魔法少女リリカルなのは 『神造遊戯』   作:カゲロー

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久しぶりにこっちも更新。
今回は、フォワード陣VSナンバーズ そのいち。
彼女たちの戦いを説明文で終わらすわけにはと気合を入れた結果がこのザマです(失笑)。


それと、これだけは言わせてくださいませ。

――カゲローはカリム嬢嫌いじゃないですよ? むしろ好きな方と言うか。
ただ、凛としつつちょい天然な金髪お嬢様系シスターとか実にいぢめ……もとい、弄りがいがあるので、ついついやりすぎちゃうというか……。
あの娘が弄りセンサーを刺激してくるからいけないんですっ! (超爆)


機械と人の境界線

「はぁ……これからどうしたものかしらね」

 

あれ程凄まじい戦闘の痕が欠片も残されていない教会の執務室で、淑女としてはしたないとは思うものの、まあいいかと脱力するように手足を投げ出すように寝転がるカリム。

傍らには、深く信頼する友人であるローラが膝を抱えながら座り込みつつ、カリムの顔を見つめていた。

この場に残っているのは、はやての言葉で信念を折られてしまったカリムと満身創痍のローラのみ。

はやてたちはすでにここを立っている。

彼女たちの戦いはまだまだ終わっていないのだ。

敵指揮官の無力化に攫われた非戦闘員の救出と言う任務を果たして合流したはやてたちは、消耗したシグナムの手当てをすませると、とってかえす勢いでクラナガンへと飛び去って行った。

拘束しなくていいのか? という疑問に、「そんなんしとる暇はない」と断言したはやてはやはり甘いと思う。

とはいえ、戦意を消失したアギトも彼氏に引っ付いて行ってしまったし、主にどっかの最強さんが暴れまくってくださったお蔭で通信機や転送装置の類が完全に破壊され尽くしている現状、戦う力を奪われた彼女たちはまさに孤立無援。いまさら無駄な足掻きをしようと言う考えも浮かばないこともあり、戦争が終結するまでここに残ることを約束して現在に至る。

 

「護衛騎士は全滅。私らだけじゃあ何もできないってことなりね~」

「というか、私的にははやてについていった方が良かったかもしれないわね。龍喰者に“Ⅰ”を封印させてるとは言え、いつ復活してくるかわからないもの……」

「あー、やだやだ。チートって敵に回すと本当にメンドーなりね」

「まったくよ。……って、あれ? そう言えばあの子はどこにいるのかしら?」

 

軽口を叩くローラに相槌を打とうとして――ふと、気づく。

ここには、自分たち以外に“もう一人”いたことを思い出したから。戦う力も特殊な能力も一切持ち合わせていない、無力で、けれど誰よりも優しい女神である少女。安全のため、ミッドから離れていてほしいという自分たちの懇願を笑顔で否定した彼女のことを、どうしていままで忘れてしまっていたのか。

 

「ねえ、ローラ。あの子がどこにいったか知ってる?」

 

自分以上の熱烈な愛情表現を顕わにしてあの子にご執心だったローラが、さりげなく安全な場所へ避難させたのだろう。この時のカリムは、そう信じていた。過保護なローラが独断でやらかしてくれたから、自分の耳に届いていなかっただけなのだと。

でも。

 

あの子(・・・)? 誰の事言ってるなりか(・・・・・・・・・・)?」

「え……? ちょ、何をふざけてるの」

「ふざけるとか言われてもねぇ。う~ん……いや、やっぱり心当たりないわ~。あの子ってそもそも誰?」

 

きょとん、としか言えない表情のローラに言い知れぬ恐怖を抱いてしまう。

物心ついた時から共に過ごし、志を同じくする仲間にして親友である彼女の事を忘れたというのか。

 

「誰って……そんなのもちろん――ッ!?」

 

“思い出せない”。

 

記憶が霧がかったようにぼやけている――訳ではない。

過去の思い出も、革命に至った道のりも、自分が積み重ねてきた記憶の中に記されていた筈の『彼女』に関する記憶だけが切り取られたかのように欠落している。

 

「そんな……!? 一体何がどうして――!?」

 

言い知れぬ恐怖に怯えた声を上げようとした瞬間、どこかで聞き覚えのある、けれど耳馴染みの無い声に悲鳴が遮られることになった。

 

《おややぁ? 参加者クンの記憶は完全に消えないのかな~?》

「っ!?」

 

声をかけられるまで、カリムもローラも『ソレ』の存在に気づけなかった。

執務机に腰掛け、足を組みながら愉快そうにカリムたちを見下ろす『ソレ』は、そこにいるのが当然であるような印象を見る者に感じさせる。

それほどまでに違和感を感じさせない希薄な雰囲気を醸し出していた。

少年のように小柄な体躯。一見するとどこにでもいるような小学生かと錯覚してしまう姿。

だが、幼い見かけには似合わない高級感あふれる法衣を纏い、頭上には煌びやかな金色の王冠が天使の輪の如く宙に浮かんでいる。

床に着いてしまうほど不釣り合いなマントを肩にかけた『ソレ』は、困惑するカリムとローラへ見せつけるかのように懐から取り出したある物を掲げた。

 

《くふふ、これな~んだ?》

「そ、れ……は……。どうし、て、あなたが」

 

取り出されたのは一冊の書物。カリムの記憶を鮮明に記し、特殊な預言書として教会内で公表していた“正史(げんさく)”を書き連ねたもの。

僅かに残されたカリムの記憶が確かなら、これは彼女が持っていたはずの――……!

胸中に浮かんだおぞましい予測に冷や汗を流すカリムの反応がツボに入ったのか、腹を抱えてケタケタと嗤う(・・)

そう――嗤っているのだ。まるで、手足をもぎ取った虫が地面をのたうつ様を観察するかのように。

カリムを自身よりも遥か格下なムシケラだと見下しきっている、どこまでも深い悪意に塗れた顔で。

 

《アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!! イイ! 実にイイ表情だねェ! そうだよ、その顔が見たかったんだ。だからこうやって、『遺品』をわざわざ持ってきてやったんだからね》

「なにを、した……! あの子にッ、何をォ!」

《え? “贄”になってもらっただけだけどォ? それが何かァ?》

 

“贄”。コイツは確かにそう言った。聖職者として、その単語の示す意味を的確に見抜き――いや、違う! そんなはずがないと自己否定する。

だが、恐怖にかられる表情で首を振るカリムの僅かな希望も、加虐的な狂笑を貼りつかせたソレが容易く打ち砕く。

 

《知ってんでしョ~? “贄”っつったら一個しかないじゃ~ん。そ・れ・は・ァ……人柱ァ! またの名を生贄ちゃんどぅえ~すっ♪ シスター名利に尽きるってモンだよ。ヤッタネ♡》

「――――ッ!!」

《ワォ♪ 声なき悲鳴とはナイスリアクション! いや~、君のその顔を見るためにいろいろ仕込んでおいて正解だったよ~。え、仕込って何ってかい? う~ん、ネタバレは速すぎる気がしないでもない――け・ど。特別におしえてあげまっしょ~。ひゃっは~♪》

 

カリムに憎悪の形相で睨み付けられているというのに、欠片も堪えていない様子で愉悦を顕わにする。

見紛うこと無く、現状を心の奥から愉しんでいる口ぶりで、聞かれてもいない情報を流舌に語り始めた。

 

曰く、

 

《“ⅩⅢ”が普通(ふちゅう)な人間で生まれちゃった理由はねェ……なんとなんとぉ! そうなるように仕組んでいたからだったのでした~あ! や~、ほらよくあるじゃん。死の淵に追い詰められた人間が特別な能力を開花させて逆境を乗り越えるって展開がさ~。なんつうの? 出来レースとかつまんねぇ~しぃ~。敗けの決まってる玩具(ヤツ)がどんだけ足掻けるか見て見たかったんだよねぇ》

 

《ああ、あの小娘? アレならここにいるよん♪ え、見えないって? もう、だ・め・だ・ゾ、お友達にそんなこと言っちゃあさぁ。うん、気づいたようだね。そう! 《神》であるボクがこの世界に顕現させるための器になって貰ったのでしたぁ~。肉体と魂を~、霊粒レベルで分解してぇ~ボクの存在に作りかえたのだっ。ていうか、ボク降臨の前兆で性格がおかしくなっていってたの気づいていなかったよね? よね? まったくもぉ、それでもお友達なのかにゃ~?》

 

《てかさ、《神》サマ印のデバイスまで用意してやったのに、その他大勢(モブ)にやられるとかどうなのかな~。折角、自分たちで造り上げたと思い込ませる形でその刀をくれてやったのにねぇ。あ、それも気づいてなかったんだ。うっわ、ごめんねぇ~、ここまでマヌケとは思わなかったぁ~。きゃるんっ♡》

 

《『お嫁さん』も無駄な努力を頑張ってたよねぇ。ま、“神造遊戯(ゲーム)”管理者であるボクを見つけ出して儀式そのものを瓦解させるって狙いは悪くなかったけどさ。でも、この瞬間までこちらの世界に顕現しなかったボクを見つけられるわけないってのにねぇ~。っても、『ヤツの後継者』が殴り込んできたときは流石に焦っちゃったけど……あの男も大概甘いよねえ。明確な敵性存在になっていない聖王教会関係者を纏めて虐殺しようって選択を選ばなかったんだからさぁ》

 

つらつらと流れ落ちる滝水のように真実と言う名の悪意が吐き出されていく。

相手を傷つけ、痛めつけるための言葉を選択しているのではない。

《神》を名乗るこの存在が心の底から感じた事、思い浮かんだ言葉をただ口に出しているに過ぎない。

そう、まさに言葉に言い表すことも叶わぬ悪党。

他者を睥睨し、嬲り、グチャグチャにすり潰す行為そのものを心の底から愉しんでいる最低にして最悪の外道――!

 

「下種が……!」

《下等劣悪種に何を言われてもどうと言うこと無いのよぉ~。ま、道化としてはそこそこ楽しめた方なんだけどさぁ~……『ヤツの後継者』を覚醒させたのはちょ~っといただけないよねぇ》

 

童を彷彿させる大きな眼がギョロリ、と蠢いた。奈落の底を彷彿させる淀んだ闇色の瞳は何処か作り物めいていて、まるで出来の悪いビスクドールが動いているかのような印象を見る者に与えてくる。腰掛けていた机から飛び降り、両手をズボンのポケットに突っこんだまま、カリムたちを追いつめるようにゆっくりと近づいていく。

粘ついた悪意で場が支配される中、全身を襲う痛みに抗いながら守るべき存在(カリム)を庇うローラの反応すら興味なしとばかりに近づき、ぎりぎり伸ばした手が届く位置で立ち止まる。

 

《ま、い~さ。玩具が刃物に変わった程度で、支配者であるボクを討滅(ほろぼす)にはまだ足りない。予定通り、ここからはボクも混ぜて貰おうかな。――ってなわけで、君の“因子(ジーン)”ちょ~だい♪》

 

返答を待つことも無く、情けを掛けることも無く。

無造作に振るった指先が虚空に線を描き、滑らかな乙女の喉が容赦なく切り裂かれた。

鮮血が舞い踊る室内に、ケタケタケタと嫌悪感しか感じさせない嗤い声がいつまでも木霊していた。

 

 

――◇◆◇――

 

 

――時は僅かに遡る。

 

はやてがカリムを力でなく言葉によって制していたのと同じ頃、戦場と化したクラナガンのハイウェイを疾走する『青』と『紫』の影が存在した。

先鋒部隊の一角を任されたスバルとギンガは、都市の外れで接敵したガジェット軍団と正面から相対している海・地上所属魔導師による混合部隊から離れ、独立した作戦行動をとっていた。

無論、功を焦って独断で行動している訳ではない。彼女らは作戦開始前の指揮官はやてより受けた指示を思い返す。

 

『ええか皆。敵はダークさんの奇襲で戦力が大幅に減少しとる。けど、それはあくまで聖王教会限定での話や。スカリエッティ陣営はほぼすべての戦力を浮上した【ゆりかご】に集結させとる。つまり、ガジェットや戦闘機人はほぼ無傷と考えたらええ』

 

【ゆりかご】浮上の後、フェイトを隊長とした先発隊でスカリエッティのアジトらしき施設へ潜入調査を実施したが人の気配は全くなく、残されていたのは破棄された研究設備の残骸のみ。

他のアジトと思われる施設も軒並み調査を行ったが結果は空振り、ものの見事にもぬけの殻だった。

これらの調査結果から、スカリエッティ陣営の全兵力は【ゆりかご】内部に集結されており、主犯格のスカリエッティ兄弟も【ゆりかご】へ直接乗り込んでいる可能性が高いと結論づけた。

この推論から攻略対象を浮上を続ける【ゆりかご】とクラナガン西方にある教会――聖王教会の前線基地――に決定。軍勢で襲撃してくる敵勢力を魔導師部隊で迎え撃ち、ストライカー級の突出戦力で的中枢を撃つ作戦を立てた。

本来なら海・地上双方の高ランク魔導師による部隊を宛がう予定だったのだが、地上のエースたるゼスト隊は金ぴかドラゴン一家に壊滅(ボコ)られ、ジャミングで連絡がつかない本局に残留している筈の魔導師を作戦に組み込むのは不可能。

故に、“エースオブエース”高町 なのはが所属する機動六課が首級を取る反撃の刃の役目を任されることとなった。

 

「最後にもう一度だけ確認しとくわよスバル。私たちの役目は?」

「陽動だよねっ」

 

「まかせてよ!」 と言わんばかりにイイ笑顔でサムズアップを決めてくれる妹に苦笑を返しつつ、これほどの大作戦にあって平常心を保てている妹の成長にほんのり感動するギンガ。もし今が平時であれば、目尻に涙を浮かべて撫でくりまわしていた所だ。

 

「はい、正解。【ゆりかご】内部へ突入するなのは隊長、フェイト隊長、ヴィータ副隊長の露払いとして道を切り開くのが私たちの任務よ」

 

敵がガジェットの大軍に非ず。戦力の中枢である戦闘機人の襲撃も十分に予測される。

彼女たちの注意を少しでも自分たちに集め、別方向からアプローチをかける隊長陣の援護を行う。

迅速に活路を築くために速度を求められる先鋒部隊にローラーブーツの高い機動力を有する彼女たちが配属されたのは、ある意味当然の人選だった。

 

「……ッ! むこうも始まったみたいね」

 

遠方から響く断続的な地響きのような轟音が鼓膜を打つ。

魔導師部隊が戦闘開始した証だ。

 

「ギン姉、私たちも急がなきゃ! 後詰のティアたちよりも先に、少しでも【ゆりかご】との距離を詰めないとっ」

「ええ――ッ!? 上!」

 

姉の警告と同時に地面を蹴り、横っ飛びに跳躍。

直後、スバルの頭部があった場所を鮮血のように妖しい輝きを放つ光が切り裂いた。

髪の毛が数本ほど宙に舞い、あと僅かでも回避が遅れたら胴体と頭部がお別れしていたことだろう。

ぶわぁっ、と産毛が逆立ち、瞳孔が混乱に揺れる。

それでも即座に体勢を建て直し、油断なく襲撃者に向かって構えを取る様が、スバルの成長を物語っていた。

襲撃者は「チッ!」 と露骨な舌打ちをとりつつ軽やかな体捌きでアスファルトの上に着地する。

燃えるような真紅の髪、冷徹な殺戮兵器としての色を映し出す金色の瞳。下肢には【リボルバーナックル】と同系統の機構を内包したリボルバーシューズ。顔立ち、雰囲気がどことなくナカジマ姉妹と似通っている少女……戦闘機人が一人、名を『ノーヴェ』。

そしてもう一人……、

 

「先行し過ぎだノーヴェ。やる気があるのは良い事だが」

「う~、こんな時までお説教は勘弁だぜチンク姉ぇ」

 

銀色の髪と小柄な体躯からは想像もつかない強者の雰囲気を放つ戦闘機人『チンク』が、妹に続く様に降り立った。

軽口を交わしながらも油断の一欠けらも見せない二人組を前に、スバルは確信を以て姉へ問いかける。

 

「ギン姉……この子たちって」

「ええ――戦闘機人よ。数が二人だけっていうことは個別に動いているのか、それとも……最初から私たちの狙いを見抜いていたか、のどちらかね」

 

言いながら、ギンガは間違いなく後者が正解だろうと小声で呟く。

戦闘機人たちの表情は哨戒中に偶然敵を察知して駆けつけてきた者のそれではなく、明らかに自分たちの存在を確信し、万全の体勢で迎え撃とうと言う者のソレだったのだから。

確信じみた推察を確定させたのは、敵方の上位者と思しき銀髪の少女の発言だった。

 

「ふん――当然だ。貴様らの浅はかな策略に気づかないとでも思ったか。ひとたび浮上した【ゆりかご】は文字通り『空中の要塞』。陛下のお力で艦隊砲撃すら無効化できる防御機能を実現した【ゆりかご】を止める方法はたった一つ、AMF下でも戦闘可能な少数精鋭を内部に送りこんで動力炉か機動の鍵である陛下を直接叩くほかにない。だが、【ゆりかご】突入のメンバーには必然的に空戦能力を求められる。ならば、空を飛べない貴様ら六課フォワード部隊が囮になり、我々の兵を出来る限り引き付けようとするのは自明の理と言うものだ」

「けっ。まあ、その辺の雑魚じゃあ鉄屑共の相手が関の山だからな。教会の奴らもそれなりに使えることだし、私らがテメーらを始末するのも当然ってなわけだ」

 

敵が戦力を分散すると言うのなら相応の対処を取ればいい。

適役の戦力を配置し、万全の態勢で迎え撃つ。その結果がこれ。

Sランク相当のチンクと彼女から指導を受け、相性もいいノーヴェとコンビを組ませて機動力の高いナカジマ姉妹――タイプゼロ――を迎え撃つ。

これこそがスカリエッティの策。戦闘兵器として最新型である娘たちの前に無残に散るであろう旧型へのせめてもの手向け……。

 

「ドクターからの伝言だ。『せめて旧型(ポンコツ)最新型(わたしのさくひん)の経験値になってくれたまえ』……だとよ」

「……へぇ? 言ってくれるわね」

 

ビキリ! と極太の青筋がギンガのコメカミに浮かぶ。

スバルの瞳が荒ぶる激情に呼応して戦闘兵器のソレ……彼女らと同じ金色の輝きを放つ。

 

「タイプゼロ・ファーストにセカンド。お前たちは所詮、新たな時代を象徴する兵器を生み出すための実験体にすぎん。陛下とドクターが創る未来に古き時代の産物など不要。よって――」

「テメーらまとめて、ここでぶっ壊れろって訳だ!」

 

昂る戦意を叩きつける様にノーヴェが吼える。

と同時にコートの内側から引き抜いたナイフを指の間に挟み込み、躊躇なく投擲するチンク。

予定していた通りの先制攻撃。

これで倒せる可能性は低いものの、今までに収集した彼女らのデータから少なくないダメージを受けるであろうと確信を抱いた速攻。

しかし、彼女たちは侮っていた。ナカジマ姉妹が……人間が持つ可能性、如何なる演算装置であろうとも完全に予測することが不可能な『成長力』を。

兵器としての自負を持つが故に戯言と切って捨てていた『人間』の持つ可能性がというモノなのか、彼女たちはその目に焼き付けることとなる。

 

「ずいぶんと甘く見られたもの……ね!」

 

迫るナイフの前に立ちはだかったのはギンガ。

戦闘機人が持つ特殊能力“IS”、チンクがナイフ使いであると理解した瞬間、彼女の“IS”がナイフを起点として発動する遠隔操作型の能力であると看破する。ならば、障壁で受け止めるのは悪手。刹那の間に敵戦力の分析を終わらせた彼女の反撃の一手は単純明快なもの。

それ、すなわち――

 

「っな!? ナイフ全てを同時に粉砕するだと!?」

 

粉々に打ち砕いてしまえば事足りる。チンクの能力は金属を爆破させるという極めて殺傷能力の高いもの。

しかし、粉微塵にまで粉砕されてしまっては爆破の威力は微々たるものでしかない。

故に、ギンガの実行した対処は最良の一手と呼べるものだった。

 

「なんて奴だ……初手でチンク姉の攻撃を完璧に捌きやがった!」

 

チンクが敵の技量と危険度ランクを上方修正する一方で、しなやかな四肢を縦横無尽に振るって十を超えるナイフを単なる打撃のみで破壊して見せたギンガに、格闘術を主体とするノーヴェが感嘆を声を上げてしまう。

たった一手であったが、それだけでギンガが荒々しい獣の如き俊敏さと機械のように正確無比な繊細さを兼ね揃えた優秀な戦士であると理解させられたからだ。

積み重ねてきた実戦での戦闘経験、ギンガの骨子となっているソレはまさにノーヴェら年若い戦闘機人には持ちえない強力な武器だった。

悔しさで歯噛みする妹に、指導役にして姉であるチンクから叱咤が飛ぶ。

 

「ノーヴェ、なにをぼさっとしてる! 追撃を!」

「っく!? わ、わかってる――よぉ!」

 

叫びつつ、跳び出すように駆け出したノーヴェが逆立ちするように上肢を捻り、骨肉を砕かんばかりの速度と威力を込めた蹴撃を残身途中のギンガへ向けて放つ。ギャリギャリ、とローラーブーツが唸りを上げてギンガの頭部へと迫る。だが、ギンガの顔に焦りはない。

スケーターがターンを決めるかのように軽やかなステップで半身をずらし、妹への花道を開く。瞬間、『紫』と交代するように跳び出した『青』が迫る『赤』を迎撃する。

 

「っだあ!」

「っらあ!」

 

ぶつかり合うスバルの豪拳とノーヴェの撃蹴。唸りを上げるローラーが交差し、耳障りな金属音を鳴り響かせる。

拮抗は一瞬、両者の放った一撃に内包されていた魔力が反発し合い、互いにはじけ飛ぶように後方へ吹き飛ばされる。

粉塵を巻き上げながら着地する妹の位置を気配で把握しつつ、チンクの追撃を警戒したギンガが一歩前へ出る。

無駄な力を込めず、脱力したように見える自然体な構え。いかなる奇襲であろうと受け流し、反撃できる『静』の武を極めし者の姿がそこにあった。

 

「ぬかったな……。ノーヴェ、認識を切り替えろ。奴ら、予想以上にできる(・・・)ぞ」

 

後方へと跳躍し、血に飢えた獣の如き唸り声を上げる妹の隣に降り立ちながら呟くチンク。

彼女の言葉に込められていたのは紛れも無い称賛。

所詮は旧式、戦闘機人の雛型でしかないという驕りを抱いていた己を恥じ、好敵手と認めた戦士をたたえられる高潔さからくる本心だった。

“IS”を十全に生かし、戦術の中核とする自分たちとは違う、能力に頼るのではなく戦闘機人の強固な肉体を基礎(ベース)として人間の武術を振るうナカジマ姉妹は、ナンバーズとは別系統に進化したもう一つの可能性なのかもしれない。

 

――ふ。この胸の滾り……ドゥーエやクアットロあたりに聞かれれば鼻で嗤われてしまうかもしれないな。

 

だが、悪くない(・・・・)

根っこを同じ起源としておきながら、全く別の人生を歩き、相対することとなった強敵。

最高の戦闘兵器たるナンバーズの一員として、一人の戦士(チンク)として、必ずや打ち倒してみせよう。

ギンガを見据えつつナイフを再び構え、高揚と愉悦に口端を吊り上げるチンク。

しかしその一方で、彼女とは全く別の感情を抱く少女が存在した。

言わずもがな、ノーヴェである。

敬愛する姉に打倒すべき敵が認められたという事実を受け入れられるほど、彼女の精神は成長できていなかった。

ただでさえナカジマ姉妹を気に入らない理由(・・・・・・・・)があるというのに。

 

――ふざけんな……! 誰がテメーらなんかを認めてやるもんかってんだ!

 

ガンッ!

 

片腕をついていたアスファルトへ拳を振りおろしつつ立ち上がったノーヴェは、まさに鬼の如き形相。

殺意すら滲ませる視線を向けられたことに眉を顰めるにとどまったギンガはまだしも、そう言う視線を向けられた経験が薄いスバルは戸惑いを隠せなかった。

 

「ちょ、ちょっと……そんなに睨まれる覚えはないんだけどっ?」

 

故に、どこまでも素直で愚直な心根の持ち主であるスバルが思わず問いかけてしまったのも当然とも言えるだろう。

だが、どうしてノーヴェが怒っているのか、純粋な疑問からくる問いかけは、当人の神経をこの上なく逆撫でする一手になってしまった。

眼光の剣呑さが二割ほど増し、唾を吐き捨てる様にノーヴェが応える。彼女の苛立ち、その理由を。

 

「気に入らねえんだよ……テメーらの何もかもがな。おい、ゼロ・セカンド。私とテメエ、似てると思わねえか?」

「え……?」

 

言われ、マジマジとノーヴェの顔を見つめてみる。

言われてみれば確かに、顔のパーツや根本的な雰囲気といった物がどことなく似ているような気がする。戦闘機人だからというのは理由にならない(すぐ間近にチンクといういろんな意味で『ちっちゃい』例がいるのだから)。

と言うことは――まさか!?

 

「けっ、ようやくわかったようだな。――ああ、そうだよ。私はテメーら姉妹とおんなじ遺伝子情報を元に生み出されたんだよ」

「じゃあ、君もクイントお母さんの……!」

「ああ、そうだ。だが姉妹だなんてトチ狂っても口に出すんじゃねぇぞ。吐き気がする。テメーらみたいに戦闘機人の誇りを失って、兵器のくせに人間みてぇにぬるま湯に浸かった生活に満足してやがる連中と同類なんてまっぴらごめんだ」

 

ノーヴェは戦闘機人として、兵器としての自分に独自の誇りを持ち合わせている。

兵器として求められ、生み出された自分たちは、戦場の中でこそ輝きを放つ存在なのだと。

故に、己が本質をひた隠し、脆弱で愚鈍な人間の世界に混ざり、生き恥を晒す不良品としてナカジマ姉妹を敵視しているのだ。

 

「そんなの間違ってるよ! 君だって家族が……姉妹がいるんでしょう!? それなのに――」

「一緒にすんな。正体を隠してコソコソ生きてるテメーらと、戦闘機人として堂々と生きてる私らを同類扱いすんじゃねぇよ!」

 

スカリエッティ一派の中では、確かに家族の絆とも呼ぶべき物を感じられる。だがそれは、創造主に生み出された兵器(ナンバーズ)だからという前提条件によるもの。

ありのままの自分を曝け出し、その上で親愛を築ける関係。それこそが家族だとノーヴェは考える。

だから、ナカジマ姉妹の生き方は、周囲を、自分を騙し、偽っているものに他ならない。

どうして脆弱な人間如きに気を遣わなければならない?

創造主のように特別な優良種にコントロールされる世界。人ならざる自分たちが胸を張って太陽の元を歩き、兵器としての本分を果たせる世界。

それこそが、真に正しき世界の在り方だろう!

 

「だから私はテメーらを否定する。ドクターが創る未来に、ガラクタなんざ必要ないんだよ!」

「そんな身勝手な理屈っ!」

 

激情のままに突撃するノーヴェと正面から組み合い、額をぶつけ合いながら睨み合うスバル。

奥歯を噛み締め、自分の考えを周りに押し付けてくる『だだっこ』の視線を真っ向から迎え撃ち、宣言する。

 

「だったら私も証明してあげるよ! 今あるこの世界はとっても素敵だってことを……私の想いを乗せた拳でね!」

「ハッ――! 出来るもんならやってみろやぁああああっ!」

 

組み合ったまま放たれる蹴り。あえて脱力することで相手の重心を揺さぶり、軌道が僅かにずれた蹴りに横方向から裏拳を叩き込む。

ローラーブーツの装甲に覆われていない太ももの内側に打撃を受け、ノーヴェの体勢がぐらりと揺れる。

 

「疾――ッ!」

 

組み合わせていた手を解き、脇を締めてコンパクトに撃ち放たれた右フックがノーヴェの側頭を狙う。

だが、相手もさるもの。

絶妙のボディバランスによって無事な片足のみで体勢を維持し、相応の重さがある拳を軽々と受け止めてみせた。

 

「お返しだ!」

 

今度は自分の番だとノーヴェの口端が吊り上る。打ち払われた足の痺れはすでに抜けていたらしく、スバルの利き腕を固めたまま軸足で地面を蹴り、腕拉ぎを狙う。いかに強固な金属骨格を持つスバルとて、関節を破壊されでもしたら戦闘力の大幅な低下は否めない。

そうはさせまいと左手で足を捌こうとするが……それすらも誘いだった。

スバルの手がノーヴェの足を捉えようとした瞬間に足が軌道を変えて、爪先を眼球に突き刺そうと襲いかかってきた。

 

「右目、戴きだ!」

「くう!?」

 

鮮血が、舞う。飛び散るのは鋼の蹴撃によって削り取られたスバルの……頬の薄皮一枚。

攻撃の変化をギリギリのところで察知できたスバルは、咄嗟に首を捻ることで眼球への直撃を避けたのだ。だが流石に無傷と言う訳にはいかず、バリアジャケットの一部である鉢巻を引き裂かれ、コメカミ部分の皮膚を削り取られた。

更なる追撃を阻むべく、止められたままの右拳をコークスクリューブローの要領で捻り、拘束から逃れる。

ローラーブーツの速力を生かして間合いを取り、側頭部から流れ落ちる出血を拭いながら、乱れた呼吸を整えていく。

 

「ハッ、ハッ……ふぅ~」

 

敵の……ノーヴェの実力はスバルの予想を超えるものだった。

彼女の武装から加速と遠心力を打撃に上乗せするストライクアーツと酷似した戦闘スタイルをとると予測、脚部にローラーが装着されていることから足技が主体と判断して超近距離戦を仕掛けてみたが結果は紙一重で片目を抉り取られるところだった。

 

「すごいね。うん、ものすごく強いや……でも」

 

呼吸を整え、懐に忍ばせていた『奥の手』を取り出し、左手で握りしめる。

これこそが、決戦に赴く際、見舞った母から託された勝利への鍵。拳を握り締め、全身から溢れ出す魔力が闘気と混ざり合いながら立ち上っていく。

リボルバーナックルの螺旋機構が唸り、完全なる金色に染まった双眼が敵を真っ直ぐに射抜く。

 

「ようやく殺意(ほんき)出しやがったか。けど、今更緊張で強張った構えなんざとったところでなんになるよ?」

 

嘲笑うノーヴェだったが、笑みを浮かべていたのは口元だけ。

瞳は相変わらず爛々と殺意で輝き、肌を切り裂くかのごとき闘気を迸らせている。

左手を前に突き出し、腰だめに構えた右手による打撃――おそらくはタイプゼロ・セカンドの『IS』“振動爆砕”による一撃必殺を狙っているであろうスバルを見据え、ノーヴェは吼える。そんな見え見えのテレフォンパンチが、自分に当てられると本気で考えているのかと。

 

――所詮、旧式は脳髄までポンコツってワケか!

 

片手をアスファルトに突き、極端な前傾姿勢に見える構えから、ローラーブーツを最大稼働させて突撃を仕掛ける。

巻き上げた粉塵をはるか後方へ置き去りにするほどの爆発的な加速にものを言わせ、スバルの間合いを刹那の間にて侵略する。

 

「……っ!?」

「リボルバーブレイクゥ!!」

 

驚愕に目を向くスバルに、加速の勢いと衝撃を十全に上乗せした一撃を回避することは叶わなかった。

放たれたのは斜め上方向への蹴り上げ。

今まさに解き放たんとしていたスバルの右拳を蹴り砕かんと撃ち放たれた一撃は、反射的に右手を盾として犠牲にすることで致命傷をギリギリ避けることに成功した。

だが……、

 

「【リボルバーナックル】が……!?」

 

メギリ! という金属がへしゃげられるような鈍い音と共にスバルの相棒の片割れ【リボルバーナックル】が粉砕された。

しかも【デバイス】の破壊にとどまらず、右腕内部の金属骨格すら歪むほどの破壊力がノーヴェの一撃に込められていた。右手があらぬ方向へと歪み、引き裂かれた傷の奥から金属質の輝きが生々しく光っている。もはや、”IS”を発動することも叶わない致命傷をスバルは追ってしまったのだ。

激痛に顔を歪めるスバルの様子を見てニヤリ、と肉食獣の笑みを浮かべたノーヴェは、弧を描く様に左足を振り抜き、勢いそのままに地面へ叩きつけて軸足とする。

そこから右の後ろ回し蹴り――踵に魔力刃を展開させている――でゼロ・セカンドの首を跳ね飛ばしてやろうと追撃を仕掛けた。

 

「これで――終わりだァ!!」

 

勝利を確信し、最後の宣告を投げつけるノーヴェは気付けない。

表情が苦痛に歪んでいるはずのスバル、彼女の口元が引き攣りながらも不敵に吊り上っていたことに。

先程の構え、“IS”の発動を匂わせていた一連の動作が、あからさまなまでのブラフだったということに。

そして――、

 

「こーゆーだまし討ちみたいなのはあんまり好きじゃないんだけどさ……けど、作戦ってそう言うもんだからねっ。 ――お母さん、使わせて貰うよっ。【リボルバーナックル改】起動ッ!!」

 

天高々と掲げた左手から眩い閃光が迸る。それは【デバイス】の起動シークエンス。

決戦に参加できないクイントから託された、『母の【リボルバーナックル】』を左手に纏い、体内で練り上げていた魔力の全てを左の拳へと集束させる!

 

「ディバイン――」

 

予想できない事態に眼を剥くノーヴェ。

だが、すでに蹴りを放っている体勢の彼女にこの場から離脱することは出来ない。いかに人智を超えた強度を筋力を有する戦闘機人とて、物理法則を無視した動作まで可能と出来る訳ないのだから。

故に、ノーヴェは回避よりも攻撃に全神経を集中させることを選んだ。

おそらくは近接砲撃魔法を発動しようとしてるゼロ・セカンドよりも速く攻撃を完遂し、彼女の首をへし折ってやれば済む。

全身の関節を限界まで捻ることで全体重すら上乗せした蹴撃。

常人あらば頭部が浜辺のスイカのように無残に砕け散る一撃は吸い込まれるようにスバルの頭部へと突き刺さ――

 

「ぐが……ぁ!?」

 

――る事は無かった。

 

突如としてノーヴェを襲う激痛。

ある程度の痛みはシャットアウトしている筈の彼女が思わず全身を硬直させてしまうほどの激痛が軸足を中心に迸り、全身を舐める様に蹂躙した。

霞む視界の端で彼女は見た。

初撃をスバルへ叩き込み、軸足としたはずの右足の膝から先がねじ切られたかのように無残な形相を晒していたことに。

 

――まさ、か……!? 右手を盾にしながら“IS”を発動していやがったのか!?

 

そう、スバルは右腕をブラフのためだけの捨石とした訳ではなかった。

最強の刃である『振動爆砕』を敢えて攻撃ではなく防御に使うことで凶悪なカウンターへと昇華させたのだ。

まさに、肉を切らせて骨を断つ。敵の、ノーヴェの実力を正しく評価したからこそ思い立った起死回生の一手!

 

「テンメェ……! ゼロ・セカンドォォオオオオオオオッ!!」

「――バスタァァああああああああっ!!」」

 

打ち下ろされた拳から解き放たれる魔力の奔流。

ゼロ距離で放たれた魔導砲に呑み込まれて意識が薄れゆく中、戦闘を限りなく合理的な戦術でもって制すること是とする戦闘機人だからこそ敗北したことをノーヴェは否応なしに理解させられた。

彼女の敗因は人間の可能性を軽視し過ぎていたこと。

最高の武器を自ら捨てる様な悪手を愚作と切って捨てるのが現在の彼女の限界。

自らを追い込むほど不利な状況下にあって尚、勝利の可能性を掴み取る精神的強さを持てるか否か。

勝利の女神は、ほんのわずかな差で、スバルに微笑んだのだった。

 

 

――◇◆◇――

 

 

「ノーヴェが破れたか」

 

気絶したらしく、無抵抗で拘束されていく妹を一瞥しつつ、上体を後方へ逸らして蹴りを躱す。

 

「あら、ずいぶんと淡泊なのね? てっきり、『よくも妹を!』 って激高してくるかと思っちゃったわ」

 

上体を起こす反動を利用して放たれるのは逆手に構えたナイフの一閃。

刃を直接受け止めるのではなく、握り手を掴むことで敵の能力発動を阻害する。

 

「そうでもないさ」

 

足の裏で魔力を爆発させた反動で飛び退り、己が間合いを取り戻す。

 

「可愛い妹が受けた敗北(くつじょく)は姉である私が払拭せねばならないだろう」

 

防御装備でもあるコートの内側から取り出したナイフを指の間に挟み込み、ノーモーションで投擲。

予備動作の存在を感じさせない流れるように自然な動きから放たれた刃は正確に人体の急所を狙い、迫る。

 

「その点については同感だわ。もし立場が逆だったら、私も同じことを口に出していたと思うからね」

 

両手をかざし、一歩前へ歩を進める。だが、ただ一歩前に踏み出したのではない。足の裏で――彼女の場合はローラーブーツを――地面を擦るように足を進めたのだ。

”擦り足”と呼ばれる古武術の動き。

けれど、彼女のそれは単なる足捌きに留まらない。

一歩前に進む瞬間、白煙を振りまくほどの勢いでホイールが回転した。

実は一対一の状況が作り出されてから現在まで、【ブリッツキャリバー】のホイールを空転させ続けていたのだ。

推進力と言うエネルギーを限界まで溜め込み、ここぞというタイミングで爆発させるために。

まさに今の【ブリッツキャリバー】は、F1のレーススタート前にエンジンを吹かしているスポーツカーのようなもの。

そこから生み出される爆発的な加速と推進エネルギーを外ではなく内側……金属骨格へと浸透させ、さらに下肢から上肢へとエネルギーを流動させる。最終的に腕へと達したエネルギーを装着した【リボルバーナックル】に注ぎ込み、魔力放射装置(ブースター)として一気に放出すれば、拳速を増幅することができる。

何とも無茶な理論だが、戦闘機人の頑丈なボディと身体に刻み込んだある人との訓練で習得した静かなる精神力によって、強力な武器へ昇華し、使いこなすに至ったのだ。

 

「フッ――!」

 

空間に残像を刻むほどに縦横無尽に動かす両手で、周囲を旋回しながら絶え間なく襲い掛かってくるナイフを軽々と捌く。

時折、弾くに留まってしまった獲物が爆発を起こすものの、静かなる流水の如き心を習得した彼女に焦りはない。

飛来するナイフの軌道を変えるように弾く。誘導機能までは仕込まれていないナイフは回転しながら爆風へ飛び込み、切り裂くことで自身に爆破の影響が及ばないように立ち回り続ける。

彼女の華麗な演武を舞うかのごとき動きは見る者を虜にする美しさを併せ持ち、敵であるはずのチンクですら、一瞬見惚れてしまうほどに見事な

ものだった。思わず

と言った風体で、感嘆の声が零れる。

 

「なんと……これがプロフェッサーがおっしゃっていた『優美』という奴か。ここまでの技術、いったいどれほどの修練を積み重ねて会得したのか……」

 

チンクの呟きへの答えを、ギンガは持ち合わせていなかった。

いや、正確に言えば、”思い出すことができなくなった”というのが正しい。

ギンガ自身、なぜ自分がこれほどの体術を習得しているのか十全に理解できていないからだ。

どのように動けばいいのか、反射的に身体は動く。けれど、習得に至った経緯に関する記憶がごっそり抜け落ちてしまってるのだ。

 

――でも、多分あの人(・・・)のお蔭なんでしょうね。

 

詳しく思い出そうとしたら頭の中が霞がかってくる。

それでも推測はできる。母から教え込まれたストライクアーツとは別系統の技。

直情的な妹と対局な冷静な精神と資質を持つギンガ(じぶん)ならきっと使いこなすことができると指導をかって出てくれたはずのあの人(・・・)

部隊長の弟で、ちっちゃい副隊長の恋人で、自分の上司、兼、師匠で、そして……敗北によって思い出を消し去られた参加者――『八神 コウタ』。

たとえ思い出を失い、彼と言う存在を認識できなくなっているのだとしても、この身に刻み込んだ技術と託された『大切な人たちを守るという信念を貫く』という想いまでは失われたりしない。

だから……!

 

「チンクさん、私はあなたを征します。この……師より受け継いだ信念と家族から託された想いに懸けて」

「……本当に私は見誤っていたようだ。謝罪しよう、ゼロ・ファースト。いや、この呼び名は貴女に失礼か。叶う事ならば、改めて貴女の名乗りを聞かせては貰えないだろうか」

 

攻撃の手を止め、謝罪の意味を込めて頭を下げるチンク。

敵の実力を正確に見抜く冷静さと自らの非を受け止めることができる高潔さを併せ持つ好敵手の姿に、ギンガは彼女が敵であることを残念に感じながら応える。

 

「時空管理局 第108地上部隊所属 陸戦魔導師 ギンガ・ナカジマ」

「――感謝する。私は戦闘機人ナンバーズNo.Ⅴ チンクだ」

 

名乗りを上げつつ各々の獲物を構えていく。

 

ギンガはいかなるものも粉砕する鋼の拳を。

チンクはあらゆるものを滅する鋭い刃を。

 

最強の好敵手と互いを認め合った戦乙女たちが勝利を掴み取らんと闘気を高めていく。

双方から吹き荒れるように放たれた魔力が渦を巻き、先の攻防の余波でまき散らされていたアスファルトの欠片を天高く巻き上げていく。

大気が軋む。肌を撫でる風の気流すら目視できるほどに神経が研ぎ澄まされていくのがわかる。

彼女たちに起こっている現象、名を『ミックスアップ』。

実力が拮抗する者同士が対峙した時、ごくまれに発生する症状で、双方に限界以上の実力を発揮させたり認識力の拡大などが発生する。

相手を認め、その上で乗り越えようとする強い意志が生み出す奇跡によって、彼女たちはまさに一歩先の領域(ステージ)へと足を踏み入れたのだ。

身体が爆発しそうなくらい熱い。チンクは、今自分がどんな表情を浮かべているのか疑問を浮かべた。

ちらりと手元のナイフに視線を落とす。そこには頬を高揚で朱色に染め、爛々と瞳を輝かせながら勝利の二文字を渇望する戦士の顔をした自分の姿が映し出されていた。

 

――まさか、な。私の中にこれほど熱く燃える想いが存在していたとは。ふふっ、ドクターもきっと驚くぞ。

 

チンクの脳裏に浮かびあがるのは、研究に没頭しながらもどこか退屈そうな創造主の横顔。

天才であるがゆえに、あらゆる事象の答えを即座に導き出してしまう彼を、いつか驚かせてみたいとひそかに願ってきた。

故に、創造主の思惑を超えてみてこそ、最高傑作を名乗ることができるのだ。

彼が設定した性能限界値を、今の自分は間違いなく超えている。

それすなわち、彼の期待に応えることができたということに他ならない!

 

「往くぞ、ギンガ・ナカジマ! 貴女と言う好敵手を打ち倒し、私は戦闘機人の新たな可能性を皆に指し示す! 創造物である私たちにも、無限の可能性が秘められているのだということを!」

 

ナイフを投擲ではなく指の間に挟み込んだまま、突撃を仕掛けたチンク。

凄まじい速度で迫りくるチンクを見据えながら、ギンガは最強の一手で迎え撃つ。

 

「負けないわよ……私にだって、譲れないものがあるんだから!」

 

指先を伸ばして抜き手とした左手を後方へ捻り、練り上げた魔力を収束させる。

スピナーが火花を散らすほどに高速回転し、放出された魔力が渦を巻きながら左腕を包み込んでいく。

やがてそれはあらゆるものを撃ち貫く螺旋を描いた。

金色へと変化した眼で接近してくる敵を捕捉、【ブリッツキャリバー】を最大稼働させて一気に飛び出す。

 

「”IS”発動……! 『リボルバーギムレット』!」

 

物質化するほどに収束させた魔力を螺旋回転させつつ拳に纏い、対象を防御ごとぶち抜く。

純粋な攻撃力と殺傷力に特化したこの技こそ、ゼロ・ファーストと呼ばれたギンガの”IS”だ。

空気を破砕する螺旋の轟音を鳴り響かせ、貫通力を極限まで高めた必殺の一撃が打ち放たれた。

直撃してしまえば、いかに強固な戦闘機人とて致命傷は避けられない。だというのに、チンクの選択は悪手としか呼べぬシロモノだった。

 

「押し通るッ!」

 

「えっ!?」 という驚きの声はギンガのもの。

なんと、何を思ったのかチンクが防御の要でもあるコートを脱ぎ捨てたのだ。

元来、耐久強度が脆弱故に防御装備として耐撃コートを装備していたというのに。しかし、彼女の狙いは別にあった。

そう、チンクは決して錯乱したわけでも、自殺志願でもない。

守りの要であるコートを脱ぎ捨てた本当の理由、それは……、

 

「できるはずだ、今の私ならばっ」

 

チンクの狙い、それはコートに仕込み、ばら撒かれて宙を舞うナイフの数々。

重力に従ってただ落下するだけだったはずのそれらが、突如、自ら意志を持つかのように中空に静止し、地を這うように疾走するチンクに追随してきたのだ。

驚くべきことに、ナイフに滲ませておいた自身の魔力を遠隔操作するスキルにこの状況下で目覚めたのだ。

慄然するギンガの前で飛翔するナイフが彼女へ向けてへ殺到する。翼のように左右へ広げた腕の先へ集まり、まるで連結刃のようにナイフが連なっていく。やがて四対八本の直剣と化し、肉食獣の双爪の如き鋭さを以てギンガに襲いかかった。

初手は右の刃。掬い上げるように突き上げられた刃は腕を覆う螺旋状の魔力フィールドとぶつかり、先端から次々と粉砕されながらもまっすぐ突き進んで魔力フィールドを貫通、【リボルバーナックル】ごと左腕を串刺しにした。

そのまま小柄な体躯を生かし、身体ごと押し上げるように振り抜くことでギンガの左腕を完全に破壊する。

固い金属を切り裂く感触に金属骨格に達したと判断、”IS”を発動させて内部からの爆破を狙う。

だが、やすやすとそれを許すチンクではない。必殺の一撃を潰されたことを察した瞬間、地面を蹴って飛び上がる。

すると、左の獲物を握りしめたままだったギンガも必然的に引っ張られて浮かび上がってしまう。

互いの空を飛べない者同士、わずかな浮遊感の次に訪れるのは地面への着地。ここで体格の違いが致命的な差を生んだ。

先に着地し、大地を踏みしめたのは長身のギンガ。

いまだ浮遊状態のまま身体の軸が揺れているチンクの横腹へ容赦ない蹴りを叩き込む。

吹き飛ばされ、地面の上を転がっていくチンク。

コートがない状態でのダメージはやはり相当なものだったようで、口元を抑えて鮮血を吐き出している。

彼女が体勢を立て直すよりも先に腕に突き刺さった刃を引き抜き、追撃の芽を潰す。

 

「痛ったぁー……でも、まだまだッ! たかが片腕を潰された程度でっ」

「その気概は見事! だがな!」

 

一足で間合いを詰め、チンクの額を狙い膝を叩き込むギンガ。

鉄塊すら粉砕するそれをスウェーバックの要領で回避しつつ、勢いを乗せた蹴りを返礼した。

脳を揺らすことを目的とした一手は狙い通りギンガの顎先をかすめ、一瞬だけ意識を刈り取ることに成功。

ぐらり、と膝が折れてしまうギンガ。

体勢が崩れてちょうど小柄な自分と同じ目線にまで彼女の顔が下がったことに不敵な笑みを浮かべると同時に、左で構えた刃を振り下ろす。

 

「な、にィ!?」

 

鮮血が舞う。

亀裂の走った地面に飛び散り、染み込んでいく紅。

だが、驚愕に目を剥いたのはチンクの方だった。

 

「バカな……どうして髪の毛程度のものが刃を止められる!?」

 

そう。意識を取り戻したギンガは、脳天へ迫る刃を避けることがかなわないと判断、その場でチンクへに背中を向けるように身を翻すと、ふわりと舞い広がった艶やかな長髪が刃と接触し――まるで鋼糸のように刃へ絡み付いたのだ。

 

「ふぅ……一か八かだったけど上手くいったようね」

「ギンガ・ナカジマッ、貴女はいったい何をしたのだっ!?」

「――人間の髪の毛って実はすごい強度を秘めているのを知ってた? 幾本もの毛を束ねれば、重機用のワイヤーに匹敵するほどにね。そして髪の毛は人体の……肉体の一部。つまり、魔力を浸透させることも可能と言うわけよ」

「無茶苦茶にもほどがあるぞ! 一歩間違えば頭部を真っ二つにされても可笑しくない!」

「そう、普通ならまず実行しない悪手。けどね、それが起死回生の機会を引き寄せる最善の一手となりうる可能性だってあるのよ!」

 

刃ごと腕を縛り上げたままさらに回転し、お返しとばかりにチンクの体勢を崩す。

体格的と純粋な筋力の差はいかんともしがたく、チンクの身体が再び宙を舞う。

 

「そう何度も同じ手を――ッ!?」

「リボルバー、セット……。アナザー”IS”発動」

 

髪の毛ごと刃を爆破しようとしたチンクは見た。

戦いの最中、ギンガが右腕に装着した色違い(・・・)の【リボルバーナックル】。

ソレを纏った右拳周囲の空間が揺らめいて見えることに。

それはまるで――大気が振動しているかのような様。

 

「同系種の戦闘機人は兵装や能力に相互性を持つ。同じ遺伝子情報を持つ貴女の妹さんが【ウイングロード】を使えるようにね。だったら……”IS”のデータをインストールされた妹のデバイスを装着した姉がコレを使えても不思議じゃないでしょう?」

「……正気か? そんな付け焼刃、むりやり外付けしたHDのようなものでしかない! 規格の合わないシステムを無理やり接続したところで、双方が壊れるだけだ!」

「馬鹿なことしてるって思うでしょ? けどね、今は思い出すこともできなくなった誰かに、こんなことを言われた気がするのよね。――『馬鹿なことでも、どこまでも貫き通せば奇跡になる』ってね。だから私も」

 

拳を握る。母から託された信念は妹に委ね、姉妹の絆を力に変えるためにコレを借り受けた。想いと覚悟を拳に込めて、今、最後の一撃を撃ち放つ!

 

「馬鹿を貫き通して奇跡を掴み取る! 『振動ォ――爆砕』ッ!!」

 

原子を振動させることで対象の原子結合を分断・破砕する『振動爆砕』。

腹部へ着弾した瞬間に開放された破壊のエネルギーに全身を蹂躙され、チンクの意識が一瞬で暗転する。

 

――次は……負けんぞ。ギンガ・ナカジマ。

 

敗北を喫しながらもどこか満足げな笑みを浮かべつつ、チンクは冷たい地面に崩れ落ちていった。

 

 

――◇◆◇――

 

 

「――どういうことだ?」

 

インペリアルワイバーンと共に教会へ舞い戻ったダークネスは、執務室に足を踏み入れた瞬間、困惑の呟きを零した。

そこに在るのは、足元に広がる鮮血の海に横たわったカリムとローラの亡骸。

苦悶と後悔に満ちた死に顔は痛々しさと悲痛感に満ち溢れており、凄惨な惨状と相まって常人ならば目を背けたくなるような光景がそこに在った。

 

「No.“ⅩⅢ” カリム・グラシア……倒されたのか。だが、一体誰に……?」

 

彼女たちと相対する可能性があるとすれば、参加者である雪菜か宗助のどちらかと考えるのが自然だ。

しかし、機動六課メンバーであり、同族殺しに賛同していない彼らがカリムを直接打倒する可能性は低い。

なにより、人外の因子が更なる高まりをみせている彼の嗅覚が、この場に残された“夜天”の魔力香を感じとっていた。

当人の気配すら感じさせる濃密な魔力香が部屋の中に染みついているということは戦闘行為を行ったと言うこと。

つまり、はやてとヴォルケンリッターの誰かかカリムたちと戦い、勝利したと予測できる。

 

「甘ちゃんであり不殺を信条とする管理局なら、カリム・グラシア共を生かしたまま捕縛するはず。だが、現にこいつらが亡骸を晒しているのもまた事実、か」

《お館様。少々、おかしくはありませぬか》

「おかしい、だと?」

《はい。何故、小娘の亡骸が実体を保っているのでしょうか? 敗退者の肉体は魔力粒子(エーテル)へと変換され、境界世界へ還元されるはずでは》

 

ダークネスと視界同調(リンク)することで状況を把握したインペリアルワイバーンが、己の気づいた不自然な点を進言してきた。

 

「それは……こいつが人間としての肉体を持っていたからじゃあないのか? 魂は《神》に連なる者だとしても、この世界の物質として存在しているカリム・グラシアと言う『人間』は亡骸を残しても不思議ではないと思うんだが」

《否。例え人の肉体を有していようと、“因子(ジーン)”という《神》の力の断片が引き抜かれてしまえば、その瞬間に放出されるエネルギーで原型を留めぬほどのダメージを受けてしまうはず。ですが――》

「外傷は皆無、か。確かに、言われてみれば不自然だな」

 

ダークネスが面倒臭そうに頭を掻き毟る。この土壇場でのまさかのイレギュラー発生に、つくづく世界は思い通りにならないと溜息を吐き……。

 

「――まあいい。それよりも、ここで頭を抱えてても意味が無いのは明確。とりあえず、当初の予定通りに動くとしよう」

 

全身に絡みつくような不穏な空気を振り払うように、ダークネスが踵を返して窓の外へ。

閉じていた龍翼を羽ばたかせ、上空で旋回していたインペリアルワイバーンの元へ向かう。

三つの頭部をそれぞれ軽く撫でてやってから巨大な背に飛び移り、戦場と化しているクラナガンを見やる。

 

「往くぞ。やるべきことを成すために」

《……承知》

 

巨大な飛龍の翼が羽ばたいた――瞬間、大気を切り裂く金色の閃光と化して次なる戦場へ向け、飛翔した。

向かうはクラナガン上空に座する古き箱舟“聖王のゆりかご”。

狙うは叡智と狂気を孕む天災なる傀儡師の首。

 

「さあ、ルビー……決着の時だ」

《主……》

 

抑えきれない笑みを漏らす主の熱に触発され、天空の覇者たる暴龍皇までもがこれから起こる命がけの死闘に胸を高鳴らせていた。

その場所で己たちを待ち受ける竜戦士(きょうてき)の鼓動を感じとりながら。

最強に仕える暴龍皇と最凶が生み出した竜戦士。

《神》に仕える者と《神》を滅ぼす者が邂逅する時が、刻一刻と迫っていた。




初戦の姉妹対決はナカジマ姉妹がなんとか勝利。
『好敵手』と書いて『友』と呼ぶ関係になりそうな姉~ズとガチライバルな妹~ズのバトル、楽しく書かせていただきました♪

次回はティアナ&エリオside。花梨嬢やアリシュコンビも出てくる……カモ?


◎おまけ♪
以下、即興で思いついたダークさん&花梨嬢のステータス的なモノ(スパロボ風味)。

●《スペリオルダークネスSR》

○ユニット能力
HP:10800
MP:400
運動性:100
装甲値:1600
照準値:180
移動力:7
機体サイズ:SS
地形適性(空陸海宇):AACB
タイプ:空陸
強化パーツスロット:2

【特殊能力】
・【ミスト・ウォール】
消費MP:5。全属性のダメージを2000軽減。

・『神成るモノ』
気力130以上になると発動。パイロットステータス+10。
特殊能力『HP回復(小)』『MP回復(大)』、一部武装が追加。

・『次元魔力兵装(アルフヘイム)
気力130以上で発動。移動力+1、30%の確率で敵攻撃を完全回避。

・《新世黄金神》
気力150以上で発動。パイロットステータスさらに上昇。補正値は気力に比例。
全武装の最終与ダメージが1.3倍。一部の武装、特殊コマンド『無限の輪廻(メビウス・ウロボロス)』追加。【ミスト・ウォール】が『穢れ無き宮殿(アスガルド)』(消費MP:10。全属性のダメージを3500軽減)に変化。

・『無限の輪廻(メビウス・ウロボロス)
発動後3ターンの間、MPが“∞”となり、最終与ダメージが1.5倍。
全精神コマンドの消費SPが10に。1ステージにつき1回だけ使用可能。
発動終了後、ステージクリアまで精神コマンド使用不可。


【武装性能】

・格闘(格)
攻撃力:3500 消費MP:0 射程1~3 命中:+20% クリティカル:5% 移動後使用可能

・黒炎魔弾(射)
攻撃力:3700 消費MP:10 射程2~5 命中:+0% クリティカル:0% 移動後使用可能

・クライシス・エッジ(射)
攻撃力:4100 消費MP:20 射程1~4 命中:+5% クリティカル:25%

・クライシス・エンド(格)
攻撃力:4300 消費MP:20 射程1~2 命中:+25% クリティカル:25% 移動後使用可能

○『神成るモノ』発動で追加
・『総てを飲み干す世界蛇の凶牙(ヨルムンガルド)』(格射)
攻撃力:5500 消費MP:50 射程2~8 命中:+25% クリティカル:30%

・『世界蛇が願いし蒼き奇跡(オーバーロード・ヨルムンガルド)』(格射)
攻撃力:6800 消費MP:80 射程2~15 命中:+0% クリティカル:30%
サイズ補正無視

○《新世黄金神》発動で追加
・『黙示録が語りし災厄(アポカリプス・ブレイザー)』(射)
MAP兵器 消費MP:200
自身と『スペリオル』と名のつくユニットを除いたステージ上の全ユニットの中からランダムに選ばれた5ユニットに4000の固定ダメージ。

・『希望を司る金色の神蛇皇(リミットブレイク・ヨルムンガルド)』(格射)
攻撃力:10000 消費MP:100 射程1~12 命中:+30% クリティカル:30%
バリア無効、サイズ補正無視。

・『終焉を齎す聖槍(ロンギヌス)』(格)
攻撃力:6000 消費MP:120 射程1 命中:+50% クリティカル:50% 移動後使用可能
相手が《神》である場合、最終与ダメージ3倍。バリア無効、サイズ補正無視。


○パイロットステータス
【パラメータ】
格闘:192
射撃:170
技量:225
防御:186
回避:159
命中:204

地形適性(空陸海宇):AACB

【特殊スキル】
・黄金神の加護(ターン開始時に『スペリオル』と名のつくユニットのHP,MPが5%、精神ポイント10回復)
・底力L9
・カウンターL8
・気力天元突破(気力の上限が無くなる)
・ヒットアンドウェイ
・2回行動

【精神コマンド】
必中、不屈、闘志、熱血、気迫、奇跡

【エースボーナス】
『神成るモノ』、《新世黄金神》のステータス上昇値がアップする。

○味方でなく敵として登場する我らが主人公(爆)。しかも、どっかの冥王さまやメカ忍者もビックリな鬼畜ステでご登場なされるという、まさに外道。
ただし、撃破必須の敵勢力としてではなく、唐突に表れては好き勝手に暴れまくる中立ユニット扱い(プレーヤーにも容赦なく攻撃しかけてくるが)。
味方にするには、友軍であるアリシア、シュテル、ヴィヴィオで説得の後、花梨で戦闘&説得する必要があるというめんどくさい男。
そのかわり、味方になった時は上記ステータスそのまま&エースボーナス取得済みの状態で参戦してくれる。


●《高町 花梨》

○ユニット能力
HP:6800
MP:300
運動性:120
装甲値:1300
照準値:175
移動力:6
機体サイズ:SS
地形適性(空陸海宇):SACD
タイプ:空陸
強化パーツスロット:3

【特殊能力】

・【プロテクションEX】
消費MP:15。全属性のダメージを3000軽減。

・【カートリッジシステム】
MPを完全回復。1ステージ中に6回まで使用可能。

・『神成るモノ』
気力130以上になると発動。パイロットステータス+10。
特殊能力『HP回復(小)』『MP回復(大)』、一部武装が追加。

・『終焉を告げし大いなる冬(フィンブルヴェント)
攻撃命中時、一定確率で発動する即死効果を全部装に付与。
バリアなどでダメージを0に抑えられたとしても、攻撃が『命中』していれば発動する。
能力発動確率は気力に比例(初期気力100を発動基準0%とし、気力150ならば50%の確率で発動するようになる)

【武装性能】
・ストラグルバインド(射)
攻撃力:0 消費MP:10 射程1~5 命中:+0% クリティカル:0%
効果:1ターンの間、行動不可とユニット能力低下を付与。

・格闘(格)
攻撃力:2500 消費MP:0 射程1~3 命中:+25% クリティカル:10% 移動後使用可能

・ルミナスシューター(射)
攻撃力:3100 消費MP:5 射程1~5 命中:+10% クリティカル:5% 移動後使用可能

・ルミナスキャノン(射)
攻撃力:3800 消費MP:20 射程2~6 命中:0% クリティカル:15%

・ルミナスキャノン・サテライトシフト(射)
攻撃力:4500 消費MP:30 射程2~8 命中:+5% クリティカル:25% 

○『神成るモノ』発動で追加
・ルミナスキャノン・ACS(格射)
攻撃力:4700 消費MP:50 射程1~4 命中:+25% クリティカル:50% 移動後使用可能

・アークエンドブレイカー(射)
攻撃力:5200 消費MP:80 射程1~10 命中:+25% クリティカル:35%
バリア貫通、サイズ補正無視


○パイロットステータス
【パラメータ】
格闘:155
射撃:190
技量:203
防御:152
回避:135
命中:195
地形適性(空陸海宇):SACC

【特殊スキル】
・S級空戦魔導師(ユニット、全武装の地形効果『空』を”S”にする)
・天才
・精神耐性
・援護攻撃L2
・援護防御L2
・ヒットアンドウェイ

【精神コマンド】
集中、閃き、努力、狙撃、覚醒、愛

【エースボーナス】
援護防御時の非ダメージ0.7倍、射撃系武装の最終与ダメージ1.3倍。

○主人公ポジ&ヒロイン(?)な戦うパティシエさん。
どれほど強大な敵であろうと『当たれば終わる』鬼畜スキルをお持ちな姉御。
ダークさんとは別方向でぶっ飛んでいたり(戦闘力のダークさん、特殊能力の花梨嬢的な?)。
彼を味方にするためにも、撃退するためにも必要不可欠なお方。
……ただし、NTRではない ← ここ重要。
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