魔王と勇者の配信生活 なお魔王は合法ロリ爆乳とする   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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村の施設

 ジルさんの宿屋にて俺とゼフィは食材を見させてもらっていた。

 

「どれも人みたいな顔がついてるんですけど……」

 

「ここではこれが普通よ」

 

 じゃがいも、カブ擬きの根菜類と玉ねぎ擬き、トマト擬きの野菜がテーブルに並べられたが、それらにはムンクの叫びの様な絶望した人の顔みたいに見える。

 

 麦は紫色だし、カボチャはお化けカボチャだし……。

 

「あれ? 野菜ってこんなもんですか?」

 

「今の季節はこんな感じね。他の種類の野菜は季節が違ったり、保存には向かなかったりするわ」

 

「なるほど」

 

 ジルさんの説明で納得し、それぞれの野菜の特徴を聞いていくと、概ね元の野菜と同じ食感だが、味は癖が強くなっている印象を受けた。

 

 特に苦みや酸味が強い食材が多い気がする。

 

「甘みを引き出す調理方法か、味を飛ばしてしまった方が良いか。いや、味を隠すのでもいけるか?」

 

 俺がブツブツ悩んでいると、肉については肉屋があるからそっちに聞いたほうが良いと言われ、とりあえず麦以外の野菜を数個ずつ購入するのだった。

 

 

 

 

 

 

 肉屋に行くと豚の獣人のオヤジさんが出迎えてくれた。

 

 豚鼻で、皮膚の色がピンク、お尻から細い尻尾が出ている。

 

 名前はイノセンタル……イノさんで良いと言ってくれたのでイノさんと呼ぼう。

 

「うちで取り扱っている肉は概ね3種類。一番安いのがピーギーの尻尾肉だ。弾力があるが筋が多く、焼いて食べても美味いが、煮込み料理向きだな」

 

 解体していない実物をカウンター越しに見せてもらう。

 

 肉屋といっても、地球のガラスケースで肉が見えるようになっている感じではなく、肉の部位が書かれた値札が壁に並んでおり、グラム売りという感じである。

 

 なのででっかい秤がカウンターの上に置かれていた。

 

 秤は魔石で動く魔道具で、デジタル計量計みたいに置いたらグラム数が数値として出るタイプである。

 

 ピーギーの尻尾を見せてもらったが、豚にトカゲの尻尾が付いていると前にゼフィが言っていたが、トカゲというよりワニの尻尾に近い。

 

 表面の色も緑色だし……。

 

 次はピーギー本体の肉。

 

 これは普通の豚と同じであるが、ピーギーの尻尾が100グラムで鉄貨1枚なのに、ピーギー本体の肉は100グラム鉄貨5枚と5倍近く値段が違う。

 

「本体は美味いが絞めたら再生する尻尾と違うからな。その分値段は高くなる」

 

 それでも鉄貨で済む当たりだいぶ良心的だと俺は思うけどな。

 

「他にはコカトリスだな」

 

 鶏の体とヘビの尻尾を持つ家畜で、脱走したコカトリスがよく村の中を徘徊している。

 

 脱走しても必死になって村人達が探し回らないので、そんなに貴重な家畜でも無いのだろう。

 

「生きている奴だと1羽銅貨2枚、捌いたので良ければ銅貨1枚と鉄貨8枚だな」

 

 バジリスクは鶏みたいに毎日産卵し、1回で4個から8個の卵を産む。

 

 卵は殻の色がクリーム色なことを除けば、ほぼ鶏の卵と一緒で、卵の値段も4個で鉄貨1枚とお手頃価格。

 

 卵も肉屋で買えるらしい。

 

 あとはモンスターの肉が仕入れたら売っているらしいが、今日はあいにく仕入れてなかったので売られていなかった。

 

「イノさん卵4個、ピーギーの尻尾肉を400グラム買います」

 

「あいよ、鉄貨5枚だ」

 

 俺はお金を支払い、肉と卵を紙で包んでもらう。

 

 とりあえず肉と野菜は手に入れた。

 

「そう言えばゼフィ、パンは何処で手に入れているんだ?」

 

「パンはパン屋が焼いているのじゃ」

 

 パンは別か。

 

 とりあえずパン屋も見ていくか……。

 

 

 

 

 

「ごめんください」

 

「はーい」

 

 ドアを開けるとパンが焼ける匂いのするパン屋……というより工房の様な場所だった。

 

 出てきたのは茶色の給仕服に身を包んだ魔族の女性だ。

 

 黄色と緑色のオッドアイで、頭巾で茶色の髪を隠している。

 

 悪魔の様な尻尾がお尻から伸びていた。

 

「ようバケット」

 

「あら、ゼフィちゃんいらっしゃい」

 

「うむ! 来たのじゃ!」

 

「そちらの方は」

 

 俺の方を向きながらゼフィにバケットというパン屋の娘さんが紹介してほしそうに聞く。

 

「コヤツはマサノブ。吾輩が召喚した異世界の勇者じゃ!」

 

「あら〜異世界の方なのね! 始めまして。私はバケットと言います」

 

「マサノブです。パン屋と聞いてやってきたのですが」

 

「はい、ここでは村の皆さんのパンを毎日焼いているんですよ」

 

 黒パンも焼いているのかと聞くと、値段によってパンの質も変わり、ゼフィがお金をケチって一番安いパンを購入しているだけで、パン屋としても質の悪いパンより、なるべく質の高いパンを食べて欲しいらしい。

 

 質が高ければ高いほど色が薄くなるらしく、黒、深紫色、紫色、薄紫色と変わっていく。

 

 薄紫色のパンだと1斤(食パンを6枚重ねた大きさ)で銅貨5枚にもなってしまうらしい。

 

 その分味の美味しさは保証しますが……と申し訳なさそうに言われた。

 

 ちなみに銅貨1枚だと紫色のフランスパンみたいな細長いパンを2個買えるらしい。

 

 じゃぁ黒パンはいくらなのか聞くと、俺達が朝食で食べている量だと5食分で鉄貨1枚の値段とのこと……安すぎるだろ。

 

「正直パン屋としても、あんなに美味しくないパンは作りたくないので、マサノブさん……どうかゼフィちゃんの財布をしっかり管理してください」

 

 バケットさんが俺の手を握って懇願してくる。

 

 握られた手にバケットさんの胸が少し触れる。

 

 巨乳だから手を胸の前に持ってくると当たってしまうのだ。

 

「任せてください。しっかり管理してみせます。とりあえず銅貨2枚で紫色のパンください」

 

「はい!」

 

 バケットさんは店の奥に行くと、焼きたてと思われる紫色のフランスパンを4個紙袋に入れて持ってきてくれた。

 

「こちらになります」

 

「これからお世話になると思うのでよろしくお願いします」

 

「はい、待ってます!」

 

 とりあえず買うものも買ったので一旦家に戻るのであった。

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