追放から始まる英雄譚~心優しき青年は真の力に目覚める~ 作:おとら0205
俺は問題を起こしている所に近づいていく。
「なあ、アンタ達。その子、迷惑してるけど?」
「え……?」
「あぁ!? 邪魔すんのか?」
「なんだよ、さっきのガキか。そんな綺麗な顔して冒険者登録ねぇ……舐めてるとタダじゃおかねえぞ?」
「ハハッ! 違いねえ! 女装して男でも引っ掛けた方が似合いそうだ!」
「……今、なんと言った……?」
「あぁ?何俯いてんだ?今更びびったか?」
「女みてーな顔してカッコつけるからだ……タタタタ——!?」
無言で顔面にアイアンクローを決める。
「な、何すんだ!? このヤロー!」
もう一人が殴りかかってくるが……。
「フンッ!」
掴んでいる男を投げつける!
「「グハッ!?」」
二人が重なり合って倒れこむ。
「お前達は禁句を言った……」
俺は幼い頃から女に間違われた。
母上に似たことを嫌だと思ったことはないが……。
さすがに、男に告白されたりナンパされるのは勘弁してほしい……。
「ヒィ!?」
「わ、悪かった! なっ!?」
「わかったなら——消えろ」
「「はいっ!!」」
入り口から二人が出て行った。
……少しやりすぎたか?
あいつらのいう通り、俺もまだまだガキだな……。
「貴方……」
「ああ……大丈夫でしたか?」
振り返りその子を間近で見て……驚く。
わかってはいたが、随分と綺麗な子だ……。
サイドテールに束ねた、サラサラの金髪。
手足が長く、身長も170近くある。
服の上からでもわかるスタイルの良さ。
……俺が母上で慣れてなかったらやばかったかも。
「誰が助けてくれと言いましたの?」
「はい?」
「あんなの、ワタクシ一人でどうとでもなりますわ! いいですか?決して助けてやったなんて思わないことですわ! フンッ!」
そう言い残し、彼女は受付に向かっていった……。
「なんだあれ?」
いや、お礼がほしくて助けたわけじゃないけど……。
助けてもらったら礼を言うのが、人としての礼儀じゃないのか?
いや、お節介だったかもしれないけど……モヤモヤする。
「貴方!」
「はい?」
どうやら途中で立ち止まったようだ。
「名前はなんと言いますの!?」
「……ユウマ」
危ない……つい、ミストルと名乗りそうになった。
この女性が貴族に見えるものだから。
「ユウマですわね……覚えましたわ。ワタクシの名はホムラ-バ……ただのホムラですわ!」
いや……今、家名を名乗ろうとしたよね?
バ……なんだろう?
やっぱり、見た目や言葉通りに貴族の女性か。
ただ俺は次男故に、貴族にあまり詳しくないんだよなぁ。
そういう集まりに出ることを禁止されていたし……。
「そ、そうか……」
「貴方も冒険者ですの!?」
「ああ、今日からな」
「ならば——覚えておきなさい! スーパールーキーと呼ばれることになるワタクシの名を! オーホッホッホー!」
「は、はぁ……」
ホムラと名乗る女性は、再び受付へと向かっていった。
……一体なんだったのだろうか?