追放から始まる英雄譚~心優しき青年は真の力に目覚める~   作:おとら0205

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パーティー結成

 ついでなので、一緒に王都に帰ることにする。

 

「しかし、良い戦いっぷりだったぜ?」

 

「ありがとうございます。一応、剣はそれなりに使えますので」

 

「いや、それなりってレベルじゃなかったぞ? ただ、一人で冒険者を続けるのは良くないと思うぜ?」

「ええ、それはわかっているのですが……知り合いがいないもので……」

 

 ソロでの危険性は重々承知している。

 ただ、同い年くらいパーティーは小さい頃からの仲間とかだし。

 年配のパーティーの方々だと、いずれ辞めちゃうし。

 そうなると、中々難しいところがある。

 

「……良かったら、俺と組んでみるか?」

 

「え……?いや、しかし……ランクが違いすぎますよ?」

 

「おまえさんなら、すぐに追いつけるさ。確か……ランク二以上の差がなければ、パーティーを組んで良かったはずだ。お前さんは、それをクリアすれば九級に上がる。そうすれば、俺とも組めるということだ」

 

 話が美味すぎるな……。

 

「何が狙いですか?」

 

「おっと、怖い顔すんなよ。そうだな……お前さんを気に入ったからじゃダメか?」

 

「……どの辺りがですか?」

 

「新人にして、その剣の腕前。歳に似合わず礼儀正しい姿勢。ギルドに入ってきた時の一悶着。これだけでも興味を持たないほうがおかしい」

 

「そ、そういうものですか?」

 

「ああ、お前さん——世間知らずだろ?」

 

「うっ……ええ、そうです」

 

 貴族街を中心とした生活しか知らないからなぁ……。

 あんまり目立つと、親父と兄貴がうるさかったし……。

 人気をとって跡を継ぐ気か!?とか。

 平民に媚を売るんじゃない!とか。

 

「俺が色々と教えてあげたいと思ってな。俺自身も、ちょうど前のパーティーを解散したところで困ってたしな」

 

「なるほど……貴方にメリットはあるのですか?」

 

「そりゃーあるさ。一人より二人の方が良いに決まってる。それにお前さんは伸びると見た……青田買いってやつだな」

 

 ……まだ、美味すぎる気もするが。

 しかし、どちらにしろ仲間は欲しかったし……。

 それが先達者の方ならいうことはない。

 

「そうですね……」

 

「それに……俺も組む相手がいなくてな……こんな見た目だから勘違いされるんだよ。前のパーティーでも、信頼を得るまでどれだけ時間がかかったことか……!」

 

「そ、そうなんですね……わかりました……では、よろしくお願いします」

 

 確かに山賊にしか見えない……。

 これじゃ、女性の方とかは敬遠するだろうな……。

 

「おうよ! よろしくな!」

 

 

 その後共にギルドへ行き、依頼達成の報告をする。

 

「はい、確かに。これで、九級に上がりました。ただ、ここからは上がりにくいのでご注意下さい。依頼内容も難易度が上がりますし……あれ?アロイスさん?」

 

「おう、そういうのは大丈夫だ。俺が後で言っておく。それより、パーティー申請を頼みたいんだが……」

 

「アロイスさんが見込んだ新人さんということですか……ええ、少々お待ちください」

 

「えっと……有名な方なんですか?」

 

「いや、大したことはないさ。ただ顔が広いことと、この見た目がな……」

 

「なるほど……俺は慣れましたけどね」

 

「おっ、そうか。さすがだな」

 

 ……さすが?どういう意味だろう?

 

「はい、お待たせしました。お名前は如何しますか?」

 

「お名前?」

 

「パーティー名だな。お前さんが決めな」

 

「え?いきなり……じゃあ、白き風で」

 

 ふと頭に浮かんできた言葉を、そのまま吐き出してみる。

 

「ん?どういう意味だ?」

 

「えっと……新鮮な風、新しい風って感じですかね……」

 

「ほう?冒険者に新しい風か……良いと思うぜ」

 

「ええ、素敵だと思います。では、手続きをしますので、お声掛けをするまでお待ちください」

 

 

 その間に掲示板を眺めることにする。

 

「さて、八級なら俺も受けられるな」

 

「自分のランクの上下一個まで受けられるんでしたよね?」

 

「ああ、そうだ。これからは八級を受けていこうぜ」

 

「ところで、年齢を伺っても良いですか?」

 

「あ?ああ、そういや言ってないか。いいか?笑うなよ?」

 

「え、ええ……」

 

「二十八だ」

 

「え?」

 

「二十八だよ!」

 

「……ぷっ……いえ、そうですか」

 

「おい?今、笑ったろ?」

 

「いえ、そんなわけがありません」

 

「まあ、爆笑しないだけいいか。わかってるよ、俺だって。老け顔だからな」

 

 見た目の山賊具合といい……四十歳くらいかと思ってた。

 叔父上と同い年ってことか……うん、どっちも老け顔だった。

 

「いえ、身内にもいますので気にはなりません。俺の年齢は十八歳です。これからは、ユウマと呼んでください」

 

「おう、ユウマ。じゃあ、アロイスと呼んでくれ」

 

「いや、年上を呼び捨てにするわけには……」

 

「戦場で——いちいちさん付けをするのか?」

 

「それは……」

 

「よし、先輩としてアドバイスだ。これからは命を預け合う、つまり対等でなくてはならない。ならば、さん付けなど無用だろ?」

 

「理解はできますが……」

 

「敬語をやめろとは言わないが……まあ、少しずつ慣れてくれ」

 

「わかりました、アロイスさ……アロイス」

 

「クク……ああ、よろしくな」

 

 その後、無事に受理され……白き風という名のパーティーが結成された。

 

 俺は知る由もない……ここから全てが始まったことを。

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