だって、隣のデュノアだってしている。

 

殴られたもとい平手打ちされたのは世界で初めて男でISを動かした、織斑一夏だった。

 

「私は認めない。お前があの人の弟であるなど、認めるものか」

 

一夏の存在自体を否定するボーデヴィッヒ。いきなりのことについていけなかった一夏だったが思考が追い付き言葉を出す。

 

「いきなり何しやがる!」

 

「ふん……」

 

一夏は反論はしたがボーデヴィッヒはまったく意に介した様子はなく、手近にあった椅子に座り目を瞑り、他を寄せ付けない雰囲気を出す。

 

「あー……ではHRを終わる。この後はすぐにISの訓練だ。第二グラウンドに来るように、解散!」

 

織斑先生がその空気を取っ払うように次の行動を促す。

 

これが司がIS学園に来るまでの、来てからの経緯である。

 

◇◆◇◆◇

 

「「一夏あぁぁ!!」」

 

馬鹿デカイ声量で目が覚める司。反射的に時計を確認する。

 

「時刻は…18時45分か。食堂はまだ空いてないな」

 

時間を確認し、騒いでいる廊下へ顔を出す。当然と言えば当然なのだが寮にいる殆どの生徒が何事かと顔を出している。

 

「一夏!どういうことだ!?何故私と訓練をしないのだ!」

 

「一夏ぁ!どういうことよ!?私と訓練しなさいよ!」

 

………え?なに?修羅場?三角関係?え?どゆこと?

端的に言って織斑が……えーっと、名前…なまえ。………たしか、モップと鈴(すず)みたいな名前だった気がする。ぁー………ダメだ思い出せねぇ。

 

司が彼女らの名前について考えていると一夏が司に気付き、箒達を通り抜け早足で近づいてきた。

 

「つ、司!ち、ちょっと助けてくれ!」

 

とほぼ同時に司の背後に回る一夏。寮生徒の視線が一夏と司に向けられる。

 

「見て見て、織斑君だ」

 

「司君もいる~」

 

「あ!司君の部屋そこだったんだ!良いこと知っちゃったな~♪」

 

……oh、折角今まで誰にも気付かれなかったのに。何か言ってやろうと思い、血涙を流す勢いで織斑を見た。がすぐにそんな気は失せた。だって―――顔真っ青なんだもの!まぁ一人は真剣、一人は腕部のISを部分展開して迫って来ているからな。誰だって真っ青になるわな。俺だってなると思う。

 

鬼みたいに怒っている女子二人が近づいて来る。

 

「一夏!理由を言え!理由を!!」

 

「教えなさいよ!!」

 

織斑に言っているはずなんだが、織斑は俺の背後にいる訳で、なんでか俺が言われてるみたいになっている。なにこれ?なんで俺、こんな目に合ってんの!?マジで!

 

「……織斑、説明してくれ。全くわからん」

 

「あ、あぁ。シャルは知ってるよな?」

 

「あぁ、転校生のデュノアだろ?知ってるがデュノアがどうかしたのか?」

 

つか織斑さんもう転校生のことを名前で呼んでるとですか?ハンパないっす。……あ、そう言えば俺も司って呼ばれてたわ。

 

「それが千冬姉に面倒見てやれって頼まれたんだよ。それで施設とか案内してたら、箒と鈴が来てさっきの状況。シャルは帰らせた後だったけどさ」

 

なるほど全くわからん。つか俺は何も頼まれてないんだけど……織斑先生ェ…。

 

「じゃあ、そこの二人が言ってた訓練ってやつは?」

 

「それは俺が三人に教えてもらってることだよ。最初は箒に教えてもらってたんだけどさ、いつの間にかセシリアや鈴まで教えてくれることになったんだ」

 

ほー、そりゃまたすごいな。専用機持ち二人のレクチャーなんてそうそう受られないぞ。貴重な体験だ、うんうん。

 

「その三人には、デュノアを案内するから今日訓練できないとか言ったのか?」

 

「………あ」

 

「……おい、まさか言ってないとか言わないでくれよ」

 

とそんなことを口にしたが織斑の顔を見て、言ってないんだろうなぁと思う司であった。

 

「…ごめん司。言ってなかった」

 

内心やっぱりと思うが声には出さない。

 

「それは俺に言うんじゃなく三人に言ってくれ……」

 

と小さくぼやく司。

 

そろそろ痺れを切らす頃だろうなと思い、二人の方へ顔を向ける。するとなんでか物凄くむすっとしているというか明らかに私、不機嫌ですよ?というのが顔にでている。……なんで?

 

「と言う訳らしいんだが?お二人さん」

 

司の言葉に答えたのは箒だった。

 

「私は一夏と話をしているのだ。出来損ないは口を出さないでくれ」

 

この一言で司は固まった。ショックという訳ではない、いや少しショックだがそれよりも目の前の女の子がそんな出来損ないなどと言うような雰囲気の女子に見えなかったため、驚いてしまったのだ。

 

「そうよ、私は一夏と話してんの。あんたは引っ込んでて」

 

箒に続いて鈴も司を邪魔だと言う。

 

つか、お前らさっきの説明ガン無視ですかそうですか。俺のすり減った精神を返してくれよ。………嫉妬?え、嫉妬なの?一夏が構ってくれないからっての嫉妬か!?

 

「箒!鈴!お前らちょっと言い……」

 

「いい、止せ織斑」

 

織斑の言葉を途中で止める。

 

「でも、司の…」

 

「俺のために怒ろうとしてくれたのは嬉しいよ。だけと篠ノ之や凰の言った通り出来損ないには変わりないさ。それは戦ったお前もわかるだろ?それに多分オルコットだってそう思ってるだろ」

 

確か、こいつらの苗字って篠ノ之と凰だったはず。と今更ながらに思い出す司。

 

だっ、誰も名前について突っ込んで来ないから合ってるよな?と内心はドキドキしていた。

 

「………っ」

 

悔しそうな顔をしている一夏を見て司は、やっぱりこいつ良い奴だなと思う。

 

少しの間沈黙が流れたが、司が口を開く。

 

「篠ノ之、お前刑法、銃砲刀剣類所持等取締法つまり銃刀法違反って知ってるか?」

 

「な、なんだ突然」

 

いきなり法だの取り締まりだのと口に出されて少々たじろぐ箒。

 

「いいから、知ってる?」

 

「あ、あぁ。知っているとも」

 

「そうか」

 

短く返事をして、次は鈴の方へ向く。

 

「凰、知ってるか?」

 

「なによ」

 

「ISの展開って校内じゃ禁止されてるんだぞ?」

 

「だからなんなのよ!」

 

少しイラついているのか語尾が荒い。

 

俺は、二人の後ろにいる人物に目でどうぞと促す。

 

「ほう、凰……お前は学園で禁止されていることをだからで片付けるのか。そうかそうか」

 

織斑先生降臨!!とまぁそんな風にかっこよく登場した先生。二人は肩をビクンと震わせた、特に凰の方は。そして二人揃って恐る恐ると言った体で後ろを振り向く。

 

織斑先生が寮にやって来て黄色い声援が起こらなかったのは寮の皆が空気を呼んでくれたからだろう。ありがとう皆。

 

「ち、千冬ね…いて」

 

「織斑先生だ」

 

千冬姉と呼ぼうとした一夏をポスッと叩く織斑先生。

 

「さて、凰。一回目とは言えIS武装展開、本来なら厳重注意なのだが…反省文提出で見逃してやる。職員室に来るように」

 

「………はい」

 

鈴は力なく項垂れた。

 

「それから篠ノ之」

 

「は、はい!?」

 

「お前も反省文提出だ。凰と職員室に来い」

 

「…………はい」

 

「ふむ、不満そうな顔だな?良いだろう、答えてやる。長崎の言っていた9条、要は銃刀法だな。お前はそれに違反していると言っているんだ。家が道場だからとか剣道をやっているからなどで持ち歩かれては堪らん。今のお前がそれだ」

 

とそこまで言い一拍置いてから確認するように、わかったな?と口にした。それに箒はただ黙って頷いた。

そして件の二人が職員室に行った後、織斑先生が去り際に『勤勉だな』とただ一言呟いてその場を後にしていった。

 

一夏には聴こえていなかったようだが司には聞こえた。

 

褒められる。褒められたら誰だって嬉しいが、司は褒められたことがまず無いと言ってもいい。せめてあるとしたら山田先生にくらいだが。それが一日に二回も、司はこの上なく不思議で嬉しい気分だった。

 

◇◆◇◆

 

その後、司は食堂で夕飯を食べていたが、とても幸せそうな表情だったという。

 

余談だが、この時の表情で話題が一気に広まったのは言うまでもない。

 

「司があんな顔できるなんて、びっくりした」

 

「夜は少食って決めてたけどご飯2杯食べちゃいました」

 

「なんか、もう……カロリーなんてどうでもよくなってきた」

 

「ナガキ~の顔見てたらーこっちまで幸せな気持ちになったよ~」

 

女子間では密かに写真の売買が行われていたり、したとかしなかったとか。




いかがでしたでしょうか?楽しんで頂けましたでしょうか?

第二話にして書き貯めがなくなってしまい、投稿がさらに遅くなってしまう可能性が出てきました。それでもこの小説を見てくださる方、ありがとうございます。

次は第三話、回想編セシリア、一夏戦になります。
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