夜空に輝く星の魔法   作:雪色ココア

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現在作者は夏休み期間が多忙で遅めの夏休みを謳歌しております。コレまでの分を取り返せる様に努力します。


二人の少女とカエル

雄大な自然の中を疾走する列車の中で私達は魔法界のお菓子について話していた。

 

「蛙チョコレート?」

私はロンが真っ先に手に取った五角形の箱の商品名を見て首を傾げた。

 

「魔法がかかっているチョコだよ、オマケで有名な魔法使いのカードが入ってる」

箱を開けるとチョコの蛙が私目掛けて飛んでくる。

タイミング良く蛙を捕まえると私の手から脱出しようともがく。

 

「コレ、本当にチョコレートなんだよな?」

 

「うん」

もう一度ロンに聞いてみるが、返答は同じだった。

 

私は意を決して、足の方をかじってみる、すると蛙はビクリと震えて動かなくなった。

「確かにチョコレートだな」

 

「何が出た?」

ロンに聞かれて、箱の中のカードを取り出す。

サチャリッサ・タグウッドと書かれたカードで名前の下にある魔女がこちらに手を振る。

 

「もしアグリッパかプトレマイオスが出たら交換して。僕まだその二枚だけ持ってないんだ」

 

 そう言ってロンは自分が開けたチョコのカードを確認する。

 

「また魔女モルガナだ。僕これ五枚は持ってるよ……」

 

ハリーの方を見ると蛙が窓から逃げて行くのが見えた。

 

「ついてないね」

 

「沢山あるから食べてくれ」

 

そうしてカエルチョコレートの箱が空になる頃には色々な魔法使いや魔女のカードが私達の手元にあった。

 

「確かホグワーツの校長って、アルバス・ダンブルドアだよね?」

 

「うん、多分生きている魔法使いの中ではハリーと同じぐらい有名だと思うよ」

 

「僕、自分が有名だなんて知らなかった、ハグリッドから聞くまで魔法使いだってことも、両親のことも、ヴォルデモートのことも…」

ロンが息を呑んだ。

 

「君、【例のあの人】の名前を言った!」

まるでその名が禁句の様に驚愕と称賛の入り混じった声を上げた。

 

「ロン、違うんだ。別に名前を言うことで勇敢だって示したいわけじゃないんだ。ただ、名前を言ってはいけないって知らなかっただけなんだ……」

そう弁解した後ハリーは落ち込んで言った。

 

「僕、きっとクラスでビリだ、魔法界について何にも知らないもの」

 

「そんなことないさ。マグル出身でも優秀な魔法使いは沢山いるよ!」

ロンがハリーを元気付けようとしている。

 

「そうだぞハリー、私もハリーと同じなんだ。多分、もっと同じ境遇の人間は沢山いるはずだ」

 

ハリーを慰めていると、コンパートメントの扉をノックして、丸顔の少年が入って来た。

何故かは知らないが、目に涙を溜めている。

 

「ごめん、僕のヒキガエルを見なかった?目を離したら逃げちゃったんだ」

 

私達が首を横に振ると少年はシクシクと泣き出してしまった。

 

「きっと出てくるよ」

ハリーはそう言って慰めた。

 

「きっと出てくるさ、だってこの列車からは逃げられないんだから」

そう言って私は少年にハンカチを差し出した。

 

「うん、もし見つけた…」

少年肩を落として出ていった。私のハンカチを持ったまま。

 

「僕がヒキガエルなんか持っていたら、なるべく早く無くしたいね。まぁ僕だってスキャバーズを持って来たから人のことは言えないけど」

ロンはペットのネズミを見ながらうんざりした様子でそう言った。

 

「スキャバーズを少しは面白くしてやろうと思って黄色に変えようとしたんだ。でも呪文が効かなかった、やって見せようか?」

 

そう言ってロンはトランクからボロボロの杖を取り出した。

 

「少しユニコーンのたてがみがはみ出ているけど…多分大丈夫」

 

まさに杖を振ろうとした瞬間、コンパートメントの扉が開いた。

そこには先程の少年と少女が立っていた。

 

「あなた達、ネビルのヒキガエルを見なかった?」

 

何となく威張ったような話し方だと思いながら、私は首を横に振る。

 

「見なかったって、さっき言ったよ」

ロンが答えたが少女はその答えを聞いていなかった。

 

「あら、魔法をかけるの?じゃあ、見せて貰おうかしら」

彼女の目はロンの杖に移っていた。多分あの少年の事など忘れているのだろう。

 

「一緒に探してやるからさ?元気出せよ」

あまりにも気の毒に思えたので私は少年…ネビルに声をかけた。

 

「うん…ありがとう」

 

私はハリー達に目配せをして、コンパートメントを出た。

 

「最後に見たのは何処だったんだ?」

 

「分からない…ずっとトランクにいたんだ」

つまりノーヒントで探せということか…難題だな。

 

「ローラー作戦と行くか、ネビルは前の車両を探してみてくれ、私は後ろの車両を見てくるよ」

 

ネビルが承諾したのを確認してから後ろの車両へと歩みを進める。大方何処かの隙間か連結部分だろうと思って探してみるが、全く見つからない。

 

「貴女…どうしたの?」

2両目の隙間を探している時に不意に声をかけられて振り返ると後ろに金髪の少女が立っていた。

 

「あぁ…なんて言うか、探し物を手伝っている所だ」

 

「何を探しているのかしら?」

 

「ペットのヒキガエル」

 

「ソレは大変ね、手伝いは必要かしら?」

短いウェーブのかかった金髪のその少女はそう言った。

 

「良いのか?」

 

「ずっと部屋にいても退屈なだけだから、貴女名前は?」

 

「魔理沙、マリサ・キリサメだ、そっちは?」

 

「アリス、アリス・マーガトロイド。よろしくね、マリサ」

 

「あぁ、よろしくな」

そうして私達は残りの車両を見て回ったが、結局、件のカエルは見つからなかった。

 

「何処にいるのかしら?」

 

「こうなると…窓の外にでも張り付いてるんじゃ無いか?」

 

「おや、マリサじゃあないか」

 

カエルの行方を話していると、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「久しぶりだな、マルフォイ」

マルフォイの背後には二人のガタイの良い男子生徒が立っていた。名家のお坊ちゃんはもう取り巻きが出来ているのか。

 

「君の姿が見えたから来てみたんだ」

 

「ペット探しを手伝っていたんだ」

 

「どんなペットだい?」

 

「ヒキガエルらしいんだが、後ろの車両にはいなかったから、今から自分のコンパートメントに帰る所だ。そう言えば君の取り巻き、どうしたんだ?指を押さえて」

 

取り巻きの片割れがずっと指を押さえているのが気になってつい聞いてしまった。

 

「マヌケなネズミに噛まれたんだ」

 

「出血してるじゃないか、少し手を見せてくれ」

少年の手を見ると小さな歯形が見えた。ネビルから返してもらったハンカチをポケットから取り出す。

 

「私は止血程度しか出来ないから、着いたら校医の先生にでも手当してもらってくれ、この手の傷は放置して置くと命に関わることもあるからな」

ハンカチで傷口を止血しながらそう言うと、その少年はコクコクと頷いた。

 

「ありがとう、マリサ、後でゴイルを医務室まで送っていくよ。所で隣の子は…まさかマーガトロイド家の?」

コレには驚いた。まさかアリスも魔法使いの名家の子供だったとは。

 

「…そろそろコンパートメントに戻った方がいいわよ、他の子達が着替え始めているし」

少し目を逸らしながらアリスはそう言う。

 

「私も着替えないといけない、また後で会おう」

 

「あぁ、またホグワーツで、マリサ」

そう言ってマルフォイと別れた。

 

「なぁ、アリス」

 

「何かしら?」

自分のコンパートメントに行く途中で私は口を開いた。

 

「アリスは自分の家が好きか?」

 

「えぇ…急に何でそんな事を聞くのかしら?」

怪訝そうな顔をしながらも肯定した。

 

「さっきの会話で家について話してた時に辛そうな顔をしていたから」

 

「……よく見てるわね、貴女」

少しの沈黙の後にアリスはそう呟いた

 

「まぁ、話したくはないだろうし聞く気も無い。初対面の人間に言う様な話でもないだろう?」

 

正直この手の話題はセンシティブな話題が多い、触らぬ神に祟りなしって奴だ。

 

「まぁ私は家出してそのまま帰ってないんだけどな?」

私は重い雰囲気を取り払う様に笑ってそう言った。

 

「まぁ…顔くらい見せてあげなさいよ」

アリス驚いた様に目を見開くと笑いながらそう返した。心なしか口調が砕けて、距離が縮まった様に感じた。

 

そうしているうちに、アリスのコンパートメントにたどり着いた。

 

「ホグワーツで会いましょう、マリサ」

 

「あぁ、ホグワーツで会おう、アリス」

 

そうして自分のコンパートメントに入ろうとした時に何やら声が聞こえた。

 

「スキャバーズが喧嘩してたんだ。僕たちじゃないよ。よければ着替えるから出ていってくれないか?」

 

「みんながあんまりにも子供っぽい振る舞いをするもんだから様子を見に来ただけよ」

 

話を聞いてみると、先程の女の子とロンが喧嘩していた。

 

唐突に扉が開いて女の子が出ていった。

 

「…ロン、なんか魔法でも使ったのか?」

菓子類が散らばり、険悪な雰囲気のコンパートメントを見ながらロンに聞いた。

 

「違うよ!着替えるから外で待っててくれる?」

ハリーがそう言ってコンパートメントのドアを閉める。

 

バタンバタンと言うと音が聞こえた後、ホグワーツの制服であるローブ姿の二人がコンパートメントから出てきた。

 

「僕たち、外で見張っているから」

 

「助かる」

 

キャリーケースから制服を取り出し、着ていた服と着替える。足にまで届くローブに少し手間取ったが、何とか着替えられた。

 

「ありがとう、二人とも」

二人に礼を言っていると、車内に声が響き渡る。

 

「あと五分でホグワーツに到着します。荷物は別に学校に届けますので、車内に置いていって下さい」

 

ハリー達を見ると、幽霊の様に顔を真っ白にしていた。多分私もそう見えているだろう。

 

車両は少しずつ速度を落としていき、車内の通路に生徒が出始めた。

 

「早く行く必要も無いし、人が少なくなってから行こう」

私達は少し人が減ってから、汽車を降りた。

 

小さな、暗いプラットフォームだった。

かなり北方に来たんだなと考えていると、前から大きな影が近づいて来た。

 

見間違いようがないあの巨体、ハグリッドだ。

 

(イッチ)年生! 一年生はこっち!おっハリー、それにマリサ、元気か?」

 

ハグリッドがこちらに笑いかけて来たのでこちらも笑いかえす。

 

「さぁ、ついて来いよ!あと一年生はいないな?足元に気をつけろ。いいか?一年生ついて来い!」

 

私達一年生は険しい小道をハグリッドに続いて降りていった。

 

「皆、もうすぐホグワーツが見えるぞ」

ハグリッドが振り返りながらそう言った。

 

狭い道が一気に開け、大きな湖の向こうに中世からそのまま持って来たかの様な壮大な城が見えた。大小様々な塔が並び、星々の光が窓に反射し、幻想的な風景を見せていた。

 

今までの生活とは全く違う世界が私の目に広がっていた。あのお伽話に出てくる様な城で何を教えてくれるのか、とても心が躍る。

 

「四人ずつボートに乗って!」

ハグリッドは岸辺に繋がれたボートを指差して言った。

 

私とハリーとロンはネビルと共にボートへと乗り込んだ。

 

「皆乗ったな? よし、進めぇ!」

 

ハグリッドは一年生全員がボートに乗り込んだのを確認すると、大きな声で号令を出す。

すると、ボートは鏡の様な湖面を、滑るように進んでいった。




ようやく東方キャラが出てきた…

サチャリッサ
ホグワーツレガシーのあの子

アリス・マーガトロイド
ようやく出す東方の子です。多分この頃の容姿はロリス(東方)と調べてくれると出てきます。
純血のエリートな子。お母さんは誰だろうね?
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