ガンダムSEED Re:   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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DESTINY 本編
第147話『PHASE-1『怒れる瞳1』』


 C.E.(コズミック・イラ)72年

 一年半に渡った地球、プラント間の戦いは、ヤキン・ドゥーエ宙域戦を以てようやくの集結をみた。

 やがて双方の合意の下、かつての悲劇の地、ユニウスセブンにおいて締結された条約は、今後の相互理解努力と平和とを誓い、世界は再び安定を取り戻そうと歩み始めていた

 

『軍楽隊最終リハーサルは、一四〇〇より第三ヘリポートにて行う』

「違う違う!マーキ隊のジンは全て式典用装備だ!」

「マッケランのガズウートか!早く移動させろ!」

「ライフルの整備、しっかりやっとけよ!明日になってからじゃ遅いんだからな!」

 

「んー。どうかなぁ」

「どうでしょう」

 

 バタバタと慌ただしく人やモビルスーツが動き回るアーモリー・ワンで、二人の少女が手元の地図を確認しながら話し合っていた。

 二人の少女は姉妹であり、姉はキラ・ユラ・アスハ。妹はセナ・ユラ・アスハという。

 

 二人はオーブ連合首長国の前代表首長であるウズミ・ナラ・アスハの娘であり、前大戦の時から世界を平和に導く為に活動をしていた。

 そして、現在はアーモリー・ワンでこれから行われる新造戦艦ミネルバの進水式典の準備に参加しているのだが……。

 

「侵入経路として一番ありそうなのはどこだろう? 二番ゲート?」

「いえ。流石に、この戦力を相手に正面から仕掛けるという事は無いと思います。機体の奪取が目的なら少数精鋭を忍び込ませるのでは無いでしょうか」

「そうなると、怪しいのは管理用の通路か。あんまり人を配備しない方が良いかもね」

「そうですね。後はガイア、カオス、アビスの周囲からも人を……」

「ん? どうしたの? セナ」

「いえ。あの子」

 

 話しながら歩いていた二人が、ふと視線の先に見つけた物は、洋服屋の前で躍る一人の少女だった。

 金色の肩くらいで切りそろえられた髪をクルクルと回りながら靡かせている少女。

 

「ステラ?」

「……? キラ? それに、セナ」

「ステラ。ステラじゃない! どうしてここに居るの」

「ステラ。キラとセナに、会いに来た?」

「僕たちに?」

 

 キラとセナは互いに見つめ合いながら首を傾げる。

 二人が話をしている少女ステラ・ルーシェはキラとセナが昔、とある研究所で知り合った少女であり、それは地球にある為、ここにいる事が意外であった。

 しかも、ステラという少女はどこかボーっとしている様な姿で、とてもじゃないが一人でここまで来たとは思えない。

 

「ステラ。君……」

「あ!」

「うん?」

 

 キラがどうやってここまで来たの? と問おうとした瞬間、ステラが何かを見つけたという様にキラとセナの後ろを指さした。

 その行動に、何かあるのか? と二人が振り向くと、目の前には二人の少年が迫ってきており、手にはスタンガンが握られている。

 

「うっ……!」

「セナ!? くっ! 何のつもり!? スティング! アウル!」

「別になんてことはねぇよ。お姫様を迎えに来ただけさ」

「そのついでに、新型のモビルスーツも貰っていくけどねぇ!」

「っ! まさか!」

「ネオから伝言だ。そっちの計画に乗ってやる代わりに、報酬も貰っていくってよ! ステラ」

「うん」

 

「……! こんな……」

 

 スティングの腕を抑えていたキラは後ろからステラに注射を打たれ、すぐに意識を失ってしまう。

 そして、崩れ落ちるキラを抱きかかえながらスティングはニヤリと笑うのだった。

 

「へっへ。任務かんりょー。簡単なモンだぜ」

「まだ終わってないぞ。アウル。次はモビルスーツだ」

「じゃあ、ステラ、セナ、連れて行く」

「えー!? お前じゃ持てないって、俺が連れて行く!」

 

「喧嘩してるなよ! 時間が無いんだぞ! っ! もう来たのか!」

 

 スティングがキラを横抱きにしながら警戒する様に周囲を見て、ステラはセナを人形の様に抱えながら頬を寄せる。

 そして、アウルは腰に差していた銃を抜くと笑みを浮かべたままセナにその銃口を向けた。

 

「おっと、動くなよ! セナ様がどうなっても良いのかぁ!?」

 

 その声に、キラとセナを護衛する為に近くに居た者達は舌打ちをしながら銃口を三人に向けた。

 だが、アウルは威嚇の為に一発空に向けて放ち、もう一度叫んだ。

 

「聞こえなかったのか!? 動くなよ。こっちには人質が居るんだぜ?」

「くっ、B班とC班にも連絡しろ。緊急事態だ」

「貴様らこそ、そこから動くなよ」

 

「へっ、誰がそんなコト聞くかっての!」

 

 アウルは懐から何かを取り出し、キラ達の護衛の前に投げた。

 その形状に、護衛達は手榴弾だ! と叫ぶが、次の瞬間に閃光と轟音、そして煙幕がソレから溢れた。

 

「フラッシュグレネードか!」

 

「行くぞ! アウル! ステラ!」

 

 そして、三人は護衛が動けなくなった隙に、通りの近くに止めておいたエレカへ向けて走り、そのまま飛び乗って走り出した。

 キラとセナに手を出した以上、すぐに補足されるだろうし、港も封鎖されるだろう。

 だが、何も問題はない。

 

 何故なら三人が向かっているのは新型のモビルスーツが格納されているハンガーだからだ。

 

 そして、モビルスーツハンガーへ向けて爆走するエレカを偶然見つけたルナマリアは、コーディネイターの驚異的な視力でぐったりとしたキラとセナが何者かによって運ばれている事に気づき、式典の準備をしていたが急いでアクセルを踏み込みながらエレカを追う。

 

「そこのエレカ! 止まりなさい!!」

 

「チッ! 変なのに見つかっちまったぜ? スティング。どうするんだよ」

「振り切るぞ!」

 

 スティングは荒々しくハンドルを切りながら人やモビルスーツが溢れたアーモリー・ワンの中を突き進んでゆく。

 無論、モビルスーツのパイロットであり、アカデミーでトップ10の実力者に選ばれているルナマリアもエレカにピッタリと付きながら追いかけていたのだが。

 偶発的に足をもつれさせた一機のモビルスーツがスティングたちのエレカとルナマリアのエレカの間に倒れてしまったため、ルナマリアは急ブレーキをかけながら止まるコトになってしまったのだった。

 

「くそっ!」

「すまない! 怪我は無いか!?」

 

 そして、ルナマリアは舌打ちをしながらもエレカを飛び降りて、倒れたモビルスーツの隙間から逃げていく敵を見ながら逃走場所について考えて居たのだが、そこで緊急通信がエレカに入る。

 

『緊急! 緊急! キラ様とセナ様が何者かに攫われた、港は既に封鎖済みである。敵は逃亡の為にモビルスーツを奪取して逃亡を図る可能性がる。注意されたし!』

 

「モビルスーツ……!」

 

 ルナマリアはその通信を聞いてハッとなり、エレカの通信を信頼できる仲間の元へ繋げた。

 

『どうしたルナマリア!』

「レイ! アタシのザクを準備して! さっきの無線聞いたでしょ!?」

『だが、本当にハンガーへ向かっているのか!?』

「間違いないわ。私さっきまで追ってたの、逃がしちゃったけど!」

『分かった。俺も準備する! ミネルバのシンにも連絡するぞ!』

「お願い! 十分でそっちに行くから!」

 

 ルナマリアはエレカに飛び乗って、急発進させた。

 目指す場所はルナマリアの同期であるレイ・ザ・バレルが待っているであろうルナマリアの愛機がある場所である。

 

 

 ルナマリアがレイに連絡を取っていた頃、スティングたちはルナマリアの追跡が無くなった事に安堵しつつ、時間がない事を感じていた。

 その為、あらかじめ情報を得ていたハンガーへとエレカを突っ込ませつつ、飛び降りた。

 

 既にキラとセナの話が出回っているらしく、待ち構えていた者達による多数の銃撃を受けるが、エレカから飛び降りている三人とキラ、セナには何も関係がなく、そのままスティング達はモビルスーツの陰に隠れて息を潜める。

 そして、手だけで合図をして、アウルが一人手前のモビルスーツに乗り込むコトとなるのだった。

 

「居ないぞ!」

「どこに行った!?」

「こっちだよ! 間抜けども!」

「っ!」

 

 アウルはわざと大きな声を出しながらモビルスーツの上に躍り出て、近くにいたZAFT兵を撃ち殺してからマシンガンを奪い、それを乱射しつつZAFTの兵を排除してゆく。

 

「おのれ! ナチュラルが!」

「僕の方ばっかり見てて良いの!? アンタ! あ! キラ様が!」

「何!? アレは! キラ!」

「隙ありだよ! バァカ!」

 

 そして、偶然この場所に居たマーレもスティングが抱きかかえているキラを見つけ、動揺している隙に撃たれてしまった。

 機体の上部に居た者をあらかた排除したアウルはコックピットの中へ飛び込んですぐにハッチを閉じる。

 

「へっへ。流石は姫様。もう準備が出来てるな! 起動ぉ!」

 

 アウルが勢いよく動かしたモビルスーツ『ZGMF-X31S アビス』はカメラアイを光らせながら強引に起動を始めた。

 その様子に周囲のZAFT兵はハンガーから逃げ出したり、マシンガンをアビスに向かって放つが、アウルは気にせずセナを抱えているステラとキラを抱えているスティングをそれぞれ、『ZGMF-X88S ガイア』『ZGMF-X24S カオス』へと導いた。

 

『起動。準備おっけー』

『こっちも問題なしだ!』

「りょーかい! じゃ、後は帰るだけだな!」

『だな! だが、ここから敵が出て来るぞ!』

「へっへー! 全部潰せば良いんだろ!」

 

 アウルは起動したばかりのアビスを動かしてハンガーから飛び出すと、周囲にあるモビルスーツへ向けて手あたり次第にビームを放ってゆく。

 あまりにも高火力なアビスのビーム砲に、付近のモビルスーツは大爆発を起こして周辺を火の海に変えてゆくのだった。

 

 だが、そんな調子で暴れているアウルの元へ一つの警報音が鳴り響く。

 

「なんだ!? 戦闘機ぃ!?」

 

 それは、アビスの上空を飛び去って行く三機の戦闘機であった。

 そして、その戦闘機は変形し、一つのモビルスーツへと合体する。

 

「合体したぁ!?」

 

 最後に飛んできた戦闘機が背中に装備されるシルエットとなって、そのモビルスーツ『ZGMF-X56S インパルス』は一つのモビルスーツとして完成する。

 真紅に機体を染めながら、両手に持った『MMI-710 エクスカリバー レーザー対艦刀』を振り回し、一つに連結させてから真っすぐにアビスへと構える。

 

『キラさんとセナを連れ去ったのはお前らだな! 逃がすもんか!』

「チッ! お前らのモンじゃあ! ねぇだろうがよぉー!」

 

 アウルは手に持った『MX-RQB516 ビームランス』を構えながらソードインパルスへと突っ込み、ソードインパルスもまたそれを受け、長く続いた平和の終わりを世界に伝えるのだった。

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