魔王と勇者の配信生活 なお魔王は合法ロリ爆乳とする 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
ゼフィの家に戻った俺はゼフィが魔導書を読んで勉強する傍ら、ネット通販のサイトを覗いたり、動画のコメントを読んだりしていた。
「ふむ、やっぱりゼフィを全面に出したのがよかったな」
転生者達が動画を撮影するのは転移者、転生者達と繋がっている異世界ネットには溢れかえっている。
独自性を出すとしたら異種族かつ現地民の起用という俺の考えは当たっていた。
それに格好良くゴブリンを魔法で倒すだけでも画になり、動画が映える。
あとはプロデューサー側の俺がゼフィという極上の素材を活かせるか……腕の見せ所だ。
銅貨を手の中で転がしながら、動画のコメントを見ていく。
〈おっぱい〉
これが一番多い。
ゼフィが巨乳であることは映像で分かっているが、ゼフィが言った魔族は皆これぐらいの胸があるぞ発言。
冒険者ギルドにたむろしていた女性冒険者達や、飯屋のジルさんも胸がメートル級。
地球のグラビアアイドル顔負けの巨乳爆乳パラダイス。
インタビューと称して異世界の事を聞きながら魔族の特徴を視聴者達に伝えられれば良いだろう。
「方向性としてはゼフィの魔法による格好良さと普段の様子を動画にしつつ、飯テロ方面でやれていけば良いな。その為には飯が合うかどうかか」
他のコメントも見ていく。
〈俺の世界とは別系統の魔法〉
〈洗練された魔法〉
〈ゴブリンの生態がうちと違う〉
〈剥ぎ取り下手くそ〉
魔法についてのコメントとゴブリン等のモンスターについて、あとは俺の剥ぎ取りが下手くそであることを言われた。
そりゃ料理用に加工された肉ならまだしも、人型のモンスターの解体なんか医者じゃないと初っ端から上手くできるわけがない。
解体に関しては動画外で練習していくしか無いだろう。
ゼフィの使う魔法についてのコメントは上々で、ただ単に火の玉を飛ばしたりするのではなく、魔力による光線をぶっ放す方が確かに見栄えは良い。
しかもゼフィは魔法使いをイメージする杖を使っているわけではなく、手のひらに弾丸の元となるキューブを作り、射出していたし、無詠唱。
魔法というよりSFぽいのが受けているのかもしれない。
「動画だけでなくてブログっぽいのも作っておくか」
掲示板のチートを利用して、個人板を作ればブログ擬きを作ることも可能。
動画視聴者にこの世界の料理を知ってもらうために補足としてブログ擬きに誘導して見てもらえば良いか。
「今日食べた料理、隠し撮りしていたから、これのっけるか」
俺はブログ擬きに画像と千文字程度の紹介文章を添える。
「動画2本で総再生数が600、少額の投げ銭……出だしとしては上々か。関連スレは1つもうできているのか……こりゃありがたいな」
動画配信系のチート持ちはそんなに珍しくは無いらしく、100人転生者居たら3人程度は配信関連のチートを持っていることが多いらしい。
なのでざっと動画配信系スレを見たところ、今日配信されているのは数百ってところ。
一番人気のアイドル配信者の再生数が1日100万再生で、累計だと1億再生に到達している動画もある。
「こうして見ると、配信系転移、転生者は再生数が力に直結する場合もあるから過激な動画も多いな」
言っちゃ悪いがエロ系の動画も転がっている。
ただそういう動画は数十万再生で頭打ちになっている傾向がある。
チート持って転生したり転移しているから自分達で異性を捕まえてハーレムや家庭を築いている人が多いからエロ系は需要はあるけど、市場は大きくないと解析している人がレスしていた。
「過度なエロ系は将来の伸びしろを消しかねないか……」
となるとますます料理系で良い気がする。
物々交換でも動画を見てくれている視聴者と食材と何かを交換できれば良いし……。
「さてと、使える金は2000円……まず油は買わないとな」
安くてスーパーでも売っている菜種油を購入。
これは750円で1リットルボトル2本。
続いて調味料を買う。
「塩は調達できるから醤油、癖の強い食材が多いからコンソメキューブ……あとはバターを買っておくか」
これでだいたい2000円である。
購入ボタンを押すとテーブルの上に魔法陣が現れ、段ボールが置かれていた。
中を開けてみると、先程買った調味料が入っていた。
「よしよし、食材は現地の物を使って、調味料は地球の物を活用していこう。さてと油をもう一度中華鍋に馴染ませますか……ゼフィ、もう一度火の玉を生み出してくれ」
俺はゼフィに頼んで火の玉を生み出してもらい、中華鍋を油でコーティングしていくのだった。
またゼフィと抱きつきながら寝て、柔らかい感触に耐えながら朝を迎えると、ゼフィが黒パンを用意してきて食べようと言うが、俺はちょっと待ったとパンを食べようとするゼフィを止める。
「なんじゃ?」
「ゼフィ、これを塗ってから食べてみてくれ」
俺はバターを1欠片ゼフィに渡す。
「なんじゃこれは?」
「バターって言う俺の世界では温かいパンの上に乗せてパンの味を引き立てる調味料だ。少し炙って、バターを溶かしてから食べてみてくれ」
俺はカメラを構えゼフィの様子を撮影する。
ゼフィは首を傾げながら、指先に火を灯すと、ガスバーナーの様に火を噴射してバターを溶かしていく。
黄色い液体が黒いパンの上でジュワッと溶けていき、パンに染み込んでいく。
「これを食べれば良いのか?」
「ああ、パクっといってくれ」
「ふむ……あむ……!?」
パンを囓ったゼフィの顔が変わる。
「うっまぁいのじゃ! 滑らかな乳の様な味わい……ほんのり甘く、それでいて乳の様な風味、それが安い黒パンに美味しさを与えておる! 不味かった黒パンをちゃんと美味しく食べられるパンに引き上げおったのじゃ!」
感動したのか、バターのかかった黒パンを両手で抱え上げて、目をキラキラさせている。
ゼフィに頼んで俺のパンもバターを乗せて炙ってもらい、食べてみると、まだ雑味やえぐみが強いが、バターの甘さと脂による滑らかさが他の味を抑え込み、食べるのも苦痛から、我慢すれば食べられる程度まで引き上げてくれた。
これでもまだ不味いが、最初の1歩としては上出来。
ゼフィは美味しそうにパンを食べていくと、指についたバターも舐めて、ご満悦。
「調味料1つであれだけ不味かった黒パンがこうも変化するとのぉ……マサノブ、これより美味い料理は作れるのか?」
「勿論。任せろ!」
「おお! 期待しておるのじゃ!」
腕をブンブンと上下に振り、体で期待感をゼフィは表す。
その為には食材を集めないといけないな……。
「ゼフィ、今日はどうする?」
「ふむ、マサノブの予定に合わせるぞ」
そう言ってくれたので、俺は昨日ジルさんが少量なら食材を売ってくれると言っていたので、美味しい料理を作るための食材集めに向かおうと提案するのだった。