1人の男がパーティーを抜けて旅をするだけのそんなお話   作:SGMY

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今日、ボクはお師匠様と共に勇者パーティーという魔王を倒すたびの仲間へと加わった。ボクと師匠は魔法を得意とした遠距離から魔法で押していく遠距離火力型だ。勇者であるユウキさんはバランス型だ。大きな剣を持ち少量の回復魔法や強化魔法でバランスを取っている。回復魔法や浄化魔法などを使う白魔法使い、そして魔法とは別で弓矢で攻撃をする狩人。上げればキリが無いがボクと師匠を含めず5人の人がいる。

 

「ぼさっとしない!」

「は、はい!」

 

っとそんな誰かが聞いてるわけでもないパーティーメンバーの説明をしていると師匠に怒鳴られる。今は目の前にいるモンスターだけを見なければ。

 

ボク達は魔王を倒して世界を平和に導いた。だけど魔王を倒すだけでは世界に平和は訪れず、魔王討伐後も世界で暴れているモンスターと日々戦っていた。

今目の前にいるのはゴーストウッドと呼ばれる墓地nや廃墟などで産まれるモンスターだ。物理攻撃は効かず、魔法や浄化魔法でしか攻撃ができない。

 

「弟子!炎魔法よ!」

「はい!」

 

魔法陣を手のひらに出現させる。その魔法陣から炎が吹き出しゴーストウッドを包み込む。目的は目眩ましだ。その隙に白魔法使いさんがいない今、師匠が瓶の蓋を開けて中にある聖水をゴーストウッドにぶっかける。

ゴーストウッドはボロボロと淡い光となって消えていった。

 

「ま、こんなものでしょ」

 

師匠の名はヒカリ。透き通る紫色の髪を腰まで伸ばし、右目は紫、左目は白のオッドアイを持つ人だ。ちなみに巨でも爆でもない、だが貧でもない。

そんなことを思っているとボクの頭に衝撃が加わりしゃがみ込んで頭を抑える。

 

「失礼なこと考えるんじゃないわよ!」

「ご、ごめんなしゃり…」

「は?」

「すいませんでした」

 

全く…。と師匠は先程の戦闘で服やマントについた土などを落とす。俺はそこまでついていなかったので師匠のマントを綺麗にする。

 

「…うん、これでいいかな?ありがとね」

 

そう言って師匠が頭を撫でる。せっかく整えた髪が師匠の手によってグシャグシャにされたところでボク達は宿屋へと帰る。

 

 

 

宿屋には勇者さん達が何やら呑んでいた。何やら国から大きめな仕事を任されていたらしく、それを無事に解決できた報酬として遊んで暮らせる額を貰ったらしい。

 

「えぇ〜!みんなだけ呑んでてずっるーい!!」

「あ、ヒカリちゃん達も戻ってきたんだね!一緒に呑もうよ!」

 

そう言い勇者は師匠にお酒を渡した。ボクは忘れてはいけないとボクの荷物と師匠の荷物を部屋へと持っていった。部屋は基本二人部屋、ボクは師匠と同じ部屋で寝ている。しっかりとカーテンで視界を遮断できるためプライバシーは守られている。

 

師匠の鞄から白魔法使いさんに返す聖水の瓶を取り、使ってないアイテムと別けておく。その後師匠の鞄を壁にかけ、自分の鞄の整理をする。今日使ったアイテムと使わなかったアイテムを別けて残りのアイテムを数えておく。

そこで師匠や勇者さん達が飲んでる広場から大きな声が聞こえた。

誰かが何かに驚いていた。声の主的に勇者さんだろう。何か世間話でもしているのだろうか。

 

ぐぅ〜っとお腹が空いた音が聞こえるが今広間に向かえば師匠達に巻き込まれる。ボクはお酒が弱いというわけではない。ボクはお酒の味が苦手だから飲まないんだ。

 

 

 

一時間、2時間ぐらいして広間に向かうと師匠が机の上で寝ていた。勇者さんも飲み過ぎたようで白魔法使いさんに支えられながら歩いていた。

 

「あ、弟子くん。ヒカリさんのことお願いできる?」

「はい。わかりました」

「それじゃあお願いね。それからおやすみ」

 

白魔法使いさんは軽くお辞儀をして自分らの部屋へと向かった。ボクは寝ている師匠に話しかけて意識があるのか確認するが師匠は無反応でゴニョゴニョ寝言を言いながら眠っていた。

こりゃダメだと師匠の体を起こし抱っこして部屋へと向かおうとすると師匠が突然話しかけてきた。

 

 

「弟子さ…」

「はい。どうなされ「このパーティーから抜くことにしたから」……は?」

 

突然のことに頭が回らず、聞き間違いかと師匠に聞き返した。だけど帰ってきたのは同じ言葉だった。

 

「それからアンタ、弟子やめて」

「え、弟子やめ…え、なん…どう、して…ですか?」

 

泣きそうになる声を抑えて師匠に聞き返すが返答は何もなかった。完全に寝てしまったらしい。

ボクはパーティーから追放、そして弟子失格。この2つが頭の中を駆け巡る。ボクが何かをしたのだろうか。何かお怒りを買うようなことをしてしまったのだろうか。

先程の驚愕の声はボクを追放することに対して驚いてたのではないか。

 

一度部屋に戻り師匠をベッドに寝かせてベッドのカーテンを締める。

 

パーティーを追放されたボクはここにいたらダメなのでは?

 

ボクは荷物をまとめて師匠が寝るベッドに向き直り深くお辞儀をして師匠にお礼を言う。

 

「今までありがとうございました」

 

カーテンの奥から聞こえる師匠の寝言を背にして宿屋を出て行く。時間は星が広がる深夜。ここからどうすればいいのかわからないがとりあえず旅をしようと思う。

今思い返せば沢山の思い出があった。

 

師匠と俺の1歳差の師弟は数年前から始まる。ある時川で釣りをしていた師匠の前にボクは流されてきたらしい。その後、記憶を失っていたボクを師匠は弟子として迎え入れ、魔法や生き方などを教えてくれた。

 

ちょうどいい機会なのかも知れない。自分の過去を探す旅をしようと思う。

 

 

 

 

 

 

これは1人の男がパーティーを抜けて旅をするだけのそんなお話だ

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