転生者が魔法少女ノ魔女裁判の世界へ転生(仮) 作:ミュウにゃん
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翌日は、ゆっくりと時間が流れていた。
さすがに気落ちが大きいんだろうな・・・
皆が、それぞれの監房にこもりがちだった。
デュアン「…………」
ゴクチョーの通知。あれはおかしい。明らかに。
此処へ来てから脱獄したアリサが掴まった時は、すぐに通知が来た。
魔女図鑑ではっきりと書かれている。
・自由時間外に監房外で"発見"された場合、"即座"に懲罰房へ移送される。と。
ミリアが仮に自由時間外に行動したとしても、その場で懲罰行きだ。たとえ、ミリアが気球を壊す理由がない。此処に残りたいと言っていたが、気球に乗らなければいいことだ。
それに一番怪しいのは、黒部ナノカ。アイツは一体どこで何をしているのか・・・。
気球を壊したのが、黒部ナノカならば・・・ミリアが作ったと勘違いして、破壊した。これで説明がつく。
ゴクチョーや看守にバレた。だが、壊す理由にはならない。よって破壊する動機が無い。
最後に大魔女。目的は、全員を此処に収監させること。なら、破壊する理由は生まれる。
黒幕のメルルは、破壊する理由はなさそうだ・・・大魔女が命令したのなら、話は別だ。
エマ「やっぱりミリアちゃんの様子を見に行ったほうがいいのかな」
デュアン「さあ?それはエマ次第だと思うが……」
エマ「それとも明日出てきてから、話を聞いたほうが良いのかな」
デュアン「優柔不断なヤツめ……お前が決めろよ」
エマ「う、うん……あ!間違ってミリアちゃんに電話しちゃった」
デュアン「ちょうどいいじゃん……」
エマ「そうかな…………」
数コール後には、電話が繋がった
エマ「え!?ミ、ミリアちゃん!?」
なんで、電話かけたほうが驚くんだよ
ゴクチョー『ーーーああ、桜羽エマさんですか』
エマ「ゴクチョー!?え、なんで!?」
ゴクチョー『なんでって……いえね、ちょうど懲罰房の囚人の様子を見に来まして』
デュアン「……」
ゴクチョー『そしたら、スマホの着信があったので、代わりに取ったまでですよ』
エマ「ミリアちゃんは!?ミリアちゃんは無事なの!?」
ゴクチョー『元気ですよ。やれやれ……何度も問題を起こされると、私の仕事が増えるので勘弁してほしいです……いずれ見せしめも必要かもしれませんね。それでは』
ぶつりと通話が切れる。
デュアン「(みせしめ?)」
エマは呆然とスマホを見下ろしていた。
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どこかよそよそしい空気が囚人たちの間漂い、まともな会話もないままーーー夜になった。
脱獄計画をはじめてからの日々で、少女たちの心の距離は縮まっていったはずだった。
その空気は、すっかり失われている。
エマ「(ミリアちゃんの存在は、やっぱり大きかったんだ。あの時は強がったけど、また一致団結して脱獄を目指すことなんてできるのかな……)」
弱気になって落ち込んでいるののを見透かされたのか、夕食後、エマはシェリーに誘われてシャワーを浴びた。
少しさっぱりとした気分となって、2人で静かな通路を歩く。
エマ「……ミリアちゃん、何か理由があったと思うんだ」
エマは自分の考えを、ぽつりと呟く。
シェリー「気球を破壊した理由ですか?」
エマ「うん。黒幕とかじゃなくて、何か気球を破壊しなきゃいけない事情があったんじゃないかって……」
デュアン「……どんな事情だよ」
エマ「わぁ!?でゅ、デュアン君……何時から居たの?」
シェリー「わりと最初から居ましたね……少なくても、シャワーの後辺りから」
デュアン「それより、破壊しなきゃいけない事情だよ」
シェリー「うーん、なんなんでしょうね?夜に徘徊してまで皆の計画を台無しにする理由……」
デュアン「(そう……そこがターニングポイント)」
今回の分岐点は、壊した理由と壊さなきゃいけない理由だ。
シェリー「牢屋敷側の人間じゃないと、そんなことしないと思いますけど……デュアンさんは、ミリアさんが黒幕じゃないと言ってますし……、う~ん……脅迫されてやった、っていうパターンも考えられますけど……」
デュアン「うん?……、……」
今何かが引っかかったぞ・・・
シェリー「どうかしましたか?」
エマ「何か分かったの?」
デュアン「なあ、例えばの話だ……エマ、裸踊りをしろ……と言われたらどうする?」
エマ「は、裸踊り!?」
シェリー「最低ですよ、デュアンさん」
デュアン「例えばっつー話だ!含みを持たすな」
エマ「それは嫌だよ……裸踊りなんて、恥ずかしいじゃん」
デュアン「だよな……それじゃあ、裸踊りをしなければ……友達の命が無いと言われたら?」
エマ「え?それは……しちゃうかもしれない」
デュアン「ふむ……、……」
シェリー「あのー……本当に、裸踊りを強要しようとしてないですよね?」
デュアン「違うって言ってんだろ!話を戻そう……っ!」
背後から駆け寄ってくる音が聞こえる。
エマとシェリーも振り返る。
ハンナ「エマさん……ッ、シェリーさん……ッ、デュアンさん……ッ」
エマ「ハンナちゃん、どうーーーー」
問いかけの途中でエマは言葉を失う
ハンナは泣いていた。
デュアン「何があった、ハンナ!」
ハンナ「す、すぐに来てくださいまし……!」
デュアン「!」
俺は視界の端の砂時計を凝視し、確認を取ると
【桜羽エマ 魔女発生イベント 残り?日】
【デュアン 死亡フラグ発生 残り75日以内】
【魔法少女全滅フラグ発生 残り?日】
【大魔女の野望完遂 残り?日】
【世界崩壊ルート 残り?日】
ミリアの死亡フラグが消滅している・・・まさか?
俺は急いで、走り出す。
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ハンナに先導されて、エマたちがたどり着いたのは、地下にある、懲罰房の並ぶ通路だった。
そこには既にメルル、ココ、アンアンがいる。
3人は寄り添って、さめざめと泣いていた。
主に同様が激しいココとアンアンを、メルルが撫でて介抱している。
メルル「ああ、エマさん、デュアンさん……」
デュアン「一体何があった……」
メルル「中でミリアさんが……」
デュアン「!」
ココ「おっさんが刺されている!でも扉が開かなくて!まだ生きてるかもしんないだよ!?その部屋開けてよ、ねえ!」
ミリアが死んだ?つまり、俺が視たカウントダウンはなんだったんだ?
エマ「ミリアちゃんが、刺されている……?そんな、なんで……」
シェリー「エマさん、デュアンさん」
さすがに青ざめているシェリーが、エマの手をぎゅっと握っている。
覗き窓をみたエマが・・・
エマ「ぐっ……」
エマは咄嗟にこみ上げた吐き気を堪える。そこでシェリーの手が離れた。
デュアン「……っ!?」
俺も覗き窓を覗くと・・・ミリアからおびただしい血液が流れているーーーーあまりに凄惨な状態だった。明らかに死んでいる。
俺の魔法じゃ、蘇生が出来ない。
シェリー「少し下がっていてくださいエマさん」
デュアン「んじゃ、俺も便乗して……」
ヨグソトースのこぶしを纏う。
エマが一歩下がったのを確認してから、懲罰房の前に下がっていた錠前をーーー
シェリー「デュアンさん、いちにの……で合わせますよ」
デュアン「了解……いち……に……の」
シェリー「あああっ!」
デュアン「でりゃ!!」
シェリーは怪力の魔法で錠前を素手で引きちぎり、俺はヨグソトースのこぶしでドアをふっとばした。
デュアン「こ、これは……」
どういうことだ?この状況。まず自殺はあり得ない。殺人も不可能。いや、殺人ができるのは看守のみ。だが、看守がこんな手の込んだ殺しをするか?いやあり得ない。看守が殺害をする時、首を吹っ飛ばす。二階堂ヒロみたいに・・・。とりあいず状況を見よう。
被害者の名前は佐伯ミリア。被害状況は、磔刑台に拘束されたまま、滅多刺しにされたのか胸から腹部にかけて大量の血が出ている。
ノアの魔法によって、赤である血が全て蝶となってーーー
まるで磔刑台の少女の神聖な死を彩るように、緩徐の周辺を舞っている。
シェリー「ノアさんの魔法、まだ残ってるんですね」
デュアン「牢屋敷の中で……そういう風に見せる為に呪いを掛けたんだろう……」
アンアン「ミリアは……本当に刺されているのか?」
デュアン「……」
アンアン「あいつは映画が好きだった……特殊メイク、ではないのか?確認したほうがいい」
デュアン「いいや、間違いなく……死んでいるよ」
俺は、首筋に手を当てるが、脈が動いていない。
デュアン「呼吸も止まっている……死因は、出血性ショック死……致命傷は胸による刺殺だな……」
エマたちは必死で吐き気を堪えながら、一度外へ出る。
デュアン「……、……」
俺はミリアの開いた目を閉じさせ、一度外へ出る。
エマ「ミリアちゃん……なんで……」
アンアン「……ミリアのスマホが落ちていた」
アンアンがミリアの端末を差し出してきて、エマはそれを受け取った。
・・・スマホが落ちていた?今の発言、おかしいぞ。スマホはゴクチョーが最後に持っていて、何処かに置くはずだ。
エマは涙が溢れて止まらなくなった。
少女たちの悲痛な嗚咽や慟哭が、地下通路に響く。
俺は、悲しい気持ちがあっても涙は流さない。いいや悲しい気持ちよりも、俺の中にあるのは憤怒の感情だ。磔にして殺すなんて・・・残酷な殺し方をするなんて・・・・
そして、タイミングを見計らったように、スマホ通知音が鳴った。
『はぁ……報せが入りました。痛ましい殺人事件が発生したようですね。既に外出禁止時間ですが、緊急事態なので特別措置とします』
『皆さん今すぐラウンジに集合してください。従わなければ看守が連行しちゃうので』
ゴクチョーのメッセージどおり、看守が通路に現れている。
この後に起きる出来事を想像してか、エマたちは力なく歩き出した。
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デュアンのヒロイン候補は誰?
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桜羽エマ
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二階堂ヒロ
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紫藤アリサ
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橘シェリー
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氷上メルル
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月代ユキ