機動戦艦ナデシコ Lily of the valley   作:勿忘草

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二話 「青い地球」を守るため

連合軍秘密地下ドッグにてナデシコの出港が報告された連合軍司令部より、通信ウィンドウが開き連合宇宙軍第三艦隊提督、ミスマル提督へ指令が通達される

 

「この非常時に民間用戦艦だと、いったいネルガルは何を考えている!」

 

「あの威力を見た以上戦艦ナデシコを放置するわけにはいかん」

 

「あの船の艦長は君の娘だそうだな」

 

「もしナデシコの艦長が連合軍への参加を望むなら受け入れよう」

 

【ブツッ】、一方的な通信が切られたあとしばらく無音が続いた…

 

「ミスマル提督」

 

部下からの言葉でミスマル提督は指示を飛ばす

 

「直ちに発進準備、機動戦艦ナデシコを拿捕する」

 

軍が民間人を戦闘に参加させろという命令を下した場合大変よろしくない事態となる、詰まるところこの茶番は、娘を説得して連合軍と共に戦うように向こうからお願いした事にしろという遠回しな命令であった

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

一方その頃、場所は変わりナデシコ艦内:格納庫

 

「それで、俺はどうなるんですか?」

 

エステバリスを格納庫に戻し終え、機体から降りた後すぐに、戦闘指揮担当:ゴート・ホーリーに呼び出された、その巨体ゆえ見られるだけでも威圧感がある人物の目の前に立たされているアキトは質問をした

 

「勝手にエステバリスを動かした件を始め問題は多くあるが、そもそも我々は軍人ではないので罰則などはない、民間であるがゆえに被害が出た場合に対しては賠償金などの請求になるが今回の件に関しては特に損害もあったわけではないためあえてそのことを咎める事はないが、だが現在のナデシコが人手不足なのは否めないので一先ず臨時パイロットとして待機してくれ、コックより給料は上がる」

 

「分かりました、コックとして働いている時に招集がかかったら臨時パイロットの方を優先するという事ですよね」

 

「そうだ、料理長のホウメイ氏には後で話を通しておく、その場合今から渡すこのパイロットのマニュアルの方に従って行動してくれ、目録に目印を付けて置いた部分はパイロットとしての行動マニュアル部分になるので後で時間がある時に必ず読んでおいてほしい、連絡は以上になる」

 

「なんだよテンカワ、パイロットだぞ!もっと喜べよ、ただし俺の見せ場は奪うなよ、あくまでもお前はサポートだからな!」

 

「ああ、俺はパイロットよりコックの方が好きだからな、じゃあ部屋に戻るよ」

 

その後、部屋に戻り着替えているとルリちゃんから量子通信で連絡が入った

 

(お疲れ様でしたアキトさん、ユリカさんがソワソワしていますので部屋まで押しかけるかもしれません、艦長のIDはマスターキーの役割があるため、全ての部屋を開けられるようになっていますが私なら止める事が出来ます、どうされますか?)

 

(ありがとうルリちゃん、でも流石に開かないと不自然だしそのままでいいよ)

 

(分かりました、私の部屋にはロックが掛けてありますがアキトさんのIDなら何時でも入れるようにしていますので、これからは何かあればいつでも一時的な避難場所として使って下さい)

 

ルリちゃんが合間合間でサポートしてくれて助かるけど順調に外堀が埋められている気がする、今となっては子供だからとその手を振りほどく気は無いし、ルリちゃんもいずれ狙われるのは分かっている、過去…いや未来の出来事か、その辺を含めてボソンジャンプの実験機のデータや戦艦の運用データを協力する変わりにアカツキを通じてネルガルにルリちゃん護衛を頼んだのだ、結局俺がモルモットになっている間だけの話だったが、その辺りの事を含めてスノーフレークさんは俺に過剰な力を与えてくれたのだろう、考えを巡らせている間、少し急いで着替え終わると部屋をノックする音がした、恐らくユリカだろう

 

「はーい、今開けますよ」

 

しかし、ドアを開けようとした瞬間外からドアが開けられた、少しくらい待てよ

 

「そっか、私艦長だからドアの鍵開けられたんだっだ、わあぁ、本当にアキトだ、本物のアキトだ、良かったアキトにまた会えて」

 

「本物ってなんだよ、俺の偽物でも居たのか?、まあ取り合えず話したい事があるだろうし中で話すか、お茶くらい出すぞ」

 

そう言って部屋の中心に座布団を敷いてお茶を準備してユリカの前に出した

 

「それで、何の話なんだ、もうすぐ艦内食堂のシフトが入ってるから今はあまり長くは話せないぞ」

 

そう言うとユリカはしばらくの間、お茶の水面と俺の顔を交互に見て口を開いた

 

「私、火星から地球に引っ越した後に何度も連絡取ろうとしたの、そしたらお父様がテンカワの家は火星で全員亡くなったって、でもアキト無事だった、地球にはいつ来たの?」

 

「その話か、ちょっと難しい大人の話になるが説明はしといてやる、お前を空港まで見送った後に俺の両親は『事故で亡くなった事』にされてな、実際は殺されたんだが公式な記録は事故になっている、その後俺は親戚に引き取られてな、キッチン辰っていう料理店だったんだけどそこで手伝いをして過ごしていたんだ、だから調べようと思えば俺はユートピアコロニーの集合住宅に住んでいた事は分かったはずだ、でもお前のお父さんであるミスマル提督は全員亡くなった事にした、意味は分かるな?」

 

「えっ何それ、私お父様から何も聞いてない」

 

「あまり深入りはするなよ、死ぬことになるかもしれないからな、じゃあ俺は艦内食堂に行くからな」

 

そう言って俺はユリカを部屋に置き去りにして移動した、ここまで言っても恐らくユリカには意味が伝わらないだろう、だがケジメとして言っておかないといけない、これで成長してくれれば後が楽なんだけどな

 

「ええ、『死ぬことになるぞ』ってちょっとハードボイルドでカッコイイ!」

 

遠くから聞こえる声に諦める気持ちでいっぱいになり溜息を吐いた、まあユリカだからしょうがないか

 

それから食堂に到着してホウメイさんと後にホウメイガールズと呼ばれる5人組の人達に挨拶する、

 

「テンカワ・アキトです、よろしくお願いします」

 

「うん、やっぱり男手があると力仕事で頼りになるね、地下のドックに居た時の調理も見てたが料理の基礎もちゃんと出来てるよ、コレなら簡単な料理は任せる事が出来そうだね」

 

「本当ですか、ありがとうございます」

 

ホウメイさんから料理の許可が出るのは二度目だがコックとして認められるのはいつだって嬉しいものだ

 

「おっと、一応言っておくが私が味見をして合格を出してからだからね、見てる範囲だと大丈夫そうだが、ちゃーんと私の舌で確認してからの話だ」

 

昔もこのナデシコ食堂でホウメイさんには料理を教えて貰っていた、地球圏を離脱するまではアレコレと忙しいがそれが過ぎると時間が出来る、前はその時に自販機で販売しているジャンクフードばかり食べていたルリちゃんを見てコックとして悲しくなってしまい、食堂に誘って自分の料理の練習だからと味見という名目で色々食べて貰っていた記憶がある、せっかくだから今回も同じように誘い、それまでに作れる料理を増やしておこう、ホウメイさんからせっかくだからデザートも作れたほうがいいからと教えて貰っていたがあまり練習出来ていなかったからなぁ、今回は色々な手段で稼いだ金があるので自分で材料を買って色々作ることが出来る

 

それからシフトに入り食堂で仕事をしていると艦内へ全体放送が始まった、各部屋に大きな空中ウィンドウが開き通信士のメグミちゃんが表示された

 

「皆さん、重大発表がありますので聞いてください」

 

その後ネルガルの社員であるプロスペクターさんがモニターに映る

 

「今までナデシコの目的地を明らかにしていなかったのは妨害者の目を欺く必要があった為です、ネルガルがわざわざ独自に戦艦を建造した理由は別にあります、以後ナデシコはスキャパレリプロジェクトの一端を担い軍とは別行動をとります」

 

そう、全てはこのスキャパレリプロジェクトから始まったんだ、だが結論から言えば失敗してしまった、そもそもこの後ネルガルと連合軍内部にスパイが居るのがほぼ確定してしまう事件が起きる、前の俺はこの民間用戦艦であるナデシコの事を知らなかったくせに連合軍が事前に準備して接収しようとしていたことを不審に感じるべきたったのだ

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

場所は変わりブリッジではプロスペクターさんから話を引き継ぎ、スキャパレリプロジェクトの続きがフクベ提督に引き継がれモニターが切り替わる

 

「我々の目的地は火星だ!」

 

それに連合軍の軍人であるアオイ・ジュンは反発した

 

「では現在浸略されている地球は見過ごすというのですか!」

 

それにプロスさんは答える

 

「多くの地球人が火星と月に植民していたというのに連合軍はそれらを見捨てて地球にのみ防衛線を引きました、火星に残された人と資源はどうなったのでしょう」

 

そうですね、そもそも連合軍は初めから火星は見捨てる気でした、初戦のはずが撤退戦になっており恐らく裏取引があったのでしょう、企業の人は真っ先に脱出していた様子でしたし

 

「地下シェルターに生き残っている人が居たらいいですね」

 

「その状況すら分かっていません、しかし確かめる価値は…」

 

「無いわねそんな事」

 

そういって通話に割り込むムネタケ提督、そして銃で武装した連合軍の人がブリッジやエステバリスの格納庫、おまけに食堂にまで押しかけていた、ただ人数は各場所に2~3人と少ない、それを理解している元軍務経験があるゴートは落ち着いた口調でムネタケに反論する

 

「その人数で何が出来る」

 

「フクベ提督、この艦を頂くわ」

 

「血迷ったかムネタケ!」

 

珍しくブリッジにいた山田さんはムネタケを指差しながら答える、ゲキガンガーが大好きなこの人は暇があれば部屋でいつもゲキガンガーを見てますからね

 

「分かったぞ、てめぇら木星のスパイだな!」

 

よく考えると半分は当たってるんですよね、既にネルガルと連合軍で相転移エンジンを搭載した艦やエステバリスの販売は決まっていて秘密裏に合意していました、ただしネルガルは連合軍に対する優位性を保持するためこの最新鋭であるナデシコ級の艦は最後まで販売はしません、つまりこの事件はすでに連合軍に入り込んでいたクリムゾングループや反ネルガル企業側のスパイが仕掛けた事です、そしてその企業はすでに木星人と裏で手を取っています、ただし現場のムネタケ提督やその部下はそのことを知りませんが

 

「勘違いしないで、ほら来たわよ」

 

海上を進んでいたナデシコの前に海中から連合軍の戦艦トビウメが浮上してきた

 

「こちらは連合宇宙軍第三艦隊提督ミスマルである」

 

ユリカさんのお父さんですね、流石に格式が高い家であるミスマル家なのでこの人は大人の話が出来ます、ただユリカさんはそんな家で父親の手で箱入り娘として育てられた為か天然娘に育っていますが

 

「お父様これはどういうことですの」

 

「「「「お父様!?」」」」

 

「おお、ユリカ元気だったか?、これも任務だ許しておくれ、パパも辛いんだよ」

 

そういう事です、これが正式な任務として発令されている以上ナデシコを拿捕するためにムネタケ提督の乱入やユリカさんを艦長としてナデシコに送る事は前々から連合軍内では計画されていました、まだ未知の戦力である民間用の戦艦であるナデシコの為だけにです、これはネルガルグループ内でも派閥が分かれており社長派と会長派として中が悪いせいですね、結局グループの中核を成すネルガル重工が火星の遺跡から得た技術を独占しているためネルガル内でも足の引っ張り合いをする人達がいます、このナデシコについて漏らした人がネルガルの内部にいたのでしょう、会長にはある程度の事情は分かるように匿名で証拠資料を送っているので何とかして欲しいものです

 

「困りましたなぁ、連合軍との話し合いは既に済んでいるはずですよ、『ナデシコはネルガルが私的に使用する』っと」

 

「我々が欲しいのは今確実に木星蜥蜴どもと戦える兵器だ、それが見す見す民間に渡って使われてしまえば…」

 

「いやぁ~、流石ミスマル提督話が分かりやすい、それでは交渉ですな、そちらへ伺いましょう!」

 

はい、民間が動いて倒してしまうとタダでさえ連合軍内で陸海空の権力を無視するほどに肥大化した連合宇宙軍の権力に傷が入り、そこから内部統制が取れなくなれば瓦解する可能性すらあります、だから最低でもナデシコを拿捕寸前まで追い詰めてネルガルと交渉し相転移エンジンを搭載した木星蜥蜴と戦える戦艦を作らせる事が出来たと流布する、一種のパフォーマンスですね

 

「良かろう、だだしナデシコの作動キーと艦長は当艦が預かる」

 

ここでナデシコと戦わずに行動不能にしたという実績を元に戦艦の値切り交渉などネルガル側に不利な実績を積み重ねて連合軍側の交渉を有利にする、提督としては評価される行動ですね、まあ銃を向けられている現状どうやっても一時的には相手の要求を飲むしかないのですが、ユリカさんはコンソールを開閉して作動キーを取り出していますね、金色のキーで生体認証を兼ね備えていますので艦長とネルガルの会長しか抜けないキーです、この辺りの技術も火星の遺跡由来ですねおかげで先端技術の市場はネルガルの独占と言ってもいいでしょう

 

「止めろ艦長」

 

「ユリカ、ミスマル提督が正しい、こんな戦艦を火星にだなんて」

 

「我々は軍人ではない、従う必要は無いんだぞ」

 

反対意見が圧倒的多数の中ミスマル提督がユリカさんに泣き落としを使います

 

「フクベ提督、これ以上生き恥を晒すおつもりですか、ユリカぁぁ、私が間違った事を言ったことは無いだろう」

 

念のために言うべき事は言っておきましょう、駄目だったとしても今回はアキトさんが何とかしてくれます

 

「艦長、近くに休止状態のチューリップがありますが作動キーを抜いて艦を無防備にしていいんですか?」

 

「護衛艦のクロッカスとパンジーが監視しているので心配はない、さぁユリカ」

 

結局ユリカさんはナデシコの作動キーを抜いてしまいました

 

「抜いちゃいました!」

 

「艦長!」

 

「正義が…」

 

「あーあ、エンジンが止まっちゃうわね」

 

「システムが止まっても重力制御は緩やかなので徐々に高度が落ち着水します、墜落はしませんが、これでナデシコは完全に無防備な状態ですね」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

その後交渉の為、プロスさんとユリカさん、ついでにジュンさんがヘリコプターに乗って一緒に戦艦トビウメに向かって出発していきました、私たちクルーは広い食堂に集められてドアに鍵をかけられ閉じ込められてしまいましたね、料理の仕込みをしてるアキトさんを見つけてVサインをするとアキトさんもVサインを返してくれました、今回はチューリップにやられてしまう事になるクロッカスとパンジーを救出する予定です

 

「あれ、ルリルリあのコックさんと知り合いなの?」

 

ミナトさんに見られていたのか質問されてしまいました、この人は大人な方なので少々話しても大丈夫でしょう

 

「はい、エステバリスに乗られていた臨時パイロットのテンカワ・アキトさんです、昔からの知り合いですね」

 

「ふーん、そうなんだぁルリルリもやるわね、彼を見つめている時は顔が変わるから分かりやすいわよ、応援するから頑張ってね」

 

やはりミナトさんにはバレますね、前にナデシコに乗っていた時も感情があまり表に出ない私の表情を読み取られていて色々と手助けをしてもらいお世話になりました、席についてアキトさんの仕込みが終わるのを待っている間に食堂内の雰囲気がちょっと暗くなり徐々に諦めムードになり始めます

 

「自由への夢は一日にして終わるか…」

 

「諦めるな!希望はまだそこにある!」

 

「はいはい」

 

「なんだ、なんだ皆、元気出せよ、よぅし俺がとっておきの元気が出るビデオを見せてやる」

 

そうして熱血漢の山田さんはウリバタケさんに頼んでビデオを再生する準備を始めました、取り出した機械が古い物なのでマルチ規格の変換器を繋げてナデシコのテレビモニターに繋げています、その間にアキトさんの仕込みが終わったようですね

 

「ホウメイさん仕込み、終わりました」

 

「丁度良かったねテンカワ、何か始まるみたいだよ、何かのビデオだってさ」

 

「ああ、多分ゲキガンガーのアニメでしょうね、ガイ、いや山田の奴は暇さえあれば部屋で見ていたので」

 

「へぇ、よく知ってるね」

 

「まあ、臨時パイロットなので…っと、じゃあ行こうかルリちゃん」

 

料理の仕込みが終わったのを確認したルリちゃんが小型の工具を持って近くに来ていた

 

「はい、ビデオの視聴で部屋が薄暗くなりますのでその時に行きましょう、アキトさん肩車をお願いします」

 

「いや脚立を用意して…分かった肩車だね」

 

こちらも事前に工具などちゃんと準備はしていたのだが、ルリちゃんが硬いままの表情で見つめられたので駄目な返事だったようだ

 

「さぁ、見て驚け!ディスクイン!スイッチオン!」

 

ゲキガンガーのOPが流れ出し皆が呆気にとられ驚きとも取れる表情でビデオを見始める、最初の反応は皆そうなるがゲキガンガーは話を見ていくにつれその熱量に押されて最後まで見続けてしまうアニメだ

 

部屋の照明が暗くなったのを見てこちらも行動を開始する、前は一緒にアニメを見ていたが結局行動しなければ何も変わらないのだ、そのまま天井にある換気ダクトの蓋の位置までルリちゃんを肩車して運んでいく

 

「おや、ルリ坊じゃないかこっちでも何かやるのかい」

 

「はい、ちょっとアキトさんと外に出ます、内緒でお願いします」

 

「ふぅん、二人とも雰囲気が変わったね、まるで軍人のようだよ」

 

「ホウメイさんは鋭いですね、私とアキトさんには色々な秘密がありますので…これも内緒でお願いします」

 

「まっ、気を付けて行くんだよ」

 

ルリちゃんが固定してあった金具を取り外して点検口の蓋を外すと天井のダクトに入れるようになった、そのままルリちゃんの足を持ち上げてダクトに入れると俺は用意していた脚立を使い音を立てないようにダクトに入る

 

「蓋は内側からでも閉まるので閉めて行きましょう、目立つのは得策ではないです」

 

「そうだね・・・よし、じゃあ何処から行こうか」

 

ナデシコのダクトは宇宙戦艦という事もあり大人でも何とか通れる大きさになっている、換気による空気の循環が出来なくなると窒息する為だ、特に食堂は人が多く集まり調理で火を使うため大型のダクトが設置されている

 

「上から順番に処理して行きましょう、最後にエステバリスの格納庫へ、そこでムネタケ提督と連合軍の人を空のコンテナに纏めて戦艦トビウメに叩き出しましょう、山田さんがどう動くのか不明なのでアキトさんはその時に帰ってくる予定のユリカさんとプロスさんの護衛をお願いします」

 

「了解、じゃあ進もう」

 

(ピンポンパンポン♪今回のスノーフレークさんの一言、ミスマル提督に木連と通じている連合軍内のスパイの情報を渡すと面白い事になりそうじゃない?以上)

 

うん、偶にこういう風に彼女からの助言が脳内に流れるのに慣れてしまった自分が恐ろしい、どうせこの後ナデシコは火星に出発してしばらくの間地球で何かがあっても対応が出来ない、あの人ならユリカを利用されているのに情報を渡されて調べないはずがないよな、最悪ネルガルやクリムゾングループに渡ったとしても強固だった連合宇宙軍内の権力を訝しむ人が出てくるだろう…やってみるか

 

それからダクトの中を移動して各所最低限の人数で警備している連合軍の人を背後から脳を揺らして昏倒させる、引きずって次の目標へ、ルリちゃんも連合宇宙軍に所属していた事もありある程度の体術は使えるが体が小さい為、フォロー出来る距離を保ち行動する、最後にエステバリスの格納庫の連中を倒して纏めてコンテナに放り込めば終わりだ

 

「フッフッフ、これで私の功績が認められれば艦隊を、もしかしたら専属部隊を任されるかもしれないわね」

 

ムネタケが好き勝手言っているな、この人は連合軍の中では正義感があり父親を見習って真面目に戦ってはいるが成果が伴わず焦って自滅する人だ、残念ながらこの任務はそんな簡単な話ではない、ネルガルが絡んでいる案件なのでミスマル提督のように有利な条件を取り付けたら本来は自由に行動出来るようにしないといけないのだ、これから相転移エンジンを積んだ戦艦を作らせる独占企業を怒らせるような真似を連合軍は求めていない、この騒動はネルガルと連合軍の上層部が企んだマッチポンプのようなものだ、そんなムネタケに背後から近づき答える

 

「残念だが艦隊を持つ提督ともなれば清濁併せ呑む度量が必要だ、正義だけを信じて行動しても全体を見て動かなければ結果は出ないぞ」

 

「誰よ!?」

 

驚いたムネタケ提督はこちらに振り向き銃を構える、訓練は真面目にしているため体が自然と動いたのだろう、だがナノマシンを弄られて強化されたこの体から見れば動きは遅く十分に対応出来る、銃のトリガーを引く瞬間に腕を狙って握っていた銃を蹴り飛ばした

 

『パァン』と一発の銃声が響くがそこには誰もいない、意味は無いはずだがあえてここで一発撃たせる事で俺は無意識にガイが撃たれるという因果を無くしたかったのかもしれない

 

「あんたはコック、どうやって此処に!?ここの入り口を監視していた連中はどうしたのよ!」

 

「ちょっと眠って貰ってるよ、あんたもそうなるけどな、今回連合軍が何を求めているのか考えたほうがいい、ここでナデシコを本当に拿捕して無理矢理連合軍が奪ったとして、この戦艦を作ったネルガルとの関係は最悪になる、既に相転移エンジンを搭載して強化する案が書かれた資料は連合軍にあるんだぞ、この艦は軍内部を納得させるデモンストレーションみたいなものだと思わないか?」

 

この人も父親と同じ立派な軍人を目指すという純粋な心を思っている、ただ世の中はそんな正義だけの思惑で動いていない、少し別の思惑があることを伝えれば後は自分で考えられるだろう

 

「デモンストレーション?…まさか軍は既に」

 

「命令は鹵獲ではなく拿捕だったはずだ、何せ奪ってもオペレーターのルリちゃんや各種人材が居なければこの最新鋭の戦艦は軍じゃ動かせないからな、なら俺たちを攻撃出来ないのは分かるな?今の銃は撃ってはいけなかった、命令違反だぞ」

 

「民間人が何を言っているのよ!」

 

命令違反に意識を持っていかれてるな、冷静になって落ち着いて考えれば…だから真面目過ぎたんだこの人は、虚勢を張って誤魔化して…俺も人のことは言えないけどな

 

「だから言ってるだろ、そもそもこの人数で拿捕は無理なんだよ、おまけにユリカが作動キーを抜いて持って行ったからナデシコは動けない、せっかく俺たちを捕まえてたのにただ待つだけで拿捕出来ていないだろ?」

 

そうしてムネタケにある程度の事情を話しているとルリちゃんが輸送コンテナに連合軍の人を引きずって入れ終わっていた、小さい子が両手で大人を運んでいるのはなかなかの絵面だ

 

「ルリちゃんの方も終わったようだし、あと少ししたらトビウメに運ぶぞ、自分から入るか眠らされて入るか選べ」

 

ムネタケは色々考えていたようだが、俺の物言いに流石にプライドが刺激されたのか叫ぶように喋った

 

「入るわよ、自分で入ればいいんでしょ、それくらい出来るわよ!」

 

「いい、判断だと思うぞ、じゃあルリちゃん食堂にいるガイ達を迎えに行こうか」

 

それからルリちゃんに各扉のロックを解除して貰って食堂まで戻って行った、そしてちょうどその頃、食堂内ではゲキガンガーの視聴が続いていて今のナデシコと似たような状況になっている場面になっていた

 

「だぁー、お前たちこのシチュエーションに燃えるものを感じないのか!、奪われた秘密基地、軍部の陰謀、残された子供たちで事態の打開をはかって鼻を明かしてやろうとは思わねぇのか!」

 

プシュー、食堂の扉が開き皆の視線がこちらに向いた

 

「そうか、ならガイ、英雄(ヒーロー)になってみるか?」

 

ルリちゃんが隣でVサインをして答える

 

「制圧されていたナデシコは取り戻しました、ぶい」

 

全員こちらを見てしばらくの間固まっていたがミナトさんの言葉を皮切りに話が進んだ

 

「わぁ、ルリルリすっごーい、でも危ないから私たちに教えてくれても良かったのに」

 

「テンカワくん、君は軍務経験は無いはずがたが、見たところ動きが明らかに民間人では無いな、やはり火星で軍人だったのか?」

 

「ゴートさん、騙しているようですみません、訓練のような事はやっていましたが本当に軍人ではないんです、俺は本当にコックですし、それは嘘では無いです」

 

色々質問攻めにされようとしていた所でルリちゃんが話題を変えてくれた

 

「皆さん、ナデシコが占領されていた問題は解決しましたが、停止していたはずのチューリップが活動を始めました、このままでは動けないナデシコが被害を受けるため、エステバリスの発進準備をおねがいしたいのですが」

 

「なにぃ!?、よっしゃあ、今度こそ俺様の活躍するシチュエーションだぁ行くぞ博士、ゲキガンガー発進準備だ!」

 

それから各所に人員が分かれ、エステバリスの格納庫まで移動して準備を始めていた、人格はともかく技能だけで雇っているというナデシコではこういう時の動きは早い

 

「テンカワ、あと山田、海の上だから両方空戦フレームに換装してある、空戦フレームはジェットエンジンを積んでいるから飛ぶだけなら30分は飛べる、ただし今回はナデシコの相転移エンジンが止まってるから前と同じように重力波ビームを受けれない、ディストーションフィールドを張ると一気にバッテリーが持っていかれて海に落ちる事になるから注意しろよ!」

 

それから通信士としてメグミさんが発進許可をエステバリス格納庫のオペレータールームから指示をだす

 

「重力カタパルトによる発進が出来ないため、出撃はマニュアル発進でお願いします、それでは山田機発進どうぞ!」

 

「俺の名前はダイゴウジ・ガイだ!それじゃ行くぜ!」

 

「続いて、テンカワ機、発進どうぞ」

 

マニュアル発進、それはエステバリスが人型である利点を生かして行われる発進方法である、通信士のメグミさんとオペレーターのルリちゃんがその事で管制室で話していた

 

「マニュアル発進ってただ走るだけ?」

 

「そう、重力カタパルトが使えないとただの通路にしかならないですからね、マニュアル発進はエステバリス側で出ていく方法で、一応予備電源で出口のハッチは開けてあるのでこちら側で何もしないわけでは無いですよ、予備電源が入らなかった場合もエステバリス側のバッテリーを使って無理矢理開けることが出来ますがその時はナデシコが沈んでいる時でしょうね、それでは艦長が帰ってくることを信じてブリッジで待機ましょう」

 

「ルリちゃんなんか大人っぽいね、子供なのに」

 

「私、乙女です」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

それから発進したテンカワ機、山田機側では

 

「出てきた出てきた、あれが敵のチューリップか、連合軍を助ける事になるが、それはヒーローに必要な事だ、それじゃ行ってくるぜテンカワ!」

 

「ああ、俺もこの連合の人が入ってるコンテナとユリカをナデシコまで護衛したらすぐに加勢するよ、気を付けてな」

 

そしてチューリップが活動を再開して慌てている戦艦トビウメの艦内では

 

「チューリップだと?やつめ生きていたのか」

 

「パンジー及びクロッカスが捕まりましたがナデシコから発進した機動兵器が対処しているため逃れることが出来ました」

 

「そうか、ならば直ぐにナデシコの発進準備を行う、さあユリカ、キーを渡しなさい…あれ?ユリカは何処だ」

 

「ここですわお父様」

 

「ユリカ!?どうしてヘリに」

 

「ナデシコに戻る為ですわ」

 

「そんな、ユリカ、提督に艦を明け渡すんじゃ」

 

「ジュンくん私そんな事言ってないよ?、ただアキトのご両親の件について聞きに来ただけだよ」

 

「交渉も無事に終わりました、以降ナデシコはネルガルが私的に使うという事で、ハイ」

 

「お父様、もう一度お聞きします、アキトのご両親の件についてですわ」

 

そこにアキトがムネタケ提督を乗せたコンテナをヘリポートの隣へ降ろした、

 

「わぁ、アキト来てくれたのね」

 

「結局こうなるのか、ユリカ止めとけって言ったのに」

 

「君がテンカワくんか?たしかに面影があるが・・・」

 

「ユリカ、火星で子供の頃にお前がやった事件は全部俺がやった事になってミスマル家に迷惑をかけたって事になってるからな、まさかミスマル家の長女が大人を困らせる事件を何度も起こしていたなんて言えないだろうが」

 

「何それ、私知らないよ、お父様どういうことですの」

 

「『ドキッ』いや、そのぉ、そんな事もあったような、無かったような」

 

「あのなぁユリカ、仮に俺の両親の死に連合軍が関わっていたとしても、いやむしろそうだった場合は軍に所属しているミスマル提督が何か知っていたとしても言えるわけないだろ、というか嘘でもそんな事を言ったら提督は良くて降格、最悪は情報漏洩で軍からクビになって無職になるぞ、お前親父さんを無職にしたいのかよ」

 

「そんな事思ってない、でもアキトのご両親の死をはっきりさせたくて」

 

ああ、だからスノーフレークさんはユリカは悪意を知らないって言っていたのか、確かに常に前向きなユリカには向こう側の悪意や思惑とか分からないよな、利益を求めて独占してるネルガルやそれに対抗して独占を崩すために工作している企業がある時点で正義なんて虚ろう絵空事だ、ただ連合軍に関しては現場で頑張っているミスマル提督など全てが腐敗しているわけではない、結局どこから見るかの立ち位置で人の見え方は変わるものだ

 

「だから話せるギリギリの範囲で教えて貰ったはずだろう、『事故で亡くなったはず』とか『事故で処理してあった』とかな、それで納得ぜずに白黒ハッキリさせようとするからミスマル提督が困っているだろうが、それ以上は拗れるだけだから止めといたほうがいいぞ、それとミスマル提督、貴方はフクベ提督に感謝こそすれ非難出来る立場ではないはずです、火星を見捨てるのは連合軍内部でも初めから決まっていた事のはずですよ」

 

「何の話だねそれは、私はそんなことは…」

 

ミスマル提督の目の前に投影ウィンドウを出した俺は唇に人差し指を当て、それ以上喋らないように促した後で裏で引き上げる命令をしていたデータを渡した後にウィンドウをすぐに消した、スノーフレークさんに改造された結果ルリちゃん程ではないが簡単なハッキングや簡易的なクラッキングが自分でも出来るようになっている、これは火星の遺跡から得られる技術を独占していたネルガルに対抗するクリムゾングループと反ネルガル企業が連合軍を通じて行った事だ、この頃から既に木星人と通じていた為、その遺跡から得た技術の横流しを得る為にスパイを使って仕掛けられたこと、ただ本来早期撤退する予定だったのにフクベ提督達がギリギリまで粘って戦ったため連合軍の被害が拡大してしまったが、そしてそれによってフクベ提督がチューリップの軌道をずらしたことで木星蜥蜴の計画は大きくずれている、例え軌道が変わってユートピアコロニーに落ちて民間人に被害が出ていたとしても今地球がこの程度で済んでいる理由だ、後でフクベ提督には詳しく話す時が来るだろう

 

「それじゃあ邪魔なムネタケ提督達も返した事だしユリカ、ナデシコに戻るぞ」

 

「アキト、また私を守ってくれるんだね、プロスさんお願いします」

 

「皆さん、下がって、下がって、それではナデシコへ戻ります」

 

ユリカとプロスペクターさんを乗せたヘリがナデシコに向かって飛び始めた、チューリップが無人兵器のバッタを放出してガイのエステバリスと戦っている、ユリカ達の護衛をしているため加勢は出来ないがこちらに来たバッタはラピットライフルを撃って倒していく、そしてようやくヘリがナデシコにたどり着いた

 

「超特急で、お待たせしました!」

 

「お帰りなさい艦長」

 

起動キーを差し込みナデシコを再起動させる

 

「電圧正常、相転移エンジン再起動開始」

 

「システム回復、正常に戻ります」

 

「オール完璧ぃ」

 

復旧したオモイカネからメッセージが表示される

 

たいへんよくできました

 

その頃チューリップが出現した海上では

 

「ゲキガンライフル!」

 

放出されたバッタを倒した後、ガイはチューリップを攻撃していたが大きさが違うため表面を削る程度のダメージしか与えられていなかった

 

「だー、くそぉ火力が足りねぇ、せっかくの俺の見せ場が」

 

「ナデシコが動くまで少し待て、一応作戦はあるが駄目ならナデシコのグラビティブラストで破壊してもらうしかない」

 

ナデシコが再起動したのだろう重力波ビームが届きウィンドウに情報が表示される、もうバッテリーの残量を気にしなくていい

 

「よし、重力波ビームが届いた、持ってきたレールカノンで装甲をある程度粉砕するからガイはゲキガンガーのTVスペシャルで使った技を使え!」

 

「お前ゲキガンガーを見たことあるのか!?ってTVスペシャルっていうと総集編だったあれか!分かった!それじゃあテンカワ行くぜ!」

 

重武装用に積んであったレールカノンをこのために持ってきたのだ、大電力を使うため重力波ビームによる電力供給がないと打てなかったが…一発撃つごとに反動で機体が揺れるがスラスターを使い直ぐに姿勢を戻して弾がなくなるまで打ち込んだ、その後すぐにガイがエステバリスに搭載されたディストーションフィールドの出力を最大にしてガイチューリップに突撃する

 

「行くぜ必殺!『ゲキガンフレアー!』」

 

エステバリスでチューリップに突っ込んでいく山田機、そのままチューリップを貫通して反対側から出てくると大爆発が起き、チューリップの残骸は海中に沈んでいった

 

そしてナデシコのブリッジでは

 

「あれって、ただの体当たりですよね?」

 

「いいんじゃない?、敵は倒したみたいだし」

 

「総員第二種警戒態勢のまま、エステバリス隊は補給を済ませた後にそのまま待機してください、追撃が無ければその後この海域を離脱します」

 

「まあ、連合軍をグラビティブラストで吹っ飛ばす訳にはいかないしねぇ」

 

それから、エステバリス二機は帰投し収容したナデシコはそのまま発進していった、そしてその姿を見送るトビウメでは

 

「提督、追撃は」

 

「追撃?まともに戦って勝ち目は無い、作戦は失敗だ…、このデータは…むっ、そうかナデシコを捕獲する為に…クロッカス及びパンジーと合流後基地へ帰投する」

 

「ユリカ…」

 

そして残されたアオイ・ジュンは連合軍と敵対するユリカの今後を憂えていた

 

その後、戦闘空域を離れたナデシコでは第二種警戒態勢が解除され連合軍にナデシコへ何か工作されていないかのチェックが済んだあと通常通りの運行に戻り部屋に戻ったアキトは休息していた

 

しかしたった二日でこれだけの事が起きるとは思わなかったな、色々な思惑がナデシコに仕掛けられていたという事でもあるんだが、地下ドックを狙われたり戦艦そのものを狙われたりよくやるよ、肉体的に問題ないが流石に精神は疲れたのでシャワーを浴びて今日は早く寝よう、これから各地で残りのナデシコクルーや物資を集めた後で火星に行く予定なのだ、その地球脱出でもひと悶着があるのだが

 

シャワーを浴びてすぐに布団で休もうとすると毛布が膨らんでいるのが見えた、掛け布団を剥ぐとそこにはルリちゃんが寝ていた

 

「ちょっ、どうやってこの部屋に…まさかダクトから」

 

上を見ると部屋の角にあるダクトの蓋が開いていた

 

「はい、各部屋のダクトは狭く大人は通りづらいですが私なら問題無く通れますので、これなら部屋の開閉も記録に残りません、ご存じでしょか?艦長が自分のIDを使ってアキトさんの部屋を開ける度にデータが取られて残っているんですよ、それとお願いがありますこれから一緒に寝てもいいですか?」

 

いや、たしかに昔、というか前は一緒に寝たこともあるけど…

 

「私、ユリカさんと違って寝相はいいので布団から出ることも無かったですよね…駄目ですか?」

 

まあこれくらいの我儘なら可愛いものだろう、言われた通りユリカなんかは艦長の権限を活用して勝手に部屋に入ってくるくらいだ、それにナデシコのオペレーターとして一人部屋で寝るというのも今のルリちゃんには寂しいものだろう

 

「分かった降参するよ、今日は頑張ってくれたからね、ただシフトによって起床の時間がずれるから俺が先に起きたり逆にルリちゃんが早い時があると思う」

 

「大丈夫です、その時はダクトで自分の部屋に戻ります、アキトさんに負担はかけません」

 

この手際の良さはスノーフレークさんかな?、あの人未来でも見ているのかというくらい適切なタイミングで録音が準備してあって流してくるんだよなぁ、今回も騒動が起きる直前にミスマル提督にはハッキングして得た連合軍内部のスパイのデータは送っておいた方がいいって解説もあったし、かといって関係ない録音がたまに流れるので別に完全な予知のようなものでもないはずだが

 

「そっか、じゃあ電気消すよ、お休みルリちゃん」

 

「はい、お休みなさいアキトさん、お疲れ様でした」




ここはTV版だとチューリップに飲み込まれたナデシコがグラビティブラストを発射して撃破するのですが後で分かった設定を考えるとと矛盾していますね、飲み込まれた瞬間消えるはずなので
ちなみにレールカノンは設定資料の重武装フレームに普通に付いてました、劇中ではほとんど登場しなかったので忘れられてると思います、バッタやジョロの高機動な無人兵器相手に使いづらいというのもあったのでしょう
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