p.s.光輝と絹ちゃんのカップリングのアンケート、次回の更新を締め切りにしようと思ってます。
その日、生徒会室にてシカ部撲滅会議が行われていた。
「さて。件のシカ部撲滅計画についてだけど、今日から私が私的に雇ったスパイにも参加してもらうから、二人も彼と進捗を共有しといて」
「どうも~。二年の檜山大介、シカ部に巻き込まれる形で所属する羽目になっちまったんで、この計画に参加させてもらいました。よろっしゃーす」
しかし、ネコちゃんと檜山に対し、絹から予想だにしない反応が返ってくる。
「え? 副会長、あれ本気だったんですか??」
絹からの返答に、一瞬頭がフリーズするネコちゃんと檜山。
「…絹、その反応なに?」
「言葉通り、私と千春は別にシカ部を撲滅しようとか思ってないんですけど…」
「……」コク
「「はぁ!?」」
絹の返答と、それに対して無言で頷く千春。それを聞いたネコちゃんと檜山は、声を揃えて驚いたのだった。当然、檜山もネコちゃんを問い詰める。
「おい、副会長! 虎視以外の生徒会メンバーって、計画の協力者じゃなかったのか!?」
「いや、私の方が聞きたいんだけど!? ちょっとあなた達、私の生徒会長就任に力を貸してくれる話じゃなかったの!?」
「それは副会長が勝手にそう思ってるだけです…」
「なんですってー!? 虎視虎子が失脚して私が会長になったら、あなたを副会長にして書記の席に檜山を就けるって約束でスパイやってもらってるのよ!?」
「私を副会長に!? そ、そそっそ、そんな恐れ多いこと、かっ勝手に提案しないで欲しいんですが……」
「……マジか。協力者選び、失敗したかもしれねぇ」
ネコちゃんと絹のやり取りを見て、撲滅計画がネコちゃんの独り相撲だったことを知ってしまった檜山。思わず、天を仰ぎながら己の行いを憂うのであった。そして、そんな面々を無言でじっと見つめる千春。
「ちょっといいかね」
そんな中、誰かが挙手して意見を述べようとしている。
「あら、何か報告があるの!? それじゃあ、あなたから是非お願い…」
それに対してネコちゃんが催促しようとするのだが……
「ヌン…」
「「………え????」」
なんと、挙手した人物はのこたんであった。それに気づいた猫ちゃんと檜山は、当然困惑。そして少しの沈黙の後…
「いや、なんであんたがいるのよ!?」
当然、ツッコミを入れるのだった。
「これはシカ部撲滅会議なの!! シカ部のあんたがいたら話しようがないでしょ!!!」
「おい、副会長! それ、シカ部に直接言っちまっていいのか!?」
「あ、しまった!?」
しかも勢い余って、シカ部撲滅会議のことまで明かしてしまう。檜山が慌てて指摘するも、時すでに遅し。
「シカ部撲滅会議? 今はそんなことを話し合っている場合ではない!!」
かと思いきや、のこたんが力のこもった声でそれを伝えてきた。なので、これについても檜山が至極当然なツッコミを入れる。
「いや、待ちやがれ! 俺が言うことじゃねぇが、自分の部活を潰そうとしてる敵を放っておいていいのか!?」
「なぜなら私は、世紀の大発見をした。敵なんぞよりも重大な案件なのだよ」
それに対して、のこたんからこんな返しがきたのだ。思わず、檜山もネコちゃんもこれについて質問してしまう。
「せ、世紀の大発見?」
「何を見つけたってんだ?」
「これを見たまえ」
そしてのこたんが懐から取り出したのは、ツノが巻きついたボール?だった。
「「?……これ何??」」
当然、ネコちゃんも檜山も謎の物体の出現に困惑してしまう。そして、意を決して何か質問してみると…
「ツチノコだ」
「「絶対違う!!」」
ツチノコといえば、胴体が太い蛇みたいな見た目をしているUMAだ。しかし、のこたんがツチノコだと言い張る謎の物体は、そのイメージと似ても似つかなかった。
「な、なんなのよこの…得体のしれない物体……」
「つーか、そもそも生物なのか…これ?」
二人して恐怖を感じながらもそのツチノコ?に手を近づけた瞬間。
もぞりっ…
「にゃああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
「動きやがったぁあああああああああああああああああああああああああ!?」
なんと、巻き付いたツノっぽい物が触手のように動いたのだ。二人揃って絶叫してしまう。
「触手(?)が伸びてるし、なんかウゴウゴしてるし!!」
「気色わりぃ!! マジで何だこれ!?」
「独特な形してますね」
「生命の…神秘…」
「「え、意外と冷静…」」
恐怖で慄くネコちゃんと檜山に対し、絹と千春が思いの外冷静そうだった。特にネガティブ思考の絹が、正体不明な生物にの恐怖しないのは意外だった。
すると、のこたんがこのツチノコ(?)について自慢げに話しだす。
「すごかろ? さっき校庭で穴掘りしてたら見つけたのだ」
「何してんのよ、アンタ!?」
「普通に迷惑行為すんじゃねぇ!! お前、シカ部潰してぇのか!?」
このツチノコ(?)を見つけた場所について聞いた瞬間、二人はまた至極当然なツッコミを飛ばす。檜山も、自分が潰そうとしてるシカ部が勝手に自滅しそうな光景に、困惑しかなかったのである。
そして今度は、ネコちゃんがツチノコについてのこたんに改めて確認を取るのだが…
「ツチノコってアレでしょ!? 未確認生命体の…あの…なんとも言えないフォルムの…」
「おい、副会長。そんな抽象的な説明じゃ…」
「こいつもなんとも言えないフォルムだろ」
「そうだけれども!?」
「言わんこっちゃねぇ…」
もっと具体的にヘビっぽいとか言えば、のこたんも納得したかもしれないが後の祭りである。
「そもそもツチノコって、存在しないんじゃ…」
「……ん、なんだ?」
改めてネコちゃんがツチノコ(?)について言及し直すと、檜山が何かに気づく。なんと、ツチノコ(?)に異変が生じていた。
ぱあああああ…
「うわっ何!?」
「なんか、急に光り出したぞ!?」
また本来のツチノコには無さそうな特性に、二人して驚愕する。すると、のこたんがまた理解しがたい発言をしたのだ。
「ほれ見ろ、やっぱりツチノコだ!!」
「待って、私達ツチノコの共通認識出来てる?」
「これ絶対にツチノコじゃなくって、もっとヤベェなんかだろ!?」
ネコちゃんがここで感じた疑問をのこたんに問い尋ね、檜山が尤もなことをのこたんへ伝える。
「ひやまん、何が違うというんだ?」
「は?」
するとそれを聞いたのこたんが、逆に檜山に問いかけてきた。そして、力の籠った声で力説し始める。
「フォルムや生態に対して、主観だけで違うと決めつけるのは早計というものでは!?
そもそもお前らはツチノコを見たことあるのか!?
これがツチノコじゃないと絶対に言いきれるのか!?」
「逆に何でオメェはそこまでツチノコに仕立て上げてぇんだよ!?」
「はっ、待てよ…」
しかし、口論の末にのこたんが何かに気づいた。そして思案し始めて…
「つちのこ…しかのこ…これってもしかして…
つちのこのこのこのこたんたん……ってこと!?」
「「何の話!?」」
『つちのこのこのこのこたんたん』はじまります
「待て、タイトルからこしたんたんを抜いたら、主役がツチノコになんねぇか!?」
「檜山…アンタ何言ってるの?」
危うく話が脱線しかけたことで、改めてツチノコ(?)に視線を向ける。
「まあ、それは置いておいて…これがツチノコかどうか以前にキモ過ぎる…」
ぷるぷる
「ひぃっ!? 震えてる…」
ネコちゃんが相変わらずツチノコ(?)に対して怯えていると、絹がまたツチノコ(?)をジッと見ていたのだが…
「よくよく見てみると、かわいいかも……」
「ハァーーーーー!? どこが!?」
まさかの絹の発言に、ネコちゃんも仰天しながら問い尋ねる。すると、これについての解説が始まった。
「触覚とか…このすべすべの陶器のような肌とか」
「未確認生命体未確認に対してそんな表現してるの初めて聞いたわ」
ツッコミを終えると、今度は千春がツチノコ(?)を抱きながら…
「……つっちー…」
「えっ名前? もう名前とか付けちゃう感じの距離感なの?」
「ツチノコだからつっちー…安直すぎねぇか?」
ということで、ツチノコ(?)の名前はつっちーに決まりました。すると、直後につっちーの触手がしなびてきてるような感じがしてきた。
「でも、ちょっと元気が無いような…光ったのは何かの意思表明なんでしょうか?」
「順当に考えると慣れない環境に放り込まれたストレスってやつか?」
「お腹…空いてるのかも」
「ヌン、なるほど! じゃあ餌付けしよう!!」
つっちーの元気がない件で話していると、千春の予想を聞いてのこたんが納得しながらそんな提案をする。ここでネコちゃんがある疑問をぶつける。
「そもそもツチ…そいつは何を食べるの?}
「そりゃもちろん、シカせんべいだよ!」パカッ
「いや、そいつがマジのツチノコなら肉食じゃねぇのか?」
のこたんが頭を開くと、ぎっしりと詰まったシカせんべいを一束取り出しながら言うので檜山からも疑問が飛ぶ。しかし、のこたんはその疑問を無視してつっちーにシカせんべいを食べさせようとする。
「ほれ、シカせんべいだぞ。おいでおいで~」
ぷいっ
「!!!」
つっちーがシカせんべいを拒んだのを見た瞬間、のこたんがメッチャ驚愕した。ぶっちゃけ、のこたんが日野南高校に転校して来て一番驚いたところだと思われる。
「お、おま…シカせんべい嫌いなのか!?」
そして声を震わせながらも、代わりにつっちーに食べさせる物を取り出すのこたん。
「じゃあ草は!? ツノ汁は!?」
ぷいっ
「シカ関連から離れたらどうだ?」
しかしそのどれもつっちーはお気に召さなかったようだ。尤も、内容的にツチノコが食べそうにない物ばかりだったので檜山がツッコミを入れておいた。
「つっちー…ひ、一口でいいから食べてみないか!?」
ここでのこたんが説得してでも食べさせようとするのだが…
ブチッ
『ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブ』
「それは威嚇? 威嚇なの!?」
つっちーが妙な威圧感と同時に、凄まじく体を震わせるのでネコちゃんが疑問をぶつける。そしてここまでの流れで、のこたんがようやくある事実に気づいた。
「そ、そんな…お前もしや…ツチノコじゃないのか!?」
「だからさっきからそう言ってるでしょ!」
「お前はツチノコをシカの仲間とかだと思ってるのか!?」
のこたんが驚く無いように、ネコちゃんと檜山が当然のツッコミを入れる。しかし目の前でお腹を空かせるつっちーを放っておくわけにいかないので、改めてご飯についての話をすることに。
「さっきも思ったんだが、もしも本当にツチノコだったらよ。ツチノコもヘビってことなら、こいつも肉食だったりするのか?」
「かもだけど、やっぱりカエルとか食べるのかしら?」
「なんかカエルって、鶏肉みてぇな味らしいけど代用出来たりしねぇかな?」
「………檜山、お金出すからスーパーで買ってきてくれる?」
「俺が行くのかよ!?」
しかし、この後買ってきた鶏肉も食べようとしないつっちー。その後、色々と試してみた結果……
「まさか、チョークを食うとは思わなかったな…」
「本当に得体が知れないわ…あなた達も、そんなのよく触れるわね?」
つっちーのまさかの食性に困惑しつつ、お世話をする生徒会メンバーとのこたん。一方でのこたんが不機嫌そうにつっちーを見つめ、千春がそんなのこたんとつっちーのツーショット写真を撮影する。しかしそんな時、絹がまさかの提案をしてきた。
「副会長や檜山君も触ってみたらどうですか? なれれば犬や猫と同じようなものですよ」
「えぇ…触るったって……」
「これに慣れる自信なんざ無ぇって」
二人してつっちーに触れることをを拒絶していた時、当のつっちー自身が何かに気づく。それが目に入ったネコちゃんも、そのままつっちーを見つめていると…
すっ
「!」
(こいつ、副会長に興味あんのか?)
つっちーが自らの触手を上げて、ネコちゃんの方に伸ばしていく。それに気づいたネコちゃんも、ゆっくりと手を近づける。まさかの事態に、檜山も思わず見守っていたのだが…
ピトッ
袖越しにだが、ネコちゃんの指先とつっちーの触手が触れ合ったのだ。直後にネコちゃんがこれについて顔を赤らめ…
『……ニコッ』
「か……可愛い♡」
「副会長!?」
今の一瞬で、まさかの手のひら返しが始まるネコちゃん。当然、檜山がその光景に驚愕するのだった。そしてこの直後、こしたんが漸く生徒会室にやって来た。
「お疲れ様ー、遅れてごめんなさい…え、何その得体のしれない生き物!?」
入って来て早々、つっちーを見て仰天するこしたん。その姿に恐れ戦いていると、ここでネコちゃんがつっちーについて説明しようとする。
「…です」
「え?」
「ツチノコです!! 」
「ええ…絶対違うでしょ……というか、なんで鹿乃子さんと檜山君が生徒会室に?」
「鹿乃子は知らねぇけど、俺はちょっと副会長に用事があってな…(この状況でも取り繕うあたり、流石だな)」
ネコちゃんの発言にツッコみつつ、のこたんと檜山が生徒会室にいる件を尋ねるこしたん。すると、直後にネコちゃんから驚愕の宣言が飛び出した。
「この子は私が育てます!!」
「何の話?」
「まあ、お前が来る前に色々あってな。正直、それでクソ疲れたから説明は後日にしてくれ」
「あ、ああ。わかった…(檜山の奴、またメンタル削られてるな。今度なんか奢ってやるか)」
色々あったが、シカ部と生徒会の共同でつっちーを飼うことになりました。
おまけ
シカ部と生徒会の共同で、謎の生物つっちーを世話することになって数日。現在、シカ部の部室でつっちーにはご飯にチョークを与えている。
「それにしても、つっちーはマジで何者なんだろうな?」
「チョークを食べてる時点で、普通の動物じゃないのはわかるんですけど…」
「俺らにわかるのは、鹿乃子や副会長が言うようなツチノコじゃねぇよって位だな」
こしたん、香織、檜山がチョークを食べるつっちーを見ながら、改めてその正体について考える。そんな中、同様に正体を考えていたハジメが不意に口を開いたのだが…
「つっちー…もしかしたら、
「た、太歳?」
「南雲君…そもそも、太歳って何?」
ハジメが口にしたつっちーの正体に関する単語。聞き馴染みが無さすぎるので香織とこしたんが改めて聞き返すと、ハジメはその太歳なる物について説明する。
「中国で稀に土の下から発見される、正体不明の肉塊みたいな生物ですね。秦の始皇帝が、不老不死の食材だって言って探させたこともあるらしいです」
「ふ、不老不死!?」
「確かに、鹿乃子の奴も地面掘って見つけたっつってたけどよ…」
「でもハジメ君、つっちーは肉塊じゃなくてツノの塊っぽいけど」
「香織さん、だから亜種って言ったんだ。生物学的には同一種だけど一括りにするには違いが多すぎる、みたいな生き物をそう呼ぶんだよ。まあ太歳は近年じゃあ粘菌の集合体って言われてるらしいし、実際の分類がつっちー共々わからない以上、この呼び方が正しいか分かんないけど」
「な、なるほどな…俺はこんなの食うなら不死身にもなりたかねぇけど」
太歳が何かを説明し終えると、一緒に聞いていた檜山がつっちーを見ながら顔を青ざめて感想を述べる。謎の生物を食べる事への生理的恐怖は、計り知れないだろう。すると、ハジメはもう一つ考えた状態の説を打ち明ける。
「もしくは、よくSF作品で見かけるケイ素生物って可能性もあるかな」
「あ、この間ハジメ君が持って来てた漫画に出てたあれだよね?」
「ああ、『力が欲しいなら・・・くれてやるっ!』のやつね。確かにチョークが主食って、地球外生命体染みてるけどさ…」
「まあどっちにしても、ツチノコよりは信憑性がありそうだけどよ…」
ハジメが立てた、もう一つの仮説に納得がいきそう面々。しかし、つっちーの方を見ながら考える。そしてハジメが口を開いた。
「結局の所は正体不明……なんだよね」
「「「うん」」」
「んはぁ〜。先輩方、何言ってんですか?」
ハジメが最終的に出した結論に聞いて全員が頷くと、何故かばしゃめが割って入って来た。
「津田山は犬ですよ。見たらわかるじゃないですか」
「「いや、犬でもないだろ!?」」
「「あと、名前も違うよ!!」」
ばしゃめの感性も、謎に満ちているようだ。
ということで、ラストでつっちーの正体の考察(妄想)を入れさせてもらいました。もしかしたら、終盤の伏線になるかもしれない?
光輝と絹のカップリング、アリだと思いますか?
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アリです
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イヤです