鹿神神社でのへんてこ初詣の後、それぞれの家族と正月三が日を過ごしたシカ部一同。それが終わってからの1月4日にて、一同はハジメの家に集まっていた。
一応シカ部の活動をするのだが、内容的に部室でやるのはどうかということでハジメから提案が出たのである。
「シカ部諸君、ようこそ南雲家へ! ハジメから君達のことは聞いてるぞ、歓迎しよう!!」
「美少女いっぱい! ついでにお邪魔キャラっぽい悪そうなお友達が一人…これは息子がハーレムラブコメの主人公にでもなったのかしら!?」
やたらとテンションの高いハジメの両親、愁と菫がシカ部一同を歓迎する。あまりのテンションの高さに、呆気に取られるシカ部一同であった。その一方で、ハジメは疲れた表情をしている。
「こ、これが南雲の親か…」
「なんというか、先輩とあまり似てないわね。テンションの高さとか」
「のつ! 初めましてなぐもんのパパさんママさん、鹿乃子のこです。のこたんって呼んでね!」
驚愕する檜山と冷静に分析する餡子を他所に、のこたんはいつものテンションで自己紹介を済ませる。
「ようこそのこたん! いやぁ、ハジメから聞いてたけど本当にツノ生えてるんだねぇ」
「まさか異世界召喚されずに獣人系ヒロインと知り合うとは、お母さんびっくりよ。しかもシカってかなり変わり種」
「ノンノン、ママさん。私はシカの獣人じゃなくて、シカとヒトのハイブリッドだよ。そこはお間違えなきよう」
「ありゃ、失敬。獣人とハイブリッドを間違えるとは、まだオタク度が足りなかったみたいね」
ハジメの両親のテンションについていけるのこたんを見て、呆気に取られる香織であったが…
「鹿乃子先輩、あのテンションについていけるのは流石ですね…虎視先輩、どうしました? なんか目がキラキラしてますけど」
「///」ぱわわ~~~~~っ!
顔を赤くしつつ目を輝かせ、謎の擬音を発しながら菫を見つめるこしたんにすぐ気を取られてしまう。すると、こしたんから菫に挨拶が始まる。
「は、初めまして。シカ部の部長で虎視虎子と申します…」
「あら~、あなたがハジメがご執心な初恋のヤンキーさんなのね。元ヤン隠してるらしいけど、口は堅いから安心して」
「あ、それはどうも…それで、不躾なことをお聞きしますけど」
そしてこしたんの方から菫にある質問をする。虎視虎子王決定戦で餡子が回答したガチ考察、それが関係していたのだ。
「まさか、少女漫画家の南雲菫先生じゃ…実は、サイン会にも行ったことありまして、もしやと」
「あら。まさかこんなところにも読者が…なら、なおさら大事にしなきゃ」
「やっぱり!? あ、あの…握手してもらってもいいですか?」
「あ~。お姉ちゃん愛読の漫画の作者さんだったの…ドラマ化映画化もしてるし、かなり人気みたいね」
「は? おい虎視妹。映像化する程の人気漫画家が母親ってことは、まさか南雲って結構リッチだったりするのか??」
こしたんが菫に対して握手を求める横で聞いていた餡子が納得していると、檜山が気になって問いかけた。人気漫画家といえば、印税でぼろ儲けというイメージが強いためだ。
「家は一般家屋のそれだけど、映像化するほどヒットした漫画家ならそれなりに印税とか貰ってるんじゃないかしらね。無駄遣いしないのか、趣味につぎ込んでるのかは知らないけど」
「ウソだろ!?」
餡子の予想を聞いて驚愕する檜山。すると今度は、愁がシカ部の面々に突然問いかけてくる。
「ああ、そうだ。シカ部のみんな、テレビゲームとかってするかい?」
「へ? まあ、暇つぶし程度には…」
「私は家業の修業があって、やる時間もありませんね。特に興味も無いですし」
その問いかけに対してこしたんが代表して答えると、否定してきた恵里以外の全員が頷く。
「なるほど。恵里君はやる時間が無いうえに興味も無いと。じゃあ、あげても仕方ないか…というわけで他の部員君達に、布教も兼ねてウチの新作ソフトをプレゼントしよう!」
愁はそう言うと、懐から人数分のゲームソフトを取り出してシカ部の面々煮渡していく。それに対し、こしたんはある質問をぶつけると驚愕の答えが返ってきた。
「ウチの新作って…これ、南雲君のお父さんが作ったゲームソフトってことですか?」
「私がというより、私の会社だね。面白かったら、ぜひ他のソフトもプレイしてくれたまえ」
「はぁあああああああああ!?」
その答えを聞いた檜山が絶叫する。
「わぉ! なぐもんのパパさん、ゲーム会社の社長さんだったんだ!!」
「…先輩って所謂、社長令息ってやつかしら? 流石に予想外で、たまげたわね」
「南雲が社長令息……だと!?」
純粋に驚くのこたんと餡子を余所に、腰を抜かすほどに驚愕する檜山。入学当初からクラスのマドンナである香織が惹かれるハジメ。その香織は眼中になく、元ヤンを隠す学校全体のマドンナのこしたんに夢中なハジメ。そしていずれにしても、キモオタだから恋愛は上手くいかないだろうと見下していたハジメ。そんな彼が社長令息だと聞かされたのだから、これは当然の反応だろう。
「申し訳ないが、自分で興味ないと言った恵里君にはあげられないな。それで渡しても、押し付けるみたいで逆に迷惑だろうし」
「気にしないでください。でも、もし後になって興味が出たなら買わせてもらっても?」
「ああ、その時は是非に試してほしいな」
そして愁と恵里の会話が終わった後、居間に集まったシカ部+餡子はテーブルを囲んでボードゲームを準備する。今回は正月最初の部活動として、部内での新春ボードゲーム大会をすることとなったのだ。しかし、先に座っていた檜山はというと…
「嘘だろ…南雲が売れっ子漫画家と社長の息子って…こんなキモオタが親ガチャ勝ち組だってのか……」
「檜山大介、思いのほかダメージ受けてるわね」
「私は中学でハジメ君と仲良くなってたから知ってたけど、まあ驚くよね」
見下していた同級生が一般家庭より金持ちだったことに、勝手に敗北感を抱いて打ちのめされていた。餡子と香織が、その姿を見て口々に感想を述べる。
しかし、すぐに立ち直ってゲームに向き合うのだった。
「くそ。だったら、俺がこのゲームに勝って南雲も虎視も泣かせてやる!!」
(みみっちいこと考えるな…小悪党根性は相変わらずってか?)
「まあ理由はともかく、ゲーム対決なら負けるつもりは無いよ」
一念発起する檜山の発言に、内心で呆気に取られるこしたんであった。その一方で、ハジメは意外とやる気満々である。
そしてシカ部一同による正月ボードゲーム大会が始まった。ゲームの内容は、双六とルーレットを掛け合わせた画期的なシステムで話題を呼んだあの人気シリーズ…
「シカ生ゲーム、尋常に勝負!!」
そう、シカ生ゲームである!
「勝負ねぇ……笑わせてくれるぜ」
しかし、ハジメの宣言を聞いた直後にこしたんが不敵な笑みを浮かべる。そして、他の部員達を見まわしてから告げた。
「お前らとは搔い潜ってきた死線の数がちげぇんだよ。こちとら毎日、
「あの、虎視先輩。これゲーム大会なのでそんな物騒なこと言わないで、純粋に楽しんだらどうですか?」
「犬養さん、たかがゲームでも私は一切手を抜かねぇんだわ。私に勝負を挑むのが、どういうことか教えてやるわよ」
日野の猛獣・こしたん参戦!!
しかし、それを聞いたハジメも珍しく好戦的な笑みを浮かべる。
「僕が先輩に出会う前の座右の銘は、"趣味の間に人生"でしたからね…故に、僕もゲーム対決なら先輩相手でも、遠慮なく勝ちに行かせてもらいます!」
(南雲のクセして、なんかプレッシャーがスゲェ…)
娯楽の大魔王・ハジメ参戦!!
今度はそれを聞いた餡子が、紅茶のカップを持ちながら不敵に笑う。
「お姉ちゃんも南雲先輩も威勢がいいわね。でも、勝負っていうからには、何か相応の物を賭けてくれるのよね?」
「あ、餡子ちゃん?」
「人生・命・貞操…ああ、ゾクゾクしてきた♡」
ブレーキぶっ壊れ暴走シスコン・餡子参戦!!
するとそれを聞いた香織が、溜息を吐きながら覚悟を決める。
「餡子ちゃんがまた暴走するんじゃないか、不安になってきた…猶更、私が勝利を取らないと!!(もしもの時は、武力行使も…手裏剣のストック、まだあったかな?)」
(白崎さんも大変だね)
シカ部最強のブレーキ役・香織参戦!!
そしてそれを聞いていたのこたんが、ツノからバナナを取り出しながら辺りを見回す。
「さっきから
現役シカ・のこたん参戦!!
最後に、のこたんの啖呵を聞いた檜山が下卑た笑みを浮かべながら辺りを見回す。
「ヒヒッ、むしろシカ畜生が人間様に勝とうってか? 俺がテメェ等をぶちのめして、圧倒的勝利を収めてやるよ!!」
(そして檜山君もみみっちい悪だくみしかしてないな…)
天下不滅の小悪党・檜山参戦!!
以上、六名がシカ生ゲームで戦いに臨むのであった。ちなみに、恵里はというと…
「じゃあ、私は南雲君のお母さんとお昼ご飯の準備してくるから、ごゆっくり。鹿神神社直伝のツノ汁雑煮、楽しみにしててね」
ということで、一人で台所へと向かうのであった。ちなみに、ルールブックには「年齢が若い順に駒を進める」と記載されており…
【餡子→ハジメ→香織→檜山→こしたん→のこたん】となるのだった。
※ここから先は、のこたん以外の全参加者にもツノが生えてるイメージでお楽しみください。
「それじゃあ、早速回させてもらうわね」
ということで、餡子がルーレットを回す。そして出た目は4だったので、早速マスを進める。
『飼育員さんと仲良くなり、シカせんべいを3枚貰う』
「あら、幸先良いわね」
「いいな~」
シカ生ゲームの通貨は、お金ではなくシカせんべいだ。なので、シカせんべいを一番多く持ってる人が優勝である。横で見ていたのこたんが、羨ましそうな目をしながら涎を垂らす。
「じゃあ、次は僕の番だ」
ということで、ハジメがルーレットを回す。出た目は8だ。
「どれどれ…お!」
『覚えた芸がお客さんに大うけし、お捻りとしてシカせんべいを100枚もらう』
「ハジメ君、すごい! なら、私も…」
ハジメの止まったマスの結果を見て、香織が感嘆の声を上げる。そして気合を入れた香織もルーレットを回す。
「4、餡子ちゃんと同じマスか…」
というわけで、餡子と同じマスに止まり、シカせんべいを3枚貰うのだった。そして次は檜山の番となった。
「どれどれ…9か。南雲より進んだな。よし、さっさとゴールしちまうぜ!」
勝ち誇った顔で檜山はどんどんマスを進めていくのだが…
「てめぇ、新入りだからって生意気じゃね?」
「ここを誰のシマだと思ってんだ?」
「タダでここに居られると思うなよ」
「はい?」
シカのツノを生やした男三人組に絡まれるヴィジョンが見えたため、困惑する檜山。ちなみに三人組のリーダーは、"ありふれた職業で世界最強"にて檜山退場後に登場する、バイアス・D・ヘルシャーとそっくりである。そして止まったマスの内容を読んでみると…
『動物園の先輩シカにいびられ、シカせんべいをたかられる。シカせんべいを30枚渡す』
「有り金全部よこしやがれ」
「なんか初手からシビアだぞ、おい!?」
おみくじの凶ツノが関係してるのか、いきなり大外れを引いてしまうのだった。そしてこの時点でまだシカせんべいを持ってなかった檜山はどうするのかというと…
「えっと、ルールブックによると…動物園からシカせんべいを借金して払うだってさ」
「これ
「檜山大介、草食動物といえど弱肉強食なのよ。理解した?」
ハジメが読み上げたルールに怒り心頭でツッコミを入れる檜山だったが、餡子からそんな冷ややかな返しが来てしまう。というわけで、次はこしたんがルーレットを回すのだが…
「7か。果たしてどうなるか?」
檜山がとんでもないドボンを引いたため、おっかなビックリでマスを進める。そして止まったマスを確認すると…
『動物園から抜け出してしまい、手違いで猟友会に撃たれてジビエにされてしまう。シカ生やりなおしのため、振出しに戻る。シカせんべいも0枚になる』
「なんか物騒なコマなんだけど!?」
というわけで、皿の上に座ったイメージの中で叫ぶこしたんは、シカせんべいの増減もないまま最初からやり直しとなるのだった。こしたんはこしたんで、大ツノを引いたのに幸先悪かった。
すると直後、のこたんが不敵に笑い始める。
「ヌッヌッヌッ…なぐもん以外、みんなわかってないね」
「「アア?」」
あからさまにバカにされたため、こしたんも檜山もガラの悪そうな反応を見せる。そんな二人に、のこたんがハジメを交えて理由を説明し始めた。
「先輩も檜山君も、折角だから教えてあげるよ。シカ生ゲームは早くゴールするよりも、シカせんべいの枚数を如何に増やすかが重要なんだよ…すなわち!」
「時間がかかってでも、シカせんべいがなるべく多く貰えるマスを狙っていくのが正解なのだ!!」
というわけでのこたんがルーレットで出した数字は6。早速進めてみると…
『動物園を脱走して住宅街に迷い込み…』
(鹿乃子先輩の出だし、虎視先輩と似てるけど果たして)
ハジメが警戒心を強めてマスの続きを見てみる。その様子を他の参加者たちも固唾をのんで見守った結果…
『気づいたら電線にぶら下がっていた。1回休み』
「ヌン…」
「「「既視感!!」」」
「なんだ、そのシチュエーション……」
何処かで見た状況でこしたん、ハジメ、香織の三人は声を揃えて叫ぶ。檜山も詳細を知らないながら、マスの内容を見て唖然としていた。
『さらにぶら下がってる間に犬猫に襲われ、持っているシカせんべいを全て失う』
「ジビエーン……」
「時として現実よりも厳しい…」
のこたんはまだ0枚なので異常は無いものの、1回休みと合わせて悲惨な結果だった。
これで全員の番が回ったので、再び餡子のターンとなった。ルーレットで出た目は3で、マスを進めると…
『好意を寄せていたシカが別のメスジカと交尾、ショックで寝込む。一回休み』
その文章と同時に、のこたんがこしたんを押し倒すヴィジョンが見えたのだ。
「あらあら」
「この絵面、悪意ない!?」
餡子は意外にあっさりしている一方、こしたん本人はこのイメージに不満が大きかった。
すると、直後にのこたんから衝撃の一言が飛び出す。
「私のバイト先でも、この間こういうことあったよ」
「えっマジ? 昼ドラじゃん」
「シカに昼ドラもクソもねぇだろ…いや、あのシカの知能だとあり得るのか?」
「自分が好きな相手が向こうもそうだと限らないってのは、動物の世界でも一緒ってことかぁ…なんか、生々しいな」
日野動物園のシカの恋愛事情に口々に感想を述べる一同。すると、餡子が自分の止まったマスについての話に戻す。
「それにしても、ショックで寝込むなんて愛が足りないんじゃないかしら」
「ん? 餡子ちゃんなら、どうするの?」
その餡子の意見に、香織が尋ねてみたところ…
「私なら休まず相手をムキムキしてペシペシしたのちに、フニフニして最終的にメムメムするけど」
「お姉ちゃん、聞かなかったことにしていい?」
標的であろうこしたんは、実妹の発言に戦慄しつつ返したのだった。
そしてハジメのターン。
「6か…えっと、なになに?」
『急な成長期到来! ルーレットを回して出た目の数だけツノが増える』
「いや、どこに増えるの!?」
ツッコミを入れつつも、取り合えずルーレットを回してみると…
「10って、最大値!? こんなタイミングで!!」
『お祝いに各プレイヤーから、ツノの本数分シカせんべいをもらう』
「いや、ありがたいけど!!」
「くそ、また借金かよ!!」
檜山がまた出費を重ねるため、悪態をつく。というわけで全員から10枚ずつシカせんべいを貰うことになったのだが、ハジメの姿は体中、それこそ肩や脇腹、背中などからツノが生えたイメージと化す。
「なんか、全身に矢を受けた人みたいになったんだけど…」
「先輩、シカせんべい」
「ハジメ君、私からも」
「これお祝いじゃなくて、お見舞いじゃない?」
シカせんべいを受け取りつつ、困惑しながらこの状況を語るハジメであった。
というわけで、次は香織のターン。
「また4…あ、ハジメ君が最初に止まったマスだ!」
『覚えた芸がお客さんに大うけし、シカせんべいを100枚もらう』
というわけで、香織も一気にシカせんべいを増やすことに成功したのだった。
そしてまた檜山のターン。
「3か。どれどれ…へ?」
『新しい芸を披露しようとしたら、怪我をしてしまう。一回休み』
「くそ、また不利になるマスかよ…」
というわけで、檜山はここまで今のところプラスになるマスに止まれずにいるのだった。
次は振出しに戻ってしまった、こしたんのターンに突入。
「9…って、確かこれって!?」
『動物園の先輩シカにいびられ、シカせんべいをたかられる。シカせんべいを30枚渡す』
「あんたちょっと若いからって、生意気じゃない?」
「ここを誰のシマだと思ってるの?」
「タダでここにいられると思わないことね」
「チクショー、2ターン続けてこれかよ!」
というわけでこしたんは檜山が最初に止まったマスに止まってしまい、シカせんべいを借金することになってしまった。ちなみにこしたんの見たヴィジョンの先輩シカ達は、檜山と一緒にこしたんに戦いを挑んだヤンキー女子たちにそっくりであった。
余談だが、次のターンでこしたんはハジメの止まった急成長マスに止まり、借金を返済することに成功する。
そしてのこたんのターン…
「ヌ~ン…」
一回休み
そしてしばらくゲームが続き、全員がとあるマスに止まったのだが…
「「「「「シカ生の選択?」」」」」
そこは分かれ道になっており、"激動のシカ生コース"と"安定のシカ生コース"の二つの道に分岐している。というわけでルールブックを確認することになるのだが…
「激動のシカ生コースは、動物園を出て独り立ち…世間の荒波に揉まれながらシカ生を送る…」
「で、安定のシカ生コースは動物園に残って…大きな転機も昇進もなく、代り映えの無い毎日を送る、だって」
「なんだ? 急に生々しくなったな…」
ハジメと香織が各コースの説明を読み上げるのを聞いて、顔を引きつらせながら感想を述べる檜山であった。直後、のこたんが激動のシカ生コースについての補足情報を読み上げた。
「激動は山・海・都会の3種類に進めるらしいよ」
「だったら、私は激動のシカ生コースで山を選ぼうかしら」
「へ、なんで?」
そしてそれを聞いた餡子はいきなりどのルートに進むか決めてしまう。こしたんが気になって理由を尋ねると…
「山を掌握して、山に住む全てのシカ達からショバ代としてシカせんべいを巻き上げようと思って」
「お前、私よりヤンキーの素質ない?」
中々に物騒な目的を告げる餡子に、思わずこしたんが感想を述べる。
「僕は堅実に、安定のシカ生コースで行こう。分岐までにシカせんべいも稼げたから、リスクを最小限にするのが最適解のはずだ」
「私も安定かな? ハジメ君ほど稼げてないけど、リスクは小さいに越したこと無いし」
先にプラスのマスに多く止まれたハジメと香織は、安全を優先して安定コースを選ぶ。しかしそれを聞いた檜山は、ハジメに対して見下したような目で見ながら自分の進むコースを告げる。
「南雲、日和ったみてぇだな。俺は激動のシカ生コースで、都会に行かせてもらうぜ」
「檜山と被るけど、私も都会で堅実にキャリアアップしていくか」
続けてこしたんも目的を決め、残るはのこたんのみとなった。
「遠くの国に私を求めている奴がいる気がする…ということで、海に行かせてもらうよ」
ということで、それぞれの進行ルートを決めてシカ生ゲームは後半戦へと進む。果たして、最後に勝つのは誰だ? 待て、次回!
檜山は個人的に、ようつべのスカッと系漫画みたいに「同級生や同僚に見下されてた主人公が実は勝ち組だった」的な展開の方が効きそうだと思ったので冒頭の展開を入れさせてもらいました。