マシュより先に合流したけどマシュより弱いセイバーさん(実質嫁) 作:セイバーさん
「敦盛!」
「敦盛様!」
「何事でございますか?」
信長様と阿国様がほぼ同時に私のところへと訪れられた。
「随分と慌てていらっしゃいますが……どうかなされましたか?」
「どうしたもこうしたもないわ!」
「ええ、ええ! 疾くこちらへ!」
「え、あっ……お二方っ!?」
両の手を掴まれ、訳の分からないままに走り出す。
え、ど、どういうことでしょうかっ!
「"あれ"をするならリーダーはお主でなければならんじゃろうて!」
「そうですよ! 新しきを取り込めど、文化は伝統ありきですから! なればこそ敦盛様じゃなければなりません!」
「話の流れが読めないのですがっ!?」
あれ? 文化? 何が何やらですが。
「見えたの! あれじゃあっ!」
そう、信長様がお見せになったのは……え、何ですあの紙。
「見てくれはともかく中身じゃ中身!」
「ええ、はい。今確認いたしますので……」
ええと、内容は……。
開戦! カルデア天下一舞踏会!
我こそはという踊り子よ集まれ! これなるはカルデア天下一を決める舞踊の祭典!
・出場選手は3人1組を原則とする。
・優勝者には聖杯を贈呈、その他下位にも褒賞あり。
「……はい?」
「わしは常々敦盛と踊りたいと思っておってのう! 機会が無いしだめじゃなーと遠慮しておったところにこれじゃ!」
「まあ、それはありがたいことなのですが、はい」
「私も敦盛様と共演してみとうございまして! 信長公と話し合った結果敦盛様とチームを組むのが良いと!」
「ああ、なるほど」
……あの、申してくださればいつでもご一緒したのですが。
「そういうことであれば、ご一緒しますが。リーダーは私でなくても
「何を言うか! 敦盛無くしてわしら無し!」
「阿国様も同意見の様ですね」
……何かとんでもないことに巻き込まれてしまった気がしますが、これも何かの縁でしょうか。
そういえば、開催場所はどこなのですか。
「場所、は 」
「うぬ? どうかしたのか」
「……あっ」
・開催場所は1190年
「……これは、これは」
偶然か必然なのか分かりませんが、中々因縁深い場所を選ばれるものですね、主催者の方は。
「分かりました、リーダーの件は後々また話し合いをさせて頂きたいですが……参加致します」
縁深い地で、敦盛を踊ると言うのは中々皮肉めいた所業でございますが、そうすれば主に聖杯をもたらせられる様ですし。
「ああ、主にも報告を……」
「それは無理みたいじゃぞ?」
「え?」
「ほれ」
・くれぐれもマスターにはご内密に!
「この1文で胡散臭さが増しましたね」
「まあまあ、この手の催しが胡散臭いのはいつものことでございますよ」
「「そーれーよーりー」」
「?」
「晴れ舞台で踊るとなれば相応の衣装が必要じゃの?」
「ええ、そうでございましょう!」
「……!?」
……ふえあっ!?
「わ、私にはこの衣装がございま 」
「それじゃあダメですよっ!」
「いつも同じじゃろうがお主!」
「かねてより敦盛様に関してはよくクレーン様やハベトロット様方が苦情を呈しておりますから、
「新しい衣装に身を包み、心機一転して優勝を目指しましょう!」
「な、な……!?」
この敦盛、今は逃げねばならない気がしておりますっ!
「っ!」
「あっ逃げるでない!」
「斬ザブロー!」
「ザンッ!」
……抵抗虚しく、衣装を拵えることと相成りました。
せめても、主に見られぬことは幸いでありましたか。