転生者が魔法少女ノ魔女裁判の世界へ転生(仮)   作:ミュウにゃん

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Ep24 逃走

 

 

~~~~~~~

 

  シェリー「やっぱりこの塀、高いですねえ。うーん、破壊できればいいんですけど……」

 

翌日、牢屋敷の外に出たメンバーは塀の前にやってきた。

 

大勢で動き回るのは目立つので・・・来たのは、オレ、エマ、シェリー、佐伯さんの4人。なぜ、毎回オレが呼ばれる。

 

   デュアン「……」

オレは、昨晩の装丁されていた本の内容をじっくり確認した。

 

どうやら、この牢屋敷に閉じ込められている少女が持っているものだと推定されている。他にも色々あったが、少女たちの能力を考えると・・・

 

・浮遊→飛翔

・肉体強化→身体強化

・洗脳→一時的な命令

・視線誘導→強制的に固定

・千里眼→次元を超えての千里眼

・入れ替わり→思考の入れ替わり、共有化

・声真似→?

・液体操作→液体を思考操作

・幻視

・発火→爆発

・治癒→心身治療

・死に戻り→?

 

この中で、ヤバいのが「魔女殺し」だ。

 

あの説明では、覚醒前では「魔女の生気」を吸収して、具合を悪くする程度だが・・・覚醒したら「魔女」の息の根を止める。まるで、俺の終滅の神眼みたいだな。俺のは、物理法則すら殺せるからな。

 

・・・だが、終滅の神眼の能力に違和感を感じる。終焉そのものを具現化した力なのに、殺して蘇生可能って変だな・・・。

 

意図的になにか制限をかけてるのか?まぁ、終滅の神眼で殺しても・・・やり直せるなら儲けものか・・・

 

さて・・・オレの考えでは、二階堂ヒロの魔法は「死に戻り」の可能性が高い。だから・・・多分エマの魔法は「魔女殺し」だろう。だが、発動条件がどんな風になっているのかはオレには分からない。常時発動型なら魔法少女たちが体調を崩している・・・っ!そうだ。生気を吸ってるじゃないか。一番の被害が出てるのは夏目さんだ。

 

・・・だが、断定はしちゃいけない気がする

 

 

   シェリー「試しにもう1度殴ってみていいですか?」

    エマ「ダ、ダメダメダメ!看守が来ちゃうから!」

今は・・・こっちの方をどうにかしないと・・・

   ミリア「どうして壊れないんだろうね?特殊な素材でできてるわけでもないのに……」

 

   デュアン「……」

そういや、シェリーが壁を殴っても壊れなくて、オレの魔術で壊れた。ってことはだ。この壁には魔法を無効化する何かしらが仕掛けられているのか?一体誰が何の目的で?

 

    シェリー「国の陰謀か……はたまた誰かの魔法じゃないでしょうか……」

 

      エマ「うん……花畑の方にはずっと虹がかかってるし、この牢屋敷は不思議なところがいっぱいある……これまで捕まってきた少女たちの魔法が残ってるんじゃないかと思うんだ」

 

   デュアン「…………」

   シェリー「そうなると、死後も魔法の効果は永続的……ってことになりますかね。これまで捕まってきた少女は、ほぼ死んでいるでしょうし」

 

確かに、魂の装置に、~年前~ヶ月前に死んだことがわかる。

彼女たちの魂を使っての蘇生は・・・今のオレの魔法の力じゃ無理だ。

肉体が存在しないんじゃ、無理だ。

 

 

    ミリア「こ、怖いこと言わないでよ……」

     エマ「デュアンくん……この塀って何か分かる?」

   デュアン「……ま、十中八九魔法で壊せないようになってるだろう」

     エマ「そう……なのかな?」

オレとエマが話に耽っている間に、ミリアとシェリーは塀から離れ、歩き出していた。

 

   デュアン「ふむぅ……」

 

エマは改めて塀をじっくりと眺めまわしてみる。

 

     エマ「デュアンくん!」

   デュアン「ん?」

     エマ「これ」

エマが地面の近くに、刻まれた落書きを指出した

 

   デュアン「大昔、大魔王と大魔女がこの塀に魔法と魔術をかけた……?」

 

大魔王って・・・エルピス。つまりオレ?オレがこの塀に魔法をかけたのか?

 

「それにどんな魔法も物理的な干渉も受け付けない強力な魔法」

う~ん・・・硬化、障壁・・・考えれば考えるほど沢山候補が出てくるな。でもヨグ=ソトースのこぶしで簡単に壊れたとなると・・・ん?まだ続きが・・・「大魔女と大魔王は魔女を守りたかった?一体何から?魔女からすれば人間なんて簡単に倒せるのに……」

 

「幻視で視えたのはのはここまで。囚人記録」

 

これを書いたのは、つい最近のようだな・・・ってことは、黒部さんが書いたものか?

 

   デュアン「……(異世界魔法さえ使えれば……)」

ん?俺は、何を考えた?

 

ーーーーー『スキル『異世界魔術書庫(アカシックマギアレコード)』を習得しました。続いて現在の魔法と等配合ーーーーー成功しました。これより、異世界魔法のインストールを開始します』

 

願いを叶えてないのに、スキルを習得?

 

   デュアン「え……?」

とにかく、エマがミリアとシェリーのところに行ったから、オレも行かなきゃな・・・・

 

    ミリア「監視フクロウの目が届かない場所を探すんだよね。あっちの方はどうだろう?ほら、木が深く茂ってるから、結構死角が多そうだよ」

 

   デュアン「どうだろう……フクロウって……確か、首が大きく回る能力、優れた夜間視力、音を出さない静かな飛行能力、そして音を立体的に捉える聴覚を持つ能力だから……いくら隠れても、すぐに見つかると思うぞ……」

 

    ミリア「あっ……」

   デュアン「それと、佐伯さん……お前が中身がおっさんとか言ってごめんな……本当は、キミが本物の"佐伯ミリア"だということは知っていた……お前を庇うためにウソをついてごめん」

 

オレはミリアにしか聞こえない声で喋る。

 

    ミリア「えっ、あ……ううん、でも嬉しかったよ……本当におじさんの魂が私の身体に居ると分かると……安心、する」

 

   デュアン「……そうか」

オレは、頷くことしかできない。彼女は彼女なりの気持ちがあるということだ・・・。

 

 

    シェリー「……どう思います?ミリアさんのこと」

シェリーがエマの隣に並び、こそりと耳打ちした。

 

     エマ「えっ、ミリアちゃん?」

    シェリー「黒幕かもしれないって思います?」

     エマ「ぜんぜんそんな風には見えないけど……」

    シェリー「でも、中身がおじさんなの、内緒にしてましたよね。怪しいと思うんですけど」

 

   デュアン「ん?」

エマとシェリーがこそこそ話をしている・・・おそらく、ミリアを疑っていると考えるのが妥当だろう。

 

    ミリア「あっ、あそこなら良いかもしれない」

   デュアン「あそこって……あの茂みのことか?」

   シェリー「ミリアさん」

    ミリア「ん?なんだい?」 

   シェリー「あなたはどうして、ミリアさんと入れ替わったんですか?」

 

そういや、ミリアの魔法は入れ替わり。ミリアの魔法の条件が触れることだけなら、逃げ出すという選択肢が取れるが、ちゃんともとに戻っている。だから、条件型が触れることではなく、もっと別なことの理由がする・・・

 

    ミリア「ーーーー!」

   デュアン「橘シェリー……お前は少し、オブラートを包むことを覚えたほうが良いぞ」

 

   シェリー「気になって仕方ないんですよぉ。教えて下さい!なんで女の子の体を奪ったんですか?」

 

・・・奪った?いや、現に佐伯さんは本当の肉体に戻っている。魂と肉体が一致している。だけど、肉体には何度も入れ替わりの痕跡が存在する。一回目は、ミリア以外の女子学生、二回目は元に戻っている。三回目がおっさんの魂。だけど履歴を見ると数日しかない。それで四回目が佐伯ミリア、本人の魂。奪ったのではなく、相互の同意を得た?つまり、入れ替わりは、契約条件型で互いに同意を得て入れ替わった?

 

ミリアの魔法だけが、一番平和な気がする。

 

    ミリア「……それは、まあ、色々あって……あんまり言いたくないかな~……あはは~……」

 

   デュアン「…………」

シェリー「デュアンさんは分かるんですよね?ミリアさんのことを……」

 

   デュアン「佐伯さんの魔法の条件発動は分かった……だけど、"彼女"は黒幕じゃない……それに、オレは既に黒幕の正体も、黒幕は別の目的があることを知っている……」

 

    エマ「べ、別の目的……?」

   デュアン「これは黒幕本人から聞いたことだが……今は話すべきことじゃないな……」

 

    ミリア「そ、そんなことより、ほら、脱獄の計画を進めようよ!」

 

   デュアン「そうだな……」

    ミリア「おじさんはりきっちゃうよ~!あっ、ほら、あっちに行ってみよ~っと!」

 

佐伯さんは逃げるように走っていった。

 

シェリーとエマは目を見合わせる。

 

   シェリー「怪しいですよねぇ」

    エマ「否定できない、かも」

   デュアン「……」

 

~~~~~~~~~~

 

エマたちが若干距離をあけつつ、佐伯さんの後をついていくと、湖方面に出た。

 

湖畔には、アリサが佇んでいた。

 

    エマ「アリサちゃん!ちょうど良かった、探してたんだ!」

エマは顔を綻ばせ、紫藤さんの方へと駆け寄る。

 

   アリサ「ああん?」

紫藤さんにぎろりと睨まれ、足がすくんだエマは立ち止まった。

 

  デュアン「(エマって、紫藤さんと和やかに話し合ったことなかったよな……)」

 

   アリサ「ウチはおめえらに用はねえ。こっち来んな。特にハエ女とおっさん。不快なんだよおめえら」

 

シェリーとミリアはがっくりと肩を落とす。

 

   ミリア「そんなに嫌わなくても……」

  シェリー「ハエじゃなく妖精さんがいいです……」

  デュアン「どうでもいいんだよ!ったく」

慰めるように寄り合う2人を横目に、エマは紫藤さんへと一歩近づく。

 

    エマ「アリサちゃんに、力を貸してほしいんだ。ボクらの脱獄計画には、アリサちゃんが必要なんだ」

 

紫藤さんが必要・・・、っ・・・エマまさか・・・気球で逃げるつもりとか言うんじゃないだろうな

 

   アリサ「ウチが必要……?」

  シェリー「ですです!エマさんが思いついたんです!【気球】を作ろうって!」

 

やっぱりぃぃーー!!熱気球を現地調達なんて無理に決まってるだろ。

 

ん?「異世界魔術書庫(アカシックマギアレコード)」のスキルのインストールが45%か。一体どんな魔法が覚えるだろうか・・・

 

 

   エマ「マーゴちゃんたちが布を調達してきて、ハンナちゃんたちが裁縫してくれてる」

 

  シェリー「我々は気球を飛ばす場所を探してます!」

   ミリア「見つかったらおしまいだからね……塀の近くで、かつ目立たないところじゃないと」

 

    エマ「うん。そうやってみんなで力を合わせて気球作りをしてるんだ……ただ、問題は燃料で……アリサちゃんの魔法、【発火】なら、気球を浮かせることができるんじゃないかって」

 

 

   アリサ「ウチが必要……」

マスクが覆われていて分かりにくいが、若干アリサの頬が染まっている。

 

  デュアン「(というか、気球って威力調節が必要だろう……そこのところをどうするんだ?)」

 

   アリサ「ウチが必要……」

かけられた言葉を、しみじみと噛み締めているように見える。

 

   シェリー「あっさり落ちそうですね。だいぶチョロい気がします、彼女」

 

  デュアン「……(将来が大変な目に遭いそうで怖いわ……結婚詐欺とか)」

 

    エマ「……アリサちゃんがボクたちには必要なんだ!アリサちゃんじゃなきゃダメなんだよ!」

 

そうだな。気球を飛ばすのにはアリサが必要だよな。

 

なんか、アリサの性格の荒さが分かってきたような・・・

 

   アリサ「……ウ、ウチじゃなきゃ、ダメ……!?」

 

あ~見てられない。俺はミリアの近くに寄る。

 

    エマ「そう。アリサちゃんにしかできないんだよ。みんなアリサちゃんのことを待ってる」

 

   デュアン「……酷い、言っていることは何も間違ってないのに……さっきから聞くと、アリサに結婚詐欺をしているエマに見えてくる……不思議だ」

 

    ミリア「そ、それ……間違っても……アリサちゃんには絶対に言わないほうが良いよ」

 

   デュアン「分かってる……んだけど……う~ん」

俺は考える・・・

 

    アリサ「ウ、ウチを待ってる……!?」

エマはもう一度彼女との距離を詰めた。

 

     エマ「お願いアリサちゃん!」

   デュアン「ぐっ!?」

 

ーーーーー『エマはこんな子じゃない!』

ノイズと共に、発言するこの声は・・・誰だ?

 

    ミリア「だ、大丈夫?」

   デュアン「あ、あぁ……少し頭痛がしただけだ……」

本当は物凄く痛いけど・・・

 

ん?アリさが一歩下がってしまったな。なんか、見えない壁でもあるかのように。

 

   シェリー「あれれ……」

    アリサ「……ふ、ふぅん……それでウチを探してたってワケか」

     エマ「う、うん。うまくいったら、みんなでここを出られる……アリサちゃんの力を貸してほしいんだよ」

 

アリサは、気まずそうに背中を向けてしまった・・・

 

    アリサ「ーーーやめときな……ウチなんかに頼ったら失敗する」

ん?今の発言・・・なにかおかしいぞ?

 

   デュアン「……?」

    アリサ「ウチには無理だ。悪いな……」

アリサはその場を立ち去るため、エマの横をすり抜けていく。

 

     エマ「そんな、アリサちゃん……!話を聞いてーーーー」

俺は殺気の視線を感じ取り、俺は持っていた小石を視線に向かって投げる。だが、一歩遅かったのか。空気を裂く銃声が轟いた次の瞬間、ミリアの足元に銃弾が刺さっていった。

 

パン、パンパンッと続け様に銃弾が撃たれてくる

 

    ミリア「ぎょええええええぇ!!」

   デュアン「叫び方それでいいのか?」

もはや乙女の要素を失っった汚い悲鳴でミリアが逃げ惑う。

 

   デュアン「お、おい……一人で逃げるのは危険だぞ!」

    ミリア「撃たれた!!撃たれたああああ!!死ぬううううぅ!」

   デュアン「大丈夫だ……とにかく、木の陰に隠れてろ」

     エマ「ナノカちゃん!?」

   デュアン「銃を持っているのは彼女しか居ないからな……」

俺は周囲を見るが、やはり居ない。500m以上は離れてると理解したほうがいいか。

 

     エマ「ナノカちゃんやめるんだ!!」

    アリサ「チッ……看守が来てるぞ……!」

銃声を聞きつけたのか、遠くから看守が近付いてきている。

 

看守は鎌を揚げて、猛スピードだ

    

     エマ「マズい、逃げなきゃ……!」

    ミリア「あ、あうあうあう、おじさん、腰抜けちゃって……」

   デュアン「俺が背負ってやる……全員、逃げるぞ……」

    ミリア「え?ひええええええっ!?」

俺は、軽々とミリアを持ち上げ、背負いながら颯爽と走り出した。

 

   デュアン「……舌を噛むなよ……」

本当は別の用途で使いたかったが・・・

 

   デュアン「シェリー……これを逃げた方向とは逆方向で上空に向かって投げてくれ……できれば遠くまで」

 

俺は、携帯電話よりも小さいものをシェリーに投げ渡す。

 

   シェリー「わっかっりました!!!」

ぶんっと俺が渡した物は、もうここからだと小さく見えていく

    

   デュアン「……こうするんだよ」

俺は別のスマホを使い、0710-5103-9696*04と入力し、発信した。

 

すると、俺がシェリーに渡した物は爆発して粉々に降り注ぐ

 

   シェリー「な、なんですか今の!!」

   デュアン「超小型用の爆弾だ……悪いが説明してる暇は無い。看守が戻る前に急ぐぞ……ミリア、しっかりしがみつけよ!」

 

俺は、思いっきり走る。

 

    ミリア「怖い怖い、怖いって~!」

   デュアン「しっかり掴まってろよ~!」

   シェリー「いやぁ~彼、すごい早いですね」

     エマ「あはは……確か、1500mで40秒切ってたような」

   シェリー「ええ!?」

ミリアが思い切り俺の肩にしがみつくと、俺は更に速度を上げて走る。

 

    ミリア「うわああっ~!!!」

悲鳴に続くように、アリサとエマも牢屋敷の方へと走る

 

   デュアン「……ぁぐぅ!」

俺は頭を抑えて痛みを堪えるが、あまりにも痛さに走って誤魔化す。

 

 

ーーーーー『異世界魔術書庫(アカシックマギアレコード)」のスキルのインストールが99%完了。これよりインストールを開始します』

 

ーーー『インストール中は激しい頭痛とインストールするスキルの情報が直接脳に流れ込むため、吐き気、嘔吐の症状が出ます』

 

   

   デュアン「っくそ……」

 

 

~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

デュアンのヒロイン候補は誰?

  • 桜羽エマ
  • 二階堂ヒロ
  • 紫藤アリサ
  • 橘シェリー
  • 氷上メルル
  • 月代ユキ
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