一週間以上も待たせてしまい、申し訳ありません。
アクセス数や被お気に入り数が増えていて、とても嬉しい今日この頃。読者様、ありがとうございます!!
※指摘された箇所を修正致しました。
昨日は体調が優れなかったが今日は、もう日課になりつつあるランニングが出来るまで回復していた。
が、その時間はいつもよりも遅い。やはりまだ完全には治っていないようだ。朝6時半。普通の人なら十分に早いのだが司はこれに自身の打鉄を纏って走っているからどうしても音が出てしまう。なので、今日は打鉄を纏っていない。
「……はぁっ、はぁっ、はぁっ」
自然と足が向いてしまったIS格納庫。いつもここに来て居たので習慣かなと思う。とくに用事はないが打鉄の様子を見ようと中へ入った。
「……あれ?」
疑問の声をあげたのは格納庫に人が居たからである。まだ朝の6時半ぐらいだというのにその少女はディスプレイと自分の専用機らしき物とにらめっこをしていた。
人が居て、少々驚きはしたが、打鉄の元へ向かう。
「…………うん。大丈夫だな。…ごめんな、今日走ってやれなくて」
そしてこれも日課になりつつある。ISに喋り掛けることだ。山田先生に教わったことで、人の意思のようなものがあるならこっちの声は聴こえているんじゃないかと思い、始めた。まぁ、ISの返答はないし、話かけても来ないけど………誰でも無視されるのはキツいしな……。
ふと視線を感じた。そちらを見てみると先程の少女がこちらを見ていた。
な、何だろうか。俺あの子知らないんだが。……あっ、もしかしてさっきの言葉聞かれちゃってた?は、恥ずかしい!?
取り合えず、挨拶もかねて誤魔化す様にして、お辞儀をした。すると向こうもペコッと頭を下げ、再びディスプレイとにらめっこをし始めた。
うーん、やっぱり知らない人だな。つか、水色の髪ってスゴい色だな。染めたんだろうか?だとしたら似合っていたな。
そんなことを思いながら寮へと帰って行った。
◆◇◇◇
「これでHRを終わる。二組と合同でIS模擬戦闘を行うため、各人は着替えて第二アリーナに集合しろ。では解散!」
そう言って行動を促す、織斑先生。皆素早く動いている。それもそうだ。HR終了から授業開始まで約10分しかないからである。その中でも特に早く動いているのは俺、織斑、デュノアの三名である。
「司、シャルル、早く!」
「…わかってる」
「…?。どうしてこんなに急いでいるの?」
マジか、コイツ。織斑先生の授業に遅れるというのがどれほどのものか分かってないのか?確かコイツも見ていた筈なんだが…。
一夏が一度、授業に遅れて来たことがあった。そのとき、よく織斑先生に指名されていた。9割くらいやられてたな、あれは。しかも出来なかったら、密かに織斑先生こめかみ押さえてたな…。そして、たんだんと眉間のシワが深くなっていくもんだったから、皆無駄に緊張してた。山田先生に至っては半泣きだったな。
それから、皆は授業に遅れないように気を付けている。織斑先生の授業だと特に。
あと、俺達が急いでいる理由はもう一つある。それは……。
「あぁ!居たぞぉ!」
「目標発見!捕まえろぉ!」
「囲め、囲め!!」
このように、雪崩のように毎回先輩方が待ち構えているのだ。
「つ、司。不味い、囲まれた」
織斑が若干青い顔をしている。やっぱりお前も恐ろしいんだな、織斑先生のあの雰囲気が。
前後を先輩方に囲まれ、行き場無しの状態。詰んだろ、これ。
ふと織斑の腕、ガントレットに目がいった。そうだ!これなら行ける。
「織斑」
「ど、どうした、司?」
焦っている織斑に耳打ちをする。この状況を打開する案を伝えるためだ。
「…!。分かった。やるぞ、司」
「あぁ、頼む」
織斑に伝えたことは、デュノアを抱え、窓から飛び降り、専用機を展開してくれと言ったものだ。もちろん俺もそれに捕まる。
「シャルル!」
「え?…きゃあ!?」
一夏がシャルルを抱き抱えたことで周りから一部声援が挙がる。
きゃあ?……なんか、おかしい。違和感がない気がする。って今そんなこと思ってる暇はない。
織斑とデュノアが窓から飛び降り、俺もその後に続く。辺りからあっと言う声が挙がるが気にしちゃいられない。
そのあと織斑が加速推進翼(スラスター)を部分展開し、織斑に捕まった。落下することなく無事に地面に着地。
「ふぅ、なんとか切り抜けたな……って後何分だ!?」
「あー……あと4分だ」
「ま、不味い!早く行かないと!」
「織斑、俺は格納庫に行くから早くデュノアを連れて行け」
「格納庫?何でだ?」
「まぁ、俺の機体があるんだよ」
「そう言えばそうだったな。じゃあ俺達は先に行くけど、司も遅れないようにな!」
「…努力はしよう」
そうして織斑はデュノアの手を引いて走っていった。………間に合うかなぁ、俺。
格納庫までそれなりの早さで走り、打鉄の所に向かう。自身の専用機の前まで行き、呟く。
「よし、行くか…打鉄」
打鉄に一声かけ、搭乗。時間は……あと30秒。ま、不味い!
加速推進翼をすぐさま展開させてアリーナへ急ぐ。
突然だが、司の左目は死角である。目に傷を負い光を奪われてしまった。司はその傷を隠すために髪を長くしているのだ。だから、左方向から飛来物が飛んでくるのに反応が出来なかった。
「あああぁーっ!ど、どいてください~!!」
大声をあげ、誰かが突っ込んでくる。すぐにISが警告『左舷、機体急速接近』と告げてくれたが間に合わず衝突してしまう。
「…ふぐっ!」
ISに守られているとはいえ、衝撃が来るときは来る。ほぼ不意打ちみたいなものだったから防御すらできていない。
「あわわわっ」
ぶつかった衝撃で意識が暗転しかかっているせいか全く状況は分からないが、墜落していると言うのは何となくわかる。
この状態で地面に叩き付けられるのは流石に危険だと思い、飛んできた生徒?をギュッと掴み、加速推進翼を噴かして落下スピードを減速させるように試みる。
その結果、なんとか地面すれすれで止まった。飛んできた人は無事かと腕の方へ目をやる。そこには俺が抱き締めるようにしてその人を掴んでいた。急いで手を離す。
「うおっ!…っ…はあっ、はあっ……ゲホッ、ゲホッ!」
いつの間にか息が切れていた。心臓もバクバクしている。そんな様子を心配してか声がかけられた。
「だ、大丈夫ですか!?長崎君!」
声の主or飛んできた機体と言うのは山田先生だった。
「わ、私のせいで、長崎君を危険な目に、ほ、本当にすいません!」
山田先生が頭を下げ、謝ってきた。心なしかいつもより山田先生が小さく見えた。というか、顔が近い。山田先生はまだ俺の上に乗っかったままだ。
「あ…いや、気にしないで下さい。結果的に山田先生も無事だっので良かったです。それよりもこの状況はどうすれば……」
先程のアクシデントよりもこちらの対処の方が俺には難関だ。どうすれば良いんだ?
「この状況?」
なんのことか分かっていない山田先生だったがしばらくしているとボッと顔から火が出たように紅くなり、飛び跳ねるようにして立ち上がった。
「こ、これはですね!べ、別に故意にやった訳ではありませんよっ!わ、私は先生なんですから、生徒をそんな目で見たりなんかしていません!」
顔を真っ赤にしてするそう言う山田先生。何だろう、ここまでの反応されてしまうとこっちが照れてしまう。
「わ、分かりましたから取り合えず落ち着いて下さい、山田先生」
「は、はい!」
と山田先生が自分を落ち着かせる為だろうか深呼吸を始めた。そして山田先生が深呼吸をしているとき、チャイムが鳴り終った音が聴こえた。
「チャ、チャイム……鳴り終っ………遅刻」
今は違う意味で心臓がバクバクしている。どうしよう、織斑先生の授業で遅刻してしまった。
目に見えて落ち込んでいるのが分かったのか山田先生が慰めてくれた。
「だ、大丈夫ですよ!長崎君は先生を助けてくれたんですから、私から織斑先生に事情を話しますから、い、一緒に行こう?ね?」
「…はい」
山田先生が俺の手を掴んで、アリーナへ急いだ。
◇◇◆◆◆
山田先生は司の手を掴んだままアリーナ上空へ来ていた。
「さぁ、後もう少しですね」
「そうですね。……あの、山田先生」
「?。なんですか?」
俺はさっきから気になっていたことを聞く。
「あの、なんで手を握っているんでしょうか?」
そう言われて山田先生は自分の手を見る。そこにはしっかりと司の手を握っていた。
「~~~っ!?」
先程よりも顔を真っ赤にする山田先生。それもそうだろう、女尊男否の世界になってから異性と手すら繋いだことがないのだから。
そして自分のしたことに気付き、パニックに陥る山田先生。手を離すのではなくさらにきつく握り、なぜか加速推進翼を作動させる。
「~~~っ?!」
「なんっ……」
アリーナ中央へ向け、ほぼ墜落しているように進む。この間でも山田先生は手を離してくれない。
再び警告がディスプレイに表示される。
『直進先に人物あり。対象:織斑一夏』
ディスプレイに表示されたことに驚き、進行方向を見る。確かに織斑っぽいやつがいる。しかもたぶんだが白式を展開していない。まずいと思い、自分が出せる限りの声量で叫び、その後から山田先生も続けた。
「織斑ぁ!そこどけぇ!」
「織斑君!危ないです!」
盛大な音がして、地面にぶつかった。
「……ぐっ!…いってぇ………」
今度は地面に叩き付けられ、着地のダメージがあり、あまり動けそうにない。手を握られている感触があるので山田先生も無事だろうが問題は織斑だ。俺は山田先生と織斑を探すべく首を動かした。
心配していたが案外あっさり見つかり、俺の右側に織斑と山田先生はいた。織斑が押し倒す形になっていて、片手は山田先生の乳房を掴んでいると言う光景だったが。
「………何やってんだ?織斑」
思わずそう聞いてしまう。不慮の事故なんだろうが、どうしてそうなってしまったのか問いたい。
しかも、早く離れれば良いのに胸を鷲づかみしたまま固まっている。山田先生も口をパクパクさせながら動かない。たぶん緊張しすぎて理解が追い付かないのだろう。というか心なしか、さっきよりも手をつかむ力が強くなっている気がする。
とそんなことを考えているといきなり警告音がなり、詳細が表示された。
『右舷、熱源反応を確認。危険』
右側には今、織斑と山田先生がいる。痛む身体をなんとか起こして二人の前に出る。そして両肩部の楯を前方へ展開。それに腕を重ねるように交差させた時に衝撃が来た。
俺が防御したことによりレーザー光は拡散し霧散していった。この感じは良く知っている。散々喰らったものだからな。これはBTレーザーによる攻撃、つまりオルコットさんだ。
「……はっ!わたくしったら、つい……だ、大丈夫ですか!?長崎さん、一夏さん、山田先生」
はっとなって申し訳なさそうにしながらこちらに駆け寄って来るオルコットさん。あの正確さで無意識だったんだろうか?俺居なかったら織斑の頭直撃だったぞ。恋する乙女って怖ぇな…。つか織斑の奴まだ固まってんだけど。いい加減回復しろよ。
そう思い織斑を蹴ろうとしたとき、ガシーンと何かか連結する音と怒号が聴こえた。
「あんたはいつまでそうしてんのよ!」
2組の凰が怒鳴りながら織斑目掛けて青龍刀を二つくっ付けたような武器をブーメランみたいに投擲。流石に硬直は解けたのか織斑が山田先生を起こしてその攻撃から逃れようとする。が一歩遅く、織斑がその攻撃に当たり思わず転倒。
俺はもう動けなかったがオルコットさんが手を借してくれてなんとか回避できた。
凰の放った青龍刀がブーメランのごとく再び織斑達の所に戻ってくる。が二人に当たりはせず、ドンッドンッ!と二発の銃声が響き、弾かれた。
やったのはなんと山田先生だった。今度は山田先生が上になっているがそこから少し上体を起こしただけで狙撃したのだ。その顔にいつものような雰囲気はなく、凛としている。
その光景に少々面食らってしまったが俺だけでなくクラスメイトや織斑にオルコットさん、凰だってポカンとしている。それを見越してか織斑先生が補足をいれてくる。
「山田先生はこう見えて元代表候補生だからな。今の射撃くらい造作もない」
「む、昔のことですよ。それに候補生止まりでしたし……」
ずれた眼鏡を両手で治して起き上がる山田先生。パッといつもの雰囲気に戻っているが頬が少し紅い。織斑先生に誉められたことが嬉しかったのだろうか?
「そうだな…オルコット、凰、前に出ろ」
何故わたくしまで!?と言っていたオルコットさんだったがそれに従った。凰も何か言いたそうだったが何も言わず行動した。
「お前らには二対一で山田先生と模擬戦闘を行ってもらう」
「え?二対一で、ですか?」
先程の射撃の腕前を見て実力は分かっていたが思わず聞き返してしまう鈴。
「あぁ、そうだ。なに心配するな、今のお前らならすぐに負ける。では山田先生お願いします」
織斑先生にそう言われ、緊張気味に『はい』答えた山田先生。そして負けると言われてムッとした二人は気合い充分とばかりに宣言する。
「負けませんわ!」
「やってやろうじゃないの!」
二人が飛翔し、そのあとに山田先生も続いた。
「い、行きます!」
声音こそいつもの山田先生だったが、その顔は先程のように凛としたものだった。
「では、はじめ!」
織斑先生の号令で戦闘が始まった。戦闘といってもほぼ一方的なもので山田先生が勝利した。ビット、衝撃砲が悉くかわされ、成すすべなく山田先生が投擲したグレネードの爆発に巻き込まれ落下。そこでストップが入り、織斑先生が終わりだと告げ終了となった。
「さて、これで諸君らにも教員の実力は理解できただろう?以後は敬意を持って接するように」
その後、専用機持ちごとでグループになって自習することになった。
織斑とデュノアのグループで一悶着あったようだが織斑先生が直々に訓練していた。南無。
そんな光景を横目で見ていたが、前を向く。他のグループはワイワイとやっているのに対し、未だに誰一人として喋っていないボーデヴィッヒさんのグループ。
無言で順番づつにISに搭乗させ操縦させている。き、気まずい。正直、そう思う。それは司だけではないらしくこのグループの女の子達は少し俯いて押し黙っている。
気まずい空気の中、俺の番が来た。正直どうしていいか分からないが、前の子と同じようにする。
「…………長崎、と言ったな?」
乗ろうとしていた時にずっと無言だったボーデヴィッヒさんが話しかけてきた。
「…名前は合ってますが、えっと、何か?」
何故俺に話しかけて来たんだろうか?織斑と話せばいいのに。過去だかに何か織斑と因縁があるんだろう?
「お前の試合を見た」
まっすぐと目を見て言われた。そして目を見て始めて気が付いた。この少女の目はとても澄んでいる。澄んでいるがどこか翳りがある。
俺はこの目をよく知っている。だってこの目は――。
「……ぉ…試合ですか?見ていてもつまらなかったでしょう?無様に負けてしまいましたから」
漏れかけた言葉をぐっと抑え、言葉を続ける。
「いや、そんなことはない。良い試合だった」
「お世辞はいいですよ。している方もされている方も辛いだけです。それに本人が無様だと言うんですから他の人の目にもそう写ってますよ」
いつもなら生返事のように返答するのに少しムッとして答えてしまった。何故だ?
「他の者からはそう写ったかもしれん、だが私はそう思う」
「……そうですか」
そこで会話が途切れる。だがラウラがポツリと呟いた。
「お前は―――――いる。お前の目を見ていると過去の私を思い出す。――――――と呼ばれていたあの頃を」
「……え?」
それきりボーデヴィッヒさんは喋らず、ISの指導に戻った。俺もそれに従う。
ボーデヴィッヒさんの呟いた言の葉はとても小さく聞こえなかった所もあったが聞こえた所もあった。そのことが司の頭の中にポツリと残った。
「…落ちこぼれって、一体………」
授業が終わり、自室に戻ってもそのことが頭から離れなかった。
第五話、どうでしたでしょうか?
これからの投稿なのですがリアルで事情があり、作者の精神力が持てば普通に投稿できますが持たなかった場合、さらに遅くなると思います。読者の皆様方すいません。