魔王と勇者の配信生活 なお魔王は合法ロリ爆乳とする   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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ピーギーのステーキ、紫パンと野菜のスープ

「ロックさん、討伐対象のゴブリン倒してきました」

 

 俺とゼフィは冒険者ギルドに戻ると、討伐した証のゴブリンの鼻とゴブリンの体内から取り出した魔石を提出した。

 

「は〜い、ゴブリン1匹魔石込みで鉄貨5枚、えっと……30匹だから銅貨15枚ね。ゴブリンの死体の処理はしてきたかしら」

 

「勿論なのじゃ。ちゃんと死体は燃やしておいたぞ」

 

 ゼフィが死体を燃やしていたが、死体の処理を含めて依頼なのか……。

 

 まぁ死体を放置して別のモンスターにたかられたら面倒くさいもんな。

 

「マサノブちゃんはよくわかってないみたいね。死体処理ができる魔法使いはそれだけでも需要があるくらいなのよ。マサノブちゃんもゼフィちゃんに教えてもらって死体を処分する魔法だけでも覚えてみたら?」

 

「忠告ありがとうございます。ロックさん」

 

 ゼフィと別れる気は無いが、確かに覚えておいて損は無いだろう。

 

 特に火力の調節ができれば調理の幅も広がるしな! 

 

「取り分はどうする?」

 

「半々で良いのじゃ」

 

 殆どゼフィが戦ってくれたが、囮役もやったので、お言葉に甘えて俺は報酬の半分である7枚の銅貨を貰う。

 

 ゼフィにも7枚渡して、残りの銅貨1枚で美味しい飯を頂こうということにした。

 

 ロックさんに聞くと酒場としては冒険者ギルドで十分だが、飯が食いたいなら飯屋に行った方が良いと言われ、村の飯屋に向かった。

 

 徒歩3分。

 

 宿屋と兼業している食堂に到着し、ドアを開くと

 

「いらっしゃいませ~」

 

 と、元気の良い茶色のウェイトレス姿の若い魔族の女性が挨拶してくれた。

 

 魔族の娘なだけあって胸の方もボリューミー……背中からコウモリの翼みたいなのを生やし、肌の色も青紫色である。

 

「あらゼフィさんじゃないですか! お金が入ったんですか?」

 

「おう、ジル。飯を食いに来たのじゃ! それと、異世界人のマサノブじゃ。吾輩が召喚した!」

 

「あらあら、マサノブさん大変でしたね。ここは村唯一の宿屋です。昼から夜にかけては飯屋としても開いていますので気軽に来てくださいね」

 

「お金が入ったら使うようにするよ……ちなみに食材とかは何処で買えるんだ?」

 

「食材は基本村人から直接買うか、行商人から買うしかありません。少量で良ければ私の宿屋から購入することもできますので気軽にお声掛けくださいね」

 

 随分とありがたい場所だな。

 

 この世界の食材に慣れていないうちは、ここで料理を食べて研究するのが良いかもしれないな。

 

 4人座れるテーブル席が5席、カウンター席が5席あり、カウンター席からは厨房の様子が見えるようになっている。

 

 テーブル席には先客が2組座っていて、肉料理と紫色のパンぽい何かを食べている。

 

 おそらくパンなのだろうが、色が食欲を唆らない。

 

「こちらがメニューになります」

 

 メニュー表をジルさんから渡され、俺はメニューを眺める。

 

 ·川魚のパイ

 ·ピーギーのステーキ

 ·野菜のスープ

 ·日替わり定食

 ·パンとスープセット

 

 うん、料理のレパートリーが乏しい。

 

 村で収穫できる食材に限られていることを考えるとこんなもんか。

 

 とりあえず俺はピーギーのステーキにパンとスープセットを注文。

 

 ゼフィは日替わり定食を選択。

 

 2人合わせて銅貨1枚と考えると激安な気がする。

 

「お待たせしました! ピーギーのステーキとパン、スープセットに日替わり定食です! ごゆっくり」

 

 食器は木のフォークとスプーンに鉄製のナイフ。

 

 皿は木のプレートである。

 

「陶磁器じゃないんだな」

 

「陶磁器は高いからのぉ〜町の飯屋ならまだしも村クラスであれば陶磁の器は出てこんぞ」

 

「なるほどな」

 

 ゼフィの補足説明に納得しながら料理を食べてみることにする。

 

 ちなみにゼフィの日替わり定食はパンとスープは一緒で、メインが紫色をしたグラタンっぽい何かである。

 

 スプーンで掬うとどろっとした液体がこぼれ落ちる。

 

 見た目は酷いが、匂いは比較的良く、食べ物として体が一応認識してくれている。

 

 俺の飯であるピーギーのステーキの方は……なんというか……巨大な尻尾を輪切りにした様な円形のステーキで、筋が緑色や青色をしていて、全体的に焦げ茶色である。

 

「ゼフィ、ピーギーってどんなモンスターなの?」

 

「ピーギーは家畜じゃな。豚にトカゲのような尻尾が付いた家畜で、驚くと尻尾が千切れるんじゃ。ピーギーが元気じゃと数日で尻尾は再生してまた食べられるようになるのじゃ。農村だと安定供給できる貴重な肉じゃな」

 

「なるほど」

 

 ナイフで切ってみると、茶色く粘っとした液体がこぼれ落ちる。

 

 肉汁と言えば聞こえは良いが、粘っと糸を引くのはこれ腐ってるんじゃないかと一瞬考えてしまう。

 

 匂いは良いんだ……匂いは。

 

 恐らくハーブ系の薬草を匂い消しに使っている為か、肉の香りとハーブの香りが混ざって爽やかな香りがする。

 

 食わず嫌いもいけないので、一口食べてみる。

 

「ふーん……思ったよりも悪くはない」

 

「じゃろー」

 

 味としては馬刺しに近い。

 

 あれを焼いて食べたらこんな味だろうと言う感じて、生姜醤油もしくはわさび醤油があれば味がより引き締まって美味しくなるだろう。

 

 ただステーキにしては筋っぽいので、じっくり煮込んでカレーにしたり、赤ワインで煮込んでも美味しそうである。

 

「悪くないだけに惜しいな」

 

 調理方法次第ではこの肉大きく化けるな。

 

 それだけポテンシャルを感じる。

 

 続いて抹茶色で野菜がゴロゴロ入ったスープを飲んでいく。

 

「野菜同士が喧嘩してる感じが強いな。調味料は塩か? 岩塩っぽいな。海から作られた塩ではない。それに隠し味は酒が入ってるのか? うーん」

 

 とりあえず紫色のパンを千切って、スープに浸けて食べてみる。

 

「ふーん、なるほど」

 

 なるほどなるほど、紫色のパンは少し雑味が強いけど、喧嘩しているスープに浸けて食べることで雑味がアクセントになって中和してくれるのか。

 

 ゴロゴロの野菜はそれを具にパンと一緒に食べると野菜の味で味変になるな。

 

 悪くない。

 

 いや、普通に良い。

 

 単品同士では食いたくは無いけど合わせたら普通に食べられる料理になるとは……。

 

「考えさせられるな」

 

「マサノブ、何か思いついたようじゃな?」

 

 ゼフィはペロリと完食していて、俺が食べ終わるのを待っている。

 

「ゼフィ的にはこの料理の美味さはどうだ?」

 

「美味いと思うぞ。特にここのスープは絶品じゃ」

 

「パンに浸けなくてもか?」

 

「うむ! こんなに味の効いた料理はなかなか無いぞ」

 

 味音痴というわけではないな。

 

 ゼフィに食わせてみないと分からないが、地球の料理の方がレベルは高いと断言できる。

 

 恐らく調味料に関しては隔絶したレベル差があるが、食材単品で見ると、地球の食材に負けないポテンシャルを持っている。

 

「こりゃ想像以上に料理動画……面白いかもしれねぇなぁ」

 

 とりあえず地球の料理が口に合わない可能性も十分考えられる。

 

 今日のゼフィとのゴブリン退治で投げ銭をしてくれた人が居たから2000円ほどお金はある。

 

 ネット通販の値段と見比べながらになるが……料理作ってみるか!

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