夜空に輝く星の魔法   作:雪色ココア

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ホグワーツ特急と同級生

九月一日、遂にホグワーツに行く日が来た。

朝起きて、カミラと二人で朝食を食べて、身支度を整える。

 

「まさか本当に魔法使いだったとはねぇ」

私を見てそう言ってくるカミラ。

 

「これまでが全部夢でしたってオチだったら、笑えるよ」

荷物を車に載せながらそう返す。

 

「…寂しくなるな」

店からキングズ・クロス駅までの道のりでそう漏らした。

 

「大丈夫、魔理沙は優しい子だから、友達は沢山出来るよ」

カミラは優しくそう言って来た。

 

「何だか、くすぐったいな」

そう言いながら、私はこれからについて考えた。

 

考えているうちに駅に着いた、荷物をカートに載せ終わると。

 

「魔理沙、いってらっしゃい」

カミラはそう言ってハグをした。

 

「いって来ます」

私もハグを返してそう言った。

 

カミラの車を見送りながら、ハグリッドから貰った封筒を見る。

「えーっと…ホグワーツ特急 ホグズミード行き 九と四分の三番線?十一時発…」

九と四分の三番線なんて当然あるはずがない。

 

「考えられるのは、9番線と10番線の間って位だな」

 

カートを押しながら、プラットフォームを探索していると、見覚えのある痩せたメガネの少年が見えた。

 

遠くからで良く聞こえなかったが、誰かと話している様だった。

 

「新学期を精々楽しめよ」

少年のそばにいた男は意地悪そうな笑みを浮かべて去っていった。

 

やはり、その少年はハリーだった。

 

ハリーは困り果てた様子で辺りを見渡していた。

 

「よっ、ハリー」

私はハリーの後ろからそっと声をかける。

 

「マリサ!良かった。僕、ホームへの行き方が分からなかったんだ」

 

「それはコッチもだ、九と四分の三番線の行き方なんて聞いてないぞ」

 

「どうしよう、このままじゃ遅れちゃうよ」

 

とはいえ、私達以外にも入学者はいるはずだと思って辺りを見渡す。

すると、近くから「マグル」という単語が聞こえたので、そちらを向くと私達と同じ様に大鍋やフクロウを積み込んだカートが見えた、どう考えても魔法使いの集団だろう。

 

「ハリー、あそこの人達を追いかければ、分かるんじゃないか?」

そうして私達は魔法使いらしき集団を追いかけた。

 

「ママ、私も行きたい…」

ふくよかな女性の手を握っていた、小さな子がぐずる

 

「ジニーはまだ小さいから、少し大人しくしていてね、パーシー、先に行って頂戴」

 

パーシーと呼ばれた真面目そうな赤毛の少年はホームの間にある柱にカートを押して行った。

カートと少年はその柱をすり抜けてその向こうへ消えて行った。

 

「なるほどな、普通の人間には分からんわけだ」

 

「フレッド、次は貴方よ」

 

「僕フレッドじゃなくてジョージだよママ。まったく、本当に僕らの母親かい?」

そっくりな双子が母親にそう文句を言う。

 

「あら、ごめんなさいねジョージちゃん」

 

「冗談だよ。僕がフレッドさ」

 

そう言った双子の片方は駆け込むように柱に消えて行った。

空を追いかけるようにもう一人の方も柱の中に駆け込んで行った。

 

「全く、あの二人は」

女性は眉をひそめていたが、いつもの事なのか怒ってはいなかった。

私達は意を決して、その女性に訪ねた。

 

「すみません」

ハリーが遠慮がちに話しかけた。

 

「あら、貴方たちも今年からホグワーツ? うちのロンもそうなのよ」

その女性はロンと呼ばれた、少年の方を抱く。

最後の少年も例に漏れず赤毛で背が高く、そばかすがあった。

 

「私達九と四分の三番線行き方を知らなくて…」

 

「心配しなくて大丈夫よ。あの柱に向かって歩いて行くの。怖かったら少し走るといいわ。さあロン、お手本を見せてあげて」

 

 ロンと呼ばれた少年は少し表情を固くすると、覚悟を決めて柱へと走っていく。

 そしてそのまま柱の中へと消えていった。

 

「ね? 簡単でしょう? 心配いらないわ」

 

私達は互いを見合った、ハリーは顔を少し青くしている。

「レディファーストって事だな、ありがたく先に行かせて貰うぞ」

 

「ごめん」

 

青い顔をしているハリーを置いて、私は柱にカートを押していく。

目を瞑って柱を突き抜けると、紅の蒸気機関車が止まっているプラットホームへと出た、どうやら成功したみたいだ。

 

「うわぁ、機関車だ!」

後ろから来たハリーが目を輝かせて機関車を見ている。

 

「確かに凄いな、だが早めに乗った方が良さそうだ」

私は客車の窓を見ながらそう言った。

 

既に前方の客車は埋まっていた。

全ての客車は満席になるまでそう時間はかからないだろう。

 

私達はどうにか後方のコンパートメントを見つけた。

私達は二人で協力して、客車に荷物を載せた。

ハリーの荷物は大きなトランクに詰詰め込んでいた為に、凄まじい重さになっていた。

 

「よく持ってこれたな、肩抜けるかと思ったぞ?」

 

「僕もマリサみたいにキャリーケースにしておけば良かった」

 

私達はドサッと客席に座り込む。

ホームでは多くの子ども達が親との別れを惜しんでいた。

 

「なんだか実感が湧かないよ」

 

「同感、今でもコレが夢なんじゃないかと思ってるよ」

現実の私はフクロウがお腹に激突したせいで、頭でも打って昏睡中なんじゃないかと考えたぐらいだ。

 

「まぁこれまでとは全く違う生活にはなるだろうな」

 

「そうだね」

 

列車はけたたましく汽笛を鳴らして、列車は動き出した。

少しすると、私達のコンパートメントの扉を遠慮がちに叩きロンと呼ばれていた少年が入ってきた。

 

「ここ、空いている?」

空いている席を指さして尋ねてきた。

 

「他はどこもいっぱいなんだ」

 

「ハリー、良いか?」

私は念の為ハリーに聞く。

 

「良いよ」

 

「じゃあ、そこに座ってくれ」

そう言うと少年は遠慮がちにゆっくりと座った。

 

そのまま全員が自己紹介する流れになった。

 

「僕、ロナルド・ウィーズリー。家族はみんなロンって呼んでるから君たちもそう呼んでよ」

 

「私は、マリサ、マリサ・キリサメだ」

 

「僕は、ハリー、ハリー・ポッター」

ハリーが名前を言うとロンは驚いたように聞く。

 

「じゃ、じゃあ君がその……本当かい? それじゃあ、本当にあるの? ほら……」

 

額の辺りを指差してロンはそう聞いた。

主語の無い聞き方だったがハリーは分かったように額の髪をかき上げた。

そこには稲妻型の傷があった。

 

「それじゃ、これが例のあの人につけられたっていう……」

ロンは恐る恐るハリーに聞いた。

 

「うん。でも何も覚えていないんだ」

 

「何も?」

 

 ロンは興奮気味にハリーに聞く。

 

「そうだな……緑の光がいっぱいだったのはなんとなく覚えてるけど、それぐらいだよ」

ハリーは少し困ったようにそう答えた。

 

「そう言えばロン、組分けって、どうやってやるんだ?」

 

ハリーにとっては親を亡くした日の事だ、あまり人に言いたくは無いだろう、そう思って私は話題を変えた。

 

「分からない、フレッドが言うには、トロールと一騎討ちさせられるとか言ってた」

 

「死人の出そうな方法だな」

 

「ロンの家族はみんな魔法使いなの?」

ハリーはそう聞いていた、まぁあのホームでの会話から大体の家族関係は察していたから、魔法使いの家族に興味を持つのも当たり前だと思った。

 

「多分。近い親戚はみんな魔法使いだよ」

 

 

「そっか、なら君はもういっぱい魔法を知ってるんだろうな」

 

 ハリーが羨ましそうに聞く。

 

「ま、まあね」

ロンの目がハリーから逸れた様に見えた。

 

「ホグワーツに入学するのは僕で六人目なんだ。期待に沿うのは大変だよ。、ビルとチャーリーはもう卒業したんだけど、ビルは主席だったし、チャーリーはクィディッチのキャプテンだった。今年はパーシーが監督生だ。双子のフレッドとジョージはふざけてばかりいるけど成績は良いんだ。皆んな二人を面白いやつだって思ってる、だからもし、僕が期待に応えたとしても大した事じゃないって思われちゃう」

 

ロンは少し凹んだ様に言う。

良い兄弟がいると、それが負担になる事もある。

 

「それに上に五人もいるから新しいものは何も買ってもらえないんだ」

ロンは自分のボロボロの杖を指しながらそう言う。

 

「服はビルのお古だし、杖はチャーリーのだし、ペットはパーシーのお古だ。パーシーは監督生になったお祝いにフクロウを買ってもらったんだ」

 

そう言ってロンは丸々と太ったネズミをポケットから取る、ぐっすり寝ている様で掴まれている事にさえ気づいていない様だ。

 

「スキャバースって名前で、食べる事と寝ることしか出来ない役立たずだし、新しいのを買うお金も…」

 

そこまで話してロンは耳を真っ赤にして口を噤む。

 

「それを言うなら私もだぞ?」

自分のパーカーの袖を指差してそう言う。

 

「このパーカーだって布を継ぎ足して着てるし、読んでいた本は背表紙がボロボロで読める物じゃないぞ?」

 

「マリサも大家族なの?」

 

「いや、店の採算が取れないだけ」

カミラの雑貨屋は客こそ多いが、カミラが意味の分からない物を大量に買っているせいで、全くと言って良いほどお金がない。

 

そうして話しているとコンパートメントの扉叩かれる。

 ハリーが扉を開けると、車内販売と思しきおばさんがお菓子が山盛りに積まれたカートを押して立っていた。

 

「何か買うかい? ホグワーツに着くころには夜になっているからお昼を持ってきてなかったら買っとくと良いよ」

3人で顔を見合わせる。

「どうする?」

 

「僕はママにサンドイッチを持たされてるんだ

耳を赤くしたロンはそう口ごもる。

 

私は財布から1ガリオンを取った。

 

「これでどれぐらい買えますか?」

 

1ガリオンがどれくらいの価値なのか知りたかったから頼んでみたが学生に向けて販売する物だからか、とても安い、大量のお菓子に囲まれた時は

酷く後悔した。

 

「君さっきの貧乏だって言ってたじゃないか!?」

目を見開いてそう言った。

 

「グリンゴッツの金庫に魔法界の金は沢山あったみたいだ」

 

「車内販売でガリオン金貨で払うなんて、ずるいぞ!マーリンのヒゲ!」

 

「ただ、こんなに大量に買えるとは思ってなかったんだ、みんなで食べないか?」

 

そう言って私はお菓子の山に手を伸ばした。




魔理沙の荷物の持ち方
キャリーケースに変えられるトランクに入学用品を整頓して入れる
(キャリーケースの見た目はハリポタ公式サイトのキャリーケースみたいな物です)

ホグワーツ特急
コレができる前は最大で全校生徒の3分の1が学校に着くことが出来なかった。
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