追放から始まる英雄譚~心優しき青年は真の力に目覚める~   作:おとら0205

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幕間~帰省~

 苦しい戦いが終わり、事後処理を行う。

 

「団長、これで全部だぜ」

 

「アロイス、ありがとう。では……浄化の光(ピュリファクション)

 

 集められた死体を浄化する。

 さらに、生き残りで協力して、土の中に埋めていく。

 

 

 その後は現場指揮官に報告をし、王都帰還の準備を行う。

 

 すると、ホムラが話しかけてくる。

 

「ユウマは浄化も使えるのですね……光魔法と言われる中で、範囲回復魔法、派生である防御魔法……まさしく一流の使い手ですわ」

 

「おいおい、どうした? そんなに褒めても何も出ないぞ?」

 

「ワ、ワタクシだって、凄いなと思ったことはきちんといいますわ!」

 

「そうか……悪い、茶化してしまったな。ありがとう、ホムラ」

 

「べ、別に……あら? 誰かがきますわよ?」

 

 そちらを見ると……親父と兄貴がいた。

 

「生きていたか……まあ、当然のことか」

 

「チッ! いいか、ボスクラスを倒したからって調子に乗るなよ? 俺だって、その場にいたら倒せていた。ラッキーだったな、お前は。役立たず共しかいない場所で、皆が死んだから手柄を独り占めできて」

 

「貴方! それが命がけで戦った方に対する言い草なのですか!?」

 

「兄貴——今すぐに訂正しろ」

 

「な、何をだ?」

 

「あの場において役立たずなどいない! 皆が命がけで戦っていた! それを侮辱することは——戦士として人として許されることではない!」

 

「あぁ!? 良い女の前だからってカッコつけやがって!!」

 

「ホムラが良い女なのは認める。だが、別にカッコつけてもいない」

 

「ユウマ!? っ〜!! な、なにを……!」

 

「バルス、その辺にしておけ。他の貴族も見ている。それに我々は我々で手柄を立てた。これで、準子爵に近づくだろう」

 

「父上……ふぅ……そうですね。お前がいくら頑張ろうが、爵位は俺に決まっているしな」

 

「いや、そもそも興味ないので。ただし……もし、エリカに無理強いさせるようなことがあれば——お前達を許さない」

 

「……お前には関係のないことだ。さあ、いくぞ。我々はこの後、伯爵から招待を受けているんだからな」

 

 父上と兄貴は、そう言うと去っていく……。

 

「ほう? 良いことを聞いたな」

 

「ユウマ……いえ、詳しいことは聞きませんわ」

 

「ああ、そうしてくれると助かる。ありがとな、ホムラ」

 

「な、何がですの?」

 

「見てくれるか?」

 

「……手汗がすごいですわ……」

 

「どうも昔から苦手でな……虚勢を張らないと……情けないことだ。だから、ホムラがいてくれて助かったよ。ライバルの前でカッコ悪いところは見せられないからな」

 

「そ、そうですわねっ! ……まあ、かっこ悪くはなかったですわよ?」

 

「なら良かったよ……おっ、アロイスが戻ってきたか」

 

「団長、報奨金について報告をしてきたぜ。後日、冒険者ギルド宛に届くそうだ」

 

「ありがとな、アロイス。さあ、帰るとしよう」

 

「ワタクシも帰りますわ。では、お二方……また会いましょう」

 

「ああ、気をつけてな」

 

「おうよ」

 

 その後、俺たちも王都に向けて出発をする。

 

 

 

 無事に王都に帰還して、冒険者ギルドに報告を済ませる。

 

「さて……では、アロイス。俺は実家に帰ることにするよ」

 

「ああ、わかったぜ。じゃあ、俺は奴に会いにいくか」

 

「それじゃあ、また明日」

 

「おうよ」

 

 アロイスと別れ、実家へと急ぐ。

 

 今なら、親父と兄貴がいないからチャンスだからな。

 

 

 

 そして……。

 

「お兄ちゃんだぁ〜!」

 

「おい、痛いぞ。グリグリするんじゃない」

 

「えへへ〜……やです!」

 

「はいはい、好きにしなさい」

 

「むふふ〜……お兄ちゃんの匂いだぁ……」

 

「ユウマ、お帰りなさい。無事で何よりです」

 

「母上もお元気そうで。親父と兄貴も無事なのでご安心ください」

 

「フフ……相変わらず優しい子ね。良いのよ、気を使わなくて。貴方は、貴方の思う通りに生きなさい」

 

「母上……はい、わかりました」

 

「ユウマ坊ちゃま……良かった、元気そうで」

 

「ますます男ぶりが際立ってきましたな」

 

 視線を向けると、メイド長クリスと執事長セバスがいた。

 祖父母がいない俺たちにとっては、祖父さん祖母さんのような存在だ。

 二人は夫婦だが子供はいないので、俺たちは可愛がってもらった。

 

「二人も元気そうで良かった。前回は会えなかったしね」

 

「ランド様にも困ったものです……亡き先代が聞いたら何というか……」

 

「坊ちゃまを追放するだなんて……」

 

「二人共、気に病むことはないよ。俺は楽しくやっているからさ。その代わり、母上とエリカのことよろしくね……ついでに親父と兄貴も」

 

「ええ、お任せください。そして、いつでも帰ってきてくださいませ。ご連絡頂ければ、タイミングをみてお呼びいたしますので」

 

「坊ちゃま、これを食べてちょうだい。もちろん、シグルド坊ちゃんと一緒に」

 

「おっ! クリスの手作り弁当か! ありがとう! 叔父上も喜ぶよ!」

 

 料理長でもあるので、その味は絶品だ。

 俺と叔父上の好物が入っているだろうし。

 

「あのねっ! お兄ちゃん!」

 

「ん?どうした?」

 

「お話を聞いて欲しいのっ!」

 

「ああ、わかった。では、そこのベンチで座るか」

 

「うんっ!」

 

 その後はエリカの話を聞き、癒しの時間を過ごす。

 

 ……エリカのためにも、俺だけの力をつけていかなくてはな。

 

 

 

 

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