ちまちま書き進めていたら、過去最多更新の3万文字です(驚愕)。
一発ネタのはずでしたが、せっかくなので投稿してみたり。
主役はもちろん、鮮烈な彼女です!
『さあー、盛り上がって参りましたっ! 初代デュエルキングを決める若き決闘者の祭典、第一回 ミッドチルダ・デュエリストカーニバルッ! 準決勝第一試合で最有力優勝候補 選手を僅差で打ち破った天才デュエリスト 『覇王』アインハルト・ストラトスが待つ決勝戦に駒を進めるのは、はたしてどちらだぁー!?』
「覇王、ですか……」
控室のモニターで準決勝第二試合の様子を眺めていたアインハルトは、何とも微妙な表情を浮かべていた。
デュエル大会の優勝、つまりミッド最強の決闘者という称号を得ることは、覇王流が次元世界最強と示すまたとない機会ではないか?
なのに、間違った方向に超速スキップしてるような気がするのはなぜだろう?
伝説の魂を継承したと言えど、アインハルトはまだまだ幼い少女でしかなく、目的と手段が大層愉快な横道に逸れまくっていることに気づくことが出来ない。
「で、でも私は悪くありませんっ! そもそも、選手登録で二つ名の記入欄を用意とかしちゃう大会側に問題があるんですっ! だったら、カミングアウトしちゃってもしょうがないじゃないですかっ!」
「――とか言っちゃってるけど、どう思いますか? 解説のコロナさん」
「私の記憶が正しければ、めちゃくちゃノリノリで『我が名は覇王!』 って記入していたと思いますよ。実況のリオさん」
「はうあっ!?」
友人であるコロナとリオの冷静なツッコミに胸を押さえながらよろめくアインハルト。
彼女の相棒、猫型ぬいぐるみの形状をした自立稼動型【デバイス】も、マスターの自業自得だにゃ~と呆れ顔だ。
そもそも、なんで彼女たちがここにいるのかと言えば、クラスメートで仲良しグループを形成した三人娘が、格闘技と同じくらいにハマった遊戯がデュエルだったからに他ならない。
ホテルアグスタでの負傷で長期間の入院を余儀なくされ、『神造遊戯』事件の余波で起こった治療機材の物資不足などのトラブルで入院が長引き、年単位の休学をせざるをえなかったアインハルト。
結果、復学した彼女は二つ下の学年であるリオやコロナとクラスメートになり、格闘技に興味があるという共通の趣味もあって仲良しグループを形成。
長期間に及ぶリハビリですっかり低下してしまった筋力の回復を優先したため覇王最強を示すための辻斬り行為を行う事が出来ず、必然的に放課後行動を共にするリオたちと絆が深まり、アインハルトも継承した記憶云々関係なしに、年相応の遊びを覚えていった。
その流れで、ミッドで一大ムーブメントを築いたデュエルに巡り合い、過去の有名人を模したキャラと一緒に戦うという胸が熱くなるゲーム内容にすっかり虜になってしまったのだ。
――実際、古代ベルカデッキを組み、『聖王』オリヴィエと『覇王』クラウスを模したキャラを召喚して勝利した時などは、なんというか……胸の奥にある『覇王』の魂が感涙に咽び泣いていたような気もするので、過去の想いをすっぱり忘却してしまったわけでないのだ。
そんなこんなで腕試しとして参加した第一回 ミッドチルダ・デュエリストカーニバル。
自分や聖王姉妹のように古代ベルカの魂を受け継いだ決闘者たちとの出会い、魂のぶつかり合いを交わす中で絆を結び、いくつもの激戦を乗り越えてきたアインハルトの横顔には勝利の栄冠を獰猛に狙う狩人の如き鋭さが宿っていた。
――今は、ヘタレモードでへにゃへにゃになってるけど。
普段は年上のお姉さんという感じで凛々しいのに、時々ヘタレるアインハルトを、チャンス到来とばかりに愛でまくるリオコロコンビ。
何気にそれぞれ、一回戦と準々決勝でアインハルトに負けた意趣返しをしているようだ。
これもまた、心温まる友情の形である。
「あははっ、相変わらず仲いーなぁ」
アインハルトたちがじゃれ付いていると、独特のイントネーションが特徴的な口調の少女が控室に姿を現した。
『ジークリンデ・エレミア』
彼女は、アインハルトが準決勝で下した大会の最有力優勝候補であり、アインハルト同様、伝説を継承する魔法格闘家の少女。
魔法格闘技の祭典、
【エレミアの真髄】と呼称される危機的状況下でのカード書き換え能力『ディスティニードロー』によって数多くの死闘を繰り広げてきた彼女との戦いは熾烈を極め、残りLPが僅か200という超接戦の末に『奥の手』を引き当てたアインハルトが勝利を掴みとった。
そして魂をぶつけ合う決闘を終えたことで通じるものを感じたのだろう。
まるで往年の親友のごとき親しみを抱いた二人は友好を結び、こうして決勝を控えるアインハルトの激励に赴いたのだ。
「いやな、そろそろ試合が終わりそうやから様子を見に来たんよ。ガッチガチに固まっとったら背中引っ叩いたろおもてんやけど……その様子じゃあ、大丈夫そうやね」
「……はい! 私には、支えてくれる仲間がいますから」
「あ……アインちゃん! 私も大好きだよっ!」
「ああ、もう、なんでそーゆーこと言うのかなこの娘はー! もう、結婚してー♪」
「むぎゅ!?」
左右からの全力ハグ♪ 一瞬でアインハルトの顔が(酸欠で)真っ赤に!
「あははははは! いやー、やっぱおもろいわ君ら。けど、私に勝ったんやから無様なデュエルは許さへんよ?」
「はいっ! ジークリンデさんの名に恥じない戦いをお約束しますっ」
突き出されたジークリンデの拳に己の拳を重ね合わせ、彼女の誇りも背負う覚悟を胸に灯す。
戦士の表情になったアインハルトを見て、ジークリンデが満足げに頷いた瞬間、モニターに映し出された観客の声援が爆発した。
「おうわ!? な、何々!?」
「リオ、おちついて。ひょっとして……」
「うん。どうやら決着がつくみたいやね」
『さあ、準決勝第二試合もいよいよ大詰め! 壁となるキャラクターが全滅し、伏せカードも一枚しかない絶体絶命のピンチを迎えた【ダーク・Vivid】選手! 漆黒のアーマーにフルフェイスヘルメット! さらにはガスマスクのようなフェイスマスクの下では、一体どのような表情を浮かべているのでしょうかっ!』
デュエルの進行を務めるMCのマイクを握る腕に力が籠る。
観客の興奮を煽るように喉が張り裂けそうなほどの大声で実況する彼の、会場にいる人々の視線は、今まさに絶体絶命の危機を迎えた謎の決闘者へ降り注いでいた。
どこぞの暗黒卿へと扮した謎の決闘者は、『こーほー』という特徴的な呼吸音と変声機能による大平透ボイスによって観客の注目を一身に集めている。
しかも単なるコスプレキャラクターなどではなく、デュエルの実力も超一流。
なにせ、優勝候補のひとり『雷帝』を始めとする名の知られた決闘者たちを、LPを半分以上削らせること無く、文字通り粉砕してこの場に立っているのだから。
しかし、彼女(登録用紙の性別に記入欄があった)は現在、今大会最大の危機に陥っているといって過言ではないだろう。
なぜなら、LPこそ3000だが、フィールドはほぼがら空き。
それに引き替え、対戦相手である【わんわんポチ○くん】こと、高町 宗助の場には彼のフェイバリット“槍騎士 そーすけ”と、味方のパラメータをアップさせる特殊能力を持つ“白銀の妖精 りひと”と“蟲使い るしあ”が並び立っている。
この布陣を前にして、手札ゼロの【ダーク・Vivid】に残された希望は伏せカード一枚のみ。
デュエル終盤に縺れるまでに、攻撃を無力化される魔法や罠を幾度となく発動してきた【ダーク・Vivid】がさらなる攻撃無効手段を備えているとは考えにくい以上、次の攻撃で宗助の勝利は確定しているのも同然!
故に、宗助は臆することなく攻撃を宣告する。
「こいつで決めるぜ! 俺は“白銀の妖精 りひと”、“蟲使い るしあ”のサポート効果で攻撃力を2000アップした“槍騎士 そーすけ”でダイレクトアタック! いっけぇぇえええ! 【ヴァナルガンド】――ッ!」
神狼に騎乗したそーすけの槍が妖しくも神々しい輝きを纏い、【ダーク・Vivid】のLPを削り取らんと襲い掛かる。
螺旋を描く漆黒の波動が【ダーク・Vivid】に着弾すると思われた――瞬間、彼女の右手が伏せカード発動ボタンに伸びる!
「罠発動! “リトルウエディング”! このカードは相手フィールドに男の子キャラが一体と女の子キャラが二体以上いる時に発動可能! 貴方は男の子とウエディングをあげる女の子をひとり選ばなければならない! カード効果で、選ばれたキャラは攻撃力守備力が1000ポイントアップする代わり、それ以外のキャラは総て墓地に送る! こーほー……さあ、貴方は誰を選びますか?」
「はあ? なんで俺を有利にするようなカードを……。まあ、いいや。攻守がアップするんなら、数値が高い方を選、べ……ば……ぇ?」
『おおーっと、これはぁぁぁっ! 『わんわんポチ○君』選手のフィールドには男キャラが“槍騎士 そーすけ”のみ! それに対し、女の子キャラは“白銀の妖精 りひと”と“蟲使い るしあ”の二枚だぁぁぁあああっ! こ、この図式は……っ! 幼馴染から彼女へステップアップするために乗り越えねばならない試練! まさしく、運命の二択ぅぅぅうううううっ! さあ、悩んでいます! 頭を抱えて突っ伏しています! ですが、それもそうでしょう。この選択肢は、デュエルの勝敗のみならず、リアルにも反映されかねない超絶重要選択肢なのですからぁぁあああああっ!』
「う、ううう……! お、俺は――ッ!? な、なんだこの殺気は……ヒイイっ!?」
『に、睨んでいます! リングサイドに備え付けられたサポート席で、可憐な幼馴染たちがものすごい顔で睨み付けております! これはすごい! 私は今まさに、リアル修羅場をお目にかかれているのかァァァアッ!』
なんという四面楚歌。
あるいは公開処刑。
最後の一歩を踏み出せば勝利を掴み捕れるというこの状況下で、どっちを選んでも地獄のリアルファイトへ直行コースという選択肢をつきつけられるとは。
『わんわんポチ○君』は悩んだ。悩んで、悩んで、悩み抜いて……顔を伏せたまま、そっとデッキの山札に手を置いた。
それが示す行為とは……
そう、彼は決断したのだ。
どちらかを選ぶなんて真似、自分には出来ないのだと主張することを。
それはつまり――……!
『なるほどなるほど……つまり、両方俺の嫁宣言という事ですね! ひゅぅーっ! なんと言う事でしょう、まさかの二股宣言に私、興奮します!』
観客席から放たれる冷やかしの口笛。
耳どころか首筋まで真っ赤に染まる『わんわんポチ○君』とサポーターな幼馴染~ズ。
「……スマン」「もう……っ」「……バカ」と羞恥で身悶えする『わんわんポチ○君』を左右から抱きしめる白と紫の妖精さんに、惜しみない拍手が降り注ぐ。
宣告放送でバッチリ放送されることになった恥ずかしさに耐えられなくなったのだろう。
三人仲良くインタビューの追撃を振り切って、走り去っていった。
『これにて、準決勝第二試合終了! 勝者は全身マントで正体不明なスーパー決闘者【ダーク・Vivid】選手ッ! デュエル開闢期からネットバトルランキングトップを譲らぬ生ける伝説【セイクリッド・ドラゴン・プリンセス】をも超えるデュエルをお見せしようと豪語するその実力はまさしく本物っ! 過去にも伝説に挑み、涙呑んだ決闘者たちが数多く存在してきました……しかし! 彼女は違います! 幾人もの優勝候補を圧倒的なパワーでねじ伏せてきた実力は間違いなくSランク! もしかすると、今日、この場で私たちは新たなる神話の幕開けを垣間見る事が出来るのかもしれません!』
若き超新星と伝説超えを宣言する謎の人物。
嘗てない好カードに観客のボルテージは、試合前からクライマックスだ。
決勝戦は三十分のインターバルを挟んでから行われる。
漆黒のマントを翻し、控え室へと戻っていく最強の敵の背中を映像越しに見つめながら、アインハルトは静かに闘志を燃やすのだった。
――◇◆◇――
準決勝の熱が冷めやらぬまま三十分という時間は瞬く間に過ぎ、決勝の開始時間を迎えることになった。
ざわめきと期待、決勝の行方を予測し合う観客の声が幾重にも重なり合い、広いドームを熱狂の渦に巻き込んでいる。
そんな中、ミッド全域にリアルタイムで中継されている一大イベント会場となったドームの司会席に、決勝のためだけに解説役を依頼された人物たちが姿を現した。
誰もが知る有名人である彼女たちの姿を目の当たりにした観客は驚きで言葉を失い、限界まで両目を見開いて観客席最前部に用意された解説席へ視線を向ける。
『さあ、さあ、いよいよ第一回 ミッドチルダ・デュエリストカーニバル決勝戦の開始が迫って参りました! スポンサーとなった時空管理局地上本部様の支援を受けて開催された素晴らしいイベントの決勝戦に相応しい特別ゲストをお呼びしました! ご紹介いたしましょう! まずは現代に蘇りし伝説! 世界の未来と我々人類の希望を護るために邪悪なる神へ抗う覚悟を抱かれた『希望司りし聖女』 カリム・グラシア様!』
『こ、こんにちわ』
純白の生地に金糸の刺繍が印された聖王教会のローブを身に纏い、はにかみながら手を振るカリムの登場に、観客席から黄色い歓声が噴きあがった。
そこには、先の戦争の発端となった彼女を責める負の感情は微塵も存在せず、むしろ、《神》という超常の存在に弄ばれる運命に抗おうとした勇気をたたえる称賛の声がほとんどだった。
彼らは知っているのだ。
世界が新生した直後に行われた管理局と聖王教会との公開会談。
その中で、彼女がどれほどの重責を背負い、怒りと憎しみを浴びせられようとも立ち止まることは出来なかったという覚悟を抱いていたことを人々は知った。
無論、戦争で傷つき、大切な人を失った被害者たちの罵倒を浴びることは避けられなかった。
しかし彼女は自らの起こした結果から逃げず、目を逸らさず、正面から受け止めた上で、世界の立て直しに心血を注いてきた。
時に憎悪の刃をその身に受け、時に言葉のすることも憚られる罵倒を浴びせられた。
それでも彼女は、それらすべてが己の背負うべき贖罪だと真摯に受け止め、真っ直ぐ前を向いて歩き続けてきた。
暗闇の庵に包まれる常夜の中で優しい輝きを放つ満月のように気高い在り様は人々の悲嘆と憎悪を癒し、再誕した“儀式”参加者たちの弁護もあって、カリムは再び人々に受け入れられたのだ。
過去を背負い、受け止め、それでも前に進もうとする彼女の在り様は、悲しみの思い出に浸る人々の未来を照らす標となったのだ。
『騎士カリムのお隣には、蘇りし『聖王』 ヴィレオ・ゼーレブレヒト閣下にお越しいただきました! 新しい未来に向かうベルカ復興の立役者となられてお忙しい中、我々の依頼を快くお受け頂き、本当にありがとうございます!』
『いえいえ、とんでもないですよ。私もこちらの大会のことは存じていましたから。叶う事なら、一参加者として出場してみたかったくらいです♪』
『おおっ、陛下もデュエルをなされるのですね! もしや『妹君』と一緒に遊ばれたりされているとか……?』
『ん~、連絡は時々取り合っているんですけどねぇ……。何でもあの子、最近お遣いを任されるようになったとかいって忙しそうなんですよ。できれば、また一緒にお茶会を開きたいのですが……ハァ』
アグレッシブな腹違いの妹とすれ違っていることを意外と気にしていたようだ。
アンニュイな感じで溜息を吐くヴィレオの横顔は、本人から溢れ出す王族特有の高貴オーラと相まって、途轍もない破壊力を生み出した。
会場のそこかしこで赤い飛沫が飛び交っているのは、多分気のせいじゃない。
かくいうMC自身も、鼻孔から溢れ出した真っ赤な情熱をハンカチで拭きとっていた……のだが、さすがにそろそろ無視するのも限界そうなので冷や汗を流しながら口を開くことにした。
『と、ところであのー……大変お伺いにくい事なのですが……騎士カリムの足元で、びったんびったん跳ねているその簀巻きはいったい……?』
「はい? ……ああ、この子ですか。気にしないでください。ただの、ごくごく有り触れた――
満面の笑顔な聖女シスターの口から、とんでもない単語が飛び出した。
ぶは!? と驚くMC以下、大多数の観客の皆さまがの反応にビクッ! と肩を震わせながら、恐る恐る足元で蠢く簀巻き――もとい、騎士カリムの警護部隊長カエデ・リンドウを見やる。
『ね、ねぇ、カエデ? やっぱり、
『ふっふっふ、騙されちゃあいけませんよ、カリム様。主従の絆とは決して斬れぬ繋がりを指し示します! そう! 運命の赤い糸が男女の出会いを司るラヴアイテムならば! 俺の身体に食い込む亀甲縛りの荒縄と女風呂へ忍び込んで集めた女性の毛髪を編み込んだ鎖のコラボレーションが生み出す簀巻きというファッションこそ、主従における最高無敵の繋がりであると言えるのです!』
『な、なるほど……! それは知らなかったわ! 世間知らずなのは自覚してたけれど、まだまだ勉強が足りないわね……カエデ、貴方は博識なのね』
『信じちゃダメでしょ、騎士カリムゥ!?』
床に這いつくばりながら、キリッ! とキメ顔を見せる自信満々はカエデの勢いに乗せられるように、一般常識が穴だらけというテンプレお嬢様っぷりをいかんなく発揮したカリムの辞書に、またひとつ誤った知識が書き込まれてしまったようだ。
きっと映像器の向こう側で、教皇に就任したローラと補佐官のマリアが自分の事務机に向かって盛大なヘッドバッドをかましている事だろう。
『騙されてはいけません、騎士カリム! 貴方は、腐界の如き醜悪な悪意に侵されそうになっているのです! そんな一般常識があってたまるものですか!』
『え? でも、カエデがこう言ってるもの……』
『どんだけ純真なんですか貴方!? ちょ、聖王閣下からもなんとか言ってあげてください!』
『ふむ……。カリムさん、私もそれは違うと思います』
ヴィレオまでもが反論に加わったことで、流石のカリムも間違っていたのかと不安げな様子を見せる。
これで一安心と一同が額の汗を拭うと同時に、希望の星となったヴォレオがこんな一言。
『縛られるのは殿方ではなく女殿の方が正しいハズですよ? この間、ユーリさんからビデオレターが届いたのですけど、その中に紐で縛られたディアーチェさんと紐の端を持つレヴィさんの姿がありましたし』
『OH――……』
なんという事でしょう。
《神》サマの世界に旅立った紫天のバカップルが仲睦まじいプレイを映像に残す、アブノーマルな趣向の持ち主であったとは。
……実際は、おやつの苺ショートを欲張ったディアーチェが、せっかく遊びに来たのにおやつを横取りされて怒り狂う『無限の龍神』がら逃げ回っていたので捕縛された瞬間を録画しただけの事だったのだが……駆け込みの仕事があったのでビデオレターを最後まで見れていないヴィレオには知る由も無い。
『ぁ……ぅ……~~ッ! それではァ、決勝戦を始めたいと思いまぁぁああああすっ! 出場選手は入場をお願いしまあっす!』
まさかのどんでん返しに焦ったMCは、不味い流れを断ち切る勢いで絶叫の如き解説を開始した。
空気を読んだ照明さんの心遣いによって証明が落とされ、選手入場口へスポットライトが降り注ぐ。
『ご紹介します! 強豪ひしめく東ブロックを制したうら若き『覇王』ッ! 現代に蘇りし不敗のカイザーアーツを継承する若き天才決闘者! 【カイザー・イングヴァルト】ぉぉおおおっ!』
MCの紹介に合わせて姿を現したのは、決闘者に相応しい戦装束に身を包んだアインハルト。
デフォルメされた猫に見える豹の形状を持つ補助制御型デバイス【アスティオン】を肩に乗せ、悠然とリングへ登っていく彼女は、戦闘形態である十歳後半の外見年齢へと変身する
やや緊張した面持ちではあるが硬さは無く、観客の声援に手を振ることで応えながらリングの両サイドに設置されたデュエリスト専用のバトルテーブルへ向かう。
大会では、格闘技の試合も行われるリングの両サイドにソリッドビションシステムによってカードを具現化させてデュエルを行うルールとなっている。
自分に宛がわられたバトルテーブルにつくと、
腕を組み、不動の姿勢で西側入場門を見据えるアインハルト。
彼女の準備が整うのを待ってから、新たなスポットライトが西側入場門を照らす。
『続いて登場するのは正体不明! 謎な謎を呼ぶ暗黒の使者! 一度たりともLPを半分以上削られること無く決勝の舞台に進撃してきた、まさしく常闇の『殺し屋』! 【ダーク・Vivid】選手の登場だぁぁあああああっ!』
煌めくスポットライトの光を切り裂く黒き刃。
それは雄々しく翻された漆黒のマントが描く軌跡。
怒濤の歓声を浴びて怯みもせず、『こーほー』とくぐもった呼吸音を響かせながら悠然と登場した漆黒の騎士。
――っく!? 肌を突き刺すようなこの眼差し……やはり、ただ者ではありませんね!
表情が一切わからない不気味な相手に気圧されそうになる己を叱咤するアインハルトを見据えながら対面のバトルテーブルについた【ダーク・Vivid】。
【ダーク・Vivid】は一度だけ会場を見わたしてからアインハルトの後方、彼女サイドのサポート席で声援を送っているリオとコロナをしばし見つめて、ふっ、と肩を下ろした。
その仕草が、まるでアインハルトに友人がいることを安堵したように見え、思わず片眉を跳ねあげてしまう。
なんで全身黒づくめのマスクマンにぼっち疑惑をかけられなきゃならないのですか! と内心で獅子の如く憤慨するアインハルトの様子に微塵も気づかず、【ダーク・Vivid】はマントから引き抜いた片腕で己の胸元で点滅する発光板を軽く叩く。
するとそれが、奇妙な機械音を鳴らせながら前方にスライドし、その中から白いナニカがカードデッキを差し出した。
ごくごく自然な流れでデッキを受けとり、バトルテーブルにセットしたことで、両者の準備が整った。
『両者準備が整ったようです! さあ、遂に運命の瞬間がやって参りました! 勝つのは翡翠の『覇王』か、常闇の『殺し屋』か! ミッドチルダ・デュエリストカーニバルファイナルバトル……レディ・ゴォォオオオオオッ!!』
「行きます!」
「こーほー……どこからでもかかってきなさい」
「「
先行後攻はランダムで決定する。
互いにデッキからカードを五枚引き、扇状に手札を構える両者の視線は、バトルテーブルに備え付けられた先行後攻が表示されるモニターへと注がれる。
最強を決める決勝戦の先手をとる資格を与えられたのは――、【ダーク・Vivid】。
「先行か。ならば私のターン、私は手札から“龍王だーくさん”を攻撃表示で召喚」
“龍王 だーくさん”
ランク:☆☆☆☆
属性:闇
ATK:2000
DEF:1700
効果:
・自分のターンのスタンバイフェイズにこのカードが表側表示で場に存在するとき、このカードを墓地に送って手札・デッキから“悪龍王 だーくさん”を特殊召喚することができる。
【ダーク・Vivid】のメインアタッカーとして活躍し、ミッドチルダで知らぬ者のいない『彼の龍神』をイメージしてデザインされたキャラクターの登場に、観客席からわれんばかりの歓声が上がる。
「さらに私は魔法カード“伝説の石板”を発動。“だーくさん”と名のつくキャラクターを2ランクレベルアップさせる。我がデッキより出でよ、“黄金龍神 だーくさん”!」
“伝説の石板”
通常魔法カード
効果:
・“だーくさん”と名のつくキャラクターを最大2ランクレベルアップさせる。
“黄金龍神 だーくさん”
ランク:☆☆☆☆☆☆☆
属性:光(闇)
ATK:3000
DEF:2600
効果:
・このカードは闇としても扱う。
・カードが表側表示で場に存在する時、カードを破壊する効果を無効化することができる。
・カードが召喚・特殊召喚された時、相手フィールド上に存在するカードを2枚まで選択し、破壊することができる。
・敵キャラクターを戦闘破壊したターンの次のスタンバイフェイズ、このカードを墓地に送ることで手札・デッキから“黄金龍神2 だーくさんEX”を特殊召喚することができる。
「1ターン目の先行なのでカード破壊効果は発動できないが、それでも十分。私はカードを1枚伏せて、ターンエンド」
プレイヤー名:【ダーク・Vivid】
LP:4000
手札:2枚
キャラクターゾーン:
“黄金龍神 だーくさん”
伏せカード:1枚
「いきなり攻撃力3000の上級キャラクターを……でも! 私のターン、ドロー! ……私は“ぽんぽこ はやて”を召喚します」
“ぽんぽこ はやて”
ランク:☆☆☆
属性:闇
ATK:1800
DEF:1500
効果:
・カードの召喚に成功した時、デッキから『
アインハルトの場に召喚されたのは、某配管工のオヤジも着たことのある狸スーツ姿のデフォルメはやて。
おでこに葉っぱが乗っかっていたり、「タヌキって言うなやー!」 とプリプリ怒っている様は本人もそっくりと太鼓判を押すに違いない。
「さらに“ぽんぽこ はやて”の効果発動! カード効果により、『
“
ランク:☆☆☆☆☆☆☆
属性:火
ATK:2800
DEF:1000
効果:
・相手キャラクターへの攻撃時、攻撃力が200ポイントアップする。
・『はやて』と名のつくキャラが自分フィールドに存在する時、装備魔法カード“レヴァンティン”をデッキ・墓地から手札に加えることができる。
“レヴァンティン”
装備魔法カード
効果:
“しぐなむ”、または“りいん”と名のつくキャラクターのみ装備可能。
装備したキャラクターの攻撃力を500ポイントアップさせ、貫通ダメージを与える。
“
ATK:2800 → 3500
「バトル! “黄金龍神 だーくさん”に“
自身の効果と装備魔法によって炎の剣を構える“しぐなむ”の攻撃力が、超然と佇む“だーくさん”を上回る。
ドームの天井近くまで達する烈火の火柱を上段に構え、雷光の如き剣閃となって“だーくさん”へ襲いかかった。
この攻撃が通れば、【ダーク・Vivid】のエースを破壊出来る上に、続く“はやて”のダイレクトアタックでLPを大きく削ることができる。
しかし、彼女も決勝まで勝ち進んできた
そう易々と攻撃を通すほど甘く無い。
「罠発動、“虚空への扉”! 相手の攻撃を無効化し、バトルフェイズを強制終了させる!」
“虚空への扉”
通常罠カード
効果:
・相手の攻撃を無効化し、バトルフェイズを強制終了させる
炎の剣が命中する瞬前、“だーくさん”が突き出した掌に漆黒の闇が渦巻くマイクロブラックホールが発生、“レヴァンティン”が纏った炎を残らず吸い込み、消し去ってしまった。
「やはりそう簡単には行きませんか……。私はカードを1枚伏せて、ターンエンドです」
“
ATK:3500 → 3300
効果が終了し、“しぐなむ”の攻撃力が低下する。
それでも“だーくさん”を上回っているので、次のターンで対処手段を見出す必要性があるだろう。
プレイヤー名:【カイザー・イングヴァルト】
LP:4000
手札:4枚
キャラクターゾーン:
“ぽんぽこ はやて”
“
伏せカード:1枚
『両者、1ターン目から強力キャラを召喚する目の離せない展開だー! だが、互いのLPは無傷のまま! 果たして、ファーストアタックを決めるのはどちらになるのでしょうか!?』
「私のターン、ドロー」
観客を煽るMCの解説など聞こえていないかのように、淡々とカードをドローする【ダーク・Vivid】。
しかし、対峙するアインハルトだけは、マスクの向こうで彼女が口端を吊り上げたことを感じとった。
「私は“マジカルガール かりん”を召喚。さらに魔法カード“次元を超える絆”を発動! チューナーキャラクター“メガーネ みゆき”をデッキから特殊召喚!」
“マジカルガール かりん”
ランク:☆☆☆☆
属性:光
ATK:1800
DEF:1800
効果:1ターンに1度、相手の攻撃を無効化する。
“次元を超える絆”
通常魔法カード
効果:
自分フィールド上に“マジカルガール かりん”、もしくは“リリカルガール なのは”が存在する時のみ発動可能。
手札・デッキ・墓地から『
“
ランク:☆☆☆
属性:風
ATK:1000
DEF:1000
効果:
・『チューナーモンスター』
・このカードの召喚に成功した時、“なのは”と名のつくキャラクターを1体、特殊召喚することができる。
ぽむっ! と可愛らしい効果音を立ててフィールドに飛び出した“かりん”と“みゆき”。
眼鏡を『くいっ』と押し上げる長女と、ちっさい杖をバトンのように回転させながらポーズを決めた次女が手を重ね合わせ、何かを祈るように目を閉じた。
「そして“
“リリカルガール なのは”
ランク:☆☆☆
属性:光
ATK:1900
DEF:1700
効果:
・このカードの召喚時、相手の場に表側表示で存在する永続罠を1枚選択して破壊することができる。
姉たちの導きに応えるように、桜色の羽を舞い散らせながら召喚されたちび“なのは”。
並び立った三姉妹が、【ダーク・Vivid】の想いに応える様に気合を込めた顔つきでアインハルトを睨みつける。
デフォルメされた高町姉妹の口元が3連『へ』の字になって見えるので、怖さどころか微笑ましさしか感じないが。
「うむうむ……ハッ!? ご、ゴホン! さあ、私の本領はこれからだ! 私はランク4の高町次女とランク3の三女に、ランク3の高町長女をチューニング!」
ほんわか和みオーラをしばし堪能した【ダーク・Vivid】がワザとらしい咳払いをすると、空気を読んでスタンバっていた高町ちび3姉妹が天高々と飛び上がる。
長女の“みゆき”が三つの光の環に転身し、その中に飛び込んだ“かりん”と“なのは”の身体が重なり合い、眩い閃光の爆発となってスタジアムを照らす。
「繋がる絆の結晶が、夢幻の未来の標となる。天へと駆け昇る翼となれ! シンクロ召喚! 降誕せよ、“
天空に渦巻く光の嵐を吹き飛ばし、地上へと舞い降りる戦乙女。
輝く三対六枚の翼を羽ばたかせ、絶望を消し去る戦乙女が降誕を果たした。
“
ランク:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
属性:光
ATK:3300
DEF:2500
召喚方法:“かりん”と名のついたキャラクター + チューナー + 1体以上のキャラクター
効果:
・1ターンに1度、以下の効果を発動できる。
① 自分のデッキの上からカードを5枚めくり、その中にある魔法カードの数に応じた回数、1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。
② 相手の攻撃宣言時、このカードを墓地に送ることでバトルフェイズをスキップさせることができる。
この効果を発動させたターンのエンドフェイズ、このカードを守備表示で特殊召喚することができる。
③ 相手がキャラクター効果、魔法、罠を発動させた時、手札にある同種のカードを相手に見せることで効果の発動を1ターンだけ封じる事が出来る。
ただし、この効果で無力化できるのは1ターンに1度であり、発動できなかった相手のカードも墓地に送る必要はない。
『でっ、でたぁあああああああっ! あまりの強力さ故に、5枚しか生産されなかったと噂される
沸き立つ観客に応え、
主を護るべく、剣を構えて前に出た“しぐなむ”の眼光をものともせず、不遜に佇む“だーくさん”の傍らに降り立ち――ごくごく自然な動きで腕を絡めた。
意外そうな表情で“かりん”に振り返る“だーくさん”
「……あによう」と言いたげにそっぽを向く“かりん”の甘えを嬉しく感じたのか、「ふっ」と柔らかな微笑みを浮かべた“だーくさん”が首を傾げる様に頭を倒して……“かりん”の頭に『こっつんこ』。
「うりうり~」と“だーくさん”が額を擦りつければ、「うにゅう~!」 と擽ったそうに背を震わせる“かりん”。
(((((お前ら、そーゆーことは余所でやれや))))
召喚から始まるいちゃいちゃを見せつけられた観客席から多数の舌打ちがはじけ飛び、先ほどまでとは違う意味のざわめきがドームを埋め尽くす。
なんだか、とってもよろしくない空気に変わりつつあるのを敏感に察知した【ダーク・Vivid】は、ちょっぴり慌てて攻撃宣言を下す。
「“
攻撃宣言を受け、真っ赤な顔で構えをとった“かりん”の杖から三条の閃光が迸り、アインハルトのフィールドへ襲いかかる。
攻撃力3300の3連撃を許してしまえば、このターンで決着がついてしまう。
手札と伏せカードの間で交互に視線を行き交わせたアインハルトはこの状況を打破するための
「手札の“
「甘い! “戦乙女 かりん”のさらなる効果! 貴方が発動した“
アインハルトの手札から具現化した青い犬……『自称』狼の遠吠えと共に発生した茨の如き防御結界が“はやて”たちを護る鉄壁の防壁となるはずだったが、先の砲撃を追い越す速度で“かりん”の翼から流星の如き速さで射出された閃光が障壁を紙のように貫通し、手札の“ざふぃーら”のカードに突き刺さる。
戦乙女の断罪を受けた番犬は磔にされた罪人のように色彩を失い、無力化されてしまう。
しかし、この状況を読めないアインハルトではない。
“かりん”の弱点、ひとつの効果は1ターンに1度しか発動できないという弱点を突くために、あえて手札の効果を発動させたのだ。
「この状況は読めていました! 本命はこちらです。リバースカードオープン! “らぶり~、なはと”! 相手キャラクター1体の攻撃を無効化し、このカードを装備。『なはと』の可愛さに骨抜きとなった装備キャラは3ターンの間、攻撃も表示変更も出来なくなります!」
“らぶり~、なはと”
永続罠カード
効果:
相手キャラクターの攻撃宣言時に発動可能。
攻撃を無効化し、攻撃してきた相手キャラクターの装備カードとなる。
装備したキャラクターは3ターンの間、攻撃と表示変更が不可能になる。
リバースしたカードから飛び出した純白の体毛と羽の生えたキツネのような不思議生物『なはと』。
『ぴょこーん』と可愛らしい効果音を上げて“かりん”の胸元に飛び込んだ『なはと』の可愛らしさに胸を打たれ、目をハートマークにした“かりん”はメロメロ状態に。
「ぬう……ならば、“黄金龍神 だーくさん”で“
“だーくさん”の左腕が幻影のように霞むほどの速度で振るわれ、弧月を形どった斬撃が“はやて”目掛けて撃ち放たれる。
放射状に放たれた斬撃の嵐は弧の軌道を描きながら“はやて”の四肢に命中し、動きを止める。
激痛による苦悶の表情を浮かべた“はやて”が視線を下げてしまった瞬間、魔力残滓を切り裂くほどの爆発的加速で距離を詰めていく“だーくさん”。
迫り来る暴威に気づいた“はやて”が戦慄を顕わにした刹那、天高々と振り上げられた
「ポンポコー!?」とお約束な悲鳴を上げて爆散する“はやて”。
猛撃の風圧に煽られ、弱々しく宙を舞い落ちていく葉っぱが、本体の消滅に僅かに遅れて霧散した。
【カイザー・イングヴァルト】
LP:4000 → 2800
「ぐうっ……!?」
「ターンエンド……こーほー」
プレイヤー名:【ダーク・Vivid】
LP:4000
手札:0枚
キャラクターゾーン:
“黄金龍神 だーくさん”
“
伏せカード:0枚
『これはすごい! 手札こそ全て消費してしまいましたが、最強クラスの上級キャラ二体がフィールドに並び立ったぁぁあああ――! さあ、【カイザー・イングヴァルト】選手、ここから巻き返しは成るか!?』
最新式のソリッドビションシステムで再現された爆風に対し、四肢を魔力で強化することで抗うアインハルト。
幻影だと頭で理解できているのに、いざ対峙すると“だーくさん”というキャラに秘められた幻想の強さに身震いする。
もしこの場で相対していたのがカードと機械で再現された幻影なのではなく、本物の龍神であったならば……きっと自分は、瞬きすら出来ずに地面の味を噛み締める事になるだろう。
デフォルメされた“だーくさん”から漂うオーラの向こう側から、『最強』がこちらを睨み付けているような錯覚に支配され、アインハルトの足が痙攣したように震え出す。
「っ! 覇アッ!」
アインハルトの抱く本当の願い。
【覇王流】が最強であると証明するためには、必ずや乗り越えねばならない高すぎる壁……『最強』の称号を持つ
絶望と悲嘆に満ちた結果しか見えない未来のイメージを振り払うように、痙攣した太股に拳を叩き付け、喝を入れる。
今は【覇王流】の使い手としてではなく、ひとりの『
余計な雑念など、今は必要ない。
「私の、ターンッ!」
己がやるべきことはたったひとつのシンプルな
「ドローッ!!」
これで手札は5枚。手札とは単なるカードに非ず。
魂と魂をぶつけ合う『
手札が多いということは、それだけ多くの選択肢を与えられたという事に等しい。
顔元まで持ち上げた手札と場のカードを交互に見て、勝利へ通じる道筋を描いていく。
デュエルはまだ開始直後、先制の一撃を受けただけだ。
だが、敵の場には強力なパラメータのみならず、自己進化能力まで備えている“だーくさん”と、強力無比な特殊効果を有する“かりん”。
消極的な護りに徹しようものなら、爆発的な破壊力で瞬く間に撃ち貫かれてしまう。
実際、準々決勝であの『雷帝』との試合では、高防御力のキャラを城壁のように構え、直接攻撃持ちのキャラと魔法でLPを削る戦法をとった彼女を正攻法……高火力キャラによる蹂躙で打ち倒している。
少しでも引いた瞬間、喰い破られる。そんな威圧感と闘志を、無機質な仮面越しに感じられる。
幸い、【ダーク・Vivid】の手札はゼロ、伏せカードも無い。
ピンチは同時にチャンスでもある。
先祖より受け継いだ不退転の志――【覇王流】の教えと闘志を胸に、アインハルトはここで勝負をつけるための切り札を切る!
「私は手札から速攻魔法“アースラ・リジェネレーション”を発動! 手札を総てデッキに戻し、戻したカードに一枚加えた枚数のカードを新たにドローします!」
“アースラ・リジェネレーション”
速攻魔法カード
効果:
手札を総てデッキに戻し、戻したカード+1の枚数を手札に加える。
手札リセットに加えて新たなカードを一枚ゲットできる、非常に強力な手札交換カード。
これにより、アインハルトは事実上、手札ロス無しで新たなカードを手に入れたことになる。
「……往きます! スケール6の“古代覇王 クラウ”とスケール10の“古代聖王 オリヴィ”でペンデュラムスケールをセッティング!」
アインハルトの宣言と共にカードがセットされた二つのペンデュラムゾーンから青い光の柱が立ち昇り、天へと駆け上がる光を極点として天空魔法陣が描き出された。
巨大な環に見える魔法陣の中央から水晶の如き煌びやかさを宿す輝石が顕現、振り子のように光の柱の間で揺れ動く。
輝く柱の中心に浮かび、鎮座するのは、純白の戦装束を纏った金髪の女性“オリヴィ”と、無駄を省き、袖などの余裕を持たない実践的な騎士甲冑を装備した青年“クラウ”。
白色だったドームの天井が蒼く染まり、観客席のボルテージが臨界まで引き上げられていく。
“ペンデュラムキャラクター”と呼称される最新鋭のキャラクターカード。
その神髄は、カードに記された『スケール』というキャラクターのランクを指す数字を持つカードを二枚、ペンデュラムゾーンに置くことで発動する『宣言してからの大量特殊召喚』!
「これでランク7から9のキャラクターを同時に召喚可能! 揺れろ、魂のペンデュラム! 天空に描け、光のアーク!」
アインハルトが天へと掲げた3枚のカード。
天空魔法陣より降り注いだ光の粒子がカードに吸い込まれ、脈動と共に眩い閃光を放つ。
宙に浮かぶ輝石が円を描き、カードから立ち昇った光を増幅させながら魔法陣へと誘い、新たなる時代を切り開く“
「ペンデュラム召喚! 来てください、私の仲間たち!」
アインハルトのフィールドに七色に輝く光が降り注いだ。
その光は三つの輝きへ分裂し、三人の少女の姿をしたキャラクターたちへと変わる。
“
ランク:☆☆☆☆☆☆☆☆
属性:風
ATK:2800
DEF:2500
効果:
・相手フィールド上にキャラクターカードが存在する時、このカードは相手プレイヤーへダイレクトアタックができる。
・このカードを対象にしたキャラクター効果、魔法、罠を無効化することができる。この効果を発動した場合、攻撃力と守備力が300低下する。
パラメータ低下は次の自分のスタンバイフェイズまで継続。
“
ランク:☆☆☆☆☆☆☆☆☆
属性:地
ATK:3500
DEF:3000
効果:
・攻撃宣言時、相手のフィールドに存在する総てのカードの枚数×200分、攻撃力と守備力がアップする。
・このカードが表側攻撃表示でフィールドに存在する時、相手は必ずこのカードに攻撃しなければならない。
“
ランク:☆☆☆☆☆☆☆
属性:風
ATK:2500
DEF:2000
効果:
・このカードが相手キャラクターと戦闘を行う場合、相手に与えるダメージが倍になる。
・相手の攻撃宣言時、相手フィールドに存在する最も攻撃力の高いキャラクターの攻撃を無力化し、その攻撃力の半分のダメージを相手に与える。
召喚された3人の少女。
DSAAインターミドル大会で上位入賞を果たした記念としてカード化された、新たなる世代を作る美少女闘士たちをイメージしたちびきゃらが構えをとる。
「バトル! 行ってください、“じーくりんで”! 万物引き裂き、殲滅する神なる剛爪! 【
“
ATK:3500 → 3900
【ダーク・Vivid】の場に存在する2枚のカードに立ち向かう闘志を纏い、“じーくりんで”の攻撃力が更なる高みへと昇る。
短い足で『てちてち』と可愛らしい足音を立てながら駆け出した“じーくりんで”が巨大な爪手甲を装着した片腕を振り上げ、戦慄する程に禍々しいオーラが迸る!
そうはさせまいと、バトルフェイズをスキップする“かりん”の効果を発動させようとした【ダーク・Vivid】だが、彼女が『なはと』にメロメロ状態なのを思い出し、引き攣った悲鳴を零す。
「っク!? まさか、この状況を見越してあの罠を!? ――うぐっ!?」
“じーくりんで”の身の丈を超えるほど巨大なオーラの爪が“だーくさん”に直撃、効果によって自身の破壊を無効化したとはいえ、攻撃力の差分ダメージが【ダーク・Vivid】を襲う。
【ダーク・Vivid】
LP:4000 → 3100
「まだまだっ! “う゛ぃくとーりあ”は、表側表示で存在する時、相手にダイレクトアタックすることができます! 追撃の槍撃! 【九式“霞”】!」
ダメージにたたらを踏む【ダーク・Vivid】の胸元に、雷を纏った光の槍が着弾、非殺傷魔法の応用で表現された魔力ダメージを受けて、【ダーク・Vivid】
が後方の壁へ吹き飛ばされる。
リングを覆う壁が砕け散る程の衝撃が波紋のようにドームに広がり、舞い上がった粉塵が【ダーク・Vivid】の姿をかき消した。
【ダーク・Vivid】
LP:3100 → 400
『クリティカルヒットぉぉおおお――ッ! ついに謎の殺し屋のLPがレッドゾーンに! ペンデュラム召喚を起点とした怒濤の連続攻撃! 【ダーク・Vivid】選手、果たして立ち上がる事が出来るのでしょうかぁぁあああっ!?』
『すごいですね……とてもカードゲームとは思えない惨状です』
大興奮で捲し立てるMCの解説に湧き上がる観客たち。もはや怒号と化したソレは、カリムの呟きを容易くかき消してしまうほどだ。
ここまで無敵を誇ってきた謎の暗黒卿を、あと一歩まで追い込んだ新鋭の美少女決闘者を讃える声がドームを満たす。
観客も、正体不明の怪人物より、素顔を晒した美少女の応援に力が籠るのはある意味当然の事なのかもしれない。
格闘技の試合ではないのでカウント制限はないが、長時間『
果たして立ち上がれるのか、アインハルトと観客たちの視線が未だ舞い上がる粉塵へと注がれた。
……その瞬間、
「いやー、あいたたた~。やられちゃいました~」
煙の向こう側から可愛らしい
年若い、少女特有の可憐な声質がアインハルトの脳裏に引っ掛かるものを感じさせた。
「この声……どこかで……?」
戸惑うアインハルトの疑問に答えるかのように、濛々と舞い上がっていた粉塵が突如巻き起こった豪風によって振り払われ、その向こうからアーマーに無数の亀裂を走らせた【ダーク・Vivid】が姿を現した。
顔を覆っていたマスクには口元部分が砕け散っているらしく、ピンク色の瑞々しい唇が顕わになっている。
胸元の電子パネルのような装甲は完全欠落し、その奥で空洞になっているスペースにうさぎのぬいぐるみ型【デバイス】がちょこんと鎮座して、アインハルトに向けて手を振っていた。
ものすごく見覚えのあるぬいぐるみ……もとい、【デバイス】を見て、『あっ!?』 と声を上げたのは解説席のヴィレオ。
思わず口元を押さえ、可愛らしく丸みを帯びた瞳を限界まで見開いて、信じられないモノを見たかのように驚きを顕わにしている。
『まさか……貴方は!?』
「ふふ~ん♪ 絶対絶命の大ピンチ……正体を明かすには最高のシチュエーションだねっ! 『クリス』、偽装解除! セーット・アーップ!」
人さし指で天を指して宣言した瞬間、風が渦巻き、メットから飛び出した
クリス……否、【セイクリッドハート】が眩い虹色の魔力を解き放ち、偽装兵装の暗黒卿コスが魔力粒子に分解、彼女本来の
轟々と渦巻く魔力の竜巻から姿を現したのは、白と紅に彩られた金の少女。
その身を包むのは、全体的に丸みを帯びた非戦闘形態の鋼手甲『
首元には【セイクリッドハート】をイメージした兎のアップリケがあしらわれた真紅のマフラー。
アインハルトと同じ、左右で色彩の異なる瞳に宿す気高き魂の輝き。
その姿を垣間見た観客たちは、解説席で思わず立ちあがってしまった『聖王』との間を何度も交互に視線を彷徨わせてしまう。
それも仕方ないだろう。
何故なら、彼女たちは遺伝子の根源を同じにする姉妹にして同一人物。
『聖王』オリヴィエの系譜に連なる、もうひとりの『聖王』なのだから。
ざわめきと驚愕で支配されたこの場所にいる全ての人々へ宣誓するかのように、振り上げていた指先をアインハルトへ突きつけ、声高々に名乗りを上げる!
「【ダーク・Vivid】改め、【セイクリッド・ドラゴン・プリンセス】! 『聖王姫』ヴィヴィオ・スペリオル参上っ、なのです!」
『お、おおお……うぉおおおお――ッ!! まさか、まさかのご登場ッ!? 《新世黄金神》様のご息女にして、聖なる姫巫女! 『聖王姫』ヴィヴィオ様がご登場――っ!? というか、長年ランキングトップに君臨し続けてきた謎のチャンピオンって、貴方のことだったのですか!?』
「うん、そうだよ~。あっちのお城でもネット通じるからねぇ。――ね、ダークパパ♪」
「うむ。このご時世、神であろうとネットスキルは必須技能だからな。決してあのオカン神に《いやいや、いまどきタイピングもまともに出来ないなんて情けない方ですねぇ……》と鼻で笑われてムカついたからじゃないぞ。――ムカついたからじゃないんだからな!」
「はいはい。わかってるし、大事なことじゃないから二回繰り返さなくてもいいの。てか、歯軋りするくらい悔しかったの?」
「あのオバさん、眷属に機械族を大量に従えてるから技術系のスキルがハンパないんだよ。眷属の力は主である自分の力も同義とかぬかしやがって……っ!」
「ダークちゃん、どうどう。折角ヴィヴィオの晴れ舞台なんだから、応援してあげないと、メッ! だよ」
「……そうだな。よし、切り替え終了だ。ヴィヴィオ、がんばれよ」
「頑張りなさい。もし優勝できたら、私たちからも特別なご褒美をプレゼントしてあげますよ」
『うわあああっ!? いったい、いつの間に!? 【ダーク・Vivid】……い、いや、【セイクリッド・ドラゴン・プリンセス】選手側のサポート席に、《新世黄金神》様ご一行がっ!?』
『さきほど粉塵で視界が閉じられた瞬間に顕現されたのでしょう。態々ドッキリを仕掛けてくるあたり、相変わらず性格の悪いお方ですね』
カリムの非難も何のその、何故かフル装備――《新世黄金神》スペリオルダークネス&鎧闘神モードのアリシュコンビ&戦乙女モードの花梨――の登場に、観客たちのテンションが限界突破。
もはや何を言っているのかわからない程の叫びに、妻嫁愛人トリオが仲良く耳を押さえてしまう。
その一方で、リングに戻ったヴィヴィオはシュテルのご褒美発言に目を輝かせていた。
「ご褒美っ!? ホントですか、シュテルママ! よーっし、ここからは本気の本気、全力200%で行っちゃいますよー! 御覚悟なのです、あーちゃんっ! まだ、あーちゃんのターンは終わってませんよっ」
「え、あ、はい……私はこのままターンエンドです」
勢いに呑まれた感じが否めないが、ペンデュラム召喚によってアインハルトの手札はゼロ。
どちらにせよ、これ以上打てる手は存在しない。
プレイヤー名:【カイザー・イングヴァルト】
LP:2800
手札:0枚
キャラクターゾーン:
“
“
“
“
伏せカード:0枚
「さーって、私の場には破壊を免れた代わりにボロボロになった“だーくさん”と、攻撃も表示変更も能力も封じられた“かりん”だけ。伏せカードも無く、手札もゼロ。まさに、絶体絶命の大ピンチですね~」
台詞に反して、ヴィヴィオの顔に悲壮感は微塵も存在しない。
何故なら、彼女は知っているからだ。
どんな危機に落ちようとも、立ち止まらずに前を向いて歩き続ける者の元へ、勝利の鍵が舞い降りるということを。
故に、瞳を閉じながらデッキトップにかけた指先に全神経を集中させ、この窮地を脱する最高のカードをイメージする。
「はぁぁぁあああああああああっ!」
【Accel Boost!!】
ヴィヴィオの闘志に応える様に、【
そして――跳躍。
独楽のように回転しながら数十メートルもの高さまで跳躍したヴィヴィオの右手に黄金の輝きが宿る。
それは奇跡を手繰り寄せる力。
選ばれし
「かっとビングだよ! 私――っ!! 運命を切り開く閃光の
クルクル回転しながら着地を決めたヴィヴィオが、勢いそのままにデッキトップに指を置き、眩い光の軌跡を描きながら1枚のカードを引き抜く。
手首を返しながら人さし指と中指で挟まれたソレを確認し、ここから描き出された勝利への道筋を導き出す!
「私は“かりん”を墓地に送ることで魔法カード“神住まう聖域 天空龍神城”を発動! サイコロを2つ転がし、1つ目の出た目の数だけカードをドローし、その後、2つ目の出た目の数だけデッキのカードを墓地へ送ります!」
“神住まう聖域 天空龍神城”
通常魔法カード
効果:
自分フィールド上に存在するランク8以上のキャラクターを墓地に送ることで発動。
サイコロを2つ転がし、それぞれの出た目の数の枚数分、デッキからカードをドローし、墓地へ送る。
ただし、墓地に送ったカードのランクが8、9の場合はドローカード数を半分とし、ランク10以上の場合は、出た目の数をそのまま適用する。
ヴィヴィオが発動したのは、優れたパラメータを有する高ランクキャラを代償とすることで、手札補充と墓地肥しの両方に対応できる非常に強力な魔法カード。
しかし、十分高ランクと呼べるランク8や9のキャラクターを代償にしたとしても、最大で3枚しかカードを引くことが出来ない。
ランク10越えのキャラクターそのものが希少価値の高いレア中のレアであることを鑑みると、非常にピーキーな効果を有していると言わざるを得ない。
だが、手札の無いこの状況下では、戦局を覆す最高の一手と成りうる可能性を秘めている。
魔法効果で実体化した赤と青の二つのサイコロ。
赤が手札補充に、青が墓地落としに対応している。
ヴィヴィオとアインハルトの視線が向けられる中、『ぽ~い』と軽いノリで放り投げられたサイコロが宙を舞い――運命を決める数字を示す。
赤――2。
青――5。
「……私は新たに2枚のカードを手札に加え、その次の5枚を墓地へ落とします。……ただし、5枚中4枚は墓地に送られず、エクストラデッキに落とします」
顔を俯かせながら処理を進めていくヴィヴィオに向けられる観客の視線は、同情を含むものがほとんどだった。
手札補充が叶ったとは言え、それでも僅か2枚。
エクストラへ落とされたカードが少々気になるが、このタイミングで多少の墓地肥し程度がどれほどの効果があるというのか。
「……ふ」
「!?」
「ふふ……あははははっ! 来たよ、私の切り札っ!」
「なんですって!?」
肩を震わせながら表情の見えなかったヴィヴィオが勢いよく顔を上げて笑顔を振りまく。
そこに悲壮感など存在しない。
あるのは、己の勝利を確信した自信に満ちる強者の笑み。
それを証明するかのように、手札に加わった2枚のカードを頭上に振り上げ、声高々に叫ぶ。
「私は、スケール1の“
ペンデュラムゾーンにセッティングされたのは、最愛の母たちをイメージしたキャラクターカード。
雷を纏った魔女装束の“ありしあ”と炎の翼を羽ばたかせる“しゅてるん”によって形成された光の柱が天に向かってそびえ立ち、それぞれのスケールNoが浮かび上がる。
「これでランク2から11のキャラクターを同時に召喚可能!」
「くっ、あなたもペンデュラムを……! ですが、手札がゼロの状態でいったい何が出来るというんですか――ッは!? いや、まさか……先ほど餅に送られず、エクストラデッキに落とされたカードって!?」
「そのとおり! さっきエクストラデッキに送った4枚のカードは……ペンデュラムキャラクターだったのです! ペンデュラムキャラクターは墓地に行かず、エクストラデッキに送られる。その理由はもちろんわかってるよね?」
「エクストラデッキに落とされたペンデュラムモンスターは、ペンデュラム召喚によって再び復活する……!」
「その通り! でも、まずはこっちが先なんだよねっ。私は“黄金龍神 だーくさん”の効果発動! 前のターンに“はやて”を戦闘破壊しているため、このカードを墓地に落とすことでデッキから“黄金龍神2 だーくさんEX”を特殊召喚!」
ヴィヴィオの宣告に応えるかのように身体を震わせ、天高々と舞い上がった“だーくさん”の身体が光の繭のようなものに包み込まれ、ドームに漂う光の燐光を吸収、更なる高みへ進化する。
「“黄金龍神2 だーくさんEX”……招来っ!!」
光の繭が爆散し、新たなる龍神が顕現した。
両肩の龍鎧装が一回り大きくなり、翼の形状も『X』を描くように変化している。
鎧の形状こそ大きな変化は見受けられないが、その内に秘められた力は、『聖王姫』のフィールドに鎮座する最強たちにまったく引けを取らない。
“黄金龍神2 だーくさんEX”
ランク:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
属性:光(闇)
ATK:4000
DEF:4000
効果:
・このカードは闇としても扱う。
・カードが表側表示で場に存在する時、カードを破壊する効果を無効化することができる。
・1ターンに1度、相手フィールド上に存在するキャラクターカードを総て破壊することができる。この効果を発動したターン、このカードは攻撃できない。
・敵キャラクターを戦闘破壊したターンのエンドフェイズ、このカードを墓地に送ることで手札、またはデッキから“黄金龍神3 だーくさんSR”を特殊召喚することができる。
「続けていくよぉ! ――私の魂に宿りし黄金の輝きよ! 遍く闇夜を切り裂く閃光と成りて、我が元へ顕現せよ! ペンデュラム召喚! きて、私の仲間たち! 集いし最強……“
ヴィヴィオの向上と共に彼女のエクストラデッキから4つの光がフィールドに舞い戻り、その姿を顕わにする。
顕現したのは、新たな仲間となった《
新たなる力と姿を得て、ミッドの大地に『最強の元に集いし最強たち』が現出する!
“
ランク:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
属性:闇
ATK:3800
DEF:3500
効果:
・このカードは、自分フィールド上に“だーくさん”と名の付いたキャラクターが存在しない時、ゲームから除外される。
・1ターンに1度、自分フィールド上に存在するカード1枚と、相手フィールド上に存在するカードを3枚まで選択して発動することができる。
選択したカードを総て破壊し、ゲームから除外する。
・上記の効果を発動したターン、このカードの攻撃力と守備力は効果で除外した相手カードの枚数×1000アップする。
“
ランク:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
属性:炎
ATK:5000
DEF:5000
効果:
・このカードは、自分フィールド上に“だーくさん”と名の付いたキャラクターが存在しない時、ゲームから除外される。
・1ターンに1度、自分の手札、またはフィールドに存在するカードを2枚まで選択してゲームから除外することが出来る。
除外したカードの組み合わせによって、以下の効果を発動でき、除外した自分のカードは次の自分のスタンバイフェイズに手札に戻る。
① 手札から1枚 ⇒ 1ターンの間、攻撃力と守備力が2倍になる。
② フィールドから1枚 ⇒ 相手キャラクター1体を選択し、1ターンの間コントロールを得る。
③ 手札から2枚 ⇒ 相手のフィールドに存在するカードを2枚選択し、ゲームから除外する。この効果は無効化されない。
④ フィールドから2枚 ⇒ 1ターンの間、相手のフィールドに存在するキャラクターカードの効果をすべて無効化し、自身の効果として使用できる。
⑤ 手札とフィールドから1枚ずつ ⇒ 相手プレイヤーへダイレクトアタックが可能になる。
“
ランク:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
属性:炎
ATK:4000
DEF:0
効果:
・このカードは、自分フィールド上に“だーくさん”と名の付いたキャラクターが存在しない時、ゲームから除外される。
・すべての相手キャラクターに攻撃が可能。
・自分フィールド上のキャラクターカードを墓地へ送ることで、そのカードの攻撃力を自身の攻撃力に加えることができる。
“
ランク:☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
属性:地
ATK:3500
DEF:1000
効果:
・このカードは、自分フィールド上に“だーくさん”と名の付いたキャラクターが存在しない時、ゲームから除外される。
・相手の攻撃宣言時、2回まで発動可能。キャラクター1体の攻撃を無効化する。
・このカードの召喚に成功した時、相手フィールドに存在する装備魔法カードをすべて破壊する。
黄金の龍神に並び立つ最強たちがフィールドに顕現し、無限の可能性を秘めた若き少女たちを睥睨するかのように鋭い眼で見下ろす。
いきなり超重量級キャラクターが登場するという急展開についていけず、言葉を失うMCや観客たちに構うことなく、ヴィヴィオは更なる絶望をアインハルトに与えるべく片腕を振り上げる。
「“だーくさんEX”の効果発動! あーちゃんのフィールドに在る総てのカードを破壊します!」
「っは!? そ、そんなことさせません! 私はペンデュラムゾーンにいる“オリヴィ”のペンデュラム効果発動! 相手のキャラ効果を無力化して破壊します! これで――」
「無駄無駄無駄ァ――なのですっ! ペンデュラムゾーンの“ありしあ”の効果発動! カード効果を無効化する効果を無効化する!」
「そんな!? 『オリヴィエ』!?」
総てを薙ぎ払う龍神の咆哮に対し、古の聖王の力で対抗しようとしたアインハルトの戦略を、ヴィヴィオは母の力を持って撃ち砕く。
ペンデュラムスケールの輝きの中で杖代わりの箒を振るった“ありしあ”の眼前に魔法陣が形成、そこから射出された魔力鎖の群れが“オリヴィ”の身体を縛り上げ、能力の発動を封じ込める。
苦悶の声を上げてもがく事しかできない“オリヴィ”の悲鳴を聞いて記憶が刺激されたのか、アインハルトは恐怖と悲しみが入り混じった叫びをあげてしまう。
――そんな……私はまた、護れないのですか……!?
「『
「っは!?」
呆れを含んだヴィヴィオの声にアインハルトが我に返ると、すでに無慈悲な神の宣告が下された後だった。
「夢も希望も、余すことなく薙ぎ払え! 【オーバーロード・ヨルムンガルド】ォ!!」
腰だめに構えて力を集束させた手の平から、怒濤の奔流が解き放たれる。
眼も眩む破壊の具現に呑み込まれたアインハルトの仲間たちは、悲鳴を上げることも出来ずに消滅させられた。
衝撃の余波がリングに亀裂を走らせ、無数の石礫を撒き散らす。
渦巻く魔力残滓が霧散した後に残されたのは、焼け野原と化したアインハルトのフィールドのみ。
切り札として投入したキャラクターも、ペンデュラムスケールを形成していた古の王たちも、皆等しく灰燼と化したのだ。
言葉を失い、呆然とするアインハルトの耳に、『聖王姫』の無慈悲な宣告が下される!
「一斉攻撃! ダイレクトアタック四連打ァ!」、
「え、あの、ちょ、ちょっとまっ――!?」
「待ちません♪」
「酷――きゃぁぁぁぁぁぁあああああ!?」
轟音、爆音、大爆発。
容赦を知らない大人たちによる、大人げなさ過ぎる連続攻撃。
本日一番の爆発が晴れた後には、原型を留めない程に粉砕されたバトルテーブルの残骸と、リングを抉る特大クレーターの中心で倒れ伏すアインハルトのお姿が。
両目をぐるぐるマークにして気絶したアインハルトは、哀れ、ヤムチャにされていた。
大会運営委員は、ホログラムという言葉の意味をもう一度辞書で調べた方がいい。
あるいは、冗談交じりでトンデモカードを生み出した紫の悪魔(兄)を責めるべきか。
「おやおや、私は管理局のカード制作部門の依頼を受けてデザインと調整を手伝っただけなのだがねぇ。最終チェックで見抜けなかった彼らが悪いのだよ、フハハハハハハハハ――ッ!」 と高笑いが返ってくるだろうが。
まあ、それはともかく。
【セイクリッド・ドラゴン・プリンセス】 WIN!
Nice Duel!!
「いえーい、ヴィヴィオの大勝利~♪」
『――ハッ!? つ、遂に決着! 大会決勝戦にして、僅か数ターンで雌雄が決するというまさかの展開! 大会屈指の強者として名を馳せた【カイザー・イングヴァルト】選手を規格外のパワーで正面から撃ち破ったのは、『聖王姫』こと、伝説の最強決闘者【セイクリッド・ドラゴン・プリンセス】選手だぁぁぁああああああっ!!』
丸焦げにされて担架で運ばれていくアインハルトを尻目に、ステップを踏みながらサポート席のダークネスたちの元へ駆けていくヴィヴィオ。
決して大きくない彼女の背後で、爆発的に高まった歓声と興奮が吹き荒ぶ。
世界中へ轟くかのごとき絶叫は収まることなく、勝者と敗者となった少女たちを讃える称賛の声が鳴りやむことが無い。
おそらく、今、この瞬間、クラナガン中の人々の視線を集めているであろう勝者の頂に立ったヴィヴィオは、抱きついた父の腕の中で頭を撫でられながら、ヴィヴィオは勝利の味を噛み締める。
天空龍神城には、精神年齢が同世代の話し相手がなかなか遊びに来てくれず、他の《極神》から仕事を押し付けられて忙しいダークネスたちの邪魔をする訳にもいかないと独りで退屈な時間を過ごす時間が多かった。
そんな中、モニター越しにいろいろな人と遊べる『
そして今日、大好きな家族に見守られる中で、最強決闘者の称号を手に入れたという実感が、言葉で言い表せない喜びとなって彼女の胸で渦巻いている。
少しでも気を弛めてしまえば、羞恥心を捨て去って、歓喜の雄叫びを上げてしまいそうだ。
にやける口元を必死に押さえつけたヴィヴィオは、シュテルの言葉を思い返しながら真っ赤に染まった顔を見上げる。
「そういえば、シュテルママ? 優勝したら、ご褒美くれるって言ってましたよね~?」
「あらら。優勝カップだけじゃ、物足りませんか? 流石は、私たちの愛娘。欲張りさんですね」
「微笑みながら言う台詞じゃないわよね、ソレ?」
左右の頬が真っ赤に腫れた宗助と、下手人たる少女二人を連れだって戻ってきた花梨のツッコミなどなんのその、ダークネスの元からヴィヴィオを抱き上げ、にっこりと笑みを浮かべる。
その背後にはニマニマ笑顔のアリシアに腕を引っ張られてつんのめった花梨が近づく。
何故か、アリシアと花梨の顔も朱を指した様に赤く染まっていた。
そして――、
「ねえ、ヴィヴィオ」
「んう~? なんですかぁ?」
「弟と妹、どっちなら嬉しいですか?」
全国生放送の真っただ中で、さらりと爆弾発言をかましてくださった。
刻が止まる。
空気が静止する。
ドームに響き渡っていた歓声が静寂へと落ちていく。
あんぐりと口を開けたまま硬直した宗助たちやMCたちの一切を放置して、可愛らしく首を傾げたヴィヴィオの顔が驚きと歓喜の色に染まりだした。
「え、えっ!? それって、もしかして……!」
「はい。予定日はまだしばらく先になってしまいますが……『おめでた』です♪」
「にへへ~、実は私と花梨ちゃんもなんだよ~」
「ちょっ!? 教えるのは、向こうに戻って祝勝会開いた時にって約束だったでしょ!? なんで、このタイミングでバラすかなぁ!? ちょ、ダークっ!」
旗色が悪くなったことを悟り、カミングアウトの元凶でもあるダークネスへ非難じみた視線を向ける花梨。
そんな彼女の目に飛び込んできたのは、普段のように余裕ある凛然とした態度を崩さない筈の龍神などではなく、思いっきり狼狽えている男の姿だった。
「……なん、だと……!?」
「アンタも知らなかったの!? って、そう言えば教えてなかったわっ」
「まあまあ。こーゆーノリが私たちの持ち味なんだって」
「アンタはいろんな意味で軽すぎるのよっ!」
「わーい! 私、ずっと妹が欲しかったのです! でも、弟でも嬉しいのは変わんないですよ?」
「そんでこっちはマイペースなのねっ!?」
慌てふためく花梨の様子が面白いのか、ケラケラ笑うアリシア。
賑やかに騒ぐママ~ズの『天然』と『常識』担当の漫才を楽しげに眺めながら、シュテルの胸に抱きついて背中に腕を回すヴィヴィオ。
全然膨らみの感じない母の腹部に耳を押し当て、これから増える新しい家族の鼓動を感じとろうとするかのように瞳を閉じる。
そんな娘の頭を優しく撫でていたシュテルは、視線で説明を求めるダークネスの様子に気づき、淡い笑みを浮かべながら口を開く。
「冗談じゃありませんよ?」
「……そう、なのか。だが、いつの間に? 子どもの前で口にするのはアレだが、ここ最近は眷属集めのゴタゴタでそういうことしてる暇なかった筈だろう?」
「ふふっ。お忘れですか、ダーク様? ヴィヴィオと家族になったあの日の出来事を」
「あの日? ……え、でもあれは冗談だったんじゃなかったか?」
「そーじゃなかったんだよね~」
首を傾げるダークネスの背中に飛び乗ったアリシアが、彼の頬に顔を摺り寄せながら説明を引き継ぐ。
「実はね、あの時に私とシュテルには兆候があったんだよ。えっとお……アレが遅れてたっていうね」
それが何を指すのか問い掛けるほど空気が読めていない輩はこの場に存在しない。
なので、言葉を挟まず、無言で先を促す。
「後になって気づいたんだけど、あの時、間違いなく私とシュテルのお腹に新しい命が宿っていたんだよ。でもね、『神造遊戯』が終結して、十月十日経過しても妊娠の兆候は表れなかったんだ。おかしいでしょ? だから、最初はダークちゃんに教えず、私たち二人だけで調べてた訳なんだよ」
「そうして独自に調べていった結果、どうも私たちが人間でなくなったことが原因だったようなんです」
アリシアとシュテルは、新たな命を宿した状態で『神造遊戯』終結を迎え、ダークネスの覚醒に合わせる様に守護天使としてその身を再構成した。
この際、お腹の中の命も同時に転生……龍神と天使のハーフに生まれ変わるはずだった。
しかし、肉体という器を形成前の時期に母親が人外に進化してしまったため、母体に宿っていた新たな魂だけが引っ張られるようにして高次元の存在へ引き上げられてしまった。
これにより、本来なら魂と器にバランスが成り立った状態で誕生するはずだった赤子は、形成途中だった『人間と龍神のハーフ』という器では受け止められないほど強大な魂魄へと進化した。
人間から天使へと転生した直後の母体は状態が不安定だったため、魂の受け皿として耐えられる肉体の構築が叶わなかった赤子は、魂を母の体内に宿した状態のまま現状を維持し続けた。
そして現在、ようやく母体のアリシアとシュテルの存在が安定したモノになったことで、彼女たちの体内で停滞していた赤子の成長が再開されたのだ。
「――てなワケ。何しろ、ダークちゃんのチカラを受け継いだ子たちだもん。丈夫な身体を造らないと、魂の強さに負けて『ばーん!』 ってしちゃうよ」
「聞いたところによると、天使の赤子の成長は人間に比べてかなり緩やかなモノらしいです。なので、私たちのお腹にいるこの子たちも、これからゆっくりと成長していくんですよ。―――まあ、どこかの喫茶店経営者さんは違うみたいですけどねぇ」
ぎくり、と花梨の肩が跳ね上がる。
宗助たちの『じとっ』とした視線から必死に目を逸らしていた花梨は、説明を求める一同の視線に曝され、顔を真っ赤に染め上げながらそっぽを向く。
「なっ、う、うぁ……~~っ! ダークのバカが悪いのよ!」
「いきなりなんだ!? いや、俺が原因だというのはよく分かったけれどな! けど、お前ともそーゆーことはやってな……ん? おい、ちょっとまて……まさか」
「~~ッ!! ええ、そうよっ! 宗助を私が拾う前、翠屋 ミッド支店が開業した夜に酔っぱらったアンタが……えと……ううぅ~っ! とにかく、あの日のアレが原因なの!」
「はあ!? いや、何年前の話……ああ、そういうことか。お前はアリシアたちよりも神化が早かったから」
ミッドチルダに翠屋支店をオープンさせることが出来たあの日の晩、ルビーの嫌がらせでプレゼントに紛れ込んでいたアルコールが切っ掛けで、交わったダークネスと花梨の運命。
運命の起点となったあの夜に、ちゃっかりと愛の証をこさえていたと言うことか。
ソレに気づかず、妊娠の兆候が出てくる前に神化が始まったため、アリシアたちのように赤子が成長を停滞したまま現在に至る、と。
「自分のこととはいえ、なんて常識はずれな生き物になっちゃったのかしら私……」
思わず頭を抱えてしゃがみ込んでしまう花梨……だが、こういう超展開になれてしまった彼女は数秒でリカバリーを果たし、元凶でありながら観客席に座っていた愚か者の襟首を掴み、睨みつける。
「ま、それはそれとして。……ダーク」
「……ん」
「こーゆーことは『なあなあ』で済ませたくないの。だからハッキリ言わせて貰うわ。――私、この子を産むから。誰にも文句は言わせないわ」
きっかけはどうあれ、今は愛情を抱く男との間に芽生えた命の芽吹き。
息子や娘同然の少女と新しい家族になる未来を与えるために、振りかかる火の粉は総て撃ち払う。
それこそが花梨の決断。
たとえ世界の総てを敵に回したとしても揺らぐことの無い、絶対無敵の誓い。
花梨の覚悟を、彼女の言葉に同意するアリシアとシュテルの顔を流し見て、ダークネスも現実を受け入れ、決断する。
経緯はどうあれ、大切に思う存在との絆の証とも呼べる存在。
家族の愛情を知らずに育った己にとって、家族が増えるということは心躍るほど喜ばしいこと。
故に、
「わかった。俺も立派な父親になれるよう最大限の努力を約束する。……だから」
「……うん。わかった」
「は~い、なんだよっ♪」
「ふふっ、ダーク様ならそう言ってくれると思ってましたよ」
喜びと恥ずかしさで頬を上気させた三人を抱きしめ、逃がさない様に両腕に力を込める。
絶対に、何があっても放さないという揺るぎ無い想いをこめて、強く、強く、強く――!
「むーっ! 仲間はずれされて、むくれるヴィヴィオがここにいるのです! 私も『ぎゅっ』を所望しますっ!」
「ぷっ! ははは、そうか。――ほら」
アリシアたちを抱き締める腕に隙間を作った瞬間、そこへ身を潜らせるように飛び込んだヴィヴィオ。
母親たちにもみくちゃにされながら、家族の温もりに心地よさそうな笑顔を浮かべる愛娘に、ダークネスが笑みを浮かべてヴィヴィオと額を重ね合わせた。
「ヴィヴィオ、優勝おめでとうだ」
「……おお! ありがとうなのです、ダークパパっ! 最高のご褒美で、ヴィヴィオのハートは有頂天なのですっ♪」
父に褒められ、ようやく勝利の実感を味わえたらしいヴォヴィオは、大好きな家族に抱き締められながら己を讃える大歓声の渦に身を委ねた。
と、いうワケで遊戯王風味Vividをお送りしました。
時期は原作の1年位前あたり。
入院で休学していたアインハルトはリオコロコンビとクラスメートになり、仲良し三人組を形成。
リハビリをしていたので辻斬りはしていませんが、ナカジマ姉妹に加わったノーヴェとはトレーニングのランニングをしている最中にちょくちょく合うようになり、手合せするようになって交友を深めた。
ヴィヴィオとは時々メールで連絡を取り合う中……ということで。