そこからの生活は特に変わる様な事はなかった。
「ぎゃっ!?」
「な、なんだ!?」
「腕が…俺の腕がぁ!」
「て、てめぇ…!雇われた冒険者か…!」
「いいえ、子育て中の悪魔です」
山に捨て置かれた廃城に住む盗賊団を壊滅させ、魂を得たり
「ひっ…あ、悪魔…!」
「…奴隷か、捕虜でしょうか?」
錆びついた牢屋に入れられた5人の少年少女達を見つけたので
「…まだ薄汚れていない魂ですね…もう今日の分は要りませんし…自由になりたいですか?」
「…っ…お前ら悪魔は…願いには対価を求めるんだろ!」
「…今回は次いでですし、契約もしてません。タダ、というやつですよ」
赤髪の強気な少年はそう吠えたので、淡々と返答します。
「…どうする?」
「…何か裏があるかも…」
「…そもそも悪魔が受肉した上で子育てしてるってどういう事…?」
(何やら相談事をしていますね…悪魔が子育てって珍しいんでしょうか?ヒューマンだって子育て、しますよね?)
「…ホントにタダなんだよな?」
「タダですよ、対価は求めませんし、貴方達がこの先どうしようと干渉しません。近くの国の兵士に私を報告したとしてもです」
「…そうかよ、なら出してくれ」
「ええ、ただ錆びた檻なので…」
私がコン…と手の甲で檻を軽く叩けばバラバラに崩れてしまう
「…嘘だろ、見た目は俺達と同じなはずなのに…」
「悪魔ですので」
5人の少年少女達は警戒しながらも去って行きました。
その日から、定期的に森に近くの国から軍が派遣されて来ましたが、隠れ潜むのに手慣れている私を見つける事はなく、一月程で来なくなりました。
最初に隠れ潜んでいた森から盗賊や野盗の類を殺し尽くしてしまったので、また別の所へ行き、そこで盗賊や野盗を殺しを繰り返し続けを繰り返した結果。
「…ううん、寝ぼけてた気がする」
「…うわ…本当に悪魔になってる…」
二人に魂を重点的に与えたお陰でしっかりと成長した様で、意識もはっきりしました。
「…改めて、悪魔となった訳ですが…後悔はしていませんか?」
「…僕は幼馴染と一緒に居られるなら、それで…」
「…私も、別に…」
お互いにチラチラと見合いっこしていて微笑ましいですね。
「…では、二人もしっかり成長したのでこれからの事を話し合いましょうか」
「…これからの事?」
「何かある訳…??」
「ええ、…そもそもこちら側で生きて行く上で避けれない問題なんですが…その前に悪魔というのがどういうものなのか教えましょう」
そう言って、私は指で空中に文字を書く
「まず、悪魔というのは種族がこの様に五つに分かれています。二人は生まれたばかりで一年も経っていないので、
「へー…下に行く程強いって事なのかな?」
「…まだ完全には飲み込めてないんだけど…大体は分かったわ、悪魔って種族の中で私達は一番弱いのね?」
「そうなりますね…また更に細分化して行くと…生きて来た年数で更に強さや階級が違います」
私はそう言って、横に書き足す。
現代種(騎士)0~30年
近代種(準爵位)30~100年
近世種(男爵位)100~400年
中世種(子爵位)400~1000年
古代種(伯爵位)1000年以上
先史種(侯爵位)3000年以上
原初(王) 一番最初からいる、悪魔の中で最強!
「なるほど…つまり僕らは
「…原初って所だけ説明雑じゃない?王なんだし…不敬罪に当たらない…?」
「…分かりやすくする為なので」
そう言って私は目を逸らす
「悪魔の種族とか強さは分かったけど、アンタは何処になるのよ?」
少女の問いかけに、私は指を指して答える
「私は先史種になりますね、種族としては
「ん?その上の種族ってあるのに
「
「へー…」
「じゃあ原初って王の悪魔はみんな
「…名付けをされているなら、可能性は限りなく高いですね…現状だと
「えぇ!?王族が3人もこっちに居るの!?」
「敵対したら勝てなくない…?」
怯える二人には悪いですが、戦闘能力の差は覆しようがないので…
「はい、勝てません。私に出来るのは頑張っても3人からフルボッコにされるだけです」
「……王族3人に対してフルボッコにされるだけっておかしくない?」
「はい、頑張ってもです。恐らく頑張る前に消されると思いますが」
「ひぇっ」
「…私達を逃がせる保証もないって訳ね」
「そうなります、なので…隠れてコソコソと生きてくしかないかと…何処か大きな集団に身を寄せてもいいですが、人間達とはソリが合わないのでね…」
「悪魔だもんね…」
「市民が見つけた兵士に報告するし、討伐隊も差し向けられるしね…」
「えぇ…特に私、大昔に国を幾つか滅ぼしてますし…」
「悪魔さんそんな強かったんだ…」
「そんなアンタでも原初には勝てないのね…」
「ええ、ゴブリンが一匹でドラゴンに立ち向かう程度には無謀ですからね」
「人間に見つかれば討伐させる可能性があって、原初の悪魔達に見つかれば生存は絶望的…どうしたらいいんだろう…」
「ホントね…頼りになるかもしれない人はボロ雑巾みたいにすぐやられるのに…」
「まぁまぁ…隠れ潜むのには長けてますから、三人で頑張りましょう」
「「不安しかない!!」」