IS~一人の転生者、報われる日は来るのか?   作:姫百合 柊

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本編と言えば本編ですが本編じゃないと言えば本編じゃない閑話です。矛盾してますね、すいません。

感想ありがとうございます!

では、閑話どうぞ。

※少し書き足しました。

※指摘された箇所を修正致しました。


閑話・蠢く

 

薄暗い部屋に人影が二つ。

 

「それで今日はどうしたのですか?まぁ貴女がいきなり、やって来るなんてもう慣れましたが」

 

「やだな~人と会うのに理由なんている?親友なら尚更だよ~」

 

親友という言葉に反応し、聞き返す。

 

「私たちは親友でしたっけ?前は知り合いみたいなこと言ってませんでしたか?」

 

「あれ~?そうだっけ、まぁ細かいことはいいのだよ、みーちゃん」

 

「みーちゃん?すーちゃんって言ってませんでしたか?この前」

 

「あれ~そうだっけ?まぁ、いいじゃんいいじゃん。なんか語呂が悪かった感じだったし、それにみーちゃんの方がなんか可愛いじゃん」

 

そう言ってケラケラと笑う彼女。

 

ため息と少し呆れ顔になって、それに返す。

 

「私もそうですが、貴女を見ていると自分はまだだって感じますよ。あっ、別に悪い意味ではないですよ」

 

手を振って悪気がないことを示す。

 

「そんなの分かってるって~。でも、みーちゃんの言わんとしていることも分かるけどね」

 

「…………」

 

そう言われ、ただでさえ薄暗い部屋なのに顔に掛かる陰が濃くなった。

 

「ただ私はみーちゃんのそこが気に入っているんだけどね~。初めてだよ~、自分のような人を見つけたのは。嬉しかったな~」

 

ニパッと笑う彼女。それに『…そうですか』と呟き、弱く笑った。

 

「ごめんね、嫌な事思い出させて」

 

そう言って、彼女の肩にそっと触れる。

 

「いいえ……でも、ありがとう」

 

彼女の顔に先程までの陰は無かった。

 

◇◇◇◆

 

「あ!そう言えば、どうだった?彼に会ってみて」

 

彼、それはあの子のことだろうと思った。

 

「そうですね、貴女の思っていた通りの子でした。ただ、あの子の目は私よりも暗かった。負っているものは同じか私よりも多いと思います。それよりも何故貴女はあの子のことを?ご存知だったのですか?」

 

「ん?うん、知ってるよ~というかあっちは私のこと知らないと思うな~」

 

「それはどういう…」

 

意味がわからず思わず聞き返す。

 

「だって、顔を合わせた訳じゃなくてただ見てただけだもん。いや~衛星をハッキングして世界各地を観察していたんだけどさ、たまたまその子が映ったんだよね。衝撃的だったよ、なんせ数十人に殴られたり蹴られたりしていたんだからさ」

 

言葉が出なかった。まさに絶句。そんな目も覆いたくなるような体験をして、何故外れなかったのか驚愕した。

 

「そんな行為が終わった後、ぐったりとしていた彼が体を、手足を動かしてゆっくりと起き上がったんだ。その時、彼の顔を見たよ。ひどい表情だった。」

 

いつもは語尾を伸ばして話しているが今はしていない。そして声のトーンが普段からは想像も出来ないくらい低い。やはり彼女も思う所があるのだろう。

 

「……その、表情とは?」

 

狂気か憎しみか、悲しみか痛みかまたは絶望か、顔に浮かぶであろう表情がいくつも頭をよぎった。

 

「何もしていなかった。普通、顔に浮かぶであろう表情と呼ばれる物がまるで無いかのように無表情だったよ。どこか諦めた顔をしてるようにも見えた。…まるで〝がらんどう〟のようだったよ」

 

その時のことを思い出したのか手を握り締めていた。

 

「壮絶……ですね」

 

「うん、十歳くらいの子がしていい体験じゃないね」

 

それから暫く沈黙が流れた。だがそれを破ったのは先程の人物だった。

 

「…だからこそ、私たち大人がしっかりやって行かなくちゃいけないんだよね」

 

「…そうですね。……そう言えば、貴女の親友、あの人は凄い人ですね。全部見透かされているような気分になる。あの人とはいつ頃?」

 

気まずい為か、あっと思い出したかのように話題を変える。

 

先程まで暗かった表情がパッと明るい物に戻る。

 

「うんうん、凄いでしょ~私の親友は。あ!もちろんみーちゃんも親友だよ~。うーん、いつ頃、かぁ…小学生の時からかな」

 

少し意外だと思った。中学もしくは高校生くらいからと思っていたがまさかそんなに早かったとは。

 

「意外~?私もね初めは友達になる気は一切無かったよ。道場によく来ていたけどね。その時は他人にはまったくもって興味がなかったし、話どころか目も合わせなかったくらいだもん。でもね…彼女が私を叱ってくれたんだ。それじゃ、お前が駄目になるって言って。親にも叱れたことがなかったし初めての経験だったよ。でも、嬉しかったな、私を見てくれる人が居るって思った。そこからかな、彼女と一緒にいるようになったのは」

 

昔を懐かしむように語っていることが雰囲気で分かった。

 

「…昔も今も変わってないんですね、彼女は」

 

「…うん」

 

その時、携帯の着信音が流れた。

 

「ん!?このメロディーは!」

素早く携帯を取り出し、相手が誰なのか確認する。すると顔が喜色で溢れていた。相手が誰なのか何となく察しがついた。

 

「妹さんですか?」

 

「そうだよ~。いや~、初めてじゃないかな、私に架けて来るの」

 

「そうなんですか、では折角の記念を邪魔するのも嫌ですし、お開きにしますか」

 

そう言って眼鏡を外して彼女に尋ねる。

 

「もうちょっと話していたかったんだけどな~…まぁ、仕方ない。バイバイ、みーちゃん、また近いうちに」

 

「うん、じゃあね、たーちゃん。またね。」

 

別れの挨拶が終わり、薄暗い部屋での会話が消えた。あるのはただ静寂だけだった。

 




閑話、どうでしたでしょうか?初めての閑話投稿でしたがしっかり出来てたかな?不安だ……

投稿できましたが作者のライフ(精神力)がほぼゼロです。誰か、助けて~!!
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