転生者が魔法少女ノ魔女裁判の世界へ転生(仮)   作:ミュウにゃん

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Ep28 惨劇

 

 

~~~~~~

 

翌日は、ゆっくりと時間が流れていた。

 

さすがに気落ちが大きいんだろうな・・・

皆が、それぞれの監房にこもりがちだった。

 

   デュアン「…………」

ゴクチョーの通知。あれはおかしい。明らかに。

 

此処へ来てから脱獄したアリサが掴まった時は、すぐに通知が来た。

 

 

魔女図鑑ではっきりと書かれている。

 

・自由時間外に監房外で"発見"された場合、"即座"に懲罰房へ移送される。と。

 

ミリアが仮に自由時間外に行動したとしても、その場で懲罰行きだ。たとえ、ミリアが気球を壊す理由がない。此処に残りたいと言っていたが、気球に乗らなければいいことだ。

 

それに一番怪しいのは、黒部ナノカ。アイツは一体どこで何をしているのか・・・。

 

気球を壊したのが、黒部ナノカならば・・・ミリアが作ったと勘違いして、破壊した。これで説明がつく。

 

ゴクチョーや看守にバレた。だが、壊す理由にはならない。よって破壊する動機が無い。

 

最後に大魔女。目的は、全員を此処に収監させること。なら、破壊する理由は生まれる。

 

黒幕のメルルは、破壊する理由はなさそうだ・・・大魔女が命令したのなら、話は別だ。

 

    エマ「やっぱりミリアちゃんの様子を見に行ったほうがいいのかな」

 

   デュアン「さあ?それはエマ次第だと思うが……」

    エマ「それとも明日出てきてから、話を聞いたほうが良いのかな」

 

   デュアン「優柔不断なヤツめ……お前が決めろよ」

    エマ「う、うん……あ!間違ってミリアちゃんに電話しちゃった」

   デュアン「ちょうどいいじゃん……」

    エマ「そうかな…………」

数コール後には、電話が繋がった

 

    エマ「え!?ミ、ミリアちゃん!?」

なんで、電話かけたほうが驚くんだよ

 

  ゴクチョー『ーーーああ、桜羽エマさんですか』

    エマ「ゴクチョー!?え、なんで!?」

  ゴクチョー『なんでって……いえね、ちょうど懲罰房の囚人の様子を見に来まして』

 

   デュアン「……」

  ゴクチョー『そしたら、スマホの着信があったので、代わりに取ったまでですよ』

 

    エマ「ミリアちゃんは!?ミリアちゃんは無事なの!?」

  ゴクチョー『元気ですよ。やれやれ……何度も問題を起こされると、私の仕事が増えるので勘弁してほしいです……いずれ見せしめも必要かもしれませんね。それでは』

 

ぶつりと通話が切れる。

 

   デュアン「(みせしめ?)」

エマは呆然とスマホを見下ろしていた。

 

~~~~~~~~~~

 

どこかよそよそしい空気が囚人たちの間漂い、まともな会話もないままーーー夜になった。

 

脱獄計画をはじめてからの日々で、少女たちの心の距離は縮まっていったはずだった。

 

その空気は、すっかり失われている。

 

   エマ「(ミリアちゃんの存在は、やっぱり大きかったんだ。あの時は強がったけど、また一致団結して脱獄を目指すことなんてできるのかな……)」

 

弱気になって落ち込んでいるののを見透かされたのか、夕食後、エマはシェリーに誘われてシャワーを浴びた。

 

少しさっぱりとした気分となって、2人で静かな通路を歩く。

 

    エマ「……ミリアちゃん、何か理由があったと思うんだ」

エマは自分の考えを、ぽつりと呟く。

 

  シェリー「気球を破壊した理由ですか?」

    エマ「うん。黒幕とかじゃなくて、何か気球を破壊しなきゃいけない事情があったんじゃないかって……」

 

  デュアン「……どんな事情だよ」

    エマ「わぁ!?でゅ、デュアン君……何時から居たの?」

  シェリー「わりと最初から居ましたね……少なくても、シャワーの後辺りから」

 

  デュアン「それより、破壊しなきゃいけない事情だよ」

  シェリー「うーん、なんなんでしょうね?夜に徘徊してまで皆の計画を台無しにする理由……」

 

  デュアン「(そう……そこがターニングポイント)」

今回の分岐点は、壊した理由と壊さなきゃいけない理由だ。

 

  シェリー「牢屋敷側の人間じゃないと、そんなことしないと思いますけど……デュアンさんは、ミリアさんが黒幕じゃないと言ってますし……、う~ん……脅迫されてやった、っていうパターンも考えられますけど……」

 

  デュアン「うん?……、……」

今何かが引っかかったぞ・・・

 

  シェリー「どうかしましたか?」

    エマ「何か分かったの?」

  デュアン「なあ、例えばの話だ……エマ、裸踊りをしろ……と言われたらどうする?」

    エマ「は、裸踊り!?」

  シェリー「最低ですよ、デュアンさん」

  デュアン「例えばっつー話だ!含みを持たすな」

    エマ「それは嫌だよ……裸踊りなんて、恥ずかしいじゃん」

  デュアン「だよな……それじゃあ、裸踊りをしなければ……友達の命が無いと言われたら?」

 

    エマ「え?それは……しちゃうかもしれない」

  デュアン「ふむ……、……」

  シェリー「あのー……本当に、裸踊りを強要しようとしてないですよね?」

 

  デュアン「違うって言ってんだろ!話を戻そう……っ!」

背後から駆け寄ってくる音が聞こえる。

エマとシェリーも振り返る。

 

   ハンナ「エマさん……ッ、シェリーさん……ッ、デュアンさん……ッ」

 

    エマ「ハンナちゃん、どうーーーー」

問いかけの途中でエマは言葉を失う

 

ハンナは泣いていた。

 

  デュアン「何があった、ハンナ!」

   ハンナ「す、すぐに来てくださいまし……!」

  デュアン「!」

俺は視界の端の砂時計を凝視し、確認を取ると

 

【桜羽エマ 魔女発生イベント 残り?日】

【デュアン 死亡フラグ発生 残り75日以内】

【魔法少女全滅フラグ発生 残り?日】

【大魔女の野望完遂 残り?日】

【世界崩壊ルート 残り?日】

 

ミリアの死亡フラグが消滅している・・・まさか?

 

俺は急いで、走り出す。

 

~~~~~~~~

 

ハンナに先導されて、エマたちがたどり着いたのは、地下にある、懲罰房の並ぶ通路だった。

 

そこには既にメルル、ココ、アンアンがいる。

3人は寄り添って、さめざめと泣いていた。

 

主に同様が激しいココとアンアンを、メルルが撫でて介抱している。

 

   メルル「ああ、エマさん、デュアンさん……」

  デュアン「一体何があった……」

   メルル「中でミリアさんが……」

  デュアン「!」

    ココ「おっさんが刺されている!でも扉が開かなくて!まだ生きてるかもしんないだよ!?その部屋開けてよ、ねえ!」

 

ミリアが死んだ?つまり、俺が視たカウントダウンはなんだったんだ?

 

    エマ「ミリアちゃんが、刺されている……?そんな、なんで……」

 

   シェリー「エマさん、デュアンさん」

さすがに青ざめているシェリーが、エマの手をぎゅっと握っている。

 

覗き窓をみたエマが・・・

 

    エマ「ぐっ……」

エマは咄嗟にこみ上げた吐き気を堪える。そこでシェリーの手が離れた。

 

   デュアン「……っ!?」

俺も覗き窓を覗くと・・・ミリアからおびただしい血液が流れているーーーーあまりに凄惨な状態だった。明らかに死んでいる。

 

俺の魔法じゃ、蘇生が出来ない。

 

   シェリー「少し下がっていてくださいエマさん」

   デュアン「んじゃ、俺も便乗して……」

ヨグソトースのこぶしを纏う。

 

エマが一歩下がったのを確認してから、懲罰房の前に下がっていた錠前をーーー

 

   シェリー「デュアンさん、いちにの……で合わせますよ」

   デュアン「了解……いち……に……の」

   シェリー「あああっ!」

   デュアン「でりゃ!!」

シェリーは怪力の魔法で錠前を素手で引きちぎり、俺はヨグソトースのこぶしでドアをふっとばした。

 

   デュアン「こ、これは……」

どういうことだ?この状況。まず自殺はあり得ない。殺人も不可能。いや、殺人ができるのは看守のみ。だが、看守がこんな手の込んだ殺しをするか?いやあり得ない。看守が殺害をする時、首を吹っ飛ばす。二階堂ヒロみたいに・・・。とりあいず状況を見よう。

 

被害者の名前は佐伯ミリア。被害状況は、磔刑台に拘束されたまま、滅多刺しにされたのか胸から腹部にかけて大量の血が出ている。

 

ノアの魔法によって、赤である血が全て蝶となってーーー

まるで磔刑台の少女の神聖な死を彩るように、緩徐の周辺を舞っている。

 

  シェリー「ノアさんの魔法、まだ残ってるんですね」

  デュアン「牢屋敷の中で……そういう風に見せる為に呪いを掛けたんだろう……」

 

  アンアン「ミリアは……本当に刺されているのか?」

  デュアン「……」

  アンアン「あいつは映画が好きだった……特殊メイク、ではないのか?確認したほうがいい」

 

  デュアン「いいや、間違いなく……死んでいるよ」

俺は、首筋に手を当てるが、脈が動いていない。

 

  デュアン「呼吸も止まっている……死因は、出血性ショック死……致命傷は胸による刺殺だな……」

 

エマたちは必死で吐き気を堪えながら、一度外へ出る。

 

   デュアン「……、……」

俺はミリアの開いた目を閉じさせ、一度外へ出る。

 

    エマ「ミリアちゃん……なんで……」

  アンアン「……ミリアのスマホが落ちていた」

アンアンがミリアの端末を差し出してきて、エマはそれを受け取った。

 

・・・スマホが落ちていた?今の発言、おかしいぞ。スマホはゴクチョーが最後に持っていて、何処かに置くはずだ。

 

エマは涙が溢れて止まらなくなった。

少女たちの悲痛な嗚咽や慟哭が、地下通路に響く。

 

俺は、悲しい気持ちがあっても涙は流さない。いいや悲しい気持ちよりも、俺の中にあるのは憤怒の感情だ。磔にして殺すなんて・・・残酷な殺し方をするなんて・・・・

 

そして、タイミングを見計らったように、スマホ通知音が鳴った。

 

『はぁ……報せが入りました。痛ましい殺人事件が発生したようですね。既に外出禁止時間ですが、緊急事態なので特別措置とします』

『皆さん今すぐラウンジに集合してください。従わなければ看守が連行しちゃうので』

 

ゴクチョーのメッセージどおり、看守が通路に現れている。

 

この後に起きる出来事を想像してか、エマたちは力なく歩き出した。

 

~~~~~~~~~~

 

 

デュアンのヒロイン候補は誰?

  • 桜羽エマ
  • 二階堂ヒロ
  • 紫藤アリサ
  • 橘シェリー
  • 氷上メルル
  • 月代ユキ
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