ガンダムSEED Re:   作:とーふ@毎日なんか書いてる

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昨日更新した話に関して。
修正前の物を投稿していた為、夜に修正更新しました。

申し訳ございません。
後半にちょっち文章を追加してます。
m(__)m


第61話『PHASE-12『フレイの選択2』』

 地球連合より奪還したラクスは、クルーゼ隊のヴェサリウスからラコーニの隊が率いるローラシア級へと受け渡される事となった。

 

「久しぶりにお話出来て楽しかったですわ。アスラン」

「いえ……はい。そうですね」

「どうかキラと戦わず、話し合いで解決できる道を選んでください。貴方にはそれが出来るだけの力があるでしょう?」

「分かっています。ですが、その前に……やるべき事が俺にはあります」

「彼の事ですか……?」

「ストライクセイバー。あの機体を落とさねば、キラを助け出す事は出来ない。あの男を排除しなくては……!」

「……オルフェさん。ですか」

「あの男は俺が、必ず……!」

 

 燃える様なアスランの瞳に、ラクスは何も言えぬまま静かに目を伏せた。

 オルフェはおそらくキラを守ろうとしているだけだ。

 そして、アスランもまた……。

 

 二人の心には互いに対する強い不信感がある。

 いくらラクスが言葉を重ねたとしても説得は難しいだろう。

 二人を止める為にはキラの言葉が必要になる。

 

 もしくは……。

 

「セナさんが居れば良かったのですが」

「セナなら地球ですよ。こんな所には居ません」

「知っていますわ。だからこそ、セナさんが居れば少しは状況が変わったかもしれないと思っただけです」

「バカな。あり得ませんよ。あの子を、戦争に巻き込むだなんて……あり得ない」

 

 吐き捨てる様なアスランの言葉にラクスは、小さく息を吐いて、窓から見える宇宙を見やった。

 そして、二人の会話が終わり、静寂が周囲を包んでいる頃に、クルーゼが二人の元へやってきた。

 

「ラクス嬢。準備が出来ました」

「わざわざありがとうございます。クルーゼ隊長」

「いえ」

「クルーゼ隊長。いろいろお世話をかけました」

「御身柄は、ラコーニが責任を持ってお送りするとのことです」

「分かりましたわ」

 

 ラクスはニコリと微笑んで、仮面の男をジッと見据える。

 キラやセナ。ヤマト家との交流があってもなお、仮面をかぶり、ZAFTに入隊した男。

 その男の真意をラクスは未だ掴めずにいた。

 

 前世において、世界を終わらせようとした男は、本性を何も見せぬまま静かにラクスを仮面越しに見ているのだった。

 

「では、私もそろそろ行きますわ。また、プラントでお会いしましょう」

「えぇ」

「では、ラクス。また」

 

 アスランはラクスに別れを告げ、そのまま持ち場へと戻った。

 これから始まる一大作戦に対する準備である。

 

 

 ローラシア級の客室へと移動したラクスは窓の向こうで加速しながら戦場へと戻ってゆくヴェサリウスを見て、深いため息を吐いた。

 争いが、争いを呼んでゆく。

 戦場はどこまでも深く、激しく広がってゆく。

 

 ラクス一人ではどうやっても制御できない程に、戦争は世界を巻き込んで怨嗟と憎しみをまき散らしていた。

 

「……キラ」

「私たちは、結局無力だったのでしょうか」

「言葉をいくら尽くしても……人は止まらない」

 

 強く握りしめた手の向こうに見えるのは、かつての世界であった出来事だ。

 プラントと地球の絶滅戦争から始まり、二度目の大戦。そしてデュランダル議長による平和と言う名の牢獄への道。

 アコード達による支配に、終わらないテロ……そして、起こってしまった最終戦争。

 

 人類は宇宙に何も残せぬまま、ただ憎しみのままに命を散らして行った。

 今度こそはと、ラクスは以前よりも強くプラントで平和を訴え続けた。

 

 しかし、結果はこの状態だ。

 人々は争いを再び初めてしまった。

 キラやセナも居たというのに。

 

 歴史はそう決められているかの様に、ただ終わりへ向かって突き進んでゆく。

 このまま、全てはまた終わりへ向かってしまうのか……。

 

 否。

 否だ。

 

 ラクスは未だ希望を捨ててはいない。

 

 戦いではない方法で、言葉で世界を止める事は出来る。

 ラクスはそう信じていた。

 だから、自由でも、正義でもない『力』をひそかにハインラインと作ろうとしていたのだ。

 

 コロニーメンデルから回収された赤い球体。

 おそらくはコックピットと思われる、ソレから技術を抽出し発見された『意思を世界に伝える金属』

 それをフレームとして採用した既存のモビルスーツとは全く設計思想の異なる機体。

 『ホープ』

 

 希望と名付けられたその機体に、ラクスは願いを込める。

 あの機体ならば、心に直接想いを届ける事の出来る機体なら……きっと。

 

「希望は繋がりますわ」

 

 唯一の問題は、今現在。誰一人としてあの機体を動かす事が出来ていないという事であるが。

 ラクスはもしかしたら……とラクスは一つの希望へと心を向ける。

 

 血のバレンタインの時に現れた謎の白い機体。

 あのパイロットならば、動かす事が出来るのでは無いだろうか、と。

 あの白い機体と、ホープは同じ暖かさを持っていた。

 

 だから……。

 

「探さなくてはいけませんわね。あの機体のパイロットを」

「そしてどうか。その方が平和を願って下されば良いのですが」

「いえ……あの御方が、貴女であったならば、それが最も……」

 

 ラクスは静かに宇宙を見つめながら一人呟くのだった。

 

 

 そして、ラクスを引き渡した二日後。

 ヴェサリウスと合流したローラシア級戦艦1艦はガモフとも合流し、三隻で地球軌道上に居る第八艦隊へと戦いを仕掛ける事となった。

 

「さて。これから我々は第八艦隊へと戦いを仕掛ける訳だが……敵の戦力はこちらの数倍だ。アガメムノン級、ネルソン級。モビルアーマー多数。そして足つきに、ストライクとストライクセイバー。あぁ、後。メビウス・ゼロも居たな」

「かなりの戦力ですな……」

「しかし、崩す手はある。基本的にモビルアーマーは実体弾がメインであるから、イージス、バスター、ブリッツで連携して艦隊に穴を作り……そこをカナードとミゲルのジンで……」

『隊長!』

「うん? 何かな。イザーク」

『俺も出撃させて下さい!!』

 

 三隻で通信を繋げながら行っていた作戦会議で、ガモフから顔に包帯をまいたイザークが怒りのままに叫んだ。

 片側だけ露出しているアイスブルーの瞳は冷たさを失い、業火の様な熱を帯びて、クルーゼを強く見据える。

 

「しかし、君は怪我も酷いだろう。今回の出撃は難しいのではないか?」

『いえ! 問題ありません!! どうか! 自分も出撃を!』

「……ふむ。分かった。だが、配置は後方だ。無理はするなよ」

『ありがとうございます!』

 

 イザークは礼を言いながら頭を下げて、クルーゼに話を戻す。

 そして、再び口を開いたクルーゼは説明を再び始めた。

 

 三機のGで艦隊に穴を作り、それをミゲルとカナードとイザークで広げる。

 その後は、艦隊と共にジンが前進し、混乱した艦隊を殲滅。

 

「問題はないかな? 諸君」

『「ハッ!」』

「ふむ。では作戦は以上だ。何かあれば私が対処しよう」

「は……? 私がというのは」

「私もシグーで出撃する。艦の事は任せるぞ。アデス」

「は!? いや、まさか! そんな!」

「イザーク達の報告。そして、我らとの戦いで見せたあの機能。ストライクセイバー。放置すればどれほどの大火となって返ってくるか分からん。ここで足つきもろとも確実に沈めるとしよう」

「隊長!」

『隊長!』

 

「うん? 何かな。アスラン。イザーク」

「ストライクセイバーは私が!」

『いや、俺が! 邪魔をするな! アスラン!』

「イザークは後方支援と命令されただろう?」

『うるさい! あの機体は俺が落とす!』

 

 言い争いを初めてしまった二人にクルーゼはふむと顎に手を当てながら少しばかり考えて、一つの命令を二人に下した。

 

「分かった。そういう事であれば、ストライクセイバーは二人に任せよう」

「ありがとうございます!」

『隊長!』

「分かっているさ。イザーク。無論、君一人で落としても構わん。だが、味方同士で撃ち合ってくれるなよ。その様な事をして逃がしては大事だからな」

「ハッ!」

『承知いたしました!』

 

 どこか不満気な気配を纏いながらも、イザークは頷き、話し合いは終わりを迎えた。

 そして、いよいよ第八艦隊をレーダーで捉え、各機は出撃体勢となる。

 

『キラ。今度こそ君を……アスラン・ザラ! イージス出る!』

 

『いい加減。そろそろ終わりにしようぜ。ディアッカ・エルスマン! バスター! 発進する!』

 

『キラさん。今度こそ……ちゃんと話をさせて下さい。ニコル・アマルフィ! ブリッツ、行きます!』

 

『まったくしぶといモンだぜ』

『そうだな。だが、それも今日で終わりだ』

『アスランとイザークはモビルスーツに行くみたいだし。俺は戦艦でも落とすか!』

『あんまり前に出すぎるなよ。俺たちの機体はフェイズシフト装甲じゃねぇんだからな』

『へっ! 当たらなきゃどうって事はねぇさ!』

『ったく。ミゲル・アイマン! ジン。出るぜ!』

『カナード・パルス! ジン! 出す!』

 

『ストライクセイバーめ……アサルトシュラウドが貴様に屈辱を晴らす! イザーク・ジュールだ! デュエル! 発進する!』

 

『やれやれ。元気の良い事だな』

『隊長!』

『あぁ。後の事は任せたぞ。アデス。あまり前には出すぎるなよ』

『承知いたしました!』

 

『では、ラウ・ル・クルーゼだ。シグー! 出るぞ!』

 

 そして、母艦から出撃したモビルスーツは作戦通りに第八艦隊へと向かってゆく。

 それぞれの想いと、正義を胸に。

 銃をその手に取って。

 

 

 後に『低軌道会戦』と呼ばれる事になる戦いが、今始まろうとしていた。

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