魔法少女リリカルなのは 『神造遊戯』   作:カゲロー

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やってみたかったネタその2。
リクエストもありました、ダークさんの修行風景(?)。
今回登場したゲストの登場は今回限り……かな?
それにしても、いざ完成して見みれば本編レベルの文字数に……。
いやー、ダークさんメインにすると文字数が増えること増えること。


《新生黄金神》のこんな日常

重力を感じられぬ異空間。

何らかの建造物の成れの果てと思しき残骸が漂う奇妙な空間に浮かぶのは蒼き双翼を羽ばたかせ、黄金の鎧を纏った超常なる存在……《新世黄金神》スペリオルダークネス。

 

「……ふむ」

 

自分がどこに居るのか、それすらもあやふやな異空間に漂いながらも腕を組んで何故自分がこんな場所に居るのかを思い返していく。

あれはそう、確か今朝の朝食を三人で済ませた後の事……

 

 

――◆◇◆――

 

 

「ダークちゃん、ダークちゃん! 私、異世界に行ってみたいんだよ!」

 

全てはこの一言から始まった。

とある管理外世界を拠点としていたダークネス一行が民宿の朝食を食べ終わったタイミングでこんなことを言い出したアリシアに何とも言えぬ視線を向けてしまったのはしょうがないと思う。

 

「むう~! 二人ともノリが悪いんだよ!」

「話の脈絡をもう少しでいいから気にしてください。ていうか、違う世界に行きたいのでしたら転移すれば一発でしょうに」

「ちーがーうーんーだーよー! 私は行きたいのは異世界なんだよ、い・せ・か・い!」

 

両手を振り上げながら、物申す! とばかりにテンションが高いアリシアの傍らにある物に気づき、ダークネスは納得の頷きを返す。

 

「ラノベか」

 

そこにあったのは、しばらく前に地球の翠屋に出向いた際に道すがら購入していたライトノベル系小説本。内容は変哲も無い一般人な少年が異世界に召喚されてチート全開、好き勝手に異世界ライフを堪能する……みたいなやつ。

 

「なんだ、異世界無双とかやりたくなったのか?」

「む? ですが、そのくらいのことならダーク様がいつもやってる事ですよね? 変わり映えしないのでは?」

「いや、流石にそこまではっちゃけたりはしないが?」

 

妙な方向に話が傾きかけた所で、再びアリシアが握り締めた拳をテーブルに叩き付ける。

 

「だから、違うんだよ! 私はそう言うのがやりたいんじゃなくて!」

「?? では何がしたいのですか?」

 

意味が分からず、首を傾げてしまったシュテルをビシッ! と指差しながら、アリシアは最近成長著しい母性と男の子のロマンがたっぷり詰まった胸部をダイナミックに揺らしながら宣言する。

 

「私! いっぺん本物の天使とか悪魔を見てみたいんだよ!」

「天使?」

「悪魔?」

「そう! 見てよコレ!」

 

そう言って二人の前に突き出すのは、真新しいラノベの文庫本。

表紙には可愛いイラストレーターの手で描かれた天使と悪魔の姿……。

 

「美人女悪魔と悪魔になった高校生を中心としたハイテンションバトルストーリー? ……ああ、なるほど。確かに天使や悪魔のみならず、吸血鬼やドラゴンに英雄まで登場していましたね」

「あー、つまり、なんだ。お前はこの本の中に入り込みたい、もしくはこの物語に酷似した異世界に行ってみたい、と。そういう訳だな?」

「うん!」

 

満面の笑みを頷かれ、流石のダークネスも頭を抱える。

確かに自分もある意味で空想上の産物の中に入り込んだとも言えるけれども、それをやってほしいと言われてはい解りましたと即答できるはずも……

 

「そう言えば、ジュエルシードが全部そろってから今日まで、何かの願いを叶えるとかやっていませんでしたよね? もしかしたらいけるんじゃありませんか?」

 

出来るはずが……

 

「そーそー、死者蘇生とか転生とか出来ちゃうんだから、きっと大丈夫だよ!」

 

出来……

 

「それに自分の限界を知るのも良い修行になるのではありませんか? ダーク様はまだ《新世黄金神》として全力を揮われた経験がありませんし。自分の限界を知るのによい機会なのでは?」

 

……

 

「……はぁ、分かった。やってみよう」

「わーい! なんだかんだ言って頑張ってくれる、そんなダークちゃんが大好きー♪」

「ふふっ、ダーク様は本当に甘々ですよね。まあ、そんなところに惹かれているのですけれど」

 

百%本心から来る言葉だと分かっているからこそ、かえって恥ずかしいものだ。

そっぽを向き、頬を掻きながら席を立ったダークネスは、善は急げとせっついてくる二人に抱き着かれながら表に向かう。

 

――自分でも自覚しているとはいえ、このままでは色々と不味いかもな……。

 

アリシアとシュテルにはついつい甘やかしてしまう自分自身に溜息を溢すしか出来ない、ダダ甘な竜神様なのであった。

 

 

 

 

人目に付くのは流石にマズイだろうという事で、人気の無い草原まで出向いてきたダークネス一行。

むっ、と匂い立つ草花の香りが鼻孔を擽り、煩いほどのセミの鳴き声が幾重にも重なり合って四方から叩き付けられる。

遥かな上空を漂う入道雲が青い空と見事なコントラストを描き、鮮烈な太陽の陽射しが大地へと降り注ぐ。

太陽光をキラキラと乱反射する青草の眩しさに目を細めながら、《新世黄金神》へと変身を終えたダークネスは封印空間“封鎖の刻印”を発動させる。

半径数キロにも及ぶ巨大な結界はかつて地球で発動させた頃より機能を向上させており、外部からは結界に直接触れなければその存在を感知できないほどの隠蔽能力を取得していた。

これくらいの予防策を張り巡らせておかないと、間違いなく管理局の感知網に引っ掛かってしまう。

ダークネスは首を後ろに回して、自分の後ろに控えている少女たちへと視線を動かす。

デザインが御揃いで色違いのワンピースを纏ったアリシアとシュテルは、堪えようの無い好奇心を抱きながらダークネスの挙動を注視している。

本当に異世界へ通じる(ゲート)を展開できるのか。転移できたとして戻ってくることは出来るのか。

安全面を確実にするためにも、まずはダークネス一人で試してみるという事になった。

彼単体ならば、最悪右も左も分からぬ異世界に朴り出されてしまったとしても、アリシアとシュテル(・・・・・・・・・)がこのセカイに存在している以上、確実に帰還できるからだ。

そのための手段はすでに構築済みなので問題はない。

 

……ちなみに、ダークネスがどこかの異世界でのたれ死ぬとはアリシアやシュテルは想像だにしていない。

 

二人に言わせれば、『え、寧ろダークちゃん(様)って、どうすれば死んじゃうの(ですか)?』だ。

絶対的な信頼感からくる底無しの自信。微塵も迷わずに言い切れるほどの存在なのだという事なのだろう。

 

「始めるぞ……リンカーコア活性、ジュエルシード・シリアル“Ⅰ”より“ⅩⅩⅠ”までの魔力回廊接続、『魔法力(マナ)』増幅天翔翼展開……!」

 

《新世黄金神》となった今のダークネスには、より効率よく『魔法力(マナ)』を取り込む術が存在する。

それは蒼き宝石と同じ輝きを放つ竜翼。空中での高機動を可能とする加速機関という性能のみならず、取り込んだ『魔法力(マナ)』を増幅させる増幅機関(ブースター)としての機能も備わっている。

翼より放出された光り輝く魔力の燐光が草原を舞い踊り、静寂に包まれていた草原を幻想的な風景に彩っていく。

魔力の高まりに呼応して黄金色の鎧も光り輝き、ジュエルシードたちも眩い輝きを放ち続ける。

 

手を翳す。指の差す先、遥かな上空に展開されたのは幾何学模様で描かれた巨大な魔法陣。

既存の魔法系統とは一線を介した、まさに神の御業と称するに相応しい幻想的なまでの美しさが、そこからひしひしと感じられる。

魔方陣の中心より降り注ぐ膨大な『魔法力(マナ)』の輝きに包み込まれ、ダークネスの身体が徐々に薄れていく。

神造遊戯(ゲーム)”の参加者としてこのセカイに縛られているダークネスは、異世界に転移することなど叶わない筈だった。

しかし、限りなく神に近い存在へと進化した今の彼の力量と完全なジュエルシードの能力、そして帰還する時に目印と成る眷属(アリシアとシュテル)の存在によって、不可能とされたそれを実現させるに至った。

今回、アリシアの願いに応じたのは、ダークネス自身が自分たちを縛る神々とセカイの理を超えることが出来るのかを確かめる実験も兼ねていたのだ。

セカイとセカイの狭間にある境界を突き破り、その隙間を通して黄金の粒子となった自分自身を『向こう側』へと潜り込ませる。

眩い光に包まれたまま、ダークネスはセカイの境界を飛び越えたのだった――。

 

 

――◆◇◆――

 

 

「――で、気が付くとこんな場所に浮かんでいたと言う訳なんだが」

 

誰もいない無音に包まれた異空間を漂いながら、今の状況を冷静に分析していく。

まずは自分がいるこの空間について。

 

『静寂』

 

言い表すとすればまさにこの言葉がふさわしい。

瓦礫が漂う以外に変わり映えのしない、静止した空間。

まるで時を刻むことを自ら止めてしまったかのような……そう思えるほどに、どこまでも静かな世界。

 

「個人的にはあまり長居したい所ではないな――うん? なんだ?」

 

ふと、何者かの視線を感じて視線を上空(?) へと向ける。

視界を向けた先を染め上げるのは巨大なる『赤』。

まるで空間にペンキをぶちまけられたみたいに赤一色に視界が染まる。

それに驚きながら冷静に観察してみると、それは巨大な生物の鱗であると理解した。

翼を羽ばたかせ、後方へと下がりながらソレの正体を見極めようと目を凝らす。

それは真紅の“ドラゴン”であった。

全長は目算でも百メートルは下らないほど。鋼鉄を紙切れの様に切り裂くであろう鋭利な爪、巨体を浮かして余りある力強さを感じさせる竜翼。

鋭利な牙を立ち並ばせた咢の奥底から唸り声を上げ、敵意に満ちた鋭い眼光がダークネスを貫く。

何やら気に入らない存在と認知されてしまったらしく、友好さなど微塵も感じられない巨龍の反応に、ダークネスは後頭を掻く。

 

――俺って初対面のドラゴンにまで嫌われる程、悪人指定されていたりするのか……?

 

実際は、現在彼らがいるこの空間――次元の狭間――を住処としているのがこの巨龍であり、ダークネスは図らずとも『彼』の縄張りに侵入してしまった不届き者でしかないのだ。

結界を張るなりして『彼』の言線に触れないよう気を遣っている者たちならば、『彼』もここまでの敵意をあらわにしなかった事だろう。

だが、彼が睨み付けている侵入者から感じられる異質な気配。何よりも『黙示録』を称されるほどの力を宿す『彼』を以てしても倒せると断じることが出来ない程の強大なる力を秘めた存在。この場所を気に入っている『彼』としては、以前から自分に突っかかってきていた『あのドラゴン』が寄越した刺客かもしれない存在は速やかに追い出しておきたいところだ。

まるで玩具を取り上げられそうになった子どもが癇癪を起しているかのような浅はかな考え。

だが、今の状況下では……いろいろとタイミングが悪かったと言わざるを得ない。

なぜなら……

 

「ほう……!? これほどの威圧感(プレッシャー)を放つかよ! かなり強いな貴様……!」

 

黄金神と化した今、あのセカイでは色々なしがらみのお蔭で全力の戦闘を行えなかった。

アリシアたちとの模擬戦は本気を出しているし、自分を捕縛せんと襲い掛かってきた管理局や犯罪者たちにも手を抜く事はなかった。

だが、それでも……心置きなく“全力で殺し合う”機会は、No.“0”(白夜)との戦い以降、一度たりともなかった。

それも仕方のない事だろう。

模擬戦は長時間続けてしまうと管理局に察知されてしまうし、追跡者共はそもそも全力を出す前に全滅できる。特に最近は、成長著しいアリシアとシュテルの二人だけでどうにでも出来るになってきている。

そう、つまりダークネスは……いろいろとストレスが溜まっているのだ。

戦闘狂と言うほどに戦いに飢えてはいないが、それでも強者と戦ってみたいと言う欲望は彼の胸の内に存在しているのだ。

そんな折に偶然出会えた、全力を出しても勝てるかどうかわからない強敵……それも戦意満々な相手を前にして、ダークネスに滾るなと言う方が酷だろう。

翼を展開し、魔力を練り上げていく。

例え世界は違えども、知的生命体の思念の集合体である『魔法力(マナ)』は確かに存在している。それは、ここ次元の狭間であろうとも変わりはない。

普段の『魔法力(マナ)』とは若干質が異なるものの、その程度の事は問題にならない。

高まる戦意と魔力に呼応して、静寂なる世界が震え上がるほどの圧倒的なチカラの奔流が溢れ出す。黄金色に染め上げられて、この空間が叫びを上げているかのようだ。それは己と言う世界を侵食しようとする恐るべき怪物への怯えか、それとも新たなる神の降臨を歓迎する歓喜の調か。

だが、そんなことは……『彼』には関係ない!

 

「――――ッ!!」

 

咆哮。いくつもの重楽器を重ね合ったかのような轟音とでも称するべき咆哮が次元の狭間に轟く。

己の宝を奪い取らんとする“敵”を見据え、『黙示録』の名を冠する最強のドラゴンが戦意を滾らせる。

 

「ククッ! いいぞ……アリシアに感謝しないとだな。ここなら誰の目を気にすることも無く全力で暴れられる……!」

 

迎え撃つは、異世界より舞い降りた黄金の竜神。

蒼き願いの宿る双翼を羽ばたかせ、溢れんばかりの闘気と魔力を放つ。

 

「ぶつけさせてもらうぞ、俺の全力をな!」

「――――ッ!!」

 

咆哮一閃。

彼らしか存在しない静寂の闘技場で黄金の竜神と真紅の神帝が激突する。

巨大なる龍爪が黄金の閃光を切り裂き、世界蛇の牙が真っ赤な熱線を噛み砕く。

 

異なる世界の頂に在る存在同士による激闘の幕が、切って落とされた――。

 

 

――◆◇◆――

 

 

次元の狭間の一角、結界によって隔離された異空間に存在する神殿の上に独創的な姿をした者たちが存在していた。

外見こそ人と同じ姿をしている彼らはしかし、人間ではなかった。

『悪魔』

それが彼らの正体。漆黒の翼と常人には無い魔力を扱うことが出来る地獄を故郷とする人成らざる存在。

 

「……う、う~ん? あれ、何がどうなったんだ……?」

「イッセー!」

「うわっ!? ぶ、部長!?」

 

倒れ込み、意識を失っていた学ラン姿の少年に、真紅の髪が目を惹く少女が涙を流しながら抱き着いていた。

少年の名は『兵頭 一誠』。通称、イッセー。神をも打倒すると言われる伝説の神器……『神滅具(ロンギヌス)』がひとつ、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を宿す彼の特徴は『エロい』事。女性の双丘……即ち、おっぱいに並々ならぬこだわりと執着を見せるエロスの権現である。

少女の名は『リアス・グレモリー』。かつて、人間であったイッセーが死に瀕した時に悪魔として転生させることで救った純血の悪魔であり、この世界に存在する四人魔王のひとり、『ルシファー』の名を冠する魔王を兄に持つ。

 

つい先ほど、イッセーは敵への怒りのあまり暴走を起こしていたのだが、彼の恩師でもある堕天使総督アザゼルとリアスの兄である魔王、本名サーゼクスが生み出した『幼い少年少女に夢と希望を与える勇者の歌』によって意識を取り戻し、彼を想う大切な女性の『神秘の祝福』によって意識を取り戻したのだった。

彼らの周りにいる仲間たちや、一時的に協力関係を結んだ好敵手(ライバル)も安堵の溜息を漏らしている。

そんな中、イッセーの……と言うよりも彼が持つ『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』に宿ったドラゴン『赤龍帝 ドライグ』のライバルと称される白き龍『白龍皇』が宿った『神滅具(ロンギヌス)』を持つ人間と悪魔の混血児『ヴァーリ』に声を掛けられて、イッセーが顔を上げる。

 

「兵頭一誠、どうやら無事だったようだな」

「ああ、何だか世話になっちまったようだな」

「たまには、こういうのも良いだろう。それよりも――っと、早いな。もう来たのか、オーフィス」

 

言葉の途中で振り返ったヴァーリの視線の先には、足元まで届く黒髪とゴスロリ風の黒いワンピースの少女が佇んでいた。

 

「……まだ?」

 

要領を得ない上に短すぎる台詞であったがその意味をヴァーリは察したらしく、やれやれと肩を竦めた。

 

「ああ、そのようだ。だがまあ、もうそろそろお出ましになるのは間違いないんだろう? 少しくらい待っても構わないだろう」

「ん……。あ、アザゼル来た」

 

オーフィスが小さく呟いた直後、上空から漆黒の翼を背に生やしたアザゼルと、巨大なドラゴン……最上級悪魔として転生した元龍王『タンニーン』が降り立った。

オーフィスを追ってきたアザゼルは、ヴァーリを確認すると何とも言えぬ微妙な表情を浮かべてしまう。

アザゼルにとって、ヴァーリは息子の様に接し、育ててきた存在だ。それなのに『強者と戦いたい』なんて理由でテロリスト『禍の団』に寝返られたのだから、文句の一つでも言ってやりたいという所か。

もっとも、ヴァーリの方は欠片も反省の気配は見受けられないが。

 

「……オーフィス、お前が此処に来た理由は何だ? ただの顔見せって訳じゃあないんだろ?」

「我は会いに来た」

「会う? 誰にだ? まさかイッセー……ドライグにか?」

「違う。我は――……ッ!?」

 

アザゼルの問いにふるふると首を振ると、何かに気付いたらしいオーフィスは唐突に空を見上げた。

彼女は『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』と呼ばれる世界最強のドラゴンだ。

彼女が一方的に敵視している宿敵、かの黙示録の名を冠する紅き龍帝を排除し、静寂なる世界を手に入れようとしているのは関係者の間では有名である。

だが、それに関する事であってもほとんど感情を動かさないのが彼女の特徴でもある。

そんな普段から喜怒哀楽を表情に出さない彼女の双眼は僅かに見開かれ、唇はぽかんと呆けたようにoの字を描いている。それは間違いなく『驚き』によるもの。

普段はまずお目に掛かれないリアクションを見せる彼女に何事かと周囲が困惑する中、彼女が見上げる先から『光』が溢れ出した。

 

「な……っ!?」

 

悪魔も堕天使もドラゴンも関係なく、その場に居た全員が驚きと畏怖を持って空を見上げていた。

彼らは感じ取っていたからだ。先ほど天空を駆け抜けた光と、それが溢れ出した空間の亀裂の向こう側から感じられる、圧倒的な存在感(プレッシャー)を。

皆が見上げる先で――『かの存在』は現れた。

先ず現れたのは真紅の巨躯を誇るとてつもない力を秘めたドラゴン。

まるで背中から空間を押し破る様に現れたドラゴンは、翼を翻して体勢を立て直すと怒りの咆哮と共に咢を開き、超圧縮された龍帝の吐息(ドラゴンブレス)を放つ。真紅の熱線は寸分の狂いも無く空間の亀裂に呑み込まれ、その先にいる“敵”へと直撃する。

空間を揺るがせるほどの爆音と振動が周囲に広がり、それはイッセーたちにまで及ぶ。

 

「おっ、おおおっ!? な、なんじゃありゃーー!?」

 

床の転がるイッセーの叫びに律儀に応えるのは、説明好きなアザゼル先生だ。

――石柱にしがみ付きながらという、何ともカッコのつかない体勢ではあったが。

 

「ありゃあ『赤い龍』と呼ばれるドラゴンの片割れ、黙示録に記されし伝説のドラゴン『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン) グレートレッド』だ。真龍と称される偉大なる者で、自ら次元の狭間に住んでそこを永遠に飛び続けているんだ。いま俺たちが居るのも次元の狭間の一角だからな。こうしてお目に掛かれることも無い事はなかったんだが……っと、そういうことか。オーフィス、ヴァーリ、お前らの目的は奴を確認する事だったんだな?」

「ああ、アザゼルは本当にすごいな。俺たちの考えをこんなに早く見抜くなんて」

「フン、伊達に育ての親なんざやってねぇよ――……て、おい。ちょっと待て。どうしてグレートレッドが暴れてるんだ? アイツはそこまで凶暴な性格してなかった筈だろ?」

「おいおいおい、俺っちたちはな~んもしてねぇよ!? これマジだって! 今回の俺っちたちの目的は、奴さんを確認するだけだったんだって!」

 

お前ら何やりやがった? とアザゼルに睨まれ、冤罪をかけられてはたまらないとばかりに、ヴァーリの仲間である『孫悟空の子孫』美猴が慌てて手を振る。

 

「……来る!」

 

何時になく感情を顕わにしたオーフィスが見つめる空間の亀裂から、黄金の輝きを放つ存在が姿を現した。

それは蒼穹の如き蒼い翼をと金色の鎧を纏った異世界の竜神。

グレートレッドのブレスの直撃を受けてもなお戦意を滾らせた咆哮を上げる怪物。

黄金色の魔力を振りまきながら、黄金の竜神……ダークネスは光すらも置き去りにした速度でグレートレッドへ向けて突撃する。

伝説に名立たる強者たちですら見失うほどの速度で彼我の距離を零に詰めると、引き絞った拳をもはや城壁にしか見えない胸板目掛けて叩き込む。

 

「雄ォオオオオオオオオオオオオッ!!」

「!?!?!?」

 

空気が破裂したかのような音と共に、グレートレッドの巨躯がくの字に折れる。

グレートレッドからしてみれば虫に刺されるに等しい筈の一撃は、冗談みたいな威力と衝撃を内包していた。

かつてない激痛が赤龍神帝の全身を駆け巡り、拳の衝撃が後方へと突き抜けていく。

どの衝撃に耐えきることが出来なかったグレートレッドが、はるか後方へと吹き飛ばされていく。

空間に浮かぶ建築物の残骸、大小さまざまなそれらを巻き込み、粉砕し――イッセーたちがいる神殿の一部に激突することでようやく停止した。

その衝撃は凄まじく、神殿が崩壊するまでには至らなかったものの、大地震が起こったかのような振動が彼らにも襲い掛かる。

結界を張れるものたちが協力して展開させた強固なシールドに避難しながら、現在進行形でとんでもない大喧嘩に巻き込まれてしまっていると察したイッセーから悲鳴が上がる。

 

「せ、先生! タンニーンのおっさん! いったい何がどうなってんだよ!? あの馬鹿でかいドラゴンがドライグのお仲間っては良いとして、そいつをブッ飛ばしたあの金ぴかはどちらさんなんすか!?」

「う、うっせえよ! 俺だって驚いてんだ! ってか、グレートレッドを殴り飛ばすとか、マジでアイツ何者だ!?」

「そんなこと言っている場合か! 来るぞ、アザゼル!!」

 

皆が吹き飛ばされないようにその身体を盾にするように構えていたタンニーンの言葉通り、ダークネスが高速飛翔で迫り来る。

掲げた指先には燃え盛る炎の如き漆黒の魔力光が宿る。

 

「クライシス・エ――」

 

全てを切り裂く魔剣を振り下ろさんとした瞬間、跳ね上がる様に翳されたグレートレッドの口から眩いばかりの光の奔流が解き放たれた。

先ほどとは比べられないほどの巨大な閃光は、攻撃直前のダークネスに回避も防御も取らせぬまま直撃し、大爆発を引き起こした。

全てを焼き尽くす赤龍神帝の吐息(ブレス)の直撃を受け、誰もがグレートレッドの勝利と判断した――刹那、

 

「なめっ……るなぁああああっ!!」

 

ギリギリ間に合った障壁の残滓を散らすダークネスが、爆炎を切り裂いた黒焔の魔剣を振り下ろす。

 

「クライシス・エンド!」

 

すれ違いざまにグレートレッドの鎧の様な鱗を切り裂いた魔剣による一閃は、鮮血と跳び散らし、悲鳴を轟かせる。

焼き斬られた肉の生々しい臭いが辺りに漂い、猛烈な痛みに反射的に振り上げた爪がダークネスを捕える。

 

「―――!!」

「ヅッ!?」

 

強靭な四肢から繰り出される一撃はかつて経験したことのない衝撃を伴って、ダークネスに襲い掛かった。

紙屑のように吹き飛ばされたダークネスの身体がイッセーたちの居る神殿へと叩き付けられる。だがその衝撃の大半を受け流すと、衝撃に逆らわず身を任せることで逆に間合いを開けた。

床に肘を叩き込んで身体を浮かばせると、そのまま体を捻ることで体勢を立て直す。

床を粉砕しながら体勢を立て直したダークネスは、すぐ傍らに展開された結界の中から注がれる視線に気づくことも無いほどに戦いに集中していた。

グレートレッドが大きく息を吸い込む動作を……吐息(ブレス)発動の前兆を見せたことを確認し、己の対応を即座に判断を下す。

回避するか。それとも耐えきった後に反撃を叩き込むか。

それとも――

 

「正面から……打ち破るっ!!」

 

両手を突き出し、魔力を集束させる。荒れ狂う魔力粒子(エーテル)が渦を巻き、一つの光へと練り上げられる。

彼の手に集う『魔法力(マナ)』は、まさしく世界すら飲み干すほどの暴力(チカラ)を秘めた『神代魔法』。

龍帝を葬り去るために産み落とされた、最強の牙――!

ただ純粋に破壊のためだけに存在するエネルギーが極限まで集束され、膨大と言う言葉すら話にならぬほどの光の奔流が解き放たれる!

 

「『総てを飲み干す世界蛇の凶牙(ヨルムンガルド)』――ッ!!」

 

唸りを上げる極大魔導の閃光。世界を滅ぼすほどの威力が籠められた世界蛇がその姿を現した。

集束するのは神大の魔力――空間をも切り裂く黄金光の煌めきが眼前の赤龍神帝を打ち滅ぼすべく、その凶牙を研ぎ澄ます……!

 

「――――ッ!!」

 

迎え撃つは、黙示録を起こす真紅の閃光。

等しき滅びを齎すと称される竜王の吐息(ドラゴン・ブレス)が、世界を飲みほさんとする神の蛇を迎え撃つ!

 

「がっ、ぎぃ……!」

「――ッ!!」

 

互いを喰らい尽くさんとせめぎ合う極光は互いに譲らぬまま拮抗を続ける。

グレートレッドは反動で仰け反りそうになる身体を固定すべく周囲の残骸に爪を突き立て、ダークネスは押しつぶされそうになる膝に激を飛ばして耐え凌ぐ。

一歩でも引けば、その瞬間に己の敗北が決定する……!

それを理解しているからこそ、両者は歯を食いしばり、限界まで魔力を、闘志を燃やし続ける。

 

「ぐっ、おぉおおおおおおおぁああああああああっ!!」

 

しかし、いかに我慢比べの様相を呈しているとはい言え、それが永遠に続くことなどありえない。

限界を超えた魔力を注ぎ込み、己の信じる意志の力全てを費やした勝負にも――終幕の時は訪れる。

 

せめぎ合う神蛇の牙と灼熱の炎がお互いを喰らい合い、遂にこの戦いの終幕を告げる大爆発が巻き起こった。

 

「――――ッ!!」

 

悲鳴か怒号か、それすらも判断つかないほどに凄まじい爆風と爆音が次元の狭間を蹂躙する。

未だかつてこの世界の長きに渡る戦争においても尚、比類出来ぬほどに凄まじい閃光を防ぎながら、無限の名を冠する少女の胸にとある感情が湧き上がってきていた。

それは“歓喜”。

まるで見たことも無い玩具を与えられた子どもの様にキラキラとした、一切の邪気が無い純粋な瞳で見つめるのは、閃光と爆風に晒されながらも倒れることなく赤龍神帝(わるもの)を睨む黄金神(ヒーロー)の姿。

 

「見つけた……我に静寂をもたらすものを……!」

 

囁くように呟かれたその言葉は誰の耳にも届くこと無く、爆音の中に呑み込まれていった。

 

 

 

 

視界を埋め尽くす粉塵が退き、徐々に視界が回復していく。

同時に、イッセーたちを守り抜いた障壁が遂に限界を超えてしまい、ボロボロと割れたガラスの様に崩れ散っていく。

 

「い、生きてる……! 俺たち、生きてますよ部長!」

「え、ええ……!」

 

とんでもない戦いに巻き込まれてしまったイッセーたちは、暴風が通り過ぎるまで無事でいられた事実に歓喜し、口々に互いの無事を喜び合う。

結界を展開させていたアザゼルも精根使い果たしたとばかりに座り込み、飛び火していた圧力(プレッシャー)が収まっていることを感じとったタンニーンが周囲の様子を窺う。

 

「連中は……クソッ、駄目だ。残留魔力が濃すぎる。しばらくは気配探知も不可能だな……」

 

口ではそういうものの、タンニーンは激闘を繰り広げていた両者が五体満足でいられるとは考えていなかった。

周りに目をやると、自分たちが居た神殿は結界に包まれていた場所以外の全てが粉微塵に粉砕され、跡形も無く消滅している。

言うなれば、核弾頭の爆心地そのもの。

極大なる力の激突は対消滅ではなく相乗効果を起こしたのだ。双方の一撃が瞬間的に混ざり合い、互いの威力を高め合った後で一気に解放した。

それを受けた両者は相当のダメージを負っていることは間違いなく……逆に言えば、弱ったダークネスとグレートレッドを打倒、或いは捕縛することも可能なのかもしれない。

……かつて、龍王と謳われた彼ですら話にならぬほどの力の激突を目の当たりにして、動揺していたのだろうか。

そんなありえない(・・・・・)空想を抱いてしまうほどに。

 

「――っ、ぐ、あぁああああああっ!!」

『!?』

 

人より優れた存在である彼らを以てしても、常識外としか言い表せぬ規格外の存在は確かにそこにいる(・・)というのに。

 

「げほっ、げほっ! いっつつつ……」

 

血が流れる額を抑えながら彼らのすぐ傍に舞い降りたのは、ボロボロの風体であるダークネス。

鎧も翼も砕け散り、流れ落ちる鮮血が赤黒い染みを造り出していく。

アイマスクも粉々になってはいるものの、幸いと言うべきか左目の【デバイス】は無傷。

安堵の息を漏らすダークネスとは裏腹に、あれだけの爆発に晒されながらも五体満足でいられるのみならず、まだ余力を残している節が見られる彼の底知れなさに戦慄する。

浅くはない傷を負い、魔力もかなり消耗していると言うのに――それでも両の足で地面を踏みしめて威風堂々と立つ姿に、圧倒的な王者の風格を感じずにはいられない。

 

「あ、あの……」

 

奇妙な静寂が広がる中、おずおずと声を掛けたのは修道服を纏った金髪の少女『アーシア・アルジェント』だった。

彼女はあらゆる傷を癒す神器『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』を保有するリアスの眷属悪魔であるが、かつては聖女とも呼ばれるほどに慈愛に満ちた性格をしている心優しい少女だ。

深手を負ったダークネスを前に我慢できず、つい声をかけてしまったと言ったところだろう。

 

「……ん? もしや、俺に言っているのか?」

「は、はい! えと、ひどい怪我をなされていますので……、その、手当をさせて戴いてもよろしいでしょうか……?」

「ちょ、アーシア!?」

「はうっ!? ご、ごめんなさい、部長さん! でも、あの、私、怪我している人を放っておくことは出来ません!」

 

いつになく強気で言い切るアーシアに気圧されたように、リアスが仰け反る。

イッセーも、人見知りが激しいアーシアがどうして初対面の、それもあんなめちゃくちゃなバトルを繰り広げるような相手を気遣うのか、少しだけ気になった。

彼女の優しさは一緒に暮らしているのでよく知っているが、それでもなんだかいつもと違うような気がしてならないのだ。

それを確かめようとイッセーが口を開くよりも早く、

 

「ふむ……いや、問題ないようだな。この位ならすぐに治せそうだ」

「なっ!? アーシアのお願いを拒否するとか何ごと――……え? 治せるの?」

 

反射的に文句を言おうとしたイッセーの台詞が途切れると同時に、胸元で輝くジュエルシードに手を当てたダークネスは目を閉じ、己の中にある宝石たちに呼びかける。

 

――【リザレクション】!!

 

突如溢れ出した蒼い輝きがダークネスの身体を包み込むと、深い傷跡を残していた傷が瞬く間に癒されていく。

まるで全てを癒す神の御業のようだと、蒼い粒子を見つめていたアーシアはそう思った。

思わず伸ばした指先にふわりと舞い降りた優しい光の欠片。儚くも尊い煌めきを愛おしげに見つめていたのは彼女だけではなかった。

失った家族、大切な思い出、かけがいの無い宝物……胸に込み上げてくる暖かな想いを思い出させてくれる蒼い光を、悪魔も、堕天使も、ドラゴンも、皆等しく眼を奪われていた。

やがてダークネスが腕を振るうと蒼い輝きが消え去っていく。

後に残されたのは己が胸に灯る暖かな想い。そして……

 

「ん……? これは、もしや……よし。 ――ふっ!!」

 

激闘を繰り広げていた先ほどよりも確実に膨れ上がっている(・・・・・・・・・・・)チカラを噛み締める様に身体の調子を確認している完全に回復したダークネスだ。

間違いなくグレートレッドと戦う前に比べて魔力もチカラも高まっている事実に、ダークネスは笑みを浮かべる。

どこかの戦闘民族の様に超回復によるパワーアップ――ではなく、

 

「やはり戦いの中で黄金神の力が俺に馴染んできているようだな……。自分でもこのチカラをどう扱えば良いのかが何となく分かる」

 

『修行』の成果に満足気に笑みを浮かべていたダークネスは、不意に腕を引っ張られていることに気付いて視線を向ける。

 

「じぃ~~……」

「なんだ小娘――っと?」

 

振り向くなり、ぽすっと抱きついてきた漆黒の衣を纏った少女……オーフィスを抱き留めながら、驚きで目を見開いているアザゼルにどういうコトだ? と疑問の視線を投げる。

無論、アザゼルにしてみればこっちが訊きたい! という事なのだろうが、生憎とダークネスは初対面の少女から好感度マックスな好意を向けられていることに困惑している。

つまり、気を配ってやる余裕はない。そうで無くても、無条件に行為を向けてくる相手を無下にできない性格をしているので、力ずくで引っぺがすのも気が退けてしまう。

さて、どうしたものかと頭を傾げるダークネスに抱き着きながら、オーフィスは自分の望みを叶えてくれるかもしれない存在を見上げる。

 

「我、オーフィス……静寂をもたらす者よ、汝の名は?」

「む? 俺はダークネス――いや、こう言った方がいいか。《新世黄金神》スペリオルダークネスだ」

「《新世……黄金神(・・・)》、だと……!?」

「まさか……!? おい、アザゼル! コイツはもしや……!?」

「おいおい、マジかよ……! おとぎ話の空想じゃなかったのか!?」

「ちょっ、先生!? おっさんに、ヴァーリまで、どうしたってんだよ? ……ってドライグ、お前もか!?」

『ありえん……! いや、だが、グレートレッドすら退ける程の力を有しているという事は……』

「な、何なの?」

 

ダークネスの名乗りに心当たりがないらしい若手悪魔たちを尻目に、何やら事情を知っていそうな面子は完全に自分の世界に入り込んでしまったようだ。

声を掛けても聴こえていない様なので、仕方なく本人に直接聞いてみることにした。

 

「……♪」

「なっ、なんて男だ! 当たり前の様に美少女をナデナデしていやがる……!」

 

これ以上無い位上機嫌な美少女(オーフィス)の頭をごく自然に撫でているダークネスに戦慄するおバカ(イッセー)は放っておいて、代表としてリアスが一歩前に出た。

 

「ええと、正直何が何やら見当もつかないのだけれど……とりあえず、初めまして。ダークネスさん、とお呼びしても?」

「ああ」

「それではダークネスさん、私たちはお互いに聞いておきたい事、確かめておきたいことがあると思うんです。如何でしょう、我々の招待を受けてはいただけないでしょうか?」

 

リアスとしては得体の知れない相手を自分たちに有利な戦場(フィールド)に引き込み、逃げ場を封じる事で洗いざらい情報を引き出してやろうというか狙いがあった。

何故か甘えん坊の猫の様なリアクションをとる無限の龍神とか、思わせぶりな反応を見せる堕天使な顧問とか気になるところを上げたらキリが無いが、それでもこの場で対話を続けると言う選択肢は、彼女の中には存在しなかった。

 

何故ならば……、

 

「ちょ、部長! ヤバいです、てかマジヤバいですって!」

「あわわ!? 床にヒビがぁ~!? たくさんのヒビが走って今にも壊れちゃいそうですぅ~!?」

 

このままだと次元の狭間に投げ出されてしまう可能性が極めて“大”だからだ!

 

「俺は別に問題ないが?」

「貴方が良くても私たちにとっては死活問題なのよ!」

「やれやれ」

 

あわあわしているリアスたちが転移魔法の淡い光に包まれていくのを眺めつつ、ダークネスはひとつ肩を竦めると彼らを包む魔方陣へと歩み寄る。

 

「――」

 

ドサクサまぎれに逃げ出そうとしていたヴァーリと美猴を魔法陣に中に蹴り飛ばして自分以外の全員が転移するのを見届けたダークネスは、歩き難いからと言う理由でオーフィスを抱きかえると、唐突に何かに気づいたように振り向いた。

彼の視線の先、次元の狭間の遥か彼方を飛び去っていく『喧嘩相手』を確認すると、指鉄砲の構えを取ってバンッ! と撃ち出す格好をした。

 

「……また会おう、紅の龍帝よ」

 

魔方陣の淡い輝きに包まれていくダークネスに、遥か彼方から竜の雄叫びが返された――――。

 

 

――◆◇◆――

 

「これまた、めんどうな展開に巻き込まれたもんだな……」

 

高級感あふれるふかふかのソファに腰を下ろしたダークネスは、呆れ全開なオーラを漂わせつつ、用意された紅茶の入ったカップを傾けていた。

イッセーたちに続く形で魔界に足を踏み入れた彼が案内されたのは、客室と思われる一室だった。

広さも八畳ほどはある小奇麗な洋室で丸テーブルやソファーが置かれ、壁際には名品と呼べる彫刻や絵などが飾られている。

現在この部屋に居るのは、リアスを始めとするグレモリー眷属、彼らの顧問であるアザゼル、魔王サーゼクスと彼の女王であるグレイフィア。

北欧の神であるオーディンに、彼の護衛として派遣された戦乙女ロスヴァイセ。

一時休戦と言う条件付きで同席を許されたヴァーリと美猴、ついでにダークネスの膝に乗っかってクッキーを啄んでいるオーフィス。

実にそうそうたるメンバーであると言えよう。まあ、逆に言えばそれだけの興味と警戒をダークネスが向けられているという事でもあるのだが。

ダークネスとしては今回の『修行』が成功した以上、さっさと元のセカイに帰りたい所なのだが、個人的な喧嘩に巻き込んだ事もあるし、個人的に興味がある存在――オーフィスとかオーディンとか――と言葉を交わすのも一興かと考えていたので、今の所大人しくしていた。だが、誰がどう切り出すのか決めかねているらしい癖に、チラチラと何か言いたげな視線を向けてくる一同にイラついたらしい。さっさと要件を言えとばかりにせっつきにかかる。

 

「で? そろそろ視線がうっとおしくなってきたんだが……、用が無いなら帰ってもいいか?」

「……ハァ。そうだな。要らん腹の探り合いなんて俺のガラじゃねぇか」

 

頭を掻きつつ、真剣な表情に切り替えたアザゼルの双眸がダークネスを貫く。

 

「――じゃ、直球で訊かせて貰おうか……お前は何者だ(・・・・・・)? 《黄金神》を名乗ることの意味を分かって使っているのか?」

 

アザゼルが知りたいのは二つ。

世界最強のドラゴンを膝に乗せ、世界最高クラスの強者に囲まれているというのに微塵も動揺していないダークネスの正体について。

そして、あの(・・)《黄金神》の二つ名を名乗るという意味が何を示すという事なのかを理解しているのか、という事についてだ。

特に後者については、軽々しく名乗って良いものではないという事を、天界に所属していた事もある彼は誰よりも理解していた。

だからこそ、この問いを投げかけたのだが……

 

「? 前者はともかく、後者については質問の意図が分からんな。そもそも、意味なんてあったのか? 《黄金神》の二つ名は、俺はこの姿に初めて至った時に、脳裏に浮かんだ単語なんだが」

「は? いや、ちょっと待て。その姿に至ったってどういうコトだ? お前は何か別の存在から今の姿へと転じたってことか?」

「まあそういう事になる……か? この姿は俺が参加させられている新しい《神》を生み出す儀式の副産物のようなものでな。人間(・・)だった俺が徐々に《神》へと近づいている途中の段階になる訳だよ。今の俺はな」

 

まずは軽いジャブを放ったつもりがストレートのカウンターを叩き込まれたようだったと、後にイッセーは語る。

当たり前のように告げられた言葉はこの世界の住人にとってつっこみ所満載、いや、つっこみ所しか無い内容でしかなかったのだから。

 

「あ、あの、神を生み出すと言うのはどういう事なんですか?」

 

頬を引き攣らせたグレモリーの『騎士』木場 優斗の質問にも、違う世界だから儀式の『ルール』適応外なことを良いことに、あっさりと真実を告げる。

 

「そのままの意味だな。まず、俺は元々この世界の住人ではない。ちょっとした能力分析を兼ねて並行世界を移動してみたらここ――正しくは次元の狭間――に転移したのさ。そしたらあのデカい龍と遭遇して喧嘩に発展したんだが……まあ、それは置いとくとしようか。で、俺が元居たセカイでは、“神造遊戯(ゲーム)”という儀式が行われていて、その目的は神と成る資質を持った参加者たちを最後の一人になるまで争せることで、人間を超えた《神》を創造するというものだ。そして、俺もまた儀式の参加者の一人と言う訳だ」

「じゃ、じゃあ貴方は大いなる主……偉大なる神様なのですかっ!?」

「うん? やけに喰い付きが良いな金髪シスター。しかし、残念ながらそれは違う。確かに俺は死者蘇生や生命創造と言った『願いを叶える』“権能”を持っているし、拳一つで星を砕くチカラも持ってはいるが完全な神と言う訳ではない。まあ、“限りなく神に近い次期神候補者”と捉えてくれたらいいだろう」

「おいおいおい……ちょっとそれ洒落になってないんだが……」

「これは不味いですよ……もしミカエルたちが彼の存在を知ってしまったら……」

「間違いなく空席になってる神の座に据えようとするよな……。んで、新しい神の誕生ってか? ハハッ、笑えねぇよ」

 

盛大に頭を抱える悪魔と堕天使の最高責任者たち。

嘗てこの世界に存在していた頃の神を知っている彼らから見ても、ダークネスを能力的に分析してみると十分すぎる資格を得ているのだから、この反応も仕方の無い事なのかもしれない。

 

「俺っちからも良いかい? そもそも《黄金神》ってのはなんなんでぃ?」

「遍くドラゴンの頂点に立つ王を超えた存在……あらゆる次元に存在するドラゴンたちの中で最も強い最強の龍神」

「同時に、幾星の煌めきと等しいほど存在する神々の頂に座す十二柱の極神、その内の一つこそが《黄金神》と呼ばれる黄金の龍さ」

「オーフィスはともかく、お前さんも妙に詳しいなヴァーリ?」

「俺と言うよりはアルビオンが、だな。遥かな過去、まだ彼らが幼かった頃にこの世界に訪れた《黄金神》と出会ったことがあるらしい」

「へぇー、なあドライグ。お前もそうなのか?」

『……まあな』

 

不機嫌そうに返す相棒の様子に首を傾げるイッセーに、相変わらずダークネスの膝に座ったままなオーフィスから少しだけ呆れたような視線が向けられる。

 

「ドライグとアルビオン、降臨した《黄金神》に戦いの仲裁をされたから逆ギレして襲い掛かった。……秒殺されたけど」

「はあ!? 二天龍と呼ばれるほどのドラゴンを秒殺ってどんだけだよ!?」

「言ったはず、相手は並行世界を自力で渡り歩くことも出来る龍の神。我でも勝てないかも」

「無限の力を持つオーフィスにそこまで言わせんのかよ……」

 

勘弁してくれと頭を振る美猴がなんとなしに呟いた台詞に反応した人物がいた。

 

「無限の力?」

「ん。我、『無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)』。無限を司っている」

「無限か……ちょっと失礼」

「んぅ?」

「んなぁああああああっ!? アンタいきなり何やってんだぁあああああっ!?」

「何って……無限の(ウロボロス)を抱き締めているだけだが?」

 

オーフィスを後ろから抱えるように腕を回し、彼女が苦しくないように気を配りながらぎゅっと抱きしめる。

美少女を抱き締めているというシチュエーションに嫉妬の炎を燃やして絶叫するイッセーが小猫の鉄拳で沈んでいくのを余所に、ダークネスは片手の掌をオーフィスの胸元に押し当てた。

無論、彼からすればよこしまな思惑など微塵も無い、理由ある(・・・・)行動だ。

しかし如何せん、この場には思春期真っ只中な女の子が大多数存在している上に、説明するよりも早く行動に移してしまったダークネス自身のうっかりもある。

まあ、つまりは……どっからどう見ても『美少女から好かれている事を良い事に、いやらしい事を目論んでいる成人男性』にしか見えない図な訳で。

 

「こっ、この変態野郎がぁあああああああああっ!! ブーステッド・ギアァアアアアアアアッ!!」

『Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost! Boost!』

 

血涙を流しながら嫉妬のオーラをスタンドの如く具現化させたイッセーが、ダークネスへと殴りかかる。

振り上げられた拳に込められた強大なる魔力の量に、誰もが目を奪われ、驚きを顕わにしていた。

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』には、十秒に一回の割合で力を倍加させる能力がある。

イッセーから溢れ出す感情の爆発による凄まじいオーラは、十秒と言う枷を打ち破り、刹那の間に倍加の重ね掛けを実現して見せたのだ!

 

「くらいやがれぇえええええ! こんのロリコン野郎ォオオオオオッ!!」

 

羨望と妬みが多分に含まれた、されど冗談のような魔力が籠められた拳が真紅の閃光となってダークネスへと襲い掛かり――

 

「こう、か……? む、やはり難しいな。見よう見真似で再現は出来んか」

 

オーフィスに触れることで感じ(・・)取り、その在り様を理解(・・)することで生み出した自分色(・・・)の『魔法力(マナ)』を纏わせた片手で、容易く受け止めてみせた。

同時に、まるで暴風の様に吹き荒れるイッセーの魔力を小さく開いた次元の孔に流すことで霧散させることも忘れない。

 

「へ? え? あれ?」

「落ち着け小僧。別にやましい事をしていた訳じゃない」

 

拳を受け止められながらテーブルの上に着地したイッセーを引きずりおろしながら、リアスは先程ダークネスが何をやったのかを分析する。

 

「イッセーの魔力を拡散させたように見えたけど……でも、魔力残滓が残されていないのはどういう事……!?」

「ん? 俺の力で次元に孔を空けて、そこに流しただけだが? 握りつぶすことも出来るが、その時は小僧の左腕を砕いてしまから自制したんだが……それとも、そちらの方が良かったのか?」

「スンマせんした――!?」

「自分の過ちを見認めることが出来る奴は嫌いじゃないな。……そう言えば無限の(ウロボロス)。お前は俺を『静寂をもたらす者』と呼んだが、あれはどういう意味だ?」

 

超戦略級広域解析瞳(フリズスキャルヴ)』の対象外であるオーフィスには、“能力”のデメリットである好感度低下は適応されない。

だと言うのに、初対面の己に彼女が懐く理由が、ダークネスには思い浮かばなかった。

《黄金神》の後継者として覚醒しつつある――と、言うのも理由としては弱いだろう。

 

「……我、永遠なる静寂を求める。でも、静寂なる場所を支配する敵がいる」

「あの紅い龍のことか?」

「そう。『真なる赤龍神帝(アポカリュプス・ドラゴン)』グレートレッド、我が『禍の団(カオス・ブリゲード)』に協力している理由。我、グレートレッドを倒したい」

 

そこまで言って言葉を区切ると、オーフィスはダークネスの手を取って己の頬に当てる。

 

「汝ならグレートレッドを打倒しうる。故に願う。グレートレッドを倒し、静寂なる世界を我に齎して欲しい」

 

これがオーフィスがダークネスに懐いた理由。

己の願いを果たしてくれる確かな力を持った存在であるが故に。

同時に、彼の本質が『誰かの願いを叶える存在』だと察していたから。

 

「……俺にどんなメリットがある? 言ってしまうと、俺はこの世界とは無関係な立場にある。この世界のいざこざにそこまで干渉してやる義理も義務も無いんだがな」

「代価は払う。我に静寂を齎してくれたなら……我が持つ無限(ウロボロス)の力を譲渡しても良い」

 

予想外の提案に、傍観に徹していたオーディンの隻眼が見開かれ、護衛の戦乙女は話の内容のぶっ飛び具合に大口を開けて固まってしまう。

仲間であるヴァーリや美猴は言わずもがな、である。

確かに、オーフィスは自身の力を『蛇』へと転じさせることで彼女自身から切り離し、他者に譲渡する能力がある。これを利用すれば彼女が持つ無限の力全てをを、ダークネスに譲渡することも可能かもしれない。

だが。

 

「正気かオーフィス!?」

「ん、もちろん正気。我、静寂を手に入れられさえすればそれでいい。静寂をもたらす者、新しい神と成る試練を受けているのなら、我の力を手に入れれば非常に有効のはず」

 

自分の力に微塵も執着心を持っていないオーフィスの本気度を察したアザゼルたちの視線がダークネスに集まる。

実際にグレートレッドと互角以上に渡り合っていた彼がオーフィスの力まで手に入れてしまったとすれば……もはや、誰も叶わない究極無比の存在へと昇華してしまうだろう。

異世界の境界線を独力で乗り越え、あらゆる願いを叶えることが出来る万能性を有した最強の神。

もしそのような存在が、この世界に牙を剥いたとしたら――……全てが終わってしまいかねない。

顎に手をやって考え込むダークネスの返答如何では、この場での戦闘も厭わない。

魔王が、堕天使総督が、北欧の神が気付かれないように力を高めていく中、ダークネスが閉じていた瞳を開く。

 

「……いや、止めておこう」

 

返答は拒否。

頬を膨らませたオーフィスに睨まれ、宥める意味も兼ねて彼女の長い黒髪を梳いてやる。

 

「……なぜ?」

「“神造遊戯(ゲーム)”や《神》に関する諸々は『俺自身の事情』だ。きっかけはどうあれ、俺は俺の意志で儀式を勝ち抜き、神の座を手に入れるつもりだ。だから自分の力で勝ち抜かないと、あいつらに文句を言われそうでな」

「あいつら?」

「ああ。向こうのセカイに居る俺の大切な……そう、かけがいの無い大切な存在の事だ。まあ、正々堂々だの言うつもりは無いんだが……今は自分の力を使いこなすことを優先したくてな。《新世黄金神》を完全にものに出来ていないのに、無限の(ウロボロス)まで手に入れたとして、問題無く使いこなすことが出来る自信はあまり(・・・)無いんでな。悪いが今回は遠慮させて貰う」

「……(ぷぅ)」

「やれやれ、拗ねるなよ……『今回は』と言っただろう? 儀式を終わらせて俺が《神》になったとしたら、もう一度この世界に来ることを誓う。その時にお前がまだ静寂とやらを手に入れていなかったとすれば、その時は協力すると約束しよう。それでどうだ?」

「……約束?」

「ああ、約束だ」

 

オーフィスの顔の前に小指を曲げた手を突き出す。

きょとんと惚けていたオーフィスが、おずおずと見よう見真似で同じ形を小指を伸ばしてくる。オーフィスの小さな指に、指先だけ鎧を解除させた自分の小指を絡ませると上下に軽く振る。

確かな契約に基づいたものではない。単なる口約束に等しい約束でしかない。

だが、それでも……世界を繋ぐ確かな誓いだと感じさせる神々しさを感じさせるものだった――――

 

 

――◇◆◇――

 

 

「……♪」

「……ねえ、オーフィスってばどうしちゃったの? こないだから、なーんか嬉しそうに小指を撫でてばっかりいるんだけど?」

「あー、まあ、放っておいてやんな。多分、初めての指きりだったから嬉しかったんじゃね?」

「は? 指きり? オーフィスが? ――まさか男!? ねえ、ヴァーリどういう事か説明――って、居ないし!?」

「アイツなら曹操んトコに修行に行ってんぜ。何でも『まさか真龍の他にあんな奴がいるなんてな! いつか奴とも戦ってみたいものだ! ……む、いかん。なんだか滾ってきたぞ……。よし、ちょっと修行の旅に行って来る!』だとさ」

「いやいやいや、微塵も理解できないんですけど!? グレートレッドを確認しに行ってただけじゃなかったの!? 本当に何があったのよ!?」

「……約束♪」

 

この日を境に、『禍の団(カオス・ブリゲード)』首領がデレたという噂が瞬く間に広がって、構成員たちを驚愕と戦慄の渦へと叩き落とすことになる。

そしてこれからしばらくの間、英雄派のトップを始めとする構成員たちがやたらと気合の入った白龍皇(バトルジャンキー)に模擬戦と言う名の戦闘を挑まれたために、しばらくの間組織として身動きが取れなくなってしまうという事態に陥ったと言う……。

ついでに、鼻唄を口遊むほどに上機嫌な幼女の姿がたびたび各地で目撃されるようになったという報告を受けて、事情を知る某魔王様が盛大に噴き出すなんてこともあったそうな。

 

 

 

――◇◆◇――

 

 

「――と、いう事があったんだ」

「「へー、そうなんだー」」

「グレートレッドとやらと喧嘩したお蔭で大分チカラも馴染んで来たし、オーフィスのお蔭で新しい“能力”を開発できそうだしな。結果だけを見れば大成功と言えるな」

「「へー、よかったねー」」

「……おい?」

「「なんですかー?」」

「何故怒っているのか」

「「ふーん、分からないんだー」」

「全然わから――ぬおおっ!? ぬ、抜き打ちで砲撃ブチかます奴がいるか!?」

「ウッサイんだよ、ダークちゃんのお馬鹿! ちょっと目を離した隙に、どうしてこうフラグばっかり立てちゃうかなぁ!?」

「は? フラグ? 何の事だ?」

「ご自身で分かっていない所が尚更性質が悪いと言うんです! お仕置きです! そこに直りなさい!」

「理不尽にも程があるだろうが!?」

「「問答無用! 女の子の怒りを思い知りなさい!!」」

 

異世界から帰って来るなり、見知らぬ女の子(←ここ重要)の名前(・・)を呼びながら楽しげに話してしまったダークネスに、弾幕の嵐が降り注ぐ。

彼らの追いかけっこは、騒ぎを嗅ぎつけた管理局がアリシアとシュテルの嫉妬塗れな流れ弾でぶっ飛ばされるまで続けられるのだった。

 

 

 

これは、そんなダークさん一味のごく有り触れた日常の一コマ。

 




という訳で日常編故の異世界トリップを堪能していただきました。
グレートレッド君がいろいろと不運な目に。
まあ、自分と同クラスの実力を持つ竜神が現れて、縄張りを奪われると思ってしまったんですね。
見事な『宿命の敵』と書いて『好敵手』と読む関係になりそうな予感……。
その一方で、修行に託けてまたもや幼女に好かれちゃったダークさん。
グレートレッド君とバトルすればデレオーフィスちゃんがご降臨するのではという考えでご登場していただきました。
後悔はしていない。でも、できたら再登場させたいお嬢様ですな。

おまけにダークさん、更なる強化フラグを建築中。
オーフィスちゃんのぱいタッチで誕生する新たなる”能力”をご期待ください(爆)。


それからあの世界に関する独自解釈として、

①オーフィスとグレートレッドの実力はほぼ同等。
②各勢力のトップは平行世界の存在を認識しており、異世界の神に関する文献も残されている。
③《黄金神》、要するに本家スペリオルドラゴンが、あの世界に訪れたことがある。

こんな感じです。
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