ガンダムSEED Re:   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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第158話『PHASE-6『世界の終わる時2』』

 ZAFTの破砕部隊の活躍により、ボアズが半分に割れたのだが……その前半部は未だに地球を目指して進み続けている。

 地上から迎撃の為に宇宙へと向かったアズラエルは、舌打ちをしながらその巨大な物体を見やった。

 

「チッ。こんな事ならもっと細かく砕いておくべきでしたね」

「ですが、あそこで核ミサイルを消耗する事は出来ませんでしたから」

「それもそうか……まったく厄介な事だよ。サザーランド少将。サテライトシステムは?」

「問題なく稼働中です。が、あのサイズを完全に破壊する事は難しいかと」

「ならば、もっと細かく砕く必要がある……か」

「コーディネーターの連中も活動はしている様ですが、どこまで期待出来るか、それは分かりません」

「ならこっちはこっちでやる事やる必要があるって事だね。艦長サン」

「はい!?」

 

「モビルスーツ部隊を出撃させて下さい。後続の艦隊には核ミサイルを搭載させて居ますが、現地では戦闘が行われている様だ。ミサイルを守らないと」

「分かりました。では、モビルスーツ部隊! 発進!」

 

「X131カラミティ、出撃良し」

「続いてX252フォビドゥン、X370レイダー」

 

「ストライクには例の新型装備を持たせて! ムウ。頼んだわよ」

『あいよ! 要するに、ボアズにデカい穴をあければ良いんだろ!? やってやるさ! 俺は不可能を可能にする男だからな!』

 

 カラミティ、フォビドゥン、レイダーに続いて、機体よりも大きな巨大リニアキャノンを持ちながら出撃したストライクが後ろに続く。

 イザという時の為にと、キラがプラントで開発したゼウスシルエットという装備をマリュー達が実現させた物だ。

 まだ施策段階であるし、一発撃っただけで機体のエネルギーの大半は持って行かれてしまうが、それでもこの状況には必要な物である。

 

 ゼウスシルエットのリニアキャノンは『地中貫通弾/陽電子砲弾(バンカーバスター)』を高速で撃ちだす為、固い小惑星の外殻を貫いて、内部で爆発させる事が出来るのだ。

 これで小惑星を破壊することが出来なかったとしても、内部まで貫通した穴があれば、そこに核ミサイルを打ち込めば良い。

 更にそれでダメでも、サテライトシステムによってギリギリまで衛星のビーム砲で隕石を焼き尽くす事が出来る。

 

 という三段構えの作戦である。

 失敗は許されないが、成功する為の布石はいくつも積んでいた。

 

「しかし、上手く行きますかね」

「成功させるしか無いんですよ。艦長サン」

「まぁ、それはそうですね」

 

 オーブより、アークエンジェルの元クルーとアズラエル、サザーランド少将を乗せて飛び立ったアークエンジェルの中で、マリューはコロニー落とし事件以来の大事件に手を強く握りしめながらジッと隕石を睨みつける。

 だが、そんなマリューの元へ索敵をしていたカズイから報告が入った。

 

「艦長! こちらへ急速に接近する熱源あり!」

「何!? 何なの!?」

「何だ! 何が来ている!」

「コレは……アガメムノン級宇宙母艦です!」

「なんだと!?」

 

 その報告にマリュー、ナタル、アズラエルが驚愕の声を上げる。

 しかし、サザーランドだけは冷静に、どこの所属かと聞き返した。

 

「所属コード無し!」

「我が方より奪われた艦か……?」

「アガメムノン級より攻撃! きます!」

 

 アガメムノン級より放たれたゴットフリートや多数の大型ミサイルがアークエンジェルへと迫るが、ナタルが即座に反応し、ミサイルを迎撃、ゴットフリートはノイマンの操舵によって何ら危うい事もなく対処される。

 そして、マリューは一応確認をするべくサザーランドとアズラエルに向かって叫んだ。

 

「アレは撃墜します! 良いですわね!?」

「構わん!」

「やれ!」

「承知いたしました! ナタル!」

「ハッ! イーゲルシュテルン、バリアント起動! 艦尾ミサイル発射管全門装填! ゴッドフリート! 一番二番照準! 目標! アガメムノン級!」

 

「っ! アガメムノン級の後方より高速で迫る艦があります! これは! ナスカ級です! 数2! 本艦へ向けて突撃してきています!」

「何ですって!?」

「ローエングリン起動! 目標はナスカ級だ!」

「ローエングリン発射後、回避! アガメムノン級の下へ潜り込んで!」

 

 慌ただしくアークエンジェルが動き回り、艦隊の対処をしている頃、ムウたちはボアズへと到達し、リニアキャノンの準備をしていた。

 だが、その周囲に連合の量産型モビルスーツであるストライクダガーが現れる。

 

「くっ!」

『オラぁぁあ!! オッサン! 大丈夫かよ!』

『生きてます?』

『なんだ、こいつ等、メンドクセー』

 

「生きてるよ! 後! オッサンじゃない! こいつ等! 普通の連合兵じゃないぞ! 動きが!」

『ですね! でも……!』

『機体がお粗末じゃあなぁ!』

 

 ボアズへ迫るムウを脅威に感じたのかワラワラと現れたストライクダガーはムウへと攻撃を仕掛けるが、その周囲でムウの護衛をしていたオルガ達によって一機ずつ落とされてゆく。

 そして、それによって生まれた空間で、ムウは即座にゼウスシルエットを展開し、正面に迫るボアズへと目標を合わせた。

 

「垂直軸線、誤差修正!! 射出電圧臨界!!! いっけぇぇえええ!!」

 

 世界を白く染め上げるかの様に閃光を放ちながら放たれた一撃は、ボアズの中心部へと叩き込まれ、その内部を砕きながら突き進んでゆく。

 そして、内部の奥深くで炸裂した弾頭は、ボアズの一部を更に崩壊させるのだった。

 

 だが、ボアズの本隊は何も変わらず突き進んでおり、一部が破壊された程度では何も影響がないとでもいう様だった。

 

「ちぃっ! やっぱ、コイツだけじゃダメか!」

 

 ムウはたった一発で機能不全になってしまったゼウスシルエットをボアズへ向けて射出し、表面にぶつけて爆発させる。

 が、当然ながらそれも、ボアズへの影響はほぼ無いのであった。

 

「どうする!? 核ミサイル部隊を待つか……!」

『おい! オッサン!』

 

 ムウがフェイズシフトの落ちたストライクで巨大なボアズを見つめながら思考していた時、カラミティの砲撃を抜けて一機のモビルスーツがストライクへと迫っていた。

 その行動は攻撃というよりも。

 

「特攻か!? しまっ!」

 

 ストライクダガーがビームサーベルを構えたままストライクへと迫り、ビームサーベルがストライクに突き刺さり……そうなその瞬間に、緑色のビームがストライクダガーを貫いた。

 

 その影響でストライクダガーは爆発を起こし、その爆発の中を一機のモビルスーツが高速で通過してゆく。

 

「なんだ!? 赤い、モビルアーマー!? いや、モビルスーツか!」

 

 真紅の機体はムウを襲ったストライクダガーを撃破した後、急旋回しながら周囲に居るストライクダガーを連続で放ったビームライフルで落としてゆく。

 その戦いと、直感により、ムウはその機体のパイロットが誰であるかすぐに理解するのだった。

 

「キラか!」

『ムウさん! 無事ですか!?』

「あぁ。ったく! 良い所で登場するじゃないの! 憎いねぇ! そいつはZAFTの新型か!?」

『はい。ちょっとお借りしてきました。地球軍とオーブの作戦を教えていただいても良いですか!?』

「分かった。そっちにデータを送るぞ!」

 

 

 ムウから作戦書を受け取ったキラはそれを高速で読んで、戦場に居るであろうミネルバと作戦部隊に、メテオブレイカーの配置情報を送るのだった。

 その行動にすぐさまミネルバから通信が入る。

 

『キラ! あなた! 議長をプラントまでお送りする役目があったでしょ!』

「はい。ですが、議長よりこちらは良いからボアズへ向かえと指示を貰いましたので、セイバーをお借りしてこちらに来ました。地球軍、オーブ軍との接触も終わっています。今は協力して事態を……!?」

 

 キラはタリアと話をしていたのだが、不意に白いモビルスーツがキラに向かって突っ込んできた為、キラはそちらの対処をする事になってしまう。

 謎のモビルスーツはビームサーベルをセイバーに振り下ろし、セイバーはそれをビームサーベルで受け止めたが、押し込まれ、ボアズへと叩きつけられてしまう。

 

『キラ!? キラ! どうしたの!?』

「すみません! 少々厄介なモビルスーツが現れました! 後の指揮はお願いします! 通信終わり!」

 

 キラはミネルバとの通信を切り、目の前の敵に集中する。

 青と白と赤のトリコロールカラーをした、ストライクによく似た機体。

 しかし、その機体はストライクでは無いようだった。

 

「貴方は……! まさか、この事件を起こした犯人ですか!?」

 

 ミネルバより連携された情報で、戦場に居るモビルスーツがモビルドールシステムで動いていると知ったキラであったが、目の前に居る機体がそうではない事を、キラは何となく察知していた。

 理屈ではない。

 ジャスティス、フリーダムに乗った時より覚醒したキラの中に眠っていた超感覚が、ラウの様に目覚め、キラに力を貸しているのだ。

 

「答えて下さい! 貴方は!」

『答える義務は、ないよ!』

「っ!」

 

 トリコロールカラーのモビルスーツの背中に取り付けられた推進装置から、キラキラと光る粒子を吐き出して、信じられない様な速度で加速し、迫る機体に、キラは咄嗟にビームサーベルを構えて、敵機体のビームサーベルを受け止める。

 

「これは、レーダーが! ニュートロンジャマー!?」

『違うな。キラ・ヤマト! いや、キラ・ユラ・アスハ! これは新時代のシステムさ!』

「くっ! レーダーで捉えられないのなら! 目で見れば良いだけだろ!」

 

『そう、そして! これが! 新しいガンダム! そして! 僕こそが! 世界の救世主だ!』

 

 ボアズの上で、踊る様にビームサーベルを振り回しながら迫る機体に、キラは舌打ちをしながら目で機体を追う。

 だが、その分消耗は激しく、厳しい戦場となってしまうのだった。

 

 そして、何とかビームシールドで敵のビームサーベルを受け止めようとしたのだが……敵の機体がその下側に入り込んで、セイバーの腕をシールドごと落としてしまう。

 絶体絶命のピンチに陥ったキラが、ビームサーベルを構えながら、撤退を考え始めた時、それは起こった。

 

「っ!」

『なに!?』

 

 ボアズが内部から輝き、周囲に小惑星の破片をまき散らしながら爆発したのだ。

 それにより、セイバーと敵機体の間に多数のデブリが生まれ、二人の機体は強制的に引き離される事となった。

 

『運が良いね。キラ・ユラ・アスハ。でも、これで実力差はよく分かっただろう』

「……はぁ、はぁ」

 

 荒い呼吸を繰り返しながらキラは敵機体の声を聞く。

 

『僕に従うというのであれば、新世界へと連れて行ってやろう。でも、逆らうというのなら、次はないよ』

 

 遠くへと飛び去ってゆくモビルスーツを見ながら、キラはシートにもたれかかり、深いため息を吐くのだった。

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