ガンダムSEED Re:   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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第154話『PHASE-4『星屑の戦場2』』

 カガリたちがブリーフィングルームを離れて行ってから、崩れ落ちたシンにルナマリアは心配そうな声で話しかけた。

 

「ちょっとシン。大丈夫?」

「あ、あぁ……大丈夫だよ。ルナ。俺は生きてる」

「それは分かるけど。そんなに緊張した? オーブの代表と話すの」

「そりゃ、するさ」

「シンはオーブの出身だからな。代表はまさに雲の上の存在だったという事だ」

「へー。凄いのねぇ。確かにカリスマは凄かったけど。キラさんに比べるとねー」

「キラさんはまぁ……ある意味特別な人だからな」

「それ、一周回ってバカにしてない?」

「気のせいだろう」

 

 しれっと顔を逸らすレイにルナマリアは苦笑しながらさらに追及しようとしたのだが、その言葉を遮るように館内放送が流れる。

 

『敵艦捕捉、距離8000、コンディションレッド発令。パイロットは搭乗機にて待機せよ』

 

「来たわね!」

「あぁ。今度こそ叩き落してやる!」

「それも大事だが、キラさんとセナの確保も重要だ。忘れるなよ」

「「当然!」」

 

 パイロットスーツへ着替え、格納庫へと急いだシン、ルナマリア、レイは艦長からの指示を受けながら出撃準備へと入る。

 

『ひとまず私とシンで先行ね』

「レイとアスランは後詰めか。レイ。頼む」

『あぁ。任せておけ。後ろは何も問題ない。前にでて片付けてこい』

「あぁ!」

『ちょっとシン? 一人で先行しないでよ? ザクじゃインパルスに追いつけないんだから』

「分かってるって! てか、ルナ! またガナーで行くのか!?」

『当然でしょ。これで近づいて来た奴を叩き落すってワケよ』

「そううまく行けば良いけどな……!」

 

『ルナマリア・ホーク、ザクウォーリア発進スタンバイ。全システムオンライン。発進シークエンスを開始します』

『インパルス発進スタンバイ。モジュールはブラストをセット。シルエットハンガー3号を開放します。プラットホームのセットを完了。中央カタパルトオンライン。気密シャッターを閉鎖します。コアスプレンダー全システムオンライン。発進シークエンスを開始します。ハッチ開放。射出システムのエンゲージを確認』

 

 メイリンの声がコックピットの中で聞こえ、シンは計器の確認をしながらその時を待った。

 そして……。

 

『ガナーザクウォーリア、カタパルトエンゲージ』

『ルナマリア・ホーク、ザク、出るわよ!』

 

『続いてインパルス、どうぞ』

「シン・アスカ、コアスプレンダー、行きます!」

 

 ミネルバはメイリンの声に応えながらコアスプレンダーを発進させ、すぐにインパルスへと合体をする。

 装備は高機動戦用のフォースシルエットである。

 

 基本はシンが艦の頭を押さえ、ルナマリアが高火力で制圧という作戦であるが。

 キラとセナが艦の中に居る以上、無茶は出来ない。

 

「でも、どうやってキラさん達を助けるんだろう」

『なんか作戦があるって言ってたけどね! 私達はそれを信じるしか無いんじゃない!?』

「メイリンが艦を制圧とか出来ないのか? セナは出来ただろ?」

『無茶言わないでよ。基本的に艦のシステムは独立してるんだから、ミネルバからじゃどうしようもないって』

「そうなのか。じゃあ、どっちにしても、まずはモビルスーツを叩かないと駄目か」

 

 シンはルナマリアとメイリンの言葉に納得し、スラスターを吹かせて一気にレーダー上に存在する不明艦に向けて突っ込む。

 だが、いつまで経っても進路を変えない不明艦に、シンはハッとなり通信に向かって叫んだ。

 

「デコイだ! ボギーワンは別の所に居る!」

 

 その声にタリアは反応し、叫ぶ。

 

『なんですって!? 索敵! どうなっているか!?』

『熱源なし! 依然変わらずボギーワンはレーダーに感知しているモノのみです!』

 

 シンはさらにインパルスを加速させて、実際にモニターで確認しようとした。

 しかし、その瞬間に通信が荒れミネルバとの交信が不可能になってしまう。

 

「ニュートロンジャマーか! って事は! ルナ!」

『見えてるわよ!』

 

 シンが叫んだ瞬間、ルナマリアはガナーザクウォーリアの主武装である『M1500オルトロス』をデブリの向こうへ向けて放つ。

 その攻撃により紅い閃光が宇宙を輝かせ、デブリの影に隠れていた三機のモビルスーツが飛び出してくるのだった。

 

「チッ! アイツ等!」

『何これ!? 罠って事!?』

「どうやらそうみたいだ!」

 

 シンはビームライフルを放ちながら三方向へ別れたモビルスーツへと意識を向ける。

 そして、ルナマリアも声だけは動揺している様だが、冷静にビーム砲を放っているのだった。

 

 しかし、どうも敵の三機はこちらを積極的に落とそうとはしていない様で、遠方から威嚇の様な射撃を繰り返すばかりである。

 

『こいつ等!? どういうつもりなの!?』

「分からない。けど、まともに相手をする気は無いみたいだ」

『って事は!?』

「こいつらの狙いはミネルバだろ!」

『えぇー!? どうすんのよ! 戻らないと』

「大丈夫だ!」

『っ! シン?』

「ミネルバにはレイが居る。それにアスランも!」

『アスランって……』

「キラさんが言ってた。アスランは、真っすぐに進んでいる時は信じても良いって! 今はキラさんを助け出す作戦してるから、アスランを信じても大丈夫だ!」

『……まぁ、よく分かんないけど。キラさんが言ってたのなら信じても良さそうね。じゃあ、私達はこいつ等を何とかしましょうか!』

「あぁ! 行くぞ! ルナ!」

 

 シンは罠にかかりながらも、その罠ごと食い破ってやるとインパルスを宇宙に走らせるのだった。

 

 

 そして、シンとルナマリアがカオス、アビス、ガイアと戦闘を行っている頃、ミネルバは追っていたボギーワンがデコイだと判明し対策をするべく焦った様な声が行き交っていた。

 

「ニュートロンジャマー増大中」

「ボギーワンが来るわよ! 索敵! 急いで!」

 

「しかし、どこへ消えたのだろうね。かの艦は」

「どう思う? ヴァレ」

「たぶんだけど、アンカーと小惑星を使って熱源を全部切ってから進路を変えたんじゃないか? ミラージュコロイドを使っていた艦なんだろ? なら、そういう手段を持っていてもおかしくはない。モビルスーツならよくやる手だしな」

「なるほど……という事は」

 

 デュランダルの呟きに、誰もがボギーワンの居場所を理解した。

 そして、その位置取りが最悪である事を理解したタリアは急いで指示を出す。

 

「ミネルバ! 機関最大!」

「ブルー18、マーク9チャーリーに熱紋! ボギーワンです! 距離500!」

「えぇ!?」

「更にモビルスーツ2!」

「振り切れる!?」

「駄目です! オレンジ22デルタにモビルスーツ!」

「アンチビーム爆雷発射! 面舵30、トリスタン照準!」

 

「いけない! 艦長! モビルスーツをまずは出撃させろ!」

「っ! モビルスーツ出撃! 全機出して!」

 

「ミサイル! 来ます!」

「右舷の小惑星を盾に回り込んで!」

 

 慌ただしく移り変わってゆく戦場の中、タリアは最善を尽くそうとモビルスーツを出撃させつつ、ミネルバが落とされない様にと立ち回る。

 その想いに応え、出撃したレイもアスランも、黒いダガーへ向けて攻撃を仕掛けつつ、ボギーワンへと向かった。

 だが……。

 

「か、艦長! 正面に熱源! 核動力の機体です! 熱量増大! 攻撃来ます!」

「ミラージュコロイドか!」

「回避! 急いで!」

 

 ミネルバは小惑星にぶつかる様な勢いでリュニックからの砲撃をかわした。

 しかし、その影響はすさまじく、ミネルバは小惑星に艦体をぶつけながら停止してしまう。

 

 その光景を見ていたアスランは急いでミネルバへと機体を戻そうとするが、その前にミネルバを追い詰めた機体が迫ってくる。

 

『さて、あの艦は後にゆっくりと落とすとして……まずはお前たちからだな!』

 

『くっ! この機体は! レイ!』

『えぇ。分かっています! 油断はしない!』

『二人で同時に叩くぞ!』

『了解!』

 

 アスランとレイは同時にリュニックへと挑むが、落とされない様にするのが精一杯で、それ以上は押す事も退く事も出来ない状態となってしまった。

 これにより、シンとルナマリア。

 アスランとレイは膠着状態へと移行し、ミネルバはほぼ戦闘不能になってしまったワケだが、この瞬間を待っていたとばかりにミネルバから一機のモビルスーツが飛び出した。

 

『艦長! 格納庫より、モビルスーツが出撃しました!』

『なんですって!? どこの機体!』

『それが、機体の認証にはブラックナイトスコードとあるのですが……』

『あぁ、その機体なら気にしないでくれ。ある協力者の機体だよ。おそらくはキラとセナの救出に向かったのだと思う』

『議長……?』

 

 黒い装甲を纏ったその機体は、誰も反応出来ない速さでボギーワンへ迫ると、持っていたビームライフルでボギーワンの武装を順に破壊してゆく。

 それにボギーワンも抵抗する様にミサイルや主砲を放つが、モビルスーツの機動力には追いつけず、直撃を与える事は出来ないのであった。

 

 そして、ブラックナイトスコードはボギーワンへと急接近し、ビームサーベルを使いながら艦体を損傷させて、バルカンを受けてからすぐに撤退する。

 そんな事を繰り返していたからか。

 ブラックナイトスコードからボギーワンへと飛び移ったシュラは誰にも気づかれぬまま艦内へと潜入し、連合軍兵士の心を読みながら誰とも邂逅せず、見事キラの居る場所へとたどり着くことが出来た。

 

「姫様!」

「うぇ!? えぇ!? 君は、シュラ君!?」

「えぇ。王国で出会った時以来ですね。しかし、今は長い話をしている余裕がありません! お急ぎを」

「えと、逃げるって事だよね!? でもセナが!」

「セナ様はこちらに残る決断をされました。このまま放置する事は出来ぬからと……」

 

「そんな……!」

「申し訳ございませんが、二人連れて行く余裕もありません。どうか! お願いいたします」

「でも、一人なら、一人しか連れて行けないのなら……! セナを」

「なりません」

「シュラ君!」

「セナ様のご意思を無駄にしては……!」

 

 キラは唇を噛みしめながら、思考する。

 このまま言い争いをしていてもシュラが危険に晒されるだけである。

 

 確かにセナへの対応は紳士的であったし。

 ネオの目的はあくまで戦争を起こす事であり、セナをどうこうしようという考えは見えなかった。

 ならば……!

 

「分かりました。ならば、機体を奪います」

「えぇ!? いや、しかし」

「艦内には使われていないモビルスーツもあります。それを奪えば……!」

 

 強情なキラに、シュラは思わず舌打ちをしたくなったがイングリットと脳内だけで会話し、作戦を立て直す。

 そして、キラに頷いてからキラにパイロットスーツを着て貰い、格納庫へと向かう。

 

 だが、機体を奪う前にイングリットに艦内へ強行着艦させて、無理にでもキラを攫ってボギーワンから脱出するのだった。

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