ガンダムSEED Re:   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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第98話『PHASE-38『暁の宇宙へ2』』

 オーブと連合軍の戦いが終わり、皆が見守る中、静かにゆっくりとジャスティスが地上に降り立った。

 そして、機体からはキラが降りてきて、ただ皆を見据える。

 

「……えと、ただいま。って言えば良いのかな」

「~~! キラぁぁああ!!」

「うわっ、カガリ。君はいつも急だね」

「このバカ! ずっと、ずっと心配していたんだからな!」

「ごめん。ホントに。でも僕もやることが色々あったからさ」

 

 泣きじゃくるカガリを抱きしめながら、キラは以前と何も変わらない穏やかな様子でカガリに語り掛ける。

 そんなキラを一人の少年が静かな瞳で見つめながらキラに向かって一歩、二歩と歩いて近づいて来た。

 

「……キラ」

「アスラン……!」

 

 夕焼けで世界が赤く染められている中、キラとアスランは互いを静かに見つめ続ける。

 アスランは既に言いたいことを全てキラに伝えている。

 謝るべきだという言葉もよく理解していた。

 だが、謝って終わる話でもない事もまた理解していた。

 

「キラ、俺は……」

「うん」

「取り返しのつかない事をした」

「……それは僕も同じだよ。いっぱい、失敗してきた。君の事だって、あの時殺そうとしたくらいだ」

「俺は殺されるべきだ」

「そんな事ない」

「だが、俺は!」

「僕は君の事を恨んでないよ。僕の願いはずっと変わらない。君や、君たちと、一緒に戦いたかった。この世界と。ナチュラルとか、コーディネーターと戦うんじゃなくて、プラントや大西洋連邦、オーブと戦うんじゃなくて……この世界にある争いと、戦いたい」

「……」

「君は?」

「……俺も、同じだ。オーブで色々な人と話をした。何も知ろうとしていなかったのは俺の方だ。今度は……! 今度こそ、俺も、共に戦いたい。俺の命は、お前たちの為に、使いたい」

「君は……もう……」

 

 キラが呆れた様な声を漏らした時、群衆の中から三人の少年が飛び出してきた。

 そして、アスランの背中を叩きながら声を上げる。

 

「どうして貴方はそう極端なんですか! アスラン!」

「っ!? 二コル! それに、ディアッカ! カナード……! 生きて、いたのか……!」

「えぇ。キラさん達に助けられました」

「そうか……なら、あの場所で……誰も死ななかったんだな」

「……え?」

 

 キラはアスランの呟きに驚き、声を上げた。

 その目は驚愕に見開かれ、アスランを見つめる。

 

「どうしたんだ? キラ。セナとは会っていないのか?」

「……生きて、る? セナが」

 

 キラは堪えきれず涙を溢れさせながら呟いた。

 失われたものだと思っていた。それでも、戦おうと思っていた。

 それだが、まだ残っていたのだ。命は繋がっていた。

 

 崩れ落ちそうになるキラを、今度はカガリが支えて、キラにオーブが掴んだ事実を伝える。

 

「どうやら地球連合軍の連中はな。最初からお前たちを引き込むつもりだったんだ」

「……どういうこと?」

「ストライクセイバーは最初からお前とセナが乗ることになっていたって話さ。そうだろ? ラミアス艦長」

 

 不意に名を呼ばれ、マリューは動揺しつつ隠れようとしたが、ナタルとムウに背を押され、前に出てしまう。

 二人に怒りを込めた目を向けるが、二人は顔を逸らしながら口笛を吹くばかりであった。

 

「え、えぇ。カガリ様の仰る通りで……ストライクセイバーは、キラちゃんとセナちゃん用に調整していた機体だったの。いや! でも、別に無理に軍に引き入れようって考えて居たワケじゃないのよ!? キラちゃん達が望むのなら! 指揮官機として使えるし良いかなぁーくらいの気持ちだったの! 本当よ!?」

「うたがって、ませんよ。大丈夫です」

 

 キラは涙を拭いながらマリューに微笑んだ。

 

「だからか。他の機体よりもコックピットブロックが堅牢に作られていて、爆発に耐えて、外に弾きだされたんだよ。そして、そこを助けられたって話なんだ」

「なら、セナはどこに居るの? 怪我はしてない!?」

「あーいや、それがな。セナは今、プラントの新型モビルスーツに乗って、どこかに行ってしまったんだ」

「はぁ……? なんで、プラント」

「それは……その、私達が現地に行った時には、既にセナは救出され、プラントに運ばれたところで……」

「そんな……いったい誰が」

 

「ふふふ。その疑問に答えようじゃないか! この! 私が!!」

 

 キラの疑問に反応して、一人の男が名乗りを上げた。

 その男は怪しげな仮面を付けながら、高らかに笑い、ツカツカと前に出る。

 

「あ、貴方は……?」

「私か? 私はメンデル仮面! 名乗るほどの者では無いが……私の事はパパ! と呼んでくれて構わないぞ! キラ! カガリ!」

「え? 嫌ですけど……」

「なんだって!?」

 

「ちょっと、カガリ。誰、この人……!」

「私も知らん。お父様の知り合いとかなんとか言って、ちょっと前からオーブに居るんだ」

「お父様って、ウズミ様だよね?」

「そうだよ。いや、でも父さんと母さんも知ってるみたいだった」

「えぇー。僕、やだなぁ。お父さんとお母さんの知り合いにこんな人がいたなんて」

 

 キラとカガリは二人でヒソヒソと現れた怪しげな人物について話していた。

 その姿は年相応の少女そのもので、為政者としての姿や英雄としての姿はどこにもない。

 お父さんと一緒に洗濯しないで! と母親に訴える思春期の娘の様な姿であった。

 

 そんな姿にメンデル仮面は口元に笑みを浮かべながら何度も頷く。

 見たかった光景はここにあったのだと。

 

「セナは、私達が救出し、プラントに居る友に任せたのだ。とは言っても、爆発の影響で燃える森で、高温で熱せられているコックピットハッチを開き、助け出したのは……私では無いがね」

「……その人は」

「名は言えぬ。彼女も名乗る権利はないと思っているからね」

「権利が……ない?」

「そう。彼女は昔、大きな過ちを犯したのさ。それをずっと悔やんでいる。彼女は自分が思っているよりも非情になり切れない人だからね。その選択が正しいと理解していても、実行するには嬢が移り過ぎていた」

「過ちというのは」

「セナを殺そうとした」

「っ!」

 

 キラの目が驚愕に見開かれる。

 そして、それと同時に近くにいたオーブ兵から男へ銃が向けられた。

 

 しかし、そんな状況にあっても男は何も変わらず言葉を続けるのだった。

 

「だが……結局彼女は撃てなかったんだよ。撃つべきだと分かっていても、撃てなかった。そして、そんな彼女の迷いが……悲劇を呼んだ。セナは隠れていたブルーコスモスの残党によって撃たれ、死にかける事となった」

「月での、事ですか」

「あぁ。その通りだよ。あれから、彼女はずっと悔やんで、悩んで、今日まで過ごしている。私はね。セナの事も娘だと思っているんだ。君たちの事は長く、遠くから見てきたからね。だから……キラ。私はまた家族が共に過ごせる事を祈っている。願っているんだ。ヴィアが再び、セナの母を名乗れる日を、ね」

「……! 貴方は!」

「おっと。私の正体は内緒だよ。私は人気者でね。生きているとバレたら少々面倒な事になるんだ」

「……はい」

 

 メンデル仮面という名を聞いた時に、気づくべきだったとキラは心の中で呟いた。

 セナが撃たれ、プラントに渡ってから居なくなってしまったラウやヴィアについて調べていたキラは、月の家に置かれたPCのデータから、自分たちの生まれの真実を知ってしまっていたのだ。

 メンデル仮面とは……おそらくキラの遺伝子上の母であるヴィア・ヒビキの夫。

 ユーレン・ヒビキでは無いかとキラは思考する。

 

 最高のコーディネーター。

 そんなモノに興味は無いけれど、一度会ったら殴ってやろうとは考えていた。

 だが、そんな自分の想いとは別の場所で大事件が起こっており、そのせいでセナが苦しんでいるという事も、今知った。

 ならば、コイツを殴るのは、全てが終わって、みんなが幸せになってからだと、キラは自分の中に想いを押し込むのだった。

 

 そして、気持ちも落ち着いた事で、これからの事についてキラは話す。

 

 

「じゃあ、オーブは一件落着という事で、僕はまた宇宙に戻りますね」

「なに!? どういう事だ! キラ!」

「どういうって。ジャスティスをパトリックおじ様に借りたままだし。それに地球軍は宇宙でプラントに総攻撃を仕掛けるつもりみたいだから、止めないと。ZAFTも当然迎え撃つつもりみたいだしね」

「しかしだな!」

「僕にしか出来ない事もあるんだよ。それに、セナが生きているのならきっと……セナも宇宙に来るはずだ。僕は今度こそセナを守りたいし。この世界だって守りたい。このまま終わりになんて絶対にさせない」

 

「~~! なら! 私も行く!」

「えぇ!? いや、危ないよ!」

「危ないからなんだって言うんだ! お前だって行くんだろ! なら、私も行く!」

「遊びに行くんじゃないんだよ?」

「分かっている! だが、オーブに無理矢理攻めて来る様な連中がお前の話だけで止まるもんか! 止めるならぶん殴って止める事になるかもしれないだろ!」

「うーん。カガリは痛い所を突くねぇ」

「だから、一人でも多くの戦力が必要な筈だ! そうだろ?」

「それは、そうなんだけど……んー」

 

 キラは腕を組みながら悩むが、既にカガリの中では決定事項の様で、オーブ軍人に対して指示を出し始めていた。

 

「よし! そうと決まればクサナギを用意させろ! 準備が出来次第、宇宙へ行くぞ!」

「承知いたしました!」

 

「あ! カガリさん! 俺も行きます! 俺も! な! レイ!」

「あぁ」

「お前らは留守番だ! 子供が戦場に出るな!」

「もう戦場に出たんで一回も二回も関係ありません~! 子供みたいな理屈振り回さないでくれますか? カ・ガ・リ・サマ」

「シン! そこになおれ! その根性を叩きのめしてやる!」

「おわっ! 子供に暴力を振るうのか!?」

「やかましい! お前が子供じゃないと言ったんだろう!? 望み通り、大人として扱ってやると言ってるんだ!」

「んな無茶苦茶な!」

 

 逃げ回るシンと、追いかけるカガリを周囲の軍人たちは笑顔で見つめており、キラ達も僅かに生まれた平和な時間に笑みを零した。

 そして、キラの周りに人が居なくなった事で、一人の少女がそっとキラに近づく。

 

「キラ」

「……あぁ、フレイ。怪我はない?」

「それはこっちのセリフよ。いっぱい、心配させて」

「ごめん」

 

 強がりながら、拳を作ってキラを叩くフレイに、キラは穏やかな顔をしたまま怒りを受け止めて、フレイを抱きしめた。

 

「もしかして、フレイも戦ってたの?」

「えぇ。戦ったわ。オーブの為にって」

「ありがとう。大好きだよ。フレイ」

「……ばか」

 

 フレイは酷く懐かしい感覚に涙を溢れさせながら、キラに再び想いをぶつけ。

 そんなフレイとキラを、遠くから見ていたオルフェは安堵の息を漏らした。

 

 そして、次の戦場は宇宙かと空を見上げる。

 もう覚悟は決まっていた。

 

 

 それから。

 カガリの指示により、オーブを復興する部隊と、宇宙でキラと共に戦う部隊に分けられ、地上の事はギナ達に任せ、カガリはキラと共に宇宙へと向かう事になった。

 キラは最後までカガリが来る事に反対していたが、結局カガリに押し切られてしまった。

 

 現在、元地球連合軍艦アークエンジェルと、オーブ宇宙艦クサナギに人員とモビルスーツを乗せ、出発の準備をしている所である。

 キラたちは、慌ただしく荷物の搬入を行い、少しでも早く宇宙へ出ようと走り回っていた。

 

 そんな中、人が殆ど居なくなったオーブ行政府では、オーブ連合首長国元代表首長であるウズミ・ナラ・アスハが一人の男と向き合い、話をしていた。

 本来であればもっと落ち着いたタイミングに捕まえるつもりであったが、不審な動きをしていた男を見逃す事は出来なかったのだ。

 

「此度の戦、無事で何よりでございました」

「その様な戯言は止めよ。ヘリオポリス以前から行われていた貴様の暗躍は全て調べが付いている」

「っ! 暗躍などと……! その様な事は」

「既に調べが付いていると言ったであろう。証拠もある。私だけならまだしも、我が娘に向けられた刃。許されると思うな」

「……! 流石は、ウズミ・ナラ・アスハと言うべきか。表舞台から消えようと獅子は獅子という事ですか」

「大人しく捕まるのであれば……」

「フン。下らん」

「……」

 

 男の嘲る様な声に、ウズミと近くで控えていた軍人の目が厳しくなる。

 そして、椅子に座りながら余裕の笑みを浮かべている男を見やった。

 

「随分と上からやってくるじゃないか。ウズミ・ナラ・アスハ。貴様ごときナチュラルが偉そうに」

「貴様! ウズミ様に向かって!」

「良い。抑えよ」

「ハッ……!」

 

「そうやってイチイチ叫ぶ所が実に動物的だ。ナチュラルなど所詮はその程度。我らコーディネーターにとっての家畜に過ぎん」

「何が言いたいのだ。貴様は」

「世界の真理について話をしているんだよ。ウズミ・ナラ・アスハ。ようやく古き時代は終わり、ナチュラル共が支配する世界は消え去る。これからはコーディネーターの時代なのだ」

「果たして、その未来とやらに貴様の居場所があるのかは疑問であるな」

「黙れ! 時代遅れの老いぼれが!」

「……」

「新たな時代を作るのは血筋や家柄ではない! 才能だ! 圧倒的な才能! それこそが世界を作る!」

「貴様には、その才があると?」

「無論だ。そして、この俺に相応しき女も見つけた! 貴様の娘。この俺が上手く使ってやろう」

「貴様!!」

 

 もはや我慢が出来ぬと、兵士はウズミの制止を振り切って、自動小銃を男に向けて乱射した。

 しかし、銃弾は全て見えない何かに阻まれて弾かれてしまう。

 

 まるで男が透明な何かに包まれているかの様だった。

 

「バカな……!?」

「フン。ナチュラルには理解出来ぬか? これはな」

「サイコフレームか」

「……! 知っていたか。ウズミ・ナラ・アスハ」

「プラントから得た情報だな」

「そうだ! 貴様らがあの古臭い機体を崇めている間にも、プラントでは構造の解析が進み、新たな機体が作られた!」

 

 男が手を上に振り上げた瞬間、男の背後にあった壁が破壊され、土煙を巻き起こしながら一つの機体が姿をあらわした。

 漆黒の装甲に両腕だけアンバランスに肥大化し、殺傷力の高そうな爪をはやした人型の機体。

 

「『ナイトメア』これが俺だけの機体。希望を砕き、世界に現実を見せつける為の力だ!」

「……ウズミ様! お下がりください! ここは危険です!」

「そして、最初に悪夢を刻み込むのは……! 貴様だ! ウズミ・ナラ・アスハ!」

「ウズミ様!!」

 

 ナイトメアは男の動きに合わせて、その巨大な腕をウズミたちへ向けて振り下ろした。

 それだけで部屋は完全に破壊され、ウズミたちも男から見えなくなってしまう。

 

「ハハハ! あーっはっははは!! これが力だ! お前たちナチュラルではどうあっても追いつけない! 力だ!」

 

 男はひとしきり笑ってから、機体へ向けて歩く。

 

「さて。では邪魔者も消した事だし。彼女の元へ向かうか。サイコフレームを使えば、洗脳も出来る事が分かったしな。待っていろ! キラ・ユラ・アスハ!」

 

 そして、機体に乗り込んだ男は機体をオーブのマスドライバー……カグヤへと向かわせる。

 

 

 男が去ってすぐ、兵士たちに庇われ、何とか瓦礫から出て来る事が出来たウズミは急いでクサナギへと通信を繋げた。

 

「発進を急がせろ! そちらに敵が向かっている!」

『なっ!? ウズミ様! そのお怪我はいったい!?』

「私には構うな。今はただ……急ぐのだ!」

 

『所属不明のモビルスーツ接近!』

『何!?』

『我に任せろ! お前たちは発進準備だ! 急げ!』

『これはどういう状況だ! 状況を教えろ!』

『カガリ様……! 敵襲です! 現在、サハク様が迎撃中ですが、クサナギは発進準備を進めております』

『襲撃だと!? いったいどこから!?』

 

「オーブの者だ。カガリ。ムドウという男に気を付けろ。あの男は既に狂気へ落ちた」

『お父様!? お父様! そのお怪我は! 誰か! お父様の元へ救援を! キラ! 急いでブリッジへ来てくれ!』

「私は良い! それよりも……発進を急げ。宇宙へ、お前たち自身の未来へ行くのだ。カガリ」

 

 ウズミは全身に負った傷から、もはや立っている事も出来ず、壁に寄り掛かりながら通信を続ける。

 

『どうしたの!? カガリ!』

『キラ! お父様が! お父様が!』

『っ!? お父様!?』

「キラ……すまない。カガリを見てやってくれ。お前に、ばかり……負担をかけるが……」

『お父様! 駄目です! そんな! すぐに行きますから!』

『駄目です! キラ様! カガリ様! お二人は! 行かねば!』

『ウズミ様の元へは人を向かわせております!』

『でも!』

 

『オーブの未来。託したぞ……! キラ、カガリ』

『僕は……!』

『そなた達の父で……幸せであったよ』

『お父様! お父様!!』

 

 キラの叫びは遠く、ウズミは体を支えている事が出来ず、そのまま倒れてしまう。

 そして、通信もまた、その衝撃で切れてしまうのだった。

 

 だが、既にウズミの覚悟を受け取った者たちが、クサナギとアークエンジェルの発進を進めてゆく。

 所属不明のモビルスーツはギナの隙をついて、カグヤを狙っているのだ。

 ここが破壊されてしまえば、修復まで宇宙へ上がる事は出来ない。

 

 そうなれば、世界は最終戦争へと突入し、オーブもまた滅んでしまうだろう。

 だから、彼らはキラやカガリが泣いていても、叫んでいても、止まることは無いのだ。

 姫様の、オーブの事を想うからこそ、今は己の為すべき事に徹する。

 

 

『リビジョンC以外の全要員退去を確認。オールシステムズ、ゴー。クサナギ。ファイナルローンチシークエンススタート』

『ハウメアの護りがあらんことを!』

 

 マスドライバーを走り始めたクサナギは加速しながら、宇宙へ向けて駆け出した。

 多くのオーブ軍人に見送られながら、希望が宇宙へ向けて飛ぶ。

 

『行け! キラ! カガリ! 我らの分まで!』

『チィ! サハクめ! オーブの狗が!』

『ここは通さん!!』

 

 苛立ちを吐き出しながら男は、手のひらからビームをカグヤに向けて放つが、途中から参戦してきたブルーフレームのタクティカルアームズによって防がれてしまう。

 そして、クサナギは遂にマスドライバーを走り終わり、大空の彼方へ飛び出した。

 

『おのれ……! 間に合わなかったか!』

『落ちろ!』

『これ以上、ここにいる理由は無い!』

 

 それからナイトメアは、レッドフレームも戦いに参加してきてしまったため、不利を悟り海中へと飛び込んで逃げてしまうのだった。

 

 

 大空の彼方へ向けて飛び上がってゆくクサナギを、崩れた屋根から見上げていたウズミは満足げに笑いながら目を閉じた。

 

「種は飛んだ。これでよい……思うがままに生きよ……。カガリ。キラ。セナ」

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