魔法少女アンブレーラブル   作:国語の教科書に載るような話を描きたい

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1話 くも

 

 

『私は雨が好きだ、重くて、暗くて、いっぱい降るけど独りぼっちで、まるで私が私を抱きしめている気がして、』

 

 

「くうぅ゛、重」

 

 

「ねえ日奈美〜」

「わッ、びっくりした、何?お姉ちゃん」               

 

『急になんだろ、』

 

自分の部屋に一人いるとお姉ちゃんがドアを開けて話しかけて来た

 

「ああごめん、でさ、せっかく連休なんだけどなんかママとパパ明日明後日在庫の入荷?とか色々で遠出すっからいないんだって、しかも私もちょうどサークルのプチ旅行でいないから1人になっちゃうんだ、」

 

『ああ、』

 

「お母さんから聞いてたけど、お姉ちゃんもなんだ、」      合わせたくても

 

「そうなの、だから、色々買っておいたからね、なんかあったらすぐ連絡してね、私もう朝には出て居ないから」

「わかった、」                        合わせられない

 

『店番、面倒だな、』

 

 

 

「ねえ、日奈美、」

「なに」

「あんた運動もできて可愛いんだからさ、もっとそっちの方目指せばいいんじゃない、?」

 

「、、」                            答えたくても

 

 

『、、、言いたくも、なるよね、』                答えられない

 

「ほら、テニスとかやってたじゃん、」

「もうやめたことだし、疲れるよりぼーっとしてた方が幸せだし、」

 

「そっか、ごめんね、じゃ、、、じゃあなんかあったら連絡してね、」

 

「わかった、」                     ごめんなさい

 

「、、」                          私は好きだけど

 

『お姉ちゃんは優しいな、きっともっと言いたいことあるだろうに、』 ごめんなさい

                 

優しく扉を閉じて、お姉ちゃんは部屋から離れていった。。

 

雨が降る重い空気を吸いながら、痛々しい文字列を考える、昔よくやっていた名残でふと思いついては嫌な思い出になっている。

 

いつだかから目指す物がなくなり生きていて楽しいと思うことがあまりなくなってしまった、

 

なぜだか知らないが、結局はそう簡単なことではないことは感じる、

 

「寝るか、」

 

私の両親がこの港町で営む、長咲(ながさき)雑貨店、よくある苗字をそのまま使うやつだ。

明日明後日あたりは私が店番をするとなると朝早く起きて店前の掃除やら色々しなくてはいけないから早起きしなければならない、

 

「めんどくさいな、」

 

大体中学の中盤くらいからだろうか、周りはみな『夢』を『目標』に歩む中、私は『夢すら』なくぼーっと生きていた、

 

長咲(ながさき) 日奈美(ひなび)、15歳、今年で16になる、

学校はただただ面倒で給食ぐらいしか楽しみないし、家でもご飯とお風呂ぐらいしかないし、常日頃このままだと太るなと思う。

 

 

『夢、か』

 

 

けど私はこの三日間で、彼女のおかげで前に、

 

―――なんなら後ろも見れなかった私を歩けるようにしてくれた、歩けるようになった、これはそんなお話。―――

 

 

 

ピピピピピッ ピピピピピッ

「うう、」

 

『眠い、けど早めにやっとかないと、』              

 

せっかく暖かい布団から出て、もう春とは言えまだまだ冷える、その寒い中、廊下を歩き階段を降りる、

洗面台にいき歯磨きと顔を洗い髪の毛を少し整えておく、流石にお客さんにだらしない姿を見られるのは嫌だからだ、

 

 

朝ごはんを作るために台所に行くとお姉ちゃんが言っていた買っておいてくれた物たちがなぜか綺麗に並べられていた、

 

 

『、、カップ麺でいいか、』

 

お湯を沸かし、注いで3分待ち、机に持っていき、さっさと食べる、寒い朝にはちょうどいい、暖かいスープがすごく体に沁みる。

 

食べ終え箸を洗う、上に戻り服を着替え、店の準備に取り掛かる、

 

ガレージを開けて、店前を箒で軽く掃いたり、品物を確認したりし、

 

『よし、』

 

開店1時間くらい前に済んでしまった、

 

『まあ、いっか』

 

レジに今読んでいる漫画とスマホを持ってきて座る、時間を潰すことにした、だが漫画を読むのに集中していたせいかすぐにお客さんが来た、

 

100円を握りしめてお使いにくる子ども、やけに元気なよく洗剤を買いにくるおばあちゃん、よくプレゼント選びに来てくれるお姉さん、

 

しかし今日はそこまで人が来ない感じがした、

 

『休日で天気も、いいんだけどな、』

 

 

ふと思ったが、まあいいかとしおりを挟んで置いてあった漫画を取ろうとした、

 

そのとき

 

―爆発のようなボカーン!だとかドカーン!だとかバコーン!だとかそう言うような音に近い音が海の方から聞こえた。―

 

体がビクッとし、自然と海の方を見てしまっていた、

 

『わ、な、なんだ今の音、、、工場でも爆発したか?隕石でも落ちた?ま、まあ、店番あるし、なんかしら大きな事だったらニュースになるだろう、』

 

 

 

『ん、、』

 

 

 

「だめだ、なんかすげえ気になる!」

 

しかし、漫画を閉じておきスマホを持っていこうと思ったら、

『あれ?雨降ってる、』

 

雲はあったが晴れていたはずがいつのまにか雨がポツポツと降っていた。

 

『さっきまで降ってなかったのに、、天気予報晴れじゃなかったっけ、まあ、天気雨かもしれないけど一応傘持って行くか、濡れたら着替えるのめんどいし』

 

店の入り口に『店員不在』と書いた札を掛け傘をさして、早めに戻るべく早歩きで音がした方へ向かう。

 

 

向かう途中色々考えてしまった、どんな理由であんな音がしたのか、けどそれは、事故でも隕石でもなく

 

 

「な、、なんだあれ、」

 

そこには戦隊や魔法少女が倒すような、大きな怪人のような者がいた、その姿はまるで空から落ちてきた雲が中世ヨーロッパの騎士が身にまとう甲冑のような形にそれがまさにモクモクと動いている。

 

 

『ええ、私疲れてるのかな、いや別に昨日は遅くまで起きてないし、なんか、あれか?イベントとかである膨らませて中入って子どもが遊ぶやつか?ああそうだ!きっとそうだ!』

 

変な汗を掻きつつ色々考えていると、

 

 

「助けてぇ!」

と言う声が聞こえた、

『ええ!?何事!?』

 

と思って怖いが向かう、するとそこには、黄色のレインコートを身にまとった女の子がいた

 

 

「いやあだあ!」

 

その怪人?雲怪人とでも呼ぶか、雲怪人はモクモクした手で女の子を掴もうとしている

 

『ああ絶対違うわだって今襲われてるもん』

 

女の子は必死に逃げ、それを雲怪人は追う、しかし雲怪人は雲でできていて体は軽そうだがゆったりと動いている、

 

『ど、どうする!?、いやどうするも何も助けないと!けど、あのままあの子を抱き抱えて逃げれそうだけど、結局あいつは追ってくるだろうし、逃げて隠れる?いやあいてはまさに未知の存在、も、もしかして誰かの異能?だとしたら余計どうすればあぁ、』

 

するとその時、レインコートの女の子が転んでしまった

 

『ええ!?』

 

「い、いだあ」

 

『だめだ!とにかくあの子と逃げないと!だとしてもあいつはどうする!?いや、迷ってる場合じゃない、、、、あれ、』

 

しかし、日奈美の恐怖で足が竦んでしまっていた、

 

『え、動かない、てか全身に力入ってる、ど、どうしよう、だめだ、怖い、』

 

「いやだああ!」

 

『震えが止まらない、傘を握る力がわからなくなって来た、けど何か、何かいい方法は、、、あ、そうだ、』

 

 

 

「いやだ!」

 

雲怪人は転んでしまったレインコートの女の子を掴もうとする、

 

 

「やめろおおおおおぉ!!」

「、え?、?」

 

日奈美は叫びながら、ザーザー降る雨に打たれながら走るッ!

そして雲怪人とレインコートの女の子の間に入る!

 

 

『あった、!いや正直意味ないと思うけど!』

日奈美、持っていた傘を雲怪人に向けてバサッっと開くッ!

 

「オラア!この雲野郎!あっちいけええ!」

 

何度もバサッバサッと傘を暴れさせる、すると雲怪人は少し戸惑っているようにソワソワとしている

 

『おお?少しは良さそう!?いやでももうひと押し欲しい、何か!何か!』

 

 

『例えば、傘がもっと大っきくなるとか!』

 

多分自分が1番びっくりした

私がそう思った途端、その武器のように振り向けていた傘が、骨の部分はギギギギ、ガリガリっと削れ軋み伸び、生地の部分はギュギュッと敗れそうに伸び、

私の傘はその怪人より大きくなった。

 

「え、ええええ!?」

『な、なんじゃこりゃああ!?』

 

すると雲怪人はびっくりしたのか、空が晴れるようにゆっくりと消えてしまった。

 

「た、、、、倒した!?や、やったああ!」

「うわああぁぁ」

「ああ!?そうだ女の子!」

 

レインコートの女の子はきっと安心しただとかで泣き出してしまった、

 

「ああ!!え、ええっとお、子、この傘どうしよう、、と、、とりあえず手からはなして、」

 

すると手から話した途端キュルキュルとちじみ元の傘に戻った、

 

「ああ!?も、戻った、?ま、まあ、一旦おいといて、」

「うわああぁぁぁ」

「ああ、え、えっとお、」

 

日奈美はしゃがみ女の子を慰める、

 

「も、もう多分大丈夫だよお〜」

「う、ううう、」

「お、泣き止めて偉いねえ、ええ!?てよく見たら裸足じゃん!、血は出てないけど、」

「う、、うん」

「ああ、え、えっと、お名前は?」

「あ、あめ、」

「あめちゃん?」

「うん、」

「そうか、あめちゃんって言うんだね、えっと、あめちゃんママとパパはどこにいるの?」

「パ、パパいやだあ、」

「パパが嫌なの?」

『ま、まさか虐待?裸足だし?』

「どうして嫌なの?」

「、、けんか、して、、おうちから、にげてきたから、、かえったら、おこられちゃう、」

「けんか?」

『ああ、この子家出少女ってことか、、、尚更どうしよう!?』

 

「え、えっと、あめちゃん、とりあえず転んじゃって足怪我してるから、わ、私のお家で直してあげようか、?ほら雨もふって、あれ?

 

『いつのまにか止んでいる、、、いやにしても、』

 

「おうち?」

「そう!お家!」

 

『う、うわあ、いまの絵面が誘拐犯すぎる、、』

 

「う、うん、」

「わかった、じゃあ、」

 

日奈美はあめちゃんをおんぶして家に帰る、さっきの傘いや雲怪人と、色々現実味が無さすぎて困惑中だが、とりあえずあめちゃんに色々聞いてみることにした、

 

「あめちゃんは、何歳なの?

「お?さ、い?」

「ああ、わかんないか、」

 

『じゃ、じゃあ、』

 

「あめちゃんは、どこから来たの?」

「あ、あっち、」

「あっち?」

 

あめちゃんがあっち!と指差した方に、何も迷うことなくそのもの、海だった。

 

「海?」

「うん」

「そ、そっか、」

 

『だめだ今日色々とメルヘンすぎて頭おかしくなりそう、いちいち考え始めると歩けなくなりそう、あの雲怪人のことも聞きたいけど、怖いことを今思い出させるのは良くない、とりあえず、、、帰ろう』

 

あめちゃんという可愛い荷物を背負い、しないはずの頭痛を覚えながら歩き、家に帰ってきた、

 

「あめちゃん、とりあえずそこの奥の部屋のソファー座っててくれる?すぐ行くから」

「わ、わかった、」

 

品物が並んでいる棚や机を適当に見渡す、

 

『なんか盗まれたりしてないよなあ?、まあ、この町の人たちは良い人ばかりだから大丈夫だろう、さて、』

 

 

ひとまず、雨が降っていたし、体が冷えていたのでお風呂に入れてあげた、

 

「い、いたあ、」

「もうちょっとだよ!がんばれ!」

 

『そんな大きな怪我じゃないから洗ってあげるだけで十分だろうけど、』

服はこの前部屋を掃除した時に出て来た、私が小さい頃着ていた服を着させてあげた、そして

 

「はいこれ、絆創膏、」

「ばんそうこう?」

「うちのお店なんでもあるんだよ、これは〜そうだな、怪我したけど頑張った子しか貼れない絆創膏!」

「お、おお!」

『これが子供騙しってやつかあ、』

 

「はい、きっとすぐ良くなるよ」

「、、うん!」

 

 

『んー、インスタント麺で良いか、』

 

あめちゃんはお腹がすごく空いていたのだろう、口の中を火傷しないか心配になるくらい早く、そして美味しそうに食べてくれた、

 

『よかった、とりあえず元気なことはすごく良いことだ、にしてもこの子は、そしてあの雲怪人、そして私の傘、あめちゃんはなぜあの雲怪人に追われているんだろう、、あれ、そういえば喧嘩して家出したって言ってたよね、もしかしてあの雲怪人はあめちゃんのお父さんの、、部下?、仲間?なんじゃないかな、だから掴もうとしてたとか、』

 

「もっと食べたい!」

「ええ!?まだ食べるの!?」

「食べたい!」

「わかった、ちょっと待ってね」

 

『まずまず、この子は人間なんだろうか、けどぱっと見は普通の女の子だしな、なんならほくろあるしな、目の下だから涙だぼくろって言うんだっけ、可愛いな、、、そうなんだよな、普通に可愛い女の子なんだよな、、、』

 

すごくラーメンが気に入ったのか、多分私の倍は食べていた、するとお腹いっぱいになったからか、気づいたらソファーで横になって寝ていた。

 

『よっぽど疲れてたんだろうな、、、』

 

また抱き抱えて私の部屋のさっきひいておいた布団に寝かせてあげた、

 

『これでよし、、、明日交番に、けど、色々メルヘンすぎるんだよな、とりあえず相談、、いや、、信じてもらえるだろうか、てかあの雲怪人をどうにかしようとした時、なんで周りに誰もいないし車1台も通らないんだよ、、、これもメルヘンパワーなのか、』

 

私も寝ようと思ったが1つだけ試しておきたい事があった、下に降りて、外に、店の前に傘を持って出た、

 

『あの時は、大きくなれ!って思ったら大っきくなった、今は出来るのかな、』

 

日奈美は傘を道の方の向けて片手でガシッと持ち構える、

 

『まずは、伸びる!』

 

すると傘はギュギュッとだいたい倍ぐらいの長さに伸びた、

 

 

『、、、出来ちゃったよ、え、、ああ開いて、、回転!』

 

すると傘は開くところを押していないのにバサッと開き先と生地の部分がキュルキュルと軋みながらぐるぐると回り出した、

 

『、、、出来ちゃったよ、、、、、もしかして私って、、、、、いや、そうだ色だ、そ、そうだな、、、赤色にしよう、生地の部分が赤色になる!』

 

すると、傘は思った通りに透明なビニール生地が鮮やかな赤色にかわった、

 

 

「出来ちゃったよ、、」

 

 

そこで日奈美は、1つの答えに辿り着いた、

 

『もしかして私って、異能力者、なんじゃ、、いやそれ以外あり得ないよね!?、、私の能力は』

 

異能力、それは生まれつき持っている科学や物理法則、普通人間が出来ないようなことが出来る能力のこと、例えば空を飛んだり、好きな場所にテレポートしたり、まさに漫画で出てくるようなことが生まれつき出来る、それが異能力、そして異能力者は自分の異能を知るとその名前がわかる。

 

 

雨護傘(あまがさ)、私は異能力は手で持っている傘を思い通りの姿にできる能力、」

 

異能力を持っている人はこの世界にはまあまあいる、けどもちろん持っていない人の方が多い、そして誰しもが少なくとも憧れてしまうのだ、その異能力を、自分の異能に気づいた日奈美は心の底からこう思った。

 

 

「いやどんな異能力だよおおぉぉぉぉぉ!!!!」        悲しくないけど

 

                                なんだかね

 

『もう今日は疲れた、寝る』

 

なんと言うかガッカリというか、びっくりした、けどもう今日は色々ありすぎて本当に疲れた、

日奈美はあめちゃんと一緒に布団に入った、

疲れのせいですぐ寝れそうだと、そう思った、

 

 

 

 

「私は、異能力者、」

ふと、声に出てしまった、そう言うと、日奈美は眠りについた。

 

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